業務委託から正社員登用はアリ?メリット・デメリットと転職成功の流れを解説

業務委託から正社員登用はアリ?メリット・デメリットと転職成功の流れを解説

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フリーランス業務委託として働く自由さは大きな魅力ですが、その一方で「収入が不安定」「将来のキャリアが見えにくい」といった不安を感じる瞬間はありませんか?自由と引き換えに、安定や社会的信用を失うことに悩む人も少なくありません。

この記事では、業務委託から正社員へ移行する際のメリット・デメリット、具体的なステップや注意すべきポイントをわかりやすく解説します。

筆者自身、現役エンジニアとして業務委託と正社員の両方を経験してきました。フリーランスから正社員転職を実際に支援している「Workship CAREER」の知見も交えながら、後悔しないキャリア選択のヒントをお届けします!

水無瀬あずさ
水無瀬あずさ

現役エンジニア兼フリーランスライター。ようやくSwitch2を入手!ずっと抽選に外れていたのですごく嬉しいけど、いきなり5万の出費はなかなか痛い…!(note: @azasaz_a

そもそも「業務委託」とは?正社員との違いを整理しよう

フリーランスや副業という働き方が広がる中で、「業務委託」という選択肢を選ぶ方も少なくありません。ここでは、契約形態ごとの特徴を整理し、キャリア選択の判断材料にしていきましょう。

業務委託契約の特徴

業務委託契約は、企業と個人が「雇用」ではなく「業務の成果」に基づいて取り交わす契約形態です。

その最大の特徴は、時間給や月給ではなく、報酬が成果物や稼働時間に応じた「請負」や「準委任」として支払われる点にあります。労働時間は案件ごとに柔軟に調整できることが多く、働く場所やスタイルの自由度も高いのが魅力です。

私はエンジニア業とライター業の二つを並行して行っていますが、空いた時間を有効に使って計画通りに成果を出せば報酬が得られる業務委託という働き方は、今の自分ととても相性が良いと感じています。副業や複業をしている人にとっても、ライフスタイルに合わせやすい働き方といえるでしょう。

一方で、納期や成果に対する責任はすべて自己に帰属するため、品質管理やスケジュール管理は欠かせません。社会保険や福利厚生は自ら手配する必要があり、安定性に欠ける面もあります。

自由度を活かして複数案件を掛け持ちできる反面、収入や業務環境は自分の努力と交渉力に大きく左右される点を理解しておくことが大切です。

正社員との違い

そもそも「業務委託」とは?正社員との違いを整理しよう

正社員は企業と「雇用契約」を結ぶため、労働基準法に基づいた労働時間・休日・残業規制のもとで働きます。

給与は毎月安定して支給され、社会保険や厚生年金、健康保険、雇用保険といった制度に自動的に加入できる点が大きな安心材料です。さらに賞与や昇給制度、退職金制度、住宅手当など、福利厚生の恩恵を受けられるケースも多く、長期的なキャリア形成を支える仕組みが整っています。

私自身、かつては正社員として働いていましたが、フリーランスとして業務委託を経験したことで「正社員って会社に守られていたんだなあ…」というのを強く実感しました。あの頃は不満ばかり口にして本当にごめん、会社。日本の制度は正社員を手厚く保護する設計になっているのだと、改めて理解した瞬間でしたね。

一方で、正社員は自由度という点で業務委託に比べて制約が大きく、勤務地や勤務時間、仕事内容が企業の裁量に左右されやすいのも実情です。

つまり、正社員は「安定性と手厚い保障」を得られる反面、働き方の自由は限定的。一方の業務委託は「自由度と裁量の大きさ」を得られる代わりに、保障は薄いという、対照的な関係にあるのです。

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業務委託から正社員に切り替えるメリット

業務委託という働き方は自由度が高い一方で、収入や社会的な保障の面で不安があるため、一定の経験を積んだ後に正社員へ切り替える人も少なくありません。ここでは、正社員になることで得られる具体的なメリットを整理していきましょう。

年収や雇用が安定する

業務委託では案件が途切れると収入が不安定になりやすいですが、正社員は毎月の給与が保証され、長期的な雇用も見込めます。景気や案件状況に左右されにくいため、生活設計を立てやすいのが大きなメリットです。

