中堅フリーランス24名に聞いた「月商30万円の壁」の乗り越え方とは?

中堅フリーランス24名に聞いた「月商30万円の壁」の乗り越え方とは?

フリーランスになった多くの方が悩むのは、収入が安定しないことです。

とくにフリーランスになりたての頃は、クライアントへの営業方法がわからなかったり、継続案件がなかなか獲得できなかったりと、見通しが立たないことに頭を抱える人が多いでしょう。つい「自分だけがうまくいっていないのでは」と不安になる方もいるかもしれませんが、それは誰もが通る道です。

今回は初心者フリーランスの方に向けて、「月商30万円の壁」をテーマに、収入を安定させるまでの道のりをまとめました。Workship MAGAZINEの編集部が実施したアンケート調査にて、24名の中堅フリーランスの皆さんから寄せられたリアルなノウハウやエピソードを、ケースごとにわかりやすく解説します。

すでに月商30万円を達成したフリーランスの先輩だからこそ語れるエピソードをまとめた本記事が、収入安定を課題とするフリーランスの方々のヒントになれば幸いです。

中堅フリーランスアンケート

▲実施したアンケートでは、24名の方からご協力をいただきました(調査対象:月商目安25万円以上で働くフリーランス/調査期間:2024年10月8日〜10月31日/調査方法:オンライン調査)

宿木雪樹
宿木雪樹

広告系の企画制作会社、教育事業会社での企画職を経て、2017年ライターとして独立。ビジネス領域のインタビュー記事執筆を中心に実績を重ね、2020年株式会社宿木屋を設立。チームで言葉を軸にした企業の発信支援を行う傍ら、個人名義でのコラム執筆や創作活動もしている。(X:@yuki_yadorigi

まずは収入を安定させたい!具体的にどうすれば?

初心者フリーランスの方がまず悩むのは、「収入をどう安定させるか」でしょう。とくに会社で働いてから独立した方だと、毎月給与が支払われる生活とのギャップに大きな不安を感じるはずです。

私自身も、フリーランスになりたての頃は「とにかく生きなければ」と必死に仕事を探していました。そこから収入を安定させるまでの私自身の道のりを振り返った記事は下記になります。気になる方はぜひチェックしてみてください。

ただ、こちらの記事で書いたのはあくまで私個人の道のりです。数々試してきた方法の中から、皆さんに伝えて再現性があると感じるものをノウハウとしてまとめました。そのため、ケースバイケースという観点では、すこし一般的な話が多くなっています。

そこで今回の記事は、より具体的な道のりを、複数の中堅フリーランスから寄せられたエピソードをもとに解説していきます。自分に近しいケースと照らし合わせながら、読み進めてみてください。

ケース別で見る、フリーランスの月商30万円達成のポイント

まずは生活を維持するための収入をどんなふうに安定させてきたのか、中堅フリーランスの皆さんの具体的なケースをもとに考えていきましょう。

1.クラウドソーシングサービスを活用して実績を重ねるケース

「クラウドソーシングサービスを通じて仕事を獲得し、フリーランスのWebライターとして活動し始めました。開始直後の実績は、1週間で3万円でした。」

「フリーランスになってから1年間は、クラウドソーシングとバイトを掛け合わせて10万円程度の収入を得ていました。」

はじめの案件獲得の壁を乗り越えるために、クラウドソーシングサービスを活用したケースが多いようです。まずはゼロからイチを達成し、そこで得られた一つひとつの仕事に向き合っていくことで見えてきた自身の課題や強みは、収入アップの礎になります。

実は私自身も、フリーランスになって約半年間は、クラウドソーシングサービスを利用していました。自分が提供する価値は何なのか、どうすればクライアントから喜んでもらえるのかといった基本的なことは、そこで学べたと思います。

まずは仕事の種がたくさんあるプラットフォームやサービスの力を頼る。これがスタートダッシュを決めるときの効率的な方法かもしれません。

2.キャリアスクールや会社は学びの場。スキルアップして収入につなげるケース

「一度フリーランスとして活動したあと、よりスキルを磨きたいと考えて、パートという形態で約1年間会社に勤務しました。」

「会社員として働きながらキャリアスクールに入会し、基礎知識を学びました。その後、休職期間を設けてスキルを磨き、スクール内で開催されたコンペで入賞したことがきっかけで、より多くの案件を獲得できるようになりました。」

「フリーランスとして働く期間と、正社員や派遣社員として働く期間を交互に経験しながら、徐々に収入を上げていきました。」

収入を安定させるためには、市場で求められる成果物を生み出すためのスキルが必要です。中堅フリーランスの皆さんは、スキルアップが必要だと感じたとき、柔軟に働き方を変えることで自ら成長機会をつくっていることがわかります。

私はこの方法を試したことがなかったので、今回の調査結果を見て「停滞期に入ったら、おもいきって身を置く環境を変えてみればよかったのか!」と、当時悩んでいた自分に教えてあげたい気持ちになりました。

フリーランスになると基本的には一人で働くことになり、自分から求めないかぎりはアドバイスをくれる人もいないため、スキルアップの機会が会社に比べて少なくなります。成果物のクオリティが原因で安定した収入を得られないと感じたときは、スキルを磨ける会社やキャリアスクールといった環境を頼ることもひとつの手段ですね。

3.複数の強みを掛け合わせ、すべてを仕事につなげるケース

「病院の管理栄養士を経て独立し、ライティングのほかレシピ開発、撮影、記事監修などの仕事を幅広く獲得していきました。」

「コラムニスト兼ライターとして活動を始めましたが、その後はディレクターやマーケターとしての企業案件を獲得することに成功し、複数軸の活動を通じて収入を安定させました。」

