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SNSをガチって食えるようになったフリーランスが、「リアルの場」を重視するようになったワケ

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はじめまして。フリーライターの目次ほたるです。

高校を卒業してすぐに、コネも経験もない絶望的な状態で社会に出てしまった私ですが、今年で無事開業4年目を迎えました。パチパチパチ。

RPGでいうと初期装備すら持っていない私が、なぜフリーライターとして食えているのか?

さまざまな努力をしてきたつもりですが、やっぱり独立当初に「SNSをガチった」ことが、大きな転機になったと思います。

現在では仕事の半分くらいをSNS経由でご依頼いただけるようになった私ですが、とはいえ、最近はあまり「SNSを頑張ろう!」というモードではなくなってきています。

今回は、私がどうやってSNSで伸ばしてきたのか、そして最近あまりSNSに重きを置かなくなっている理由をお伝えします。

目次ほたる
目次ほたる

2000年生まれ、都内在住のフリーライター。家事代行業、スタートアップ企業の経理事務、ライターアシスタントなどを経て、2019年に独立。現在は取材記事やエッセイの執筆を手掛けるほか、「ままならない日々を心地よく耕す」をテーマに発信活動を行う。個人で保護猫の支援活動を行っており、自宅では保護猫たちと同居中。(X:@kosyo0821

ライターになるために、SNSを伸ばすことを決意

そもそも、なぜ私が高校を卒業してすぐにフリーランスになったかというと、高校在学中に家事代行サービスで起業したからです。

当時18歳だった私は、会社を設立したはいいものの、やっぱりうまくいかずに1年足らずで清算。無計画に社会に出てしまったことに呆然としながら、知り合いのツテで出会ったスタートアップ企業で経理事務の仕事をしていました。

経理事務の仕事が嫌いなわけではないけれど、自分に向いているとは思えない。やる気だけはあるのに、スキルも経験もない自分に嫌気がさし、なんとか新たに挑戦できることを探していたわけです。

そんなときに知ったのが、「ライター」という職業でした。ただ、当時の私にライターの仕事に対する具体的なイメージはまったくなし。

昔から読書が好きだったので、「文章を書いて、お金をもらえたら最高じゃん」というくらいのテンションで、ライターを目指すことにしました。今考えると、浅はかすぎて頭痛が……。

ライターを目指すと決めたのはいいものの、コネもなければ、経験もありません。仕方なく、周囲でよく開催されていた「異業種交流会」に参加し、自作の名刺を300枚くらい刷って、配りまくりました。

そこで、運よくプロのライターさんと出会い、アシスタントとして働くことになったのですが、フリーランスとして自分でも仕事を取れるようになりたい。

SNSで多くの人に自分を知ってもらえるきっかけを作れたら、きっと仕事も来るはずだと考え、SNSを伸ばすことを決意しました。

主戦場をX(旧Twitter)に定め、フォロワー1万人を突破

SNSを伸ばすといっても、当時はすでにX(旧Twitter)やInstagram、TikTokなど、さまざま選択肢がありました。

そのなかでも、ライターの仕事と親和性が高いのは、テキストコンテンツを発信するのに特化したXだろうと考え、主戦場をXに定めることに。

もともとオタク気質で、いわゆる「ツイ廃」気味だったので、続けやすいSNSかもしれないとも考えました。発信は長期的に続けていく必要があるものなので、続けやすさは重要です。

ちなみに、Xを伸ばすと決めた当時のフォロワー数は900人前後。なかなか1000人を超えないことに悩んでいた時期でもありました。

しかし、そこから約半年でフォロワー数は、1万人を突破します。当時、話題にできるようなスキルやトピックを何も持っていなかったフリーランス……というか、ほぼフリーターだった私が何をしたのか。試行錯誤をさらっとご紹介します。

ネットに転がっていた無料のSNS運用術を片っ端からまとめて、実践

当時はSNSについて何の知識もなかったので、まずは情報集めから始めました。ありがたいことに、ネット上には無料で知れる「SNS運用術」がたくさんあります。

すべてに再現性があるとは思えなかったので、まずは情報の質より量を重視して集めようと考え、参考になる記事や動画をスプレッドシートにまとめて、自分に合いそうな攻略法を抽出し、実践に移していくことに。

Workship MAGAZINEの、この記事も参考にしていました。

朝昼晩と、1日3投稿を習慣化。フォロワーが「参加しやすい」ツイートを意識。

自分に合いそうなSNS運用術がまとまってきたところで、朝昼晩の投稿を習慣化していきました。

そもそも、SNS側は「ユーザーにたくさん投稿をしてほしい」と考え、アルゴリズム(仕組み)を組んでいるはずなので、まずは継続的に投稿をし続けることが重要だと考えたんです。

