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プロジェクト管理ツール「Basecamp」CEOに聞いた、成功するSaaS企業の取り組み10個

Basecamp Jason
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BUSINESS

Basecampとは、アメリカ合衆国のシカゴに本社を構えるBasecamp社が提供している、約300万人のユーザーのオンラインプロジェクト管理ツールです。Basecamp社は、1999年に創業されたシカゴ市に本社を置くWebアプリケーションを開発する企業です。

2017年11月28日に同社社長であるジェイソン・フリード氏がツイートした文言が話題に。

出展:Product Breakfast Club

「商品はリリースしてからしか改善できない。商品をリリースする前にいくら磨いたとしても、それは単に制作活動にすぎない。「改善」というのは、リリースしてからのプロセスだから、商品を改善したいのなら、まずはリリースしないといけない」

このツイートが話題になったことをきっかけに、ジェイソン・フリード氏が注目を浴びました。今回は、本人に伺ったサービス開発のプロセス十戒をご紹介します。

Basecampとは?

本題に入る前に、Basecampというサービスがどのようなものなのかご紹介します。

Basecampとは、チーム内チャットやTo Doの共有ができるプロジェクト管理ツールです。日本でいうサイボウズのようなもの。

basecamp

場所を把握しきれないPDFや画像、Googleドキュメントのすべてを一元管理できたり…

file名

To Doリストを体系的に管理できたり…

リスト

機能が豊富で使いやすいと、多くの支持を集めています。

商品開発は想像だけじゃできない!心に刻みたい10のポイント

1. 商品をリリースされないと、改善できる

サービスは幾度ものテストを経てからリリースするのが定石ですが、フリード氏はそれに疑問を投げかけます。

商品をリリースする前に、「ユーザーはこんな風に思うだろう」といくら考えても、それらはただの想像にすぎません。商品をリリースする前はいかなる時も開発中だという認識を持ちましょう。実際に商品に関する影響を及ぼすフィードバックをもらうのは、ユーザーに届いてからです。

2. テスティングが結果への対策にならない

近年、Basecampの開発チームが、長い開発期間を経て、とある機能をリリースしました。開発チームは幾度ものテストをしていたので、満を辞してのリリースのつもりでいましたが、リリースしてからのBasecampユーザーの反応は不評。新機能を気に入らなかったようです。

つまり、機能をテストしてもエンドユーザーの反応は予測できないということ。開発側とユーザー側の視点にはおおきな乖離があるのです。

Basecampの場合はプロジェクト管理ツールなので、未熟な状態で公開しても大きな被害を生み出すことはありません。例えば医療に関するサービスや機械だったら話は別で、命にかかわりかねません。TPOによって、じっくりテストすべきか、テストは必要ないのかを判断してください。

3. 商品開発にかける費用は無駄!

リリース前のテストによって利益をもたらせるケースは少ないです。Basecamp社の場合は、実施しているテストのうち5%は効果を発揮していますが、その残りの95%は時間とコストのかけ損になっています。

一旦リリースしてしまえば、何万人ものBasecampをユーザーがすぐにフィードバックをくれるので、実質費用をかけずにテストできるのです。

4. 開発者は、リアルタイムでブラッシュアップできる

会社が創業された16年前はソフトウェアを改善に多くの手間と時間がかかる作業でした。しかし現在は。ソフトウェアやアプリケーションなどのITに関連している商品であれば、リアルタイムでアップデートできます。何か問題が発生しても、すぐに対策が打てるのです。

5. 考える時間が長いと、本来の目的を見失う

商品をリリースしてから、半年後にアイデアを考え直すのが、リリース前の考え直しよりも遥かにマシです。

商品に関する判断を考え直しすぎると、機能やデザインを実施しかねないようです。最初のコンセプトを疑い、案を新しく導入し始めると、元のアイデアに矛盾することが多くあるためです。

Basecamp社はスピードを重視にしているため、ブランドのリニューアルのような貴重な作業においても、7週間しかかからなかったとのことです。

6. 大手企業のやり方に従わず、自社に有利なやり方を活用する

フリード氏によると、Apple社やNetflix社のような大手企業と自社のプロセスを比較したときに、リソースの差が明らかであることから、良しとされているやり方が自社の文化や商品開発プロセスにマッチしているかどうかを検討すべきだと話します。

Basecamp社では、あえて1ヶ月半しかない開発期間を実施しています。そのため、どんな機能でも、その1ヶ月半の期間中に完成させなければならず、会社の生産性を意識しながらプロセスが行われます。

7. メンバーの時間を大切に扱い、集中力をキープ

フリード氏がは、社員たちがベストを尽くせる環境作りにも熱心。下記のルールを守っています。
  1. 社員は残業をしないこと。1日8時間、1週間40時間、しかも5月〜9月の間に、1週間32時間までです。趣味や睡眠をしっかりと経ることで、翌日も快く勤できるとのことです。
  2. ミーティングを設定せず、社員一人ひとりの時間も独りにさせること。集中を切れると、成果が遅れるためです。
  3. みんなそれぞれのカレンダーは共有しないこと。他の人の義務を管理せず、自分の時間を自分で管理するという考えに基づいています。
結果として、社員はベストを尽くせる環境では、商品にもいい影響を与えています。

8. 判断は早く、なるべく前に進む

Amazon社は、株主が会社の方向性に反対した場合も、キーパーソンが判断を下したら、全員その判断内容にコミットするそうです。フリード氏はそのスタンスを採用。

Basecamp社の全社としても、同じ考えで動いています。そのため、何かに関して議論をしても、「ポイント・パーソン」がいて、その人は最後の判断を下します。

9. メンバーは雇うものではなく、育成するものだ

フリード氏は年に、2〜3人の社員を雇うそう。驚きなのは、離職率の低さです。業界では離職までの勤続期間の平均が1年半ですが、Basecamp社の場合は5年と大健闘。

他社で腕を磨いてきた一流の社員よりも、一流の社員になれるポテンシャルがあるかどうかを重視しています。入社後に教育し、一流のチームを育成させます。

10. 働く環境を整える

フリード氏にBasecamp社の成功理由を問うと、その答えは以外にも組織づくりの話でした。
チームメンバーを増やしすぎないとか、決断を早くするとか、自社らしいやり方で進んでいくというのは、トップに立つ者の意志の強さが肝心です。まずは自分を信じて、無駄に考え続けることをやめましょう。

まとめ

Basecamp社の社長であるジェイソン・フリード氏にサービス開発プロセスに対する考え方を伺いました。現在サービスのユーザーは300万人ほど。今後も伸び続けるBasecamp社に刮目です…!

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