残業代や各種手当も加算されることで、トータルの年収が業務委託時より安定・増加するケースも多く見られます。

昇給・昇格・キャリアアップの機会が広がる

正社員は、社内の人事制度に基づいて昇給や昇格のチャンスが用意されているのもメリット。業務委託では「契約更新」にとどまりがちですが、正社員になることでマネジメント職や専門職など多様なキャリアパスを選択できる可能性が広がります。

教育制度や研修を通じてスキルを体系的に伸ばせるのも魅力で、将来的な市場価値向上にもつながるでしょう。

社会的信用が向上する

正社員として安定した給与所得を得ていると、金融機関や不動産会社からの信用度が大きく高まるのも大きなメリットです。住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードの審査に通りやすくなるだけでなく、賃貸契約においても保証人の要件が緩和される場合があります。

業務委託ではどうしても収入証明が不安定になりがちですが、正社員化によって社会的信用を確立できるでしょう。

福利厚生や休暇制度を利用できる

正社員は健康診断や育児休暇、産前産後休暇、慶弔休暇といった休暇制度を利用できるほか、住宅補助や資格取得支援などの福利厚生を享受できるのも魅力です。業務委託の場合、これらはすべて自己負担・自己管理となるため、手厚いサポートを受けられる正社員の立場は安心感が違います。

特に長期的な働き方を考える際、福利厚生の存在は大きな支えとなるでしょう。

業務委託から正社員に切り替えるデメリット

正社員になることで得られる安定や保障は大きな魅力ですが、その一方で失うものも存在します。ここでは、業務委託から正社員に切り替えた際に伴うデメリットも整理してみましょう。

働き方の自由度が下がる

業務委託では自分の裁量で働く時間や場所を選べるのが魅力ですが、正社員になると会社の規則に従う必要が出てきます。多くの場合、勤務時間は9時から18時などと固定され、勤務地も企業指定のオフィスが中心です。

リモートワークやフレックス制度が普及している企業もありますが、自由度の高さでは業務委託に劣るため、生活スタイルに合わせて働きたい人にとっては大きな制約に感じられる可能性があります。

副業に制限がかかる可能性がある

業務委託の強みは複数の案件を掛け持ちできる点にありますが、正社員化すると副業禁止規定や就業規則の制約を受ける場合があります。副業が認められている場合でも、事前申請や会社への報告が必要となったり、自由に案件を選べないケースもあるでしょう。

特に本業と競合する業務やリソースを分散させる副業は認められにくいため、副業を収入の柱にしていた人にとっては大きなデメリットとなり得ます。

収入がフリーランス時代より下がる場合もある

フリーランスであれば成果や稼働時間に応じて収入を増やせますが、正社員は月給制が一般的で、上限がある程度決まっています。そのため、業務委託で高単価案件を受けていた人にとっては、収入が減少する可能性もあります。

残業代や手当を含めても、自由に収入を伸ばせた業務委託時代に比べて物足りなさを感じるケースがあるため、経済面でのギャップを事前に理解しておくことが重要です。

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業務委託から正社員に切り替える具体的な流れ

業務委託から正社員になる場合、「よし、正社員になろう」と決めただけではスムーズに進みません。ここでは、正社員化を目指す際のステップを順を追って解説します。

業務委託から正社員に切り替える具体的な流れ

1. フリーランス経験を正社員用に言語化する

まず重要なのは、自身のフリーランス経験を正社員向けに整理し、言語化することです。業務委託では「案件ベース」で語りがちですが、正社員採用では「どんなスキルを持ち、企業にどのような価値を提供できるか」を伝える必要があります。

志望動機には「なぜ正社員として働きたいのか」を明確に示し、職務経歴書には関わった案件の役割や成果を具体的に落とし込みましょう。単なる作業の羅列ではなく、「課題解決力」「チームとの協働」「継続的な成長意欲」を意識して表現することで、より説得力を持たせることができます。

私は数年の専業主婦を経て今の会社に復帰したのですが、応募の際に書類を作成する段階でかなり苦労しました。決して無為に過ごしてきたわけではなくても、キャリアの空白期間をどう意義づけて表現するかって、意外と難しいんです。

