エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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「老後2000万円問題」などでお金への関心が高まるなか、人気の資格が「ファイナンシャル・プランナー(FP)」です。資格が比較的取りやすく、需要も多いため「FP資格を活かした副業がしたい」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、実際に会社員をしながら副業FPとして個人事務所「トージンFP事務所」を開業している私が、副業FPとして稼ぐ方法を解説します。
FP事務所『トージンFP事務所』代表、ファイナンシャル・プランナー。Workship MAGAZINEの編集長兼マネー担当として、フリーランスや副業にまつわる記事の執筆・監修を行う。自身もフリーランス経験豊富で、当事者ならではの情報発信に強み。
目次
ファイナンシャルプランナーとは、お金に関する専門知識を活かして、個人や家族のライフプランをサポートする仕事です。具体的には以下のような業務を行います。
FPになるために必須の資格はありません。しかし、一般的には日本FP協会やきんざい(金融財政事情研究会)が実施するFP資格試験に合格した人がFPを名乗るケースが大半です。
ただ、FP資格は難易度が低めなのも特徴で、3級なら7割程度、2級でも5割程度の受験者が合格できます。3級は学習内容もかなり初歩的なため、FPとして活動するなら最低2級以上の資格は持っていたほうがいいでしょう。
FPができる副業の種類として、以下の4つをご紹介します。
フリーランスや企業に勤めるFPの場合、一番ポピュラーな働き方が「相談対応」です。「ファイナンシャルプランナー」の名前通り、お客様のお金に関する悩みや人生設計をヒアリングし、キャッシュフローやライフプランのアドバイスから、ときには実行支援まで行います。
ただ、お客様あっての仕事となり、お客様の多くは一般の個人。そのため、副業ベースだと相談対応やライフプラン設計の時間がとれず、意外と難しいかもしれません。実際、筆者の場合は相談対応を「知り合いのみ」に限定しています。
FPの知識やスキルを活かしてお金に関する記事を執筆したり、書籍やWebコンテンツの監修を行ったりするのも、副業としておすすめです。
執筆や監修はスキマ時間に取り組むことができるため、筆者もよく行う副業のひとつです。また、インタビューを依頼される機会も多く、そこでも謝礼として報酬を受け取ることができます。
FPの知識やスキルを活かして、お金に関するセミナーの講師を務めるのも副業として人気があります。セミナー講師は報酬も高い傾向にあり、請けられれば「オイシイ」案件です。
一方、セミナー開催は平日日中になることも多いほか、人気講師に依頼が集中する問題もあり、副業レベルだと少し受注が難しいのも現状です。
FPの資格取得そのものをサポートする講座やスクールの講師を務めるのも選択肢です。この場合は上記と少し異なり、FPとして優れていることはもちろん、教育のスキルも求められます。
副業でリアルの塾講師は厳しいですが、オンライン指導やFP資格ブログ・YouTubeチャンネルの運営などを行うのは現実的で、特にFP1級やCFPといった上位資格を保有していれば需要は多いでしょう。
FPという仕事は、本業フリーランスとして食っていくのは少しハードルが高いです。一方、副業レベルであれば専門性もあって単価が上がりやすく、十分稼げる分野といえます。
参考までに、筆者が普段設定している単価感をまとめてみました。
どれも時給換算すると最低3,000円くらいは確保できるよう設定していますが、積極的に営業しなくても月に1~2件は依頼をいただいています。
もしガツガツ稼いでいきたい場合、営業などに全力であたれば月10万円くらいなら現実的に狙える範囲かなと思っています。
ファイナンシャルプランナー(FP)の副業には、以下のメリットがあります。
FPの資格は、たとえば弁護士や税理士といった他の資格と比較して、取得難易度に対するコスパがいいと言えます。
先ほども言ったように、FP資格は取得難易度が低めです。弁護士や税理士の資格を副業目的に取得するのは非現実的ですが、FPなら十分に可能です。
一方、メディアでの扱いは弁護士や税理士に近いものとなる場合も多く、専門性を活かした業務ができるという点で、コスパは良いと考えられます。
FPの副業を始めるには、特別な初期費用はほとんどかかりません。FPの受験料は級や実施団体によりますが、高くても10,000円強です。また、パソコンやインターネット環境があれば、業務もすぐ行えます。
ただし、AFPやCFPといった民間資格は、入会金や年会費が10,000円以上かかります。詳しくは後述しますが、FPの副業をやるうえでこの2資格のいずれかは保有しておきたく、ランニングコストは意外と必要になります。
FPの副業を通じて身につけた知識やスキルは、自分の生活にも役立ちます。
たとえば、家計管理や資産運用など、お金に関する悩みを解決するために役立ちます。また、FPの知識やスキルを活かして、自分や家族のライフプランを立てることもできます。
FPの副業は、自分のライフスタイルに合わせて、スケジュールを融通させやすいのがメリットです。
たとえば、平日の夜や週末など、空いた時間に副業を行うことができます。また、執筆や監修は完全オンラインで、相談やセミナーも工夫次第でオンライン対応ができるので、働く場所を選びません。
ファイナンシャルプランナー(FP)の副業案件を獲得する方法としては、以下の3つが挙げられます。
