デザイナーの職務経歴書の書き方|職種別の経験・スキルの伝え方も解説
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「デザイナーの職務経歴書ってどう書けばいいの?」と悩む人もいるでしょう。デザイナーにとって職務経歴書はポートフォリオと同じくらい大切な書類です。自身の経験やスキル、実績などをわかりやすく伝えるには、いくつかのポイントがあります。
この記事では、デザイナーの職務経歴書の書き方について解説します。デザイナーとしてキャリアを広げたい方、案件を獲得したい方はぜひ参考になさってください。
職務経歴書はデザイナーが転職や案件獲得において、ポートフォリオと同じくらい大切な書類です。まずは職務経歴書がどのような役割を果たすのか、ポートフォリオとの違いについて解説します。
職務経歴書は、単純に過去の仕事や経歴を羅列するものではなく、応募先の企業やクライアントの要望を汲み取り、それに合わせたスキルや経験をアピールすることが大切です。
たとえばWebデザイナーの求人であれば、UI/UX設計の経験や成果を強調することで、採用担当者に響く職務経歴書になります。フリーランスとしてプロジェクト案件に応募するときは、過去によく似たプロジェクトの規模や役割を記すことがポイントです。
職務経歴書を読む相手が何を求めているのかを意識し、アピールするスキルや経験を考えながら作成しましょう。フリーランス向けの一般的な職務経歴書は以下の記事よりダウンロードが可能です。
【テンプレ・サンプル付き】フリーランスの履歴書・職務経歴書の書き方。ポートフォリオだけでは不十分?
Workship MAGAZINE
デザイナーが転職・案件獲得を成功させるには、ポートフォリオと職務経歴書の役割の違いを理解し、それぞれを適切に活用することが大切です。ポートフォリオは「デザインスキルを視覚的に証明」する役割があります。
対して職務経歴書はこれまでの「経歴や実績」をテキストで説明したものです。どのようなプロジェクトにかかわり、どれくらい貢献したのかを説明します。それぞれ役割が異なり、双方の情報を補完するものです。適切に組み合わせることで、デザイナーとしてのスキルをより説得力をもって伝えることができます。
ポートフォリオの作り方を知りたい方は以下の記事をチェックしてみてください。
未経験からWebデザイナー転職を成功させる「ポートフォリオ」の作り方
Workship MAGAZINE
職務経歴書の基本的な構成は以下の通りです。
デザイナーに押さえてほしい職務経歴書の各項目の書き方について解説します。
「職務要約(経歴要約)」は、これまでの経歴やスキルをかんたんにまとめた文章です。200~300文字以内で以下の内容を記載します。
たとえば以下のように記載します。
【記載例】
新卒で株式会社〇〇へ入社し、グラフィックデザイナーとして10年間勤務。
パッケージやカタログ、チラシなどの印刷物を中心に制作し、アートディレクターとして品質・進行管理も担当しました。現在は、Webデザインや簡単なコーディング業務も担当しており、会社のクリエイティブ全般を担当しています。
職務要約は職務経歴書の顔となる箇所です。この文章で第一印象が決まるので、応募先の要望にあわせてカスタマイズしてまとめましょう。
職務経歴は、これまで関わってきたプロジェクトや担当業務を整理し、実績を伝えるための項目です。
【記載例】
株式会社〇〇
在籍期間:20××年××月~現在
職種:グラフィックデザイナー・アートディレクター【担当業務】
・パッケージデザイン、カタログ、チラシなどの印刷物のデザイン
・クライアントのブランディングを意識したビジュアル制作
・大規模イベントのポスター・販促物のデザイン
・制作物の品質管理、デザインチームのディレクション
・Webサイトのデザインおよび簡単なコーディング【実績・プロジェクト】
・野外フェスのポスターデザイン
SNSで話題となり、イベントの集客に大きく貢献。クライアントから高評価を得て、翌年以降も継続して制作を担当。
・大手メーカーの商品パッケージデザイン
ユーザーの購買意欲を高めるデザインを意識し、売上向上に貢献。事前に市場調査を実施し、ターゲット層に訴求するデザインを提案。
「〇%向上」など具体的な成果や評価があれば、それも明確に記載します。
『Photoshop』や『Illustrator』などのデザインツールをどの程度操作できるのか、習熟度や実務レベルを記載します。
【記載例】
【デザインツール】
・Illustrator / Photoshop:10年以上の実務経験
・Figma / AdobeXD:Webデザインのプロトタイプ制作【Web関連スキル】
・HTML/CSS、JavaScript:簡単なコーディングが可能【ディレクション・マネジメント】
・制作物の品質管理・進行管理
・クライアントとのヒアリング
・デザインコンセプトの企画提案
自身でスキルレベルを把握しにくい場合、プロジェクトや資格のランク、使用頻度を定量的に示しましょう。たとえば「10年以上の実務経験」よりもくわしく伝えたいときは「Illustrator(実務経験10年・広告・販促物のデザイン多数)」というように経験した業務を記載することで伝わりやすくなります。
自己PRでは、デザイナーとしての強みや得意分野をアピールし、他応募者との差別化を図ります。以下のような項目を含めると良いでしょう。
【記載例】
グラフィックデザイナーとして印刷物のデザインをメインに手がけてきましたが、Webデザインやコーディング業務にも関わり、媒体にとらわれないデザインスキルを身につけてきました。
アートディレクターとして品質管理や進行管理にも尽力。多様なクライアントとのプロジェクトを経験してきたため、柔軟な対応力と幅広いデザイン表現が強みです。
自身の経験をベースに「どのような価値を提供できるのか」を明確に伝えることで、説得力を強めることができます。
志望動機は、単純に「職種や企業に興味がある」「挑戦してみたい」といった内容ではなく、「企業・案件に貢献できる理由」を示すことが大切です。募集要項に「求める人物像」の記載があれば、それに対するアンサーとして書くと書きやすくなります。
