個人情報流出を「Facebook Container」でコントロールしよう(Firefox向けアドオン)

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Facebookはあなたの全てを知っています。データ分析企業であるCambridge Analyticaは 5千万人のFacebookユーザーのデータに アクセスできると2014年に公表しましたが、これはほんの一部にすぎません。

あなたの個人情報は「お金」にもなり得るものです。もちろん個人情報を公開したいと思うのは自由ですが、意図せずユーザーのデータがインターネット中にばらまかれていると悪用の恐れもあります。

そこで今回、Facebookにおける個人情報の問題を解決するために、MozillaはFacebook Containerをご用意しました。

Facebook Containerの仕組み

Facebook Container はMozillaが提供するFirefox向けアドオンで、Facebookをほかのブラウジングから独立させるものです。これによって、Facebookはあなたがインターネットでどのような行動をとっているのかを追跡できなくなります。

Facebookを使いつつも、Facebookによって個人情報を取得されることを防げるため、意図しない個人情報利用を防げるでしょう。

このアドオンを入れいていると、Facebookを開くたびに「青色のFacebook」の表示が上部バーに表示されます。これは、Facebook Containerがオンになっているというサイン。

このアドオンの機能はシンプル。Facebookだけ、他のタブ・ウインドウとは別のFacebook Containerで開くという仕組みです。

Facebookを見ていないときは、Facebookに関連するcookieをブラウザから自動的に削除し、ログアウトした状態になります。

またFacebook内の外部リンクをクリックすると、通常の閲覧モード(通常のコンテナ)で開かれます。一方で、通常の閲覧の途中にFacebookのシェアボタンをクリックすると、ブラウザは自動でそのリンクをFacebook Container内でロードする仕組みとなっています。

このアドオンは、Facebookを、その他のWeb上ブラウジンクとは分けて使うことが可能です。 もちろん、これは同時にFacebookコメントや「いいね!」ボタンの埋め込みが機能しないということでもあります。

また、他のWebサービスの認証方法として「Facebookを使ってログイン」を使うことができません。しかし、プライバシーを大事にするなら認証方法にFacebookを使わない方が良いかもしれません。

Facebookの追跡を完全に防ぐことはできない?

Facebook内でユーザーが行なったアクション情報は、 Facebookを離れてもついてきます。そして、Facebook Containerはそれを完全に防ぐものではありません。

“Facebookでの行動データをユーザーのソーシャルプロフィールと結びつけることは莫大な価値に繋がります。そしてFacebookは、あらゆるWEBサイトでユーザーを追跡するためのネットワークを張り巡らしています。この追跡コードは、見えないうちにあなたを追跡します。そして、あなたのデータがいつシェアされたかを知ることはできないのです。”

残念ながらFacebook Containerは、Cambridge Analyticaによるデータリークのような情報漏洩事件から完全に救ってくれるものではありません。しかし、Facebook外での振る舞いの追跡を部分的に制限することは可能です。

なんでそんなにFacebookを毛嫌いするの?と疑問に思う人もいるかもしれません。

実は、Facebook以外にここまで強力なデータ追跡・収集力を持ったサービスは他にないのです。私たちは、もっとプライバシーを意識したネット文化を確立したいと考えているのです。個人情報は安く扱われるべきではありません。

Firefoxは今秋に広告のフィルタリングを始める予定

Firefoxは、OperaBraveそして Chromeの輪に加わり 、デフォルトで広告をフィルタリングする機能を実装予定です。すでにトラッキングを不可能にし、ポップアップをブロックする機能は実装されていますが、さらにChromeをモデルとした邪魔な広告をブロックする機能を強化する方針です。

“ここから数年にわたって、個人情報のトラッキングやじゃまな広告表示、その他Webのネガティブな側面に明確に戦っていきます。具体的には、不要なコンテンツをブロックし、ユーザーのプライバシー保護についてより積極的に関わっていきます。” Asa Dotzler(Firefox社)

Firefoxが、すでにある「より良い広告のための連合」の規範に従うのか、独自のガイドラインを作り上げるのかはまだ明確にされていません。しかし、広告事業者は、もし歳入経路を残しておきたいのであれば、広告表示の方法を変えるべきでしょう。

Firefoxの次のバージョンでは以下の機能が実装される予定です。

  • 広告の自動フィルタリング
  • ドメインにまたがるトラッキングのブロック
  • 新しいプライバシー制限
  • 強化されたトラッキング保護
  • 動画の自動再生のブロック
  • データ流失に関する警告

これらの新機能は、ユーザーが見ているサイトでプライバシーが侵害されているかを知らせたり、このサイトが追跡ツールに感染していないかをさらに調査するために有効です。

これからのWebはどうなっていくのか

Webが軍事用のネットワークだった頃からずいぶん時代が進みました。しかし、オープンなウェブサービスは、広告によって成り立っていることは認めざるをえません。そのため、悪質な広告やトラッキングなどと戦うとき、誠実な広告事業者を巻き添えにしないよう注意しなければなりません。

“広告ブロック機能を導入することには合理的理由がありますが、Googleがユーザーの要求に関わらず、デフォルトでコンテンツをブロックする手段に出たことには問題があると思っています。
もし、Googleが「攻撃的な広告」と認定したものが、悪質なものでなかった場合はどうなるのでしょうか?「侵害的である」とGoogleがみなした広告を、自社の運用する広告に差し替えたりする可能性はないのでしょうか?
あくまでも、ユーザーからコントロールを奪うような方針は避けるべきです。もちろんユーザーが、自分で邪魔だと感じた広告をブロックできるようにすることは (ある程度主観的な基準によってでも)大歓迎です。しかしそれを自動的に、ユーザーも知らないうちにすることには賛成できません。” Ty Cahill (Designmodo社)

Googleと同様に、Firefoxは独自の方法で広告ブロックの問題に取り組みます。最終的には広告ブロックの基準は統一されると我々は予想していますが、もしそうならない場合はどうなるでしょうか?
そしてもし、巨大な団体・企業が、自分のポリシーを他にも強制してきたらどうなるでしょうか? もちろん、Mozillaがこうした事態を招く可能性はとても低いです。

もしかすると W3C がWEB標準化の勧告をするべきときなのかもしれませんね。

Facebook Container

(翻訳:Yuko Nakamura)

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