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近年、新しい仕事として注目されている「オンライン秘書」。PCとネット環境さえあればスキマ時間に業務ができるため、在宅ワークがおもなIT系フリーランスに注目されています。
しかし「秘書」と聞くと、面倒な書類処理や細かすぎるスケジュール調整、それに伴う各方面への連絡など、大変な仕事だというイメージがありますよね。オンライン秘書なら、業務はすべてオンライン上で完結します。IT系フリーランスのほか、育児や介護などでまとまった時間が工面できない方にもおすすめの仕事です。
この記事では実際にオンライン秘書の仕事をしている私が、オンライン秘書の仕事内容や、オンライン秘書になるまでのステップ、おすすめの求人サービスをあわせてご紹介します。
請求書や領収書など、書類の作成/管理はオンライン秘書のよくある業務です。
これまでは紙で保管していた各種書類も、いまではオンライン上で作成しクラウドで管理できるようになりました。そのためオンラインのみの作業で十分に対応できます。以下のようなツールに慣れておくと、お仕事をもらいやすいです。
- 請求書や領収書作成ツール(『Misoca』や『領収書.net』など)
- 各種書類を管理するクラウドサービス(『Dropbox』や『Googleドライブ』など)
「請求書の作成なんて、誰でもできるし需要あるのかな……?」と思われる方も多いかもしれません。しかし法人/個人問わず、「時間が取られてしまう書類作成業務は外注したい!」と思っているクライアントは多いです。
Googleカレンダーを共有し、月々のスケジュールを調整/管理したり、それに合わせて打ち合わせのアポイント調整や外部窓口を担ったりする業務です。
ベンチャー企業の代表取締役や、打ち合わせや会食の多い職種のフリーランスなど、「秘書を雇う余裕はないけど、スケジュール調整や連絡をまとめてくれる人がいれば助かる!」と思っているクライアントはたくさんいます。
急な予定変更に対応できるよう、最も連絡が早くつきやすいツールを前もって共有しておきましょう。LINEやFacebookメッセンジャーが代表的です。
出張の多いクライアントの場合は、宿泊先のリサーチ、予約、現地までの交通ルート手配なども、オンライン秘書の業務になり得ます。
宿泊先や交通ルートの手配においては、以下の点に注意して進めましょう。
- 予算はどれくらいか
- 宿泊先は駅近が良いか
- 宿泊先の近くにあってほしい施設はあるか
- 部屋のグレードの希望はあるか
- 部屋は禁煙/喫煙どちらがよいか
- クリーニングサービスやランドリーはあるか
- 交通手段の希望はあるか
- グリーン車希望か(新幹線の場合)
同クライアントと何度かやりとりしていると、好みが把握できるようになってきます。毎回メモに残しておいて、簡単な確認のみで済むようにしていきましょう。
出張先で会食はつきもの。会食先のリサーチや予約についてもオンライン秘書の出番です。以下の点に注意しつつ、慎重に進めます。
- クライアントまたは会食相手の希望を確認する(料理ジャンルや駅からのアクセスや好き嫌い、アレルギーの有無など)
- 日時、人数、予算を確認する
- 支払い可能手段を確認する
また新型コロナウイルスの影響により、臨時休業や時短営業になっている場合もあります。店舗の公式サイトと予約サイトでは表記が異なっていることもあるため、両方を確認したうえで電話連絡することをおすすめします。
本の著者やファシリテーターなどイベント登壇する機会の多いクライアントの場合は、その各種調整もオンライン秘書の業務になります。
芸能人のマネージャーのような立ち位置で、登壇/取材依頼に対応する窓口となったり、条件のすり合わせやギャラ交渉を代行したりするなど、さまざまな業務があります。
タスクの進行管理、調整、リマインドを担当することもあります。
とくにフリーランスとして個人で仕事を回している場合は、職種に関わらず「いまどの仕事を進めているのか?」「何日までにどの仕事を終えているべきか?」など常に調整に追われるもの。
ひとりでカバーできる範囲であれば問題ありませんが、「タスク管理だけ誰かにお願いしたい……!」 と考えているクライアントは案外多いものです。
ディレクター業務もオンライン秘書が担当できる仕事です。
たとえば複数人のライターを担当し、それぞれの持っている仕事量や進捗具合を管理したうえで、納品まで無理なく調整する役回りはいたるところで求められています。