知人や友人、家族などから相談や紹介を受ける方法があります。
知人や友人からの紹介であれば、信頼関係が築かれているため、案件獲得のハードルが低くなります。また、相談やアドバイスもやりやすくなるため、依頼されたら積極的に引き受けることをおすすめします。
フリーランスにとって「知人からの紹介」の仕事が重要となる理由 Workship MAGAZINE
SNSや自社サイトを活用して、自分のスキルや実績を発信することも有効です。
ブログやYouTubeなどのコンテンツ配信を通じて案件獲得につなげたり、SNS上で直接相談を受け付けたりすることができます。私の場合は自社サイト経由の案件獲得がほぼ100%で、FPへの依頼を考えている人が調べそうな記事を数本用意し、SEO経由で問い合わせにつなげています。
クラウドソーシングやマッチングサービスを利用するのも、一つの方法です。
とくに始めたてで実績がなかったり、ツテが不十分な場合はこうしたサービスの利用が大事になってきます。FPなどの士業専門サイトや、ジャンル横断型の大規模サイトがあるので、案件の条件や報酬を比較しながら、自分に合った案件を探してみてください。
おすすめの優良副業紹介サイト16選【専門メディアが厳選】 Workship MAGAZINE
クラウドソーシングやマッチングサービスを利用する場合、ファイナンシャルプランナー(FP)の副業案件を獲得する目的なら、以下の3サービスがおすすめです。
日本最大級のクラウドソーシングサービスである『CrowdWorks』。膨大な案件数があるため、FP資格を活かせるお金関係の案件もかんたんに探せます。
サービスの性質上やや報酬額は低めになりやすいですが、FPの専門性があるため、資格を保有しないで案件を探すよりずっと単価は高くなります。
サービス名 | CrowdWorks |
特徴 |
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こんな人におすすめ |
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クラウドワークスの評判は?利用歴5年のユーザーが口コミや特徴を徹底分析!
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これまで培ってきた知識や経験を出品できるサービス『ココナラ』。知識やスキル単位で出品する形式のため、得意とする領域が明確なFPにおすすめです。
また、占いなどの「相談」分野に強いプラットフォームという特徴があり、FPのなかでも「相談業務」に注力したい場合は親和性が高いかもしれません。
サービス名 | ココナラ |
特徴 |
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こんな人におすすめ |
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ココナラは稼げないと評判!? 実際に利用してわかった稼ぐためのポイント
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『みんなの記事監修』は、ここまで挙げた2サイトと異なり、FPを含む有資格者を対象とした「記事監修」専門のマッチングサービスです。FPは1記事の監修で15,000円の報酬を受け取れるので、相場を考えてもそれなりに高単価。
記事監修のみが対象なのに加え、「CFP・AFPなどの資格保有」「過去5年以内にファイナンシャルプランニングに関する業務に3年以上従事し実績がある」など条件は厳しめですが、すでにFPとして実績がある方におすすめです。
ファイナンシャルプランナー(FP)の副業を始める際には、以下の点に注意が必要です。
何度も繰り返している「取得難易度の低さ」は、そのままライバルが多いことも意味します。とくに、FP3級、さらには2級を保有しているだけでは仕事に結びつけづらく、日本FP協会の認定資格である「AFP」や国際的なFP資格「CFP」のいずれかを保有しておきたいところ。
ただ、どちらの資格も「保有すれば仕事に困らない」ものではないため、スキルや経験をアピールして、差別化を図る必要があります。
FPの副業では、実務経験などが求められるケースもあります。たとえば、住宅ローンについてお客様の相談に乗る場合。ただFP資格を持っているだけの人と、金融機関で実際に住宅ローンの販売や手続きをしてきた人、どちらに相談したいでしょうか?
このように、実務経験があると案件が獲得しやすくなるほか、FPとしての「強み」も明確化しやすくなります。
ちなみに、筆者の場合は新卒フリーランスとして3年ほど活動し、フリーランスメディアの編集者も務める経験から「フリーランス・副業ワーカーのお金まわりに強いFP」としてブランディングしています。
FPには「FP資格がないとできない業務」、いわゆる「独占業務」はないものの、FPがよく扱うテーマには、他の士業の独占業務と抵触するケースがあります。
たとえば、FPは以下の業務に対応できません。
ただ、上記の業務ができないのは実務で支障をきたす場面も多く、「FP+税理士」「FP+保険募集人」のように複数の資格を掛け合わせるFPも多いです。
FPの副業は、競争率の高さや差別化の難しさはあるものの、工夫次第で効率的に稼げる可能性を秘めています。
FP資格は開業しても、しなくても学びが多いので、まずはFP3級から資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
(執筆:齊藤颯人、AI原記子 with 編集部 編集:Workship MAGAZINE編集部)