以下の内容を意識してみてください。
【記載例】
10年間広告代理店で勤務し、多種多様なクライアントのデザインを手がけてきました。今後は事業会社でのデザイン業務に携わり、より長期的な視点でブランドの成長に関わりたいと考えています。
また、Webデザインにも本格的に取り組み、デジタル領域のスキルに磨きをかけたいと考えています。貴社ではこれまで培ったデザインスキルとディレクション経験を活かしながら、新たなチャレンジができると確信し、応募いたしました。
とくにデザイナーは転職を重ねてキャリアアップする人も少なくありません。書類選考の段階で、どのように成長していきたいのかも見られています。
将来のビジョンを書いておくことで「採用したらプロジェクトにプラスになりそうだ」と担当者の心を動かすことができます。過去と現在だけではなく、将来まで見据えて記載しましょう。
職務経歴、少し盛るか、そのまま書くか。僕らが職務経歴書に力をいれるワケ
Workship MAGAZINE
デザイナーの職務経歴書は、職種ごとの役割やアピールポイントを明確にすることが大切です。デザイナーの職種別に書き方とスキルを伝えるポイントについて解説します。
グラフィックデザイナーは視覚的に情報を伝えるためのデザインスキルが求められる職種です。デザインがプロジェクトでどのように貢献したのかを明確にし、成果を示すことがポイントとなります。
グラフィックデザイナーは「売上向上」や「ブランドイメージの向上」など、目的を達成するための手段であることを示すことがポイントです。さらにプロジェクトへの貢献度を数値で示すと説得力が増します。
たとえば「広告用のポスターを制作し、SNSでのシェア数が120%増加」「パッケージのリニューアルで売上が前年比150%アップ」といったように具体的に示します。
ポートフォリオと併用するときは、なぜこういうデザインにしたのか意図も記しておくと、デザインの背景を伝えることができます。
Webデザイナーは、UI/UXを考慮した設計スキルが求められます。職務経歴書では、デザインがWebサイトの成果にどのような結果をもたらしたのかを伝えることが大切です。
Webサイトにはそれぞれ達成すべき目標があります。Webデザイナーとして目標達成にどのように貢献したのかを数値で示すことがポイントです。「LPのリニューアルでCTAを調整しCV率が110%アップ」「Webサイトのファーストビューを改善し直帰率を15%削減」と具体的に示すことで訴求力を高めることができます。
広告系のイラストレーターは、ターゲットや案件にあわせたイラストを制作します。要望を踏まえて、目的や手法を記載すると良い印象を与えることができます。
イラストが何に使われたのか、どのようなターゲットに訴求して制作したものかを明確に記載します。たとえば「20代女性向けのファッションアイテムのプロモーション用で制作」「ブランドイメージにあわせた落ち着いた雰囲気のイラストを制作」というように記載します。
CGデザイナーは、ゲームや動画など活躍の場が幅広く、技術的なスキルが重視される職種です。そのため、職務経歴書ではポートフォリオに掲載していない制作フローを記載すると良いでしょう。
CGデザイナーはWebデザインの制作で使用するソフトやツールはもちろん、ゲームエンジンや3DCG制作ツールなど特有のツールがあります。モデラ―やエフェクターなど工程ごとの職種があるように、制作フローも複雑です。
そのため、使用ツールとあわせて得意分野や対応領域も記載することで、スキルを明確にアピールすることができます。
UI/UXデザイナーは、ユーザー視点を重視したデザインスキルや改善のための提案力が求められます。ビジュアルの制作スキルはポートフォリオで示せるため、職務経歴書ではリサーチやプロトタイピングの経験を具体的に伝えることがポイントです。
UI/UXデザインはユーザー理解のためのリサーチや効果検証・改善といったプロセスが欠かせません。UI/UXデザイナーとしてどのようにユーザー理解を深め、どのような施策を講じたのかを記載することが大切です。「A/Bテスト後CV率が20%アップ」「ヒートマップを解析して動線を改善」など具体的に記載します。
デザイナーの職務経歴書は単なる説明資料としてだけではなく、デザイナーのスキルを表現できるツールとしても活用できます。ここでは、採用担当者の心をつかむ職務経歴書をデザインするメリットについて解説します。
職務経歴書をデザインするといっても、視認性は重視しなければいけません。採用担当者やクライアントが一目で内容を把握できるように、見出しや箇条書きを活用してまとめることが大切です。
情報が整理されている職務経歴書は、担当者の目を引くだけではなく、短い時間で経歴やスキルを知ってもらうことができます。
成果を具体的に示すにあたり、数値を用いることが大切ですが、成果を羅列すると伝わりにくいケースがあります。デザイナーなら、インフォグラフィックスを用いて視覚的に成果を伝える工夫をしても良いでしょう。
成果だけではなく、スキルレベルなどもインフォグラフィックなどで可視化できます。
職務経歴書は基本的な項目を押さえておけばとくに決まった様式はありません。デザイナーの個性を演出するツールとしても活用できます。ただし自由に制作してよいわけではなく、あくまで応募先企業と読む相手を意識したうえで制作することが大切です。
カラーで制作するときは、ポートフォリオと一貫性をもたせることでデザイナーとしてのスキルをアピールできます。
フリーランスデザイナーにとって職務経歴書はポートフォリオと併用して自分のスキルや経歴を明示するために欠かせないツールです。転職活動や業務委託案件へ応募するときだけではなく、エージェント登録時にも使えます。
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▲出典:Workship
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(執筆:吉永 ゆくら、編集:猫宮しろ)