ライターの取りまとめであればライターの、デザイナーの取りまとめであればデザイナーの経験が必須となる点に注意しましょう。
近年需要が増えているのが、オンラインコミュニティの運営や管理補佐業務です。
小規模であればオーナーひとりの手で事足りますが、メンバーが数百人以上になってくると、単純な入退会の管理だけでもまとまった時間が必要となります。
オンラインコミュニティの運営や管理補佐にまつわる業務として、代表的な例は以下のとおりです。
- 毎月の入退会管理
- 月額会費の引き落とし管理
- 入退会のマニュアル作成/管理/メンバーへの案内
多くのフリーランスやIT系職と同じように、PCやインターネット環境さえあれば時間や場所にとらわれず働けるのがオンライン秘書の強み。とくに以下のような方におすすめの仕事です。
デザイナー/プログラマー/ライターなど、IT系職のフリーランスにおすすめなオンライン秘書。手持ちの仕事が空いたタイミングを上手く使って、業務をこなしている方がたくさんいます。
月々の収入が不安定になりやすいフリーランス。「今月、ちょっと厳しいかも……」といったときに、オンライン秘書としての案件がいくつかあると安心です。
育児や介護をしており、まとまった時間が取れない方にもおすすめです。
前もってスケジュールを立てにくく、ハプニングも起きやすい毎日のなかで「たまたま空いた時間」を有効活用できるのがオンライン秘書のメリット。お子様が寝ている間や保育園に行っている間や、お世話の手が空いた隙間時間などにささっと業務を行えます。
とくに育児中のママやパパからは、「時間の都合がつけやすい」「子どもが急に熱を出したときもすぐに対応できる」などの理由からとても人気です。
経理や人事などの事務経験がある、もしくは簿記資格を持っている方などにもおすすめ。オンラインでの仕事にさえ慣れれば、十分に応用可能です。
また実際に秘書として働いていた経験がある方なども、経験を活かし細かい配慮をともなった業務を行えるでしょう。結婚、出産、育児などでいったん途切れたキャリアを繋ぐのにもぴったりです。
職種を問わず、本業の傍ら複業として何か仕事をしたい方にも、オンライン秘書はぴったり。時間制約のない仕事が多いため、本業に支障の出ない範囲で業務にあたれます。
時給1,000円としても、週に5時間の作業で月20,000円の収入に。ちょっとしたお小遣い稼ぎにも最適です。
実際にオンライン秘書をやるにあたっての一日の流れを、「フリーランス」「育児 or 介護中」「複業ワーカー」それぞれの場合で見ていきましょう。
フリーランスとしてオンライン秘書をやる場合、その働き方は千差万別です。法人クライアントに絞って徹底的にコミットするもよし、複数の個人クライアントをお手伝いするもよし。
一日の流れは以下のとおりです。
【オンライン秘書の一日の流れ:フリーランスの場合】
- 7:00 起床
- 9:00 業務開始(クライアントの始業開始時刻に合わせる)。メール対応を含めた各種連絡、書類作成など
- 12:00 昼休憩。出張先の宿手配、交通ルートの手配、会食のセッティングなど
- 14:00 終業(事前に契約内容に準ずる)
上記のように、事前の契約内容に沿って始業時間から終業時間まで業務を行う(または待機する)ケースもあれば、月の作業時間を月末にまとめて申告するケースもあります。
育児や介護をしていると、毎日決まった時間に業務をスタートさせるのは難しいもの。育児や介護中の人がオンライン秘書をやる場合は、始業時間や終業時間を定めないケースがほとんどです。
業務の進め方はクライアントによっても異なりますが、業務開始のタイミングで開始報告をし、終えたタイミングで終業報告をするのが一般的。週や月ごとにまとめて作業時間を報告するのが通例です。
【オンライン秘書の一日の流れ:育児 or 介護中の場合】
- 6:00 起床。家事など朝の支度、保育園への送り出し
- 12:00 業務開始。業務の合間に洗濯や掃除
- 15:00 業務終了。保育園へお迎え、買い物など
業務時間が細切れになってしまったり、業務予定のはずが急な変更があった場合など、時間管理に少々不安があるかもしれません。ほとんどの方は『TIME CARD』や『FastWorkLogプラス』など、アプリで簡単に勤怠管理ができる仕組みを導入しています。
本業の傍らで隙間時間にさくっと業務を行えるオンライン秘書。複業としてオンライン秘書を選ぶ方も少しずつ増えてきています。
