おすすめアウトライナーアプリ8選。思考整理やタスク管理など使い方まとめ

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文章執筆によく用いられる「アウトライナー」。じつは、その用途は執筆に限りません。

タスク管理や読んだ本の要約、映画・ドラマ・舞台の感想記録、そのほか情報や資料のまとめ、日記やメモなどなど……。ただ文章執筆だけに使うにはもったいないのです。

「いざ文章や記事を書こうとしても詰まってしまう」
「せっかくメモしても参照したいときに限って見つからない」

そんな方にこそ使って欲しいアウトライナー。おすすめのアウトライナー8選とその使い方を解説します。

アウトライナーとは?

アウトライナーとは、ジャンルごとに階層を分けて情報を管理・整頓できるツールです。

「アウトライン」=「目次、あらすじ、概要」のこと。つまりアウトラインを作成することで、散らばった情報を階層ごとに整理整頓できるのがアウトライナーなのです。

具体例として、実際に本記事を書くときに使用したアウトライナーの画面をご覧ください。

アウトライナー

このように「アウトライナーとは」「アウトライナーの魅力」などトピック(項目)ごとに情報をまとめられます。3,000文字以上の文章を書くときなどは、いきなり書き始める前にアウトライナーで情報を整理しておくと便利です。

アウトライナーの魅力

上記のように長文執筆に長けているのがアウトライナーの最大の魅力。しかし、それ以外にもたくさんの魅力があります。

<アウトライナーの魅力>

  • タスク管理、情報や資料まとめ、日記やメモなど用途が幅広い
  • 情報や思考の整理ができる
  • 考えることがシンプルになり、行動しやすくなる
  • 情報をグループ化し、全体像を俯瞰できる

使うアウトライナーによって機能やデザイン、使用感に差があるものの、アウトライン機能がついているのは共通です。階層の入れ替えもスムーズにできるため、あらゆる場面で情報や思考の整理に役立ちます。

たとえば、アイデアや企画を思いついたとき。それをただ泳がせておくよりも、いったん言葉にして「見える化」していくだけですっきりします。脳が「忘れてもいいんだ」と思ってくれるからです。

その見える化した情報に「見出し」をつけ、見出し内に含まれる要素はインデント(=字下げ)して階層化しておく。それを繰り返すだけで、ジャンルごとにいくつもの「トピック」ができます。アウトライナーで階層ごとにまとめておけば、どの情報がどの見出し内にあるのか一目でわかるため、情報や思考の整理に重宝するのです。

また「文章を書こう!」「本の感想を書こう!」「今日やらなければならないことをまとめておこう!」と意気込むと、重い腰が上がらないもの。

アウトライナーにはデザインがシンプルなものが多く、操作も直感的で使いやすい場合がほとんどです。ツールを使うまでの心理的ハードルが低いため、継続しやすいのも魅力のひとつ。PC・スマホ間の同期がスムーズなツールを選ぶと、さらに効率が上がります。

おすすめアウトライナー8選

すっかりアウトライナーに惚れ込んだ私が、ぜひ皆さんにもおすすめしたいアウトライナーを10選ご紹介します。

1. Workflowy

アウトライナー 例

無料 or 有料 無料版 / 有料版有り(有料版 月額制 約540円 (税込) )
対応Ver Mac / iOS / Android / Windows対応
公式サイト https://workflowy.com/home-all-ideas/

「アウトライナーといえばWorkflowy!」というくらいに浸透しており、紹介されることも多いアウトライナーです。DLすればすぐに使用可能。Mac / iOS / Android / Windowsそれぞれに対応しています。

無料版と有料版があり、有料版だと月額で約540円支払う必要があります。無料版でも不満を感じたことはありませんが、強いて挙げるなら立てられるトピック数に上限がある点でしょうか。

よりメモに特化した姉妹アプリ『MemoFlowy』もあります。併用すればさらにメモのスピードが上がるでしょう。いつでもどこでも情報を溜めておけます。

デザインがシンプルで使いやすく、直感的に操作可能。余計な装飾や機能が一切ないため、メモや執筆だけに集中できます。個人の体感として、他アウトライナーと比べてダントツでPC・スマホ間の同期が早いのも魅力です。

そのほか、ひとつのトピックをひとつのページとして扱えるズームイン機能や、一日の終わりに編集箇所をメールで知らせてくれる機能、トピックごとにアウトラインを複数ユーザーで共有・編集できる機能もあります。

2. Omni Outliner

Omni Outliner

無料 or 有料 有料買い切り / 14日間無料体験あり
「OmniOutliner Essentioals」 Mac版:2,440円 (税込) / iOS版:2,440円 (税込)
「OmniOutliner Pro」 Mac版:12,000円 (税込) / iOS版:3,060円 (税込)
対応Ver Mac / iOS 対応
公式サイト https://www.omnigroup.com/omnioutliner/

有料買い切りのアウトライナー。Mac版とiOS版それぞれにessentialsとpro版があります。少々高額ではありますが、Workflowyの上位互換版と名高いアウトライナーです。14日間の無料体験もあるので、Workflowyが物足りない方は試してみるのもアリだと思います。