転職する・しないにかかわらず、定期的に自分のキャリアを見直し、言語化して整理しておくことが大切ですね。

2. 履歴書・職務経歴書を準備する

履歴書や職務経歴書では、フリーランス時代の実績を客観的に評価できるよう数値で示すことがポイントです。たとえば「売上◯%向上」「納期遵守率100%」など、成果を定量化することで、企業側もイメージしやすくなります。

また、制作物や開発案件をまとめたポートフォリオを整理すれば、視覚的にもスキルを証明できます。フリーランスの経験を「散発的な仕事」ではなく「積み重ねられた実績」として提示することで、正社員候補としての信頼感を高められるでしょう。

3. 契約・手続きを進める

正社員化の前段階では、クライアントや企業との間で「条件交渉」や「正社員化の打診」が行われるケースが一般的です。ここで給与、勤務形態、福利厚生などをすり合わせることが、その後のミスマッチを防ぐ重要なポイントとなります。

条件が合意に至れば、雇用契約書の取り交わしや入社手続きへと進みます。社会保険の加入や年金手続きなども企業側で対応してくれるため、業務委託時代よりも負担は軽減されます。

このような交渉から契約、そして手続きまでを、一連の流れとして理解しておくと安心です。

【ケース別】業務委託から正社員で活かせるスキル

業務委託として積んできた経験は正社員としても活かせる場合が多いですが、スキルの見せ方を工夫することが大切です。ここでは職種別に、業務委託経験を正社員採用で強みとして打ち出す方法を整理してみましょう。

エンジニア

業務委託のエンジニアは即戦力としてコードを書く力や開発スピードを評価されますが、正社員ではそれに加えてチーム開発に適応する力が求められます。GitやCI/CDの運用経験、レビュー文化への参加などをアピールすると効果的です。

また、業務委託で複数のプロジェクトを経験していれば、幅広い技術スタックに対応できる柔軟性も強みになります。

★アピールポイント!
☑ 実務で培ったプログラミング力やスピード感の実績
☑ Git運用、コードレビュー、CI/CD導入などチーム開発に貢献した経験
☑ 複数案件で異なる技術スタックを扱った経験と適応力

デザイナー

デザイナーの場合、特にポートフォリオが重要です。ただ単に制作物を並べるのではなく、「デザインによってどんな効果を生んだのか」を示しましょう。「LP改善でCV率◯%向上」といった具合にマーケティングの視点を添えると、企業側も即戦力として捉えやすくなります。

正社員としては社内メンバーとの調整力も求められるため、協働経験も加えて伝えましょう。

★アピールポイント!
☑ ポートフォリオ(制作物とその効果・成果を明示)
☑ CV改善や売上向上など、数値で示せる実績を伴ったデザイン力
☑ クライアントやチームとの調整を通じて培ったコミュニケーション力

ライター・編集者

ライターや編集者は、「何本書いたか」よりも「どんな成果につながったか」を数字で示すと強みになります。記事PV数やSEO順位改善、CV獲得数などを具体的に記載しましょう。

業務委託では単発執筆が中心でも、正社員では編集会議やディレクションも任されるため、社内外の関係者と調整して成果を出した経験を伝えると高評価につながります。

★アピールポイント!
☑ PV数・SEO順位・CV数などの具体的な実績
☑ 社内外の関係者と連携し、編集・調整力で成果を出した経験
☑ 幅広いテーマやメディアに対応してきた適応力

マーケター

マーケターは、業務委託での「KPIの改善実績」を具体的に提示することが効果的です。正社員としては長期的なブランド戦略や部署横断の施策推進も求められるため、データ分析力や戦略設計の経験を盛り込むと、信頼性が増します。

単発のキャンペーン成果だけでなく、「継続的に成果を伸ばし続けたプロセス」を語れると、即戦力として高く評価されやすいでしょう。

★アピールポイント!
☑ CVR改善、リード獲得数増加などのKPI達成実績
☑ ツール活用やABテストを通じたデータ分析力と改善経験
☑ 短期施策にとどまらず、中長期的なブランド戦略を設計・実行してきた実績

マネージャー/ディレクター

プロジェクトを推進してきた経験は、正社員としてのディレクターやマネージャー職に直結します。業務委託ではタスク管理や進行調整が主だった人も、正社員では人材育成や評価などマネジメント領域が加わる点を意識するとよいでしょう。

