エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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ソーシャルメディア時代のいま、ビジュアルコンテンツはかつてないほど重要な存在になりました。最初の2,3秒でユーザーの目をひけるかどうかが成果を左右します。これは金融サービス(フィンテック)の分野においても同様です。
今回は金融サービスに的を絞り、理想的なUI/UXデザインを実現するための5つのヒントをご紹介します。
▲(上)理想的なデザイン(下)避けるべきデザイン
デジタルバンキングやオンライントレーディングなど、金融サービスのためのアプリケーションをデザインするにあたって、UI/UXデザインの分かりやすさ・使いやすさはとても重要です。
もちろん分かりやすさ・使いやすさが重要なのは金融サービスに限りませんが、金融サービスの世界は他分野と比べても特に複雑です。データや用語を理解できないユーザーも多く、特定の要素がモバイルアプリで正しく機能しないこともあり、分かりやすさ・使いやすさの欠如は死活問題なのです。
ユーザーの気持ちを理解しようと努めることは、こうした問題を解決する足がかりになります。たとえばお年寄りが金融サービスを活用して孫に簡単に送金ができたなら、そのUI/UXデザインは成功しているといえるでしょう。
「ターゲットユーザーがどのようにアプリケーションを使うのか」をきちんと考えているなら、きっとこれからご紹介する5つのヒントが役立つはずです。
金融サービスのアプリには、他業界のアプリとの共通点もたくさんあります。しかし金融サービスならではの工夫も必要です。
経済的・教育的背景にかかわらず、製品内の文章は誰にとっても分かりやすいものでなければいけません。金融という分野が複雑だからこそ、表現は可能な限りシンプルにしましょう。
しかしどうしても難しい用語の使用を避けられない場面もあります。こうした課題を見事に解決しているのが、スイスのファイナンシャルアドバイザリー会社であるMoneyparkです。
Moneyparkの事例では、アプリで使用する用語が、定義なども含めて一箇所にまとめられています。
UXライターとUXデベロッパーの緊密な連携は、優れたUXデザインには欠かせません。もし多言語対応するならば、言語ごとに必要なスペースが異なることにも注意しましょう。
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金融サービスの複雑さや情報の多さを考えれば、フローをシンプルかつ円滑にすることが重要なのは明白です。ユーザーを混乱させないために、フロー構造には気をつけましょう。
住宅ローンサービスのWebサイトを例に考えてみましょう。はじめにユーザーの情報をもとにした見積もり結果を提示します。住宅ローンに必要な財務状況の情報を入力するフォームは、このページには含めません。提示された見積もり結果に納得したユーザーのみが、次の段階に進むような構造にするのです。
住宅ローン融資会社であるMoloも、このような構造を採用しています。提供するサービスの種類やデータの内容に応じて、フローを柔軟に変化させるのです。
▲ここまでが1ページ目
▲1ページ目の計算内容に納得したユーザーのみが、2ページ目の情報を入力する
あとから変更できる情報と、そうでない情報についても入念な検討が必要です。セキュリティ上の理由から変更できる情報は少ないほうが良いですが、苗字など変更が必要になる項目もあるでしょう。こうした項目の変更は円滑に行えるようにすべきです。
ある調査によると、色だけで商品やメッセージの魅力を判断するユーザーは60%にも上るそうです。さらにColor Mattersによる研究では、色によってブランドの認知度が最大80%向上するとされています。2017年のComScoreによる調査では、ミレニアル世代の21%が「外観が気に入らない」という理由でアプリを削除しています。
もちろん人によって好きな色はまちまちでしょう。しかし色の組み合わせに関するいくつかの基本的なルールは、ほとんど誰に対しても有効です。配色のルールはしっかり学んでおきましょう。
一方で、国や文化によって色がもつ意味が異なることも忘れてはいけません。たとえば西洋において「赤」は一般的にエネルギーと情熱を表す色ですが、スイスでは「赤・黄色」の組み合わせで富やお金をあらわします。またロシアで「赤」を使うと共産主義や革命などを想起させる可能性も。「赤」と同様に、「紫」も文化によって意味が大きく異なります。西洋において「紫」は敬虔さや信仰をあらわしますが、ブラジルやタイでは喪の色だと考えられているのです。
Clear Mindsは、クリアでミニマルなWebデザインに緑色を採用し、落ち着いた印象を与えています。
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金融サービスにおけるUXデザインの特徴として、情報の多さが挙げられます。大量の統計やレポートなどは、わかりやすい形式でユーザーに提示しなければいけません。
アプリを開発する際には、データを画面の大きさに応じて適切に表示するよう心がけましょう。データを提示する際には一度に大量のデータを表示しすぎず、また読みやすい文字やフォントで分かりやすさを第一に考えることが大切です。
各端末へのレスポンシブ対応も重要なポイントです。あらゆる画面サイズにおいて、優れたUXを提供しましょう。ちなみにStatConterなどのツールを使うことで、どのようなデバイスでアプリが多く使われているかを調査できます。開発費用が少ないばあいは、よく使われるデバイスに特化したデザインにするのも一つの選択肢でしょう。
また金融サービスのアプリにおいて最も重要なのは、数字です。数字の間違いは、たとえ小さなものでも大きな問題を引き起こす可能性があります。くわえて小数点以下も入力できるようにしましょう。貨幣価値の高い国では、小数点以下の数字も重要となります。
すばらしいチームと優秀なUI/UXディベロッパーで開発すれば、今まで解説してきたような問題はそもそも起こりません。目標を共有し、それをどうしたら最もシンプルに解決できるのかを考えましょう。
優秀なUI/UXデザイナーはたくさんいますが、中でも金融に精通している人をうまく採用できれば、知識共有の労力を大幅に節約できるでしょう。
「Design is not just what it looks like and feels like. Design is how it works(デザインにおいて重要なのは、外観や感覚ではない。機能だ)」というスティーブ・ジョブズの言葉にもあるように、機能は外観以上に重要です。しかし金融サービスのUI/UXデザインは、透明性や明確さを保ちつつ、難しい内容をわかりやすく伝えることが求められます。そこには機能そのものと同等の価値があるのではないでしょうか。
今回ご紹介した5つのヒントをおさえ、幅広いユーザーに愛される金融サービスを実現しましょう。
(原文:Django Stars 翻訳:Asuka Nakajima)
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