本職でデザイナーやライター、編集者などをしている場合、同じ職種の人たちを取りまとめるディレクター業務がぴったり。自身もプレイヤーとして経験がある場合は歓迎されます。なかにはデザイナーやライター向けのオンラインコミュニティの運営管理をする業務なども。
【オンライン秘書の一日の流れ:複業ワーカーの場合】
- 7:00 起床
- 9:00 出社。本業にまつわる仕事
- 12:00 昼休憩
- 18:00 終業。帰宅後オンライン秘書業務1-2時間
(※休日にまとめて規定時間分の業務をする場合も)
オンライン秘書、もしくはちょっとしたオンラインアシスタントを希望している友人や知り合いがいれば、紹介してもらうのがいちばんの近道です。
各種求人サービスに登録するのも手ですが、経験や実績がなければやはり難しいのも現実。まずは友人や知り合いにお試し価格で雇ってもらい、アピールできる実績をつくりましょう。
TwitterやFacebookなどで呼びかけるのもおすすめです。
『ランサーズ』や『クラウドワークス』などのクラウドソーシングサイトにて、オンライン秘書の求人が出ている場合もあります。
全体の求人数から見ると決して多くはありませんが、Excelを使用したデータ入力や管理業務、各種ディレクター業務など、定期的に求人がだされています。まずは登録し、どんな求人があるか確認することをおすすめします。
『indeed』などをはじめとする求人サービスで探すのもおすすめ。クラウドソーシングサイト同様に、経験や実績がなければ案件を受注するのは難しい面もありますが、どんな案件があるのか確認するだけでも得られるものがあります。
探し方としては「事務」や「リモート」などのキーワードで検索するのがおすすめです。
オンライン秘書サービスといえば『CASTER BIZ』です。スキルの高いオンライン秘書をチームで斡旋してくれるとあって、界隈ではトップクラスに信頼性のあるサービスと言えます。
こちらのCASTER BIZは、運営会社である株式会社キャスターの社員しか斡旋していないため、まずは株式会社キャスターの求人へ応募するところから始めなければなりません。少々ハードルは高いですが、「社員としてしっかりオンライン秘書をやりたい!」 といった方におすすめです。
経営者層の秘書業務を担当する案件が多い『Genny』。スケジュール管理や出張に関する各種手配、書類作成などがおもな仕事です。
社員としてオンライン秘書業務にコミットしたい方向けです。
「いきなり社員はハードルが高い……」と思う方には『フジ子さん』がおすすめ。業務委託から始めることができ、成績や評価によっては契約社員や正社員として登用されることも。
経験が薄く不安がある方も、先輩秘書からのOJTなど育成サポートが手厚いため、無理なくキャリアアップできます。
まずは公式サイトからエントリーし、書類審査やWeb面談を通して選考。無事に採用されれば、最初は先輩秘書さんのアシスタントとして補佐をしながら業務を進めていきます。
実際にオンライン秘書として活動されているみみこさん運営のオンラインコミュニティ『秘書部』。
主婦で2児のママであるオーナーのみみこさんが、オンライン秘書になるためのスキルアップや必要な知識などを講座形式で支援してくれるコミュニティです。同じく主婦やママとしてオンライン秘書のノウハウをつけたい方が多く集まっています。
募集は不定期で、2020年8月現在は第二期のメンバー募集が終了。みみこさんTwitterや公式LINE@にて案内が配信されるため、登録し定期的にチェックするのをおすすめします。
「 #秘書部 」2期生の募集開始!
▼なにができるの?
・未経験からオンライン秘書になるためのステップ講座
・過去の講座はすべて録画で視聴可能!
・何でも相談!(営業、交渉、仕事の仕方など)
・同じ道を歩く仲間や先輩を探せる!▼募集期間
~6/22(月)23:59— 土谷みみこ|オンライン秘書×ワーママ (@mimiko_hisho) June 19, 2020
オンライン秘書になるのは決して難しくありません。普段の仕事や育児/介護の合間でできる仕事です。事務経験や簿記資格を活かすこともできます。
まずは求人サービスに登録し、スキルや条件に合う仕事があるか見てみましょう。
【この記事のまとめ】
- オンライン秘書は隙間時間を有効活用できておすすめ
- フリーランス/複業ワーカーなど働き方も多様
- オンライン秘書になるには「サイト登録」「紹介」「SNS」など
(執筆:Kitamura Yuu 編集:Sato Mizuki)