「ライティングのほか翻訳、リサーチなど、できることを仕事にしてきました。現在はビジネス系専門の編集者となり、月収も安定しています。」

収入が右肩上がりになっている中堅フリーランスの皆さんの特徴は、複数の強みを持っていることです。ひとつの業務にこだわることなく、周辺の業務にも挑戦していくことで、より重要なポジションを獲得していく流れが生まれるのでしょう。

私もライティングを主軸としながら、クライアントのニーズに応じて業務範囲を拡大してきたので、自分の可能性を狭めないほうがいいということは身をもってお伝えできます。

フリーランスの魅力のひとつは、「何を仕事にするか」を自分自身で決められることです。自分はどんな専門性を持っているのか、何が強みなのかを分析しながら、それに合った業務を増やしていくと、安定した収入が実現できるはずです。

実際どうなの?月収30万円達成へのQ&A

中堅フリーランスの皆さんのエピソードをいくつか紹介しましたが、そのほかにも初心者フリーランスの皆さんが気になっていることはあるはずです。なかなか聞けない「実際はどうなのか」という疑問について、Q&A方式でまとめます。

Q1:月商30万円を安定して稼ぐまでには、どれくらいの期間がかかる?

「独立後、半年で月商20万円を達成。その後、より単価が高い領域に軸足を移したタイミングで一時収入が停滞しましたが、挑戦の甲斐あって、半年後には月商50万円を突破しました。」

「専業主婦からフリーランスへ。2年目で月商20万円、3年目で月商30万円を突破しました。」

「未経験からWebライターを目指してフリーランスになり、がむしゃらに頑張って半年で月商20万円を達成しました。月商30万円の壁を乗り越えたのは2年目のことです。」

中堅フリーランスの皆さんの経験談からわかるのは、月商30万円を突破するためには早くとも1年、平均して2年程度かかることです。また、これは職種にもよるかもしれませんが、月商20万円から30万円までの間にある壁が大きく、そこで一定の停滞期に入るケースが多いようでした。

その壁を乗り越えるうえでは、戦略的な営業や地道な実績づくりが効いてきます。あきらめずに年単位のスパンで自身の状況を分析し、案件の条件の見直しや、単価アップにつながる実績づくりに励みましょう。

Q2:扶養を抜けて大丈夫?

「独立して数年間は扶養内で調整していましたが、高単価案件が獲得できず、将来への不安が増したため、おもいきって扶養を抜けました。」

「子育てをしながら扶養範囲内で10年以上フリーランスを続けてきましたが、一念発起して扶養を外れ、1年後には月商25万円程度まで収入を増やせました。」

長年実績を重ねていくと、扶養の範囲内ではキャリアアップや単価アップが難しいと感じるタイミングが来るようです。そこで子育てや生活面との折り合いをつけつつ、覚悟を決めて扶養から外れたという経験談が複数ありました。

扶養を外れるか否かは悩むところだと思いますが、業務に制限がかかることが将来の不安やストレスにつながるようであれば、さらなるステップアップを前向きに検討してみるといいかもしれません。

Q3:月商30万円を達成した先に見えてくるものは?

「独立後4年目、月商50~60万円で安定しています。」

「大きなプロジェクトが入ったときは月商50万円を突破することもありますが、年単位で見ると月商30~40万円の間を行き来しています。」

「独立後5年目までは月商50万円をキープしていましたが、その後は事業を拡大し、12年目の現在は月商110~130万円に至りました。」

月商30万円を達成している中堅フリーランスの皆さんに共通しているのは、その後はさらなる年収アップにも挑戦できていることです。体調不良や家庭の事情などの理由がないかぎりは、大幅な収入ダウンの危機は訪れないことがわかりました。

これは私自身の経験も踏まえてですが、月商30万円を達成できるのは、クライアントに提供する価値が明確になったからこそだと思います。そこまでの道のりは険しいかもしれませんが、その先にはさらなる収入アップが期待できるということは、中堅フリーランスの皆さんの体験談が裏打ちしてくれています。

月商30万円の壁を乗り越えて、安定した生活を手に入れよう

中堅フリーランスの皆さんのキャリアストーリーを月商にフォーカスしてまとめてみると、どのように30万円の壁を乗り越えていけばいいのかが見えてきました。

案件獲得が難しい
→クラウドソーシングサービスなどを活用し、まずは実績づくりから

スキルアップが難しい
→学べる環境に自ら飛び込むことで、収入アップにつながるスキルを習得

収入が安定しない
→複数の強みを持つことで、業務の幅を広げつつ高単価案件を獲得

これらの努力の成果は、1~2年経ってようやく見えてくる傾向があるようです。もしも停滞を感じる期間があったとしても、焦らずに自身の強みを伸ばし、実績をつくることに集中しましょう。

その先には、選択肢が広がってきます。自身の強みを活かしてさらなる収入アップを目指してもよし、扶養を抜けてもよし。そのまま自分が満足できる状態をキープするのもいいでしょう。

これを読んでいる皆さんは、今まさに将来への不安が大きいタイミングでもがいているのかもしれません。今は苦しいかもしれませんが、その先には自分らしい働き方や、ライフスタイルを手に入れられる可能性が広がっています。今回ご紹介したフリーランスの先輩方の経験談をもとに、自分らしいキャリアの道筋を計画してもらえると嬉しいです。

Workship

▲出典:Workship

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(執筆:宿木雪樹 編集:夏野かおる)

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