▲ふと見返してみたら、3.3万件も投稿していました。怖い

投稿するときに意識していたのは、フォロワーが思わずリプライや引用投稿をしたいと思えるような「参加しやすい」投稿づくり。

SNSのアルゴリズムという観点でも、他のユーザーから反応が多いアカウントは、おのずと優遇されるはずです。

当時はアナリティクスを無料で見ることができたので、それぞれの投稿のインプレッションやエンゲージメントを見て、フォロワーがどんな投稿を求めているのか分析していました。

バズっているツイートをカテゴライズ。自分に合った「SNS構文」を見つける

せっかくなら、フォロワーを増やすために、1つくらい投稿をバズらせたい。そう考えたものの、意図的にバズらせるためには、バズが起こる理由を突き止める必要があります。

そこで、バズっていた投稿を50〜60個くらい集め、投稿のテーマや文字数、文中の漢字とカタカナ、ひらがなの割合など、いくつかの指標に分けて、投稿をカテゴライズしてみました。

すると、「恋愛や仕事、お金の話がテーマとしてバズりやすい」「なるべく140字ギリギリまで書いたほうがいい」など、バズりの法則のようなものがなんとなく見えてくるように。

目次ほたるさんのバズ投稿

自分なりのSNS構文を探求していくうちに、2〜3ヶ月に1回のペースで投稿がバズるようになったんです。そうこうしているうちに、Xのフォロワーはあっという間に1万人を超えました。

仕事の依頼が増加するも、燃え尽きて「SNS疲れ」に……

こうしてフォロワーが増えていくなか、少しずつSNS経由で仕事をもらう機会が増えていきました。

プロのライターのアシスタントを続けながら、徐々に自分の名前でできる仕事が増えていくのは、本当に嬉しかったです。

しかし、その一方で「これ以上SNSに向き合うことに、意味があるのだろうか……?」という違和感を覚えはじめた自分もいました。

SNSでどんなにかっこいいツイートをしていても、自らの実態は単なる「駆け出しライター」です。知識や経験が豊富なわけではないのに、SNSのフォロワーが1万人を超えているだけで、なぜか尊敬されたり、「インフルエンサー」として扱われるように。

SNS上での自分と、本来の自分がかけ離れていく日々に、言いようのない気持ち悪さを感じるようになっていました。

そんなSNS疲れに悩んでいたときに目にしたのが、Workship MAGAZINEで見つけたこの記事だったんです。

フリーランスのかまださんが、SNS運用について語っている記事なのですが、「フォロワーはただの数」「ファンの深度をどれだけ深められるか。“目の数”よりも“動かせる心の数”を意識しています」など、パンチラインの数々に思わず膝を打ちました。

仕事がほしくて、SNSを伸ばしていたけれど、いつのまにかフォロワー数という「数字」ばかりに囚われるようになって、その奥にいる人に向き合うことを忘れてしまっていた。

フリーランスとして発信を続け、仕事をもらうことも大事だけど、改めてSNSより前にある「人間関係」に立ち返らなければと思うようになっていきました。

これからは、SNSで「顔見知り」を増やし、リアルで「仲間」を増やしたい

SNS時代の人間関係について考えを巡らせた結果、私は現在めちゃくちゃ「飲み会」に参加しています。「結局、飲みニケーションかよ」と思いますよね、私もそう思います。

もちろん、SNSを通じて得た繋がりや、学びは大きな財産になっています。でもその一方で、コロナ禍が落ち着きつつある現在、「会って話せる」リアルな繋がりの重要性が増してきているのを実感しています。

SNSは私たちの人間関係をどんどん広げていく「拡張」の機能はあっても、人間関係を深めていく「構築」の機能は持っていない。

そこで、私はSNSで「顔見知り」を増やし、そこからリアルで顔を合わせて話す「仲間」を増やす方向性にシフトしました。やっぱり、食卓を囲んで話すってすごい力を持っているんですよ。1回の食事が、100回の投稿に匹敵する。

だからこそ、これからのSNSの活用法は、ただ「フォロワーを伸ばす」ではなく、「会って話したい」と思える面を見せ、ファンづくりに力を入れる必要がある気がします。

そのために、私は日常的な投稿をするとき、生活や仕事に役立つことよりも、クスッと笑えるほのぼのとしたポストや、思わずツッコミを入れたくなる内容にしています。

「役立つヤツ」は短期的には注目されるけれど、「愛されるヤツ」「面白いヤツ」のほうが、きっと長期的には強いと思うんです。

まだ私自身も挑戦中ですが、SNSを通じて認知を広め、そこからファンを増やし、会って話せて協力し合える「愉快な仲間」を作ることが、これからのSNSとの向き合い方なのではないでしょうか。それが、私の考える現時点での結論です。

そんなわけで、いつでも飲み会やお茶に誘ってください〜〜〜〜!!!

(執筆:目次ほたる 編集:少年B)

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