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私が友人たちとUXデザインについて語るとき、何度もこのような言葉を聞いてきました。
「UXデザイナーはクリエイティブではない」
アーティストやクリエイターと、UXデザイナーの仕事内容は大きく異なります。またエンジニアやディレクターなど、必ずしもクリエイティブではない職種から、UXデザイナーにキャリアを変更する人も少なくありません。
優れたUXデザイナーになるために、クリエイティブである必要はあるのでしょうか。この質問に答えるため、まずはクリエイティビティ(創造性)とは何かを理解していきましょう。
オックスフォード英語辞典によると「クリエイティビティ」は、「とくに芸術作品の制作において、想像力や独創的なアイデアをもちいること」と定義されています。
独創的なアイデアや想像力は、特別な人だけが持っているものではありません。しかし「クリエイティビティ」の定義には、それを「芸術作品の制作」に生かすといった内容も含まれています。
「クリエイティブな仕事」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、画家、音楽家、アートディレクターなどでしょう。では、UXデザイナーはどうでしょうか。
UXデザイナーの役割を客観的に捉えてみましょう。
デザインはビジネスと密接に関係しています。優れたデザインのプロダクトがあれば、新規顧客獲得や既存顧客維持の見込みが大きく向上しますよね。
しかしセールスコンサルタント、カスタマーサクセスマネージャー、プロダクトマネージャーなどがいなければ、事業は成り立ちません。
UXデザインにおける「デザイン」は、問題解決を指します。以下がその具体的な方法です。
- ユーザーのニーズや不満を理解する
- 定量的・定性的なデータを分析し、インサイトを抽出する
- デザインシステムとユーザビリティの原則を適用し、ユーザーが目標を達成できるような体験を作る
またUXデザインにおける「ビジネス」は、以下のような内容を指します。
- ビジネスゴールとビジネス戦略に関するステークホルダーとの整合性をとる
- 成果重視の製品ロードマップに優先順位をつける
- ビジネスインパクトを伝えることでロードマップに影響を与える
ここまでの内容からは、UXデザイナーが毎日想像力を発揮したり、芸術作品を作ったりしているようには思えませんよね。
先述のクリエイティビティの定義として「想像力や独創的なアイデアをもちいること」がありました。
UXデザインには、多くのアイデアがリユースされ、リサイクルされています。最高のデザインがシンプルなアプローチであることも多く、ユーザーは問題の解決策を求めています。かならずしも、革新的なものを求めているわけではありません。
優れたデザインの条件は、ユーザーに意識されないことです。多くのアプリケーションはAppleのヒューマンインターフェイスガイドラインや、Googleのマテリアルデザインといったデザインシステムに従うことで、ユーザーに親しみやすく直感的な体験を提供しています。
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バランス、コントラスト、ホワイトスペースなどのデザイン原則を理解するうえで、アートに関する知識は役に立つでしょう。
しかしUXデザイナーは多くの場合、デザインシステムを使用するため、グラフィックデザイナーのような視覚的な創造性が必要とされる場面はそれほど多くありません。
UXデザイナーが手がける製品やサービスの多くは、ユーザーが目的を果たすためのものであり、芸術作品ではないのです。
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UXデザインにはアーティストのようなクリエイティブスキルは必要ないかもしれませんが、思考やコミュニケーションにおいてクリエイティビティを発揮することはあります。
たとえばデザイン思考ワークショップを開催して意見をまとめたり、ストーリーテリングでステークホルダーを巻き込みながら自分のアイデアを伝えるのも、UXデザイナーの仕事の一部です。
優れたUXデザインの核になるのは、クリエイティブな思考を伴う問題解決能力です。時間、リソース、ビジネス目標などの制約のなかで、既成概念にとらわれない思考が必要とされます。
UXデザイナーは、一般的な意味での「クリエイティブ」な仕事ではありません。UXデザイナーの仕事はビジネス志向でデータドリブンです。ユーザーの問題を解決しながら、財務目標達成を支援しなければいけません。UXデザイナーとしてデザインする体験は、会社の製品やサービスをより多くの顧客に使ってもらうための手段に過ぎないのです。
だからこそ、たとえ自分がクリエイティブだと感じていなくても、UXデザイナーに向いている場合もあります。分析力、共感力、コミュニケーションスキルがあり、自分のデザインが製品戦略にどのような影響を与えるか理解できることが重要です。こうしたスキルを持っているなら、UXデザイナーもキャリアの候補に入れてみましょう。
(執筆:Eric Chung 翻訳:Asuka Nakajima 編集:北村有 提供元:UX Planet)
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