初心者でも3時間で自作キーボードが作れる!?遊舎工房さんに教わってきた

自作キーボード
BUSINESS

こんにちは。フリーライターの少年Bです。

この前エンジニアの友達から「最近自作キーボードを作っている」という話を聞きました。ええっ、キーボードって自分で作れるの!? 友達が言うには、最近はキーボードを自作する機運が盛り上がっているそう。そして、秋葉原に自作キーボードの専門ショップがあることも教えてもらいました。

自作キーボードというとどうもエンジニアの趣味、というイメージがあるのですが、考えてみたらキーボードってライターの仕事道具でもありますよね。ううむ気になる……! ということで、実際に行って、作ってみることにしました。

少年B
少年B

インターネット歴22年目になるオタクライター。パソコンを触っている時間こそ長いが、その時間の大半をSNSや動画鑑賞に溶かしているため、ガジェット関連の知識はゼロに等しい。

遊舎工房ってどんなところ?

友達に教えてもらった自作キーボード専門ショップは、『遊舎工房』というお店。東京メトロ末広町駅徒歩3分、秋葉原駅からも徒歩10分くらいの距離にあります。

自作キーボード

▲かわいい看板がお出迎え。

自作キーボード

▲営業時間は13時〜18時、土曜日のみ11時〜18時(2021年9月現在)。

中に入ると、見たこともないようなキーボードがずらり!

自作キーボード

キーボードってこんなに種類があるんですね……!

自作キーボード

なかにはトラックボール付きの分割キーボードも。

自作キーボード

これは……武器?(キーボードです)

キーボードに詳しくなくても、お店に並んでいる商品を見るだけでもテンションが爆上がりです。うおーーーー! わたしもさっそく作ってみたい~!!!

自作キーボードってどんなものがあるの?

しかし、こんなにたくさんの種類があると、何をどう選んでいいのかわかりません。そこで遊舎工房の代表取締役・倉内誠さんにお話をうかがってみました。

倉内誠
倉内誠

遊舎工房代表。2017年頃に自作キーボードに目覚め、SNSやイベントでHelixキーボードキットを頒布。その売り上げを元手に専門通販サイトを立ち上げた。同時に会社を辞め、自作キーボードで食べていくおじさんになった。

少年B:
こんなにたくさんのキーボードがあるんですね。初めてでまったくわからないんですが、どういうのを選べばいいんでしょうか。

倉内:
キーボードははんだ付けをする・しないによって、作成時間や難易度が大きく変わってきます。初めての自作キーボードの場合、目安としては以下のようにご案内しています。もちろん、慣れている方であれば半分程度の時間で作られる方もいらっしゃいます。

キーボードの種類 作成時間の目安
マクロパッド等 30分~
はんだ付けなしのキーボード 1~2時間
スイッチのみはんだ付けありのキーボード 2~3時間
全パーツはんだ付けありのキーボード 1日程度
バックライトLED付きのキーボード 2日程度

倉内:
Bさんの場合は初心者なので、マクロパッドかはんだ付けなしのキーボードがいいのではないでしょうか。

少年B:
マクロパッド???

自作キーボード

倉内:
マクロパッドというのはこういう小さいキーボードです。

少年B:
かわいらしい……。これなら子どもでも楽しめるかもしれませんね! はんだ付けなしのキーボードにはどんなものがありますか?

倉内:
はんだ付けなしのキーボードキットはあまり種類が多くないのですが、「Keyboardio Atreus DIY kit」とかだとどうでしょう。1万3200円(税込)なので価格も手軽で、ほかのパーツとあわせても、だいたい2万円前後で作れると思います。

自作キーボード

少年B:
これですね。普段自分の使っているキーボードとは形が違ってかっこいい! ではこちらにします!

キースイッチとキーキャップを選ぼう

倉内:
遊舎工房で販売しているキーボードキットは基本的に「キースイッチ(軸)」と「キーキャップ(キートップ)」を含まないので、それぞれお好みのものを併せてご購入ください(※必要なものをすべて同梱した自作キーボード入門セットもあります)。

少年B:
キースイッチとキーキャップ???