操作感としてはトピックの入れ替えがスムーズで使いやすいです。複数のトピックを簡単にグループ化できるのもいいですね。Workflowyと比較するとデザイン性が強く、文字に色をつけたりサイズを変えたりもできます。Workflowyのようにシンプルに使うことも可能ですが、カスタマイズが好きな方にはOmmi Outlinerの方がおすすめ。

不満点としては、無料体験をするのにもアカウント作成が必要で少々手間がかかる点。Mac版しかないのも不便かもしれません。使い始めは問題ないかもしれませんが、データが増えてくると動作が重くなりそうなのも懸念点です。

3. Cloud Outliner

Cloud Outliner

▲引用:Xwavesoft

無料 or 有料 無料版 / 買い切り有料版有り
買い切り有料版 Mac:1,220円 (税込) / iOS:370円 (税込)
対応Ver Mac / iOS 対応
公式サイト https://xwavesoft.com/cloud-outliner-for-iphone-ipad-mac-os-x.htm

Ommi Outlinerと比較すると良心的な値段。Windows・Androidは非対応ですが、Mac・iPhone・iPadそれぞれのデバイスでアプリが用意されています。外出先でiPhoneを使ってメモしたら、自宅でMacを使って編集する柔軟な使い方が可能。同期も早めです。個人的な体感としてはWorkflowyの方が早いですが、Cloud Outlinerの方が早いと感じる方もいますね。

Mac版とiPhone版でそれぞれ特徴が違います。以下をご参照ください。

<Mac版特徴>

  • ショートカットキーが充実している
  • デザインがシンプルで余計な機能がない
  • ダークテーマやフルウインドウモードがある
  • 文章作成のみに集中したい方に向いている

<iPhone版特徴>

  • 操作が直感的で使いやすい
  • 編集しやすい画面である
  • トピックの入れ替えが簡単でスムーズである

WorkflowyのiPhone版は若干操作がもたつくときがあるので、外出先で使うことが多い方はCloud Outlinerの方がいいかもしれません。

無料版でも十分使えますが、一点だけ、無料版だとEvernote同期ができないため注意しましょう。

4. dynalist

dynalist

無料 or 有料 無料版 / 買い切り有料版有り(有料版 約1,000円 (税込) )
対応Ver Mac / iOS / Android / Windows対応
公式サイト https://dynalist.io/

ブラウザ上で操作可能なアウトライナー。新しいツールをいちいちDLするのを避けたい方にはおすすめです。dynalistは簡単に言うと「機能をめちゃくちゃ増やしたWorlflowy」ですね。

Workflowyと違って無料版でも立てられるトピック数に上限がなく、複数のアウトラインが作成できてファイル形式で管理できます。Workflowyが少々シンプルすぎるので、ある程度の機能が欲しい方にはdynalistの方がいいかもしれません。

有料版と無料版でそれぞれできることが違います。以下をご参照ください。

<有料版でできること>

  • 画像やファイルを埋め込む
  • ショートカットキーをカスタマイズする
  • 各ドライブへバックアップする
  • Googleカレンダーに連携する
  • 使用タグを一覧表示する

<無料版でできること>

  • 複数のフォルダを使い分けられる
  • 文字や見出しに色をつけられる
  • チェックリスト機能がある
  • マークダウンで装飾できる
  • 日付機能がある
  • 他のトピックへのリンクが貼れる

5. 秀丸

秀丸

無料 or 有料 シェアウェア型
金額 ライセンス購入:6,380円 (税込) / アプリ購入:4,000円 (税込)
対応Ver Windows対応
公式サイト https://hide.maruo.co.jp/index.html

無料で試せる代わりに、長期で使うならライセンスを購入する必要があるシェアウェア型。特徴はとにかく軽いこと。他のアウトライナーと比べても動作の軽さはダントツです。何よりも軽さを重視する方は秀丸一択かもしれません。

秀丸というとテキストエディタのイメージが強いかもしれませんが、アウトライナーとして最低限使える機能はあります。動作の軽さを重視し、アウトライナーとしての最低限の機能があればそれでOKな方向け。

トピックの入れ替えができること、階層の開け閉めが一括でできること、データがテキスト形式で保存されるため後からの編集が可能なこと、単語保管機能があることが特筆できるメリットです。

6. StoryEditer

無料 or 有料 完全無料
金額 ライセンス購入:6,380円 (税込) / アプリ購入:4,000円 (税込)
対応Ver Windows対応
公式サイト https://nfox.biz/soft/StoryEditor/

小説を書くのに特化したアウトライナーです。章立てが簡単にでき、左側にアウトラインツリーが表示されて右側にテキストエディタが表示される2カラム構成。とにかく長文を書くときに重宝する機能が満載です。

構成や見出しごとに左側にトピックを作成。キャラクターごとの特徴をまとめたり、地名や建造物や動植物の管理をしたり、右側にそれぞれの項目について補足情報を入れたりなど。入れた情報は階層ごとに管理でき、トピック間の移動も自由です。

テキストファイルで保存されるため、編集が簡単にできるのも魅力。画像や図形、動画の保存はできないため、他のツールと併用するのがいいかもしれません。

7. Outlinely

Outlinely

▲引用:Outlinely

無料 or 有料 有料買い切り(3,680円 (税込) )
対応Ver Mac / iOS 対応
公式サイト https://glamdevelopment.com/outlinely

テキストエディタとしても十分使えるシンプルなデザイン。実際にアウトライナーというよりはテキストエディタとして使