近年、マネージャー職は人材不足が特に深刻な領域といわれています。そのため、チームをまとめ上げた実績や、成果物を期限内に納品へ導いた経験は大きな強みとなります。単なる進行管理ではなく「人と組織を動かす力」を具体的に示すことが、アピールポイントにつながるでしょう。

★アピールポイント!
☑ 成果物を期限内に納品へ導くプロジェクト推進力
☑ チーム育成や評価を担った人材マネジメント経験
☑ 進行上のトラブルを解決し、成果に結びつける課題解決力

営業・バックオフィス職

営業職やバックオフィス系の職種では、業務委託時代に培った交渉力や柔軟な対応力が活かせます。特にフリーランスはクライアントとの直接交渉を経験しているため、コミュニケーション力や課題解決力を強調しやすいでしょう。

正社員化後は社内外の利害調整が増えるため、その経験を「信頼関係を築く力」として表現すると効果的です。

★アピールポイント!
☑ フリーランス時代に培ったクライアントとの交渉力
☑ 多様な案件や環境に柔軟に対応してきた実績と即応力
☑ 社内外のステークホルダーと円滑な関係を築く信頼構築力

後悔しないためのキャリア選択のポイント

業務委託と正社員、それぞれにメリットとデメリットがあるからこそ、「どちらが正解か」は人によって異なります。ここでは、後悔のないキャリア選択をするために考えておきたいポイントを整理します。

自分が「自由」より「安定」を求めるかを整理する

業務委託は自由度が高い一方で、収入や社会的保障の不安定さがつきまといます。一方、正社員は逆に安定性に優れていますが、勤務時間や勤務地の制約が多く、自由度は限定的です。そのため、まずは自分がどちらをより重視しているのかを整理してみましょう。

たとえば「今は収入が多少不安定でも、スキルの幅を広げたい」という人には業務委託が向いていますし、「生活基盤を安定させたい」「社会的信用を得たい」という人には正社員化が適しています。

長期的にどんなキャリアを築きたいかを逆算する

キャリア選択をする際は、「今」だけでなく、5年後・10年後の自分をイメージすることが大切です。フリーランスで専門性を高め続けるのか、正社員として組織でキャリアを積み上げるのかによって、必要なスキルや経験は大きく異なります。

たとえば、将来的にマネジメントや経営に関わりたいなら、正社員として社内制度や人材育成を学ぶ経験が役立ちます。一方、技術力を武器に独立性を強めたいなら、業務委託の働き方を通じて専門スキルを磨くのも有効です。

長期的なゴールを逆算することで、今の最適な選択肢が見えてきます。

迷ったらキャリアアドバイザーに相談するのも一つの手

キャリア選択は自分一人で悩み続けると、どうしても視野が狭まりがち。そんなときは、転職エージェントやキャリアアドバイザーに相談するのも有効な手段です。

客観的な視点で市場価値を見極めてもらえるだけでなく、業務委託から正社員化への実例や企業の内情を教えてもらえる場合もあります。相談してアドバイスを受けることで、自分では気づけなかった強みやキャリアの可能性が見えてくることも多いです。

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出典:Workship CAREER

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まとめ|自分に合ったキャリアを選び、次の一歩を踏み出そう

業務委託から正社員への切り替えは、今や珍しいことではなく、キャリア形成の一つの選択肢として広く一般化しています。

正社員になることで「収入の安定」「社会的信用」「福利厚生」といったメリットを享受できる一方、働き方の自由度が下がる点は避けられません。そのため、自分にとって何を優先するのかを整理し、メリットとデメリットを理解した上で判断することが大切です。

業務委託で培った経験は、キャリアにおける確かな強みです。しかし正社員採用では、「チームへの適応力」や「長期的に成長していく姿勢」へと結びつけてアピールする必要があります。自分のキャリアの方向性を見極め、次の一歩を自信を持って踏み出しましょう。

「業務委託から正社員へ転換したい」と考えている方、あるいは「フリーランスと正社員、どちらが自分に合っている?」と悩んでいる方は、フリーランス経験者に特化した転職エージェント「Workship CAREER」をぜひ活用してみてください。自由と安定のバランスを取りながら、自分らしい未来を切り拓くための大きな一歩になるはずです。

(執筆:水無瀬あずさ 編集:猫宮しろ)

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