【社労士解説】ジョブ型雇用時代におけるフリーランスの生存戦略とは?
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2018年に米国議会は、GoogleのCEOであるサンダー・ピチャイに対し、Google検索の検索結果画面(SERPs)に関する一連の質問をしました。
しかし彼の答弁は、かなり不足の多いものでした。以下がその内容です。
【米国議会からの質問】
Google検索エンジンのSERPsで、ユーザーが次の行動を取った割合はそれぞれ何パーセントですか?
a. 検索結果画面の時点でユーザーが回答に満足して検索を終えた割合
b. Google.comが管理していないWebページに繋がるリンクをユーザーがクリックした割合
c. Google.comの2次的なページ、またはGoogleがトップドメインと判断しているページに繋げる割合。およびほかの検索エンジンの検索結果をGoogle上で表示し、ユーザーがリンクをクリックした割合【Googleの回答】
Googleは、ユーザーが検索を終えた理由を全て把握しているわけではありません。
天気予報を調べたい方が、検索結果のトップに表示されたリッチスニペットで満足して検索をやめるように、Google上の検索だけで探していたものを見つけた方もいます。またGoogle以外の検索手段のほうが求める情報を見つけやすそうだと気づく場合もあると思います。もちろん、検索結果に満足せずに検索を終えてしまった方もいるでしょう。
理由が何であれ、ユーザーに再びGoogle検索をご利用いただくためには、我々がもっとも有用で正確な情報をユーザーに提供することに尽きると考えています。これからもGoogleの使命を果たすため、全力を尽くしていく所存でございます。
筆者がJumpshotというデータプロバイダーに勤務する友人に、この件について話したところ、ピチャイ氏の答弁よりずっと分かりやすいデータを送ってくれました。
Jumpshot(※1)によれば、2019年1〜3月において、Googleのアメリカのウェブ検索エンジンは以下のような状況であるとのことです。
- 150億以上の検索を受け取っている
- 全検索のうち48.96%は、クリックなしで答えを提示している(SERPs画面上でユーザーが求める答えを提示している)
- 全検索のうち7.2%は、広告リンクをクリックしている
- 全検索のうち6.01%(全クリックのうち12%)は、Googleの親会社であるAlphabetが管理しているサイトにリンクを送っている
- クエリのうち45.03%では、Alphabetが所有していないウェブサイト(Webの残りの部分)がクリックされている
これらは議会の質問に対する完璧な答えとはいえませんが、Googleが用意した答えよりは分かりやすいです。
この記事ではこのJumpshotによる、GoogleのSERPs画面に関する統計データについて紐解いていきます。
目次
下の円グラフは、2019年1〜3月の間にGoogle.comで検索をしたユーザーが、検索後に行なった行動をまとめたものです。
上記のグラフは、ユーザーがGoogle.comで検索した後に行なった行動です。デスクトップとモバイルの両方のデータが含まれています。
検索後に一度もクリックしないユーザー(ゼロクリック検索)が48.96%を占めていたり、リスティング広告の表示数が増えている(これについて詳しくは後述)にも関わらず、オーガニックな検索結果へのクリックは47.35%と、依然として大きな割合を占めています。
リスティング広告へのクリック1回に対し、オーガニックな検索結果へのクリックは11.6回もあるのです。「SEOは終わった」と決めつけるのは早計でしょう。
Googleの独自コンテンツへのクリックについても注目してみましょう。
今回Jumpshotは、Alphabetが管理する以下のドメインの検索について、SERPsからのクリック率を調査しました。
その結果が以下のとおりです。
上記のグラフは、Google検索のSERPsから、Alphabetが管理しているサイトがクリックされた割合の年別推移です。
今回の調査によるとここ3年は、Googleの親会社であるAlphabetが管理しているサイトが、検索クリックの約12%を占めているようです。Googleから出発して、他のGoogle関係のものに「帰っていく」という構図です。
これらのほとんどは、Google検索のうちのほんの少しのトラフィックを受け取っているにすぎません。たとえばAndroid.comは、強力なGoogle(Alphabet)の製品のひとつですが、流入するクリック数はすべての検索の0.01%以下です。
一方で、Goolgleが所有している動画サービスであるYouTubeには、デスクトップデバイスからの検索クリックのうち6%以上が流入しているというデータもあります(※2)。
しかしこの分析には、ひとつの鍵となる要素が欠けています。それは、Google自身のモバイルアプリ(YouTube、Gmail、Googleマップなど)にたどり着く検索の数です。これはJumpshotがクリックデータをブラウザのみでしか追跡できていないためです。このことを考慮すると、ほぼ確実に、GoogleがAlphabet所有のコンテンツに送り返している割合は12%を大きく超えるでしょう。
上記のグラフは、Google検索においてAlphabet傘下ではないコンテンツ(Non-Google Sites)へリンクが送られた数のデータです。モバイルは赤、デスクトップは青で分けられています。
どちらの種類のデバイスでも数は減っており、とくにモバイルでのトラフィックが急速に失われてつつあります。これはとくにモバイルのSERPsにおいて、ゼロクリック検索への再構築が進みつつあるためです。
Jumpshotの推定では、米国の2016年1〜3月において、およそ最大75.6億のオーガッニックまたはブラウザベースの検索クリックが、GoogleからAlphabet傘下ではないコンテンツ(Non-Google Sites)へ流入したとしています。しかし3年後の2019年には、その数値は最大で61.5億まで減り、2016年と比べて20%減とされています。
上のグラフは、Google検索における、ゼロクリック検索、オーガニッククリック、リスティング広告クリックのそれぞれの割合を表したものです。
現在分かっていることは、この3年間のブラウザベースの検索において、Googleはリスティング広告リンクへのCTRを75%以上伸ばしているということです(2.10%→3.69%)。そして、ゼロクリック検索の比率も約12%伸ばしました(43.9%→49.0%)。その結果、オーガニックのCTRは13%下落しました(54.0%→47.4%)。
なお下記のグラフは、上記のグラフからデスクトップでの検索のみを抽出したものです。
デスクトップにおいては、それぞれ大きな変動がないことが分かります。
一方モバイルは下記のグラフように、リスティング広告リンクやゼロクリック検索が明らかに増加しており、オーガニッククリックが大幅に下落しています。
このデータからは総じて、オーガニッククリックが減少していることが伺われます。
しかし筆者は、SEOについて依然として希望をもっています。理由は以下のとおりです。
とはいえGoogle検索トラフィックの向かう場所が、完全に健全なものになるかには不安が残ります。
Googleは米国の検索エンジン市場の94%以上を占めており、二番手のウェブリファラー(ユーザーの流入元)の10倍ものトラフィックを持ち、オンラインの広告市場を独占しています(デジタル広告予算の38%を占めている。Facebookは22%)。
Googleはひょっとすると「危険」ともいえるレベルまで、何百万もの小売業者やスタートアップ、メディア、ウェブクリエイターの生活をコントロールしています。 このような強大な野獣のような存在に対しては、常に懐疑的な視線を持って注視すべきでしょう。
(※1)Jumpshotの方法論への解説 :
Jumpshotは毎月、世界中の100億以上のデバイスによる検索データを収集しています。しかしこのデータはiOSデバイスを含まないモバイル/デスクトップブラウザのみを対象にしており、Google HomeやAmazon Alexaなどの音声デバイスでの検索も除外されています。そのためこの統計データには修正が加わる余地があります。
(※2)YouTubeのデスクトップ対モバイルについての解説:
Jumpshotのクリックストリームデータは、アプリ(AndroidデバイスのほぼすべてにインストールされているYouTubeなど)を開いたあとのクリックは追跡していないため、この記事ではブラウザ上での数値のみを報告しています。Jumpshotに勤めている筆者の友人によれば、アプリを開いた後のクリックや、アプリにユーザーを送ったクリックについても調べ始めているそうです。将来的にはこのあたりのユーザー行動についてもデータが集まるでしょう。
(原文:Rand Fishkin 翻訳:Nakamura Yuko)
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