自作キーボード

倉内:
キースイッチとは、各キーの下にあるスイッチのことです。キーボードの押し心地や音、耐久性に影響します。

遊舎工房では実際にキースイッチを押して選ぶことができるので、試してみてください。

少年B:
ふうん、キースイッチひとつでそんなに変わるもんなのかなぁ……?

自作キーボード

少年B:
うわほんとだ! 全然違いますねこれ!!!

倉内:
見事な変わり身の早さですね。実感していただけたようで何よりです。

少年B:
価格もモノによってだいぶ違いますね。個人的にはカチカチ音が鳴るほうが「キーを打った感」があるので好きです。ちょっと反発力のあるこいつにしよう。

倉内:
全部同じにしてもいいんですが、人によっては一部だけ違うキースイッチにする人もいますね。

自作キーボード

▲わたしはリニア軸の「Gateron Clear」を選択

少年B:
では、「キーキャップ」とは何ですか?

倉内:
キースイッチを覆うカバーのことです。みなさんがキーボードで叩いている部分ですね。

少年B:
えっ、それも選べるんですか?

倉内:
はい。セットになっているものを選ぶか、バラ売りのものを選ぶかの2パターンがあります。

自作キーボード

▲キーキャップのセットにはこんなに色鮮やかなものも

少年B:
バラだと1個からでも買えるんですね。壊れたときに補修もしやすいな……。

自作キーボード

▲バラ売りのキーキャップ。好きなものを好きな個数買うことができる

倉内:
今回はキー数が少ないので、セットを買うと余りが出てしまいますから、バラのほうがいいかもしれません。

少年B:
なるほど……。ちょっと変わったかたちのキーキャップもありますが、これも押せるんですか?

自作キーボード

▲キーキャップのなかにはこんなものも

自作キーボード

▲ソウルジェムキーキャップ?

少年B:
ソウルジェムキーキャップ、仕事で押すたびにどんどん濁りそうな気がするんですが。

倉内:
お気に入りのアイテムをキーボード上に展開することで「おしゃれを楽しむ」感覚で使うものですね。もちろん、実際に押すこともできますが。

少年B:
なるほど、キーキャップはおしゃれとして楽しむためのアイテムでもあるんだ……!

いざ組み立て!

少年B:
さて、パーツを買いましたが、どう組み立てていいのか……。心配なので見てもらいたいんですが。

倉内:
はい、店舗に工作室を併設しています。利用は2時間1,500円、延長は1時間500円と有料ですが、買った商品をその場で作ることもできます。今回は使いませんが、はんだも用意してあるので、はんだが必要なキットでも大丈夫ですよ。

少年B:
それはよかった! ではさっそく組み立ててみたいです!

少年B:
さっそく説明書を読んで……あれ?

少年B:
すみません、英語で何が書いてあるかぜんぜんわからないんですけど!(怒)

倉内:
怒らないでください。そのキットであれば、うちのサイトに説明書を翻訳したものが載っています。

▲ほんとだ……

少年B:
ほんとだ。すごい。これは助かります。なになに、まずはキースイッチを差し込んでいけばいいんだな……。

スタッフさん:
あ、待ってください。このキースイッチはプラスチックのピンをニッパーで切る必要がありますね。

少年B:
?????

スタッフさん:
このキースイッチはピン(足)が5本のものです。この基板も5本対応のものなんですが、少しきついのでこのプラスチックのピン2つを切ることでスイッチを取り付けやすくなります。

少年B:
そんな違いがあるんですね。でもちょっとした手間をかけるとより自作感が出るかも……!

少年B:
こんな感じですか?

スタッフさん:
そうです。よくできてますね!

少年B:
やったー! 褒められた~!!!

▲工作室では備品の使用も可能(一部有料の工具あり)

少年B:
いまスタッフさんに教えてもらったんですが、ホームページには「技術サポート:税込3,000円/回」と書いてありました。これでお金を取られたりはしません……?

倉内:
いやいや、そんなことはしませんよ! こういった簡単なアドバイスやサポートではお金はいただきません。基本的に「スタッフが手を動かすとお金がかかる」と考えていただければ。

少年B:
おお、そうなんですね。それなら安心です! わからないことがあったら積極的に聞いてもいいんですね!

少年B:
よし! 足を切ったらこうやってはめ込んでいけばいいんですね。なんかプラモデルみたい!

倉内:
はい、金属の足が2本あるので、それを基板の穴(ソケット)にはめていきましょう。

少年B:
けっこう簡単にはまりました。あとはキーキャップをつければ完成ですか?

倉内:
いや、その前にちゃんとボタンが反応するか調べてみましょう。ちゃんとはめたつもりでも足が曲がっていたりすることがあるんですよ。

少年B:
おおー! こんな機械があるんですね!

倉内:
問題なさそうです。今回は違いますが、はんだ付けがあるとキースイッチの取り付けは長時間の作業になるので、とくに緊張する場面ですね。それではキーキャップをつけていきましょう。

そして完成へ……

少年B:
では、最後にキーキャップなんですが……。これはつける方向とかあるんですか?

倉内:
このプロファイル(キーキャップの形状)は、ぱっと見で向きが分からないんですよね。この「DSA無刻印キーキャップ」に限定しての話ですが、一応判別する方法があるのでこっそり教えちゃいます。ひっくり返すと角に小さな丸みたいな形がありますよね。

少年B:
はい。

倉内:
これは樹脂を型に流し込むときの成形穴なんですが、この成形穴のある辺が上か下に来るのがいいですね。まぁ、横にしても無理すれば入っちゃうくらいなので、気にされない方もいらっしゃいます。それにしても、ずいぶんカラフルな色のキーキャップを選びましたね。

少年B:
キーキャップの色で性能は変わらないんですよね。そこで今回は「ゆめかわ」をイメージして選んでみました。

倉内:
ゆめ……かわ???

少年B:
えいえいっ……!

少年B:
こんな感じでどうでしょう。

倉内:
すごい、これは可愛らしいですね! 最初からイメージしていたんですか?

少年B:
さっきのキーキャップセットを見て、こんな感じにしてみたらいいんじゃないかなと思って作ってみました。35歳男性のチョイスであることを除けば100点なのでは。

倉内:
失礼ですが、それは確かにちょっと思いました。

▲このセットをイメージして作りました

倉内:
あとは、シールを貼って完成ですね。

少年B:
シールは時間がかかりそうなので、帰ってやってみます。ありがとうございました!

自作キーボードの楽しさとは?

少年B:
自作キーボードがこのところ少し話題になっているようなんですが、それはなぜですか?

倉内:
うーん、そうですね。うちは「自作キーボードって何だ?」って頃から店を出しているんですが、目新しさやそもそもキーボードって自作出来るんだってところからSNSを中心として広まっていますね。もちろん自作キーボードクリエイターや他のお店も含めて、「自作キーボードってものがあるよ、おもしろいよ」と活動しているなかで、それが徐々に人の目に触れるようになってきたんだと思います。

少年B:
遊舎工房さんは、元々は通販からお店を始められたんですよね。

倉内:
はい。2018年の4月に通販を始めて、翌2019年の1月に実店舗を出しました。当時は自作キーボードのパーツを購入するとなると海外の通販サイトを使うことが多かったのですが、そうすると個人輸入をしなければならないとか、ハードルが高かったんです。

少年B:
それは確かに……。

倉内:
自分も趣味でやっているなかで、同じ趣味の人たちのお手伝いができないかという部分もあり、店舗を立ち上げることになりました。

あとは、2018年末のコミケで自作キーボードの同人誌が話題になったことも大きかったです。

少年B:
同人誌が! しかもたまたま出店直前のタイミングだったんですね。

倉内:
はい。扱うものがキーボードなので、やっぱり実際に触れる場所が必要だろうなと思っていたのですが、それで波に乗った部分もあります。

▲実際に触ってわかることもある

少年B:
確かに、キースイッチは実際に押してみて差を実感しました。倉内さんの考える自作キーボードの楽しさとはどんなものですか?

倉内:
まず第一に「見た目」じゃないかなと思っています。自作キーボードを始めたい方の事情は色々あると思うんですよ。たとえば肩こりがひどいからとか、姿勢をよくするために分割キーボードが欲しいという方もいらっしゃいます。

少年B:
はい。

倉内:
私はどちらかというと「かわいい、見た目のいいキーボードが欲しい」と思って始めたほうなんです。人それぞれ魅力を感じる部分はあると思うんですが、私は自分のテンションが上がる道具を自分で作れるところが楽しいんじゃないかなと思っています。

▲おしゃれ感覚で楽しめるキーキャップも多数。

少年B:
今日はキーキャップもたくさん見せていただきましたが、まるでネイルのようなきれいなものもあるなと思いました。確かに気分がアガりそうです。

倉内:
はい。ファッションのようにキーボードも何種類も置いて、気分によって選んでも楽しいんじゃないかなと思いますね。

少年B:
仕事によって使い分けてみるのもおもしろいかも……!

自作キーボードのメリットとは?

少年B:
ほかに、自作キーボードを導入するメリットはどんなものがありますか?

倉内:
キースイッチの押し心地とか、キーボードの形などを自分の好みに合わせてカスタムできることですね。このスイッチの押し心地が気に入らないとなれば交換もできますし、配列も選べます。「ここ、もっとこうだったらいいな」を実現できるのは、やはり一番のメリットだと思います。

少年B:
確かに……。自作キーボードというとエンジニアのもの、というイメージがどうしてもあるんですが、わたしのようなライターも最も触れている機器ってキーボードですね。キーボードに対するストレスが減らせたり、なくなったりすると仕事も楽しくなるかもしれません。

▲キースイッチの種類もさまざま

倉内:
かなり難易度の高い話ですが、極端なことをいうと、自分でイチから設計することもできますから。

少年B:
わたしはブラインドタッチができなくて、よく「N」と「M」を押し間違えたりするんですが、キーキャップやキースイッチを一部だけ変えれば、押すときにわかりやすくなってタイピングが上手くなったりしないかな……。

倉内:
おもしろいですね。そういう自分だけの悩みを解決できるのも自作キーボードならではのメリットだと思います。

▲キーキャップには口紅のようなものも

少年B:
ユーザーさんはやっぱりエンジニアさんが多いですか?

倉内:
そうですね。あとはイラストレーターさんや漫画家さんもよくいらっしゃいます。フルキーボードじゃなくて片手キーボードにして、タブレットと一緒に使いたいというような要望で。あとはゲーマーの方も多いですね。

▲キーキャップのガチャもあった

少年B:
お店の売り上げ的にはどんな感じですか?

倉内:
まぁおかげさまでお店が成り立つぐらいには何とか……といった感じですね。

開店当初に比べて、扱うキーボードの数がすごく増えたんです。部品や機種の選択肢が増えるにつれて、売り上げも年々上がっています。いま自作キーボードが盛り上がっているので、そういう意味でお店も一緒にがんばっている感覚ですね。

▲店内にはさまざまなキーボードがずらり。見てても飽きない

少年B:
逆に、大変な部分はありますか。

倉内:
種類が多いので、在庫管理は大変ですね。何でもかんでも入れるわけにはいかないし、でも種類の多さが楽しさに繋がる部分なので、そこは日々悩みながらやっています。

まとめ

会社に戻ってきました。お話もうかがえて大満足……といきたいところですが、まだ作業は終わりではありません。キーの配置がわかるよう、シールを貼っていきましょう。

転写シールを1文字ずつ切り、キーに合わせて貼っていきます。貼ったらシールをこすり、文字をキーキャップに転写していきます。

文字にするとたったの1行ですが、作業はみっちり2時間かかりました。いや、単にわたしがめちゃめちゃ不器用、ということはあるのですが、まさかこの工程がいちばん長いなんて!

しかし、それでもトータル3時間程度でオリジナルのキーボードが作れちゃいました。シール貼りの手間を省きたい人は、キーボードセットを使うといいでしょう。

でも、キーボードの形も、キーの位置もカラーも思いのまま。手間をかけただけあって愛着が湧いてきます。

自作キーボード、楽しいですよ!(※この記事は自作キーボードで書きました)

(執筆:少年B 編集:泉)

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