「ゲームが嫌いだ!」という方はいないでしょう。古代エジプト人でさえ、ビラミッドを建てたり神を崇めたりする合間に、「セネト」というボードゲームに興じていたと言われています。

ボードゲームに取って代わり、世界中で人気を集めているのがビデオゲームです。多くのゲームでは、特定のタスクがクリアされるたびに報酬が与えられる仕組みが採用されており、その中毒性が人気の秘訣。レベルアップと満足感を求めて多くの人がゲームにハマってしまうのです。

過度にゲームへハマり込んでしまうことを子供を持つ親は心配します。それとはまた違った観点からビデオゲームの中毒性や可能性に注目しているのが、プロダクトデザイナーです。ゲームデザインの要素をプロダクト開発やマーケティングに取り込む「ゲーミフィケーション」は、ユーザーを魅了させ、プロダクトの競争力を強めます。近年ではミュージックストリームフードテイクアウトアプリまで、ゲーミフィケーションを幅広く適用しているのです。

しかしゲーミフィケーションの扱い方次第では、ユーザーを混乱させ満足度を下げる原因にも繋がってしまいます。

本記事では、ゲーミフィケーションの手法を上手くプロダクトに取り入れ、ユーザーの心を掴むコツをご紹介します。

ゲーミフィケーションとは

クリアしたタスクに応じて報酬を得られる、中毒性の高いゲームの代表例としては『ポケモンGO』が挙げられます。どれだけユーザーのエンゲージを促しているかは、街中でポケモンGOに興じる人たちの多さを見ると一目瞭然でしょう。

ゲーミフィケーションはゲーム特有のアイデアを、ゲーム以外のプロダクトに応用し、エンゲージを促す仕組みで「ポイントシステム」や「達成バッジ」などによってユーザーに報酬を与え、ユーザーのアクションとリピート率の向上を見込めます。

デジタル時代に入る以前から、このゲーミフィケーションは一部のマーケターに使用されてきました。マイルシステムや、スタンプカードなどはすべて、このゲーミフィケーションの手法を導入した初期のアナログ事例です。

具体的な事例としてはスターバックスも、ゲーミフィケーションを上手く使用した報酬プログラムを活用しています。ポイントを貯めることで無料のドリンクやトッピングをもらえる仕組みをつくり、ユーザーのリピート率を向上させるのが狙いです。

スタバ

▲出典:Starbucks

アプリ上で使用できるスターバックスの報酬システムでは、コーヒーカップ内に星がたまり、無料アイテムがもらえるまでの道のりを確認できます。

▲出典:Tech Crunch

スターバックの事例のように、ユーザーのエンゲージメントを増やし、プロダクトをより頻繁に使用してもらうのがあなたのゴールです。このためには、以下のポイントが重要となります。

<エンゲージメントを増やすゲーミフィケーションのコツ>

  • さまざまな種類の面白いタスクを用意する
  • 手に入れやすい簡単な報酬システムを準備する
  • プロダクトの価値をユーザーに伝えるためにボーナスを与える

効果的なゲーミフィケーション 5つの手法

効果的なゲーミフィケーション手法の一例として、ここでは以下5つをご紹介します。

<ゲーミフィケーションの手法>

  1. ポイント
  2. バッジとステッカー
  3. リーダーボード
  4. チュートリアル
  5. 制限

手法1. ポイント

ユーザーの達成度を測定できるポイントシステムは、すでに多くのプロダクトに利用されています。ポイントシステムがあれば、ユーザーは簡単にこれまでの記録を振り返られるでしょう。

そのうえ開発者としても、Webサイトやアプリのエンゲージメントを測定するのにも便利な指標となります。

手法2. バッジとステッカー

バッジ

▲出典:note

ユーザーがチャレンジを達成したり特定数のポイントを集めたりすると、バッジやステッカーが与えられる仕組みもゲーミフィケーションの代表例。ビデオゲームでよく利用されている仕組みです。最近ではブログサービス『note』で多く使われています。

昔から多くの支持を得ている手法で、ユーザーのモチベーションの原動力になります。

手法3. リーダーボード

リーダーボード

▲出典:UX Planet

人のチャレンジ精神を掻き立てる要素が、競争です。より多くのバッジを持っている順番などでランク付けしたリーダーボードは、ユーザーの熱意を高めるのに一役買います。

その一方、上位者と自分のランク差がやる気をそいでしまう原因になる場合もあるため、リーダーボードは慎重に使いましょう。

手法4. チュートリアル

チュートリアル

▲出典:UX Planet

チュートリアルは、ユーザーがたどるべき過程をできるだけシンプルにすることを目的としたもの。チュートリアルがあることで、そのプロダクトはユーザーにより親切な印象を与えられます。たとえばチュートリアルで機能を紹介しておけば、誤操作などのリスクを防げるので安心です。

チュートリアルが長くなってしまう場合は、スキャフォールディングをお勧めします。スキャフォールディングとは、ユーザーの経験値に合わせて、徐々に機能を公開することです。一度に大量の情報を与えるよりは、ユーザーを混乱させずに済みます。スキャフォールディングと合わせてユーザーの進捗状況を管理することにより、継続を促すこともできるのです。

手法5. 制限

制限

▲出典:Amazon

ユーザーに時間的な制限を設ける手法もあります。タスク完了までの時間を制限するやり方が一般的で、もし時間内に完了できなかった場合はユーザーの負け。

このようなアプローチをプロダクトに適用することで、ユーザーは今日だけ入手可能な何かを申し込むかもしれません。時間的な制約により、ユーザーを何らかの形で素早く反応させたり、行動を促したりできます。

ゲーミフィケーションの成功事例

ゲーミフィケーションを成功させるコツは、ユーザーのモチベーションを理解することにあります。顧客インタビューやデータをもとにユーザーを正しく理解し、それに合わせてゲーム要素を取り入れましょう。以下に、ユーザーのモチベーションを理解し、UXを向上させるよう上手くゲーミフィケーションを取り入れた4つの事例をご紹介します。

成功例1. Fitbit

  • ユーザーのモチベーション:
    健康を向上させ、進捗状況を把握する。
  • アプリへの応用:
    フィットネストラッカー『Fitbit』では、フィットネスに関するユーザーのニーズに合わせ、アプリ上で3つの異なるタスクを提供しています。タスクに合わせてグループを作成し、メンバー内で進捗状況を競い合える仕組み。ユーザーが継続的にフィットネスを続けたくなるよう、スコアボードが用いられているのもポイントです。

▲出典:Fitbit

成功例2. Strava

  • ユーザーのモチベーション:
    ランニングやサイクリングの質を向上させる。
  • アプリへの応用:
    ランニングやサイクリングの時間を記録するアプリ『Strava』では、ユーザー自身のパフォーマンスや進捗を他のユーザーと比べることができます。またランニング時間が向上するとロックが解除され、街全体のユーザーと競い合える仕掛けも。

▲出典:strava

成功例3. Wish

  • ユーザーのモチベーション:
    高品質なプロダクトを低価格で購入する。
  • アプリへの応用:
    ディスカウント商品のショッピングアプリである『Wish』は、期間限定のディスカウントを提供することでユーザーの素早い購入判断を促します。ディスカウント価格で商品が購入できる「時間」を、ユーザー自身がルーレットを回して獲得するゲーミフィケーションが採用されているのです。その時間内に購入した商品は、全てディスカウント価格で購入できるという仕組み。時間内に購入しようという消費意欲をユーザーに促すことに成功しています。
Wish

▲出典:Wish

成功例4. Calm

  • ユーザーのモチベーション:
    日々の生活にリラクゼーションの時間を取り入れる。
  • アプリへの応用:
    瞑想用アプリ『Calm』は、ユーザーが日々の生活に瞑想とリラクゼーションを取り入れられるようデザインされています。瞑想の時間に通知を受け取ることができ、毎日コツコツ続けると得られるのが星マークと表彰状。こうした報酬があることで、ユーザーが日々の生活に瞑想の習慣を取り入れるモチベーションへと繋がるのです。

▲出典:Calm

ゲーミフィケーションの落とし穴

ゲーミフィケーションは強力なツールですが、肝心のユーザーニーズを忘れないよう注意することが重要です。深く考えることなくプロダクトにゲーム要素をつけてしまうと、視覚的なノイズが増え、ユーザーの注意を逸らしてしまう可能性もあります

このようなミスマッチを防ぐためにも、ユーザーがどのようなニーズとモチベーションでプロダクトを使用するのか理解したうえで、そのUXを補強するようなゲーミフィケーションを取り入れましょう。

▲出典:Corinne Schmid

ゲーミフィケーションを成功させるために

ゲーミフィケーションはプロダクトデザインの重要な要素としての位置を確立しつつあります。上手く活用すれば、ユーザーのエンゲージメントを増やしタスクを楽しんで行ってもらえます。

以下のような視点をもち、ゲーミフィケーションの設計を行いましょう。

<ゲーミフィケーションを成功させる視点>

  • あなたのプロダクトをどのようにユーザーに使用して欲しいか考える
  • ユーザーをグループ毎に分類し、それぞれのユーザーグループがどうプロダクトを使っているかを分析する
  • より多くのユーザーが好むアプローチを探すために、さまざまな要素のA/Bテストを行う

既存のフォーマットに沿う必要はありません。新しい方法を実験し、ユーザーのフィードバックに耳を傾けましょう。

トライアンドエラーを繰り返すことで、あなたのプロダクトにぴったりなゲーミフィケーションが見つかるはずです。

(執筆:Mariko Sugita、Kazunari Mino 編集:Kitamura Yuu、Uchida Kazuyoshi)

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