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そのアプリ内通知、イラつかせてない?賢く導入するための3ポイント

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ユーザーに有益な情報を届ける「アプリ内通知」

アプリ内通知はとても強力な存在です。Localyticsの調査によると、アプリ内通知を実装しているモバイルアプリは実装していないアプリに比べて、ユーザー継続使用率が3.5倍高く、ローンチ率が27%高いことがわかりました。

しかし誤った方法で導入すると、ユーザーを不快にさせてしまう危険性も。せっかくあなたのアプリをダウンロードしてくれても、アプリ内通知が原因でユーザーの滞在時間が大幅に減ってしまう可能性もあるのです。アプリをアンインストールされないためにも、使い方には気を配らなければいけません。

今回はアプリ内通知のスマートな導入方法を、実例を交えながらご紹介します。3つのポイントをおさえて、ユーザーフレンドリーなアプリ内通知を目指しましょう。

アプリ内通知とプッシュ通知の違い

本題に入る前に「アプリ内通知」と「プッシュ通知」の違いについて確認しておきます。

  • アプリ内通知:アプリを ””開いているとき”” に情報をアナウンスする通知。アプリ内のモーダルやツールチップなどを介して通知される
  • プッシュ通知:アプリを ””閉じているとき”” に情報をアナウンスする通知。ネイティブアプリのほか、Webサイトからブラウザを通して送られるプッシュ通知などもある

アプリ内通知で気をつけるべき3ポイント 失敗例&成功例

ここからは、本題の3つのポイントについて解説します。

1. アプリ内通知のパーソナライズ

【失敗例】ユーザーに関係のないウェルカムメッセージを送ってしまう

パーソナライズされていないメッセージを大量に送るのは絶対に避けましょう。最悪の場合、アプリをアンインストールされてしまいます。

こうした問題がよく発生するのが、アプリ利用を定着させるための「オンボーディング(チュートリアル)」のタイミングです。

Mailchimpの例を見てみましょう。

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製品を使い始めたユーザーは、まずダッシュボードに誘導され、設定やカスタマーサポートなどについて全員共通のガイダンスが通知されます。しかしこうした方法は、ユーザーにうっとうしく思われがちです。

【成功例】個々人に最適化したウェルカムメッセージを送る

その後、Mailchimpのオンボーディングは劇的に改善しました。ユーザーはパーソナライズされた情報とともに、スッキリとしたウェルカムページに迎えられます。

親しみやすさや信頼を築くために、ユーザーの名前をメッセージに取り入れているところもポイントです。

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Mailchimpはユーザーが初めてログインしたタイミングで、モーダルウィンドウを用いていくつかの質問を投げかけます。

こうして得た情報をもとに、ユーザーによりパーソナライズされたアプリ通知を送るのです。

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アプリ内通知のゴールは、ユーザーにオーダーメイドの製品を使っているような体験を提供すること。

Mailchimpのように、ユーザーニーズを第一に考えてデザインしましょう。

2. アプリ内通知のタイミング

【失敗例】アプリ評価のお願いが、ユーザーのワークフローを邪魔してしまう

アプリ内通知を表示するタイミングが悪いと、それがアプリ使用の邪魔になってしまう可能性があります。

PayPalの通知を見てみましょう。

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▲アプリの評価を促す通知。上から、「今すぐ評価する」「あとで通知を受け取る」「評価しない」

アプリを気に入っているユーザーにとってさえ、このような通知が表示されるのは不快なはずです。しかも「評価しない」という選択肢が、あたかも推奨されているかのごとく、太字で表示されています。

不適切なタイミングでアプリ内通知を表示すると、ユーザーの定着率に致命的なダメージを与える危険性があります。評価の依頼や新機能の通知タイミングが不適切だと、平和にアプリを使いたいだけのユーザーをむやみに攻撃してしまうことに繋がります。

【成功例】アプリ評価のタイミングを見極めて、ストレス軽減&フィードバック率向上を

こうした問題は、ちょっとした工夫によって回避できます。ユーザーがアプリ内のどこで、何をしているのかをよく考えましょう。状況を踏まえて通知を表示すれば、ユーザーの邪魔にならないはずです。

フィットネス会員プログラムのClassPassは、ビデオトレーニングプログラムを評価するためにユーザーからのフィードバックを求めています。しかしユーザーは、トレーニングが終わって疲れているときにフィードバックをしたいとは思いません。そこでClassPassは、ユーザーが次にアプリを開くまで待ってからフィードバックを促します。

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こうした気配りは、ユーザーのストレス軽減だけでなく、フィードバック率の向上にも繋がります。また、フィードバックによってユーザーの行動が中断されないというメリットも。ユーザーは自然な流れで、プログラムに対するフィードバックをしてくれるようになるでしょう。

ユーザー行動について学び、アプリがどのように利用されているのかをしっかり把握しましょう。適切なタイミングでユーザーとコミュニケーションをとれば、解約率も下がるはずです。

3. アプリ内通知の内容

【失敗例】すべてのユーザーに同じメッセージを送ってしまう

アプリ内通知のテキストがどれほど練られていて、またどれほどタイミングが的確でも、内容が的外れでは意味がありません。家で留守番をしている子どもに、屋根の修繕について売り込むようなものです。

新しいダッシュボードについて通知している、Herokuの例を見てみましょう。

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モーダルウィンドウのデザイン自体は評価できます。しかしこの通知は、既存ユーザーに限定して表示されるべき内容であり、新規ユーザーにとってはあまり意味がありません。

【成功例】通知する内容やターゲットをセグメント分けする

アプリ内のチュートリアルや新機能などに関するアプリ内通知は、それぞれ特定のユーザーのみに表示されるべき内容です。ユーザー全員にそのような通知を送ってしまうと、中には混乱してしまうユーザーもいるでしょう。アプリに対して疑念を抱かせることにも繋がります。

HubSpotは、ほぼ毎日のように追加される新しい機能に対応するために、アプリ内通知の方法を工夫しました。ユーザーが特定の機能にアクセスしたときを狙って、新機能の通知をするのです。ユーザーがアプリの機能を最大限活用できるよう、通知する対象を絞ったのです。

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アプリ内通知

▲どちらの通知も、該当の機能を使用したユーザーにのみ表示される

アプリ内通知とプッシュ通知を組み合わせる

ここまで解説してきたように、使いかたさえ間違えなければ、アプリ内通知はとても強力な味方です。しかしアプリ内通知は、アプリを使っているときにしか表示できないという欠点もあります。

一方で、ユーザーがアプリを使っていなくても表示できるのがプッシュ通知です。たとえばユーザーがオンボーディングプロセスを完了せずにアプリを閉じても、プッシュ通知ならユーザーにリマインドできます。プッシュ通知は、アプリ内通知に欠けている部分を補ってくれるのです。

もちろん、プッシュ通知でお得情報を過剰なまでに送りすぎたり、不要なリマインダーを送るのはやめましょう。全てのメッセージが、ユーザーにとって価値のある情報であり、かつ適切なタイミングで送られているか気をつけましょう。

おわりに

多すぎるアプリ内通知や、評価を促すメッセージに、イラついたことはありませんか? 私たち自身の経験からも分かるように、アプリ内通知は使い方次第で、毒にも薬にもなる存在です。

大切なのは、アプリ内通知を「楽しいユーザー体験」の一部として組み込むこと。パーソナライズした通知を、適切なタイミングで、厳選したターゲットに提供しましょう。プッシュ通知と組み合わせることもお忘れなく!

(原文:Katryna Balboni 翻訳:Nakajima Asuka / Tamura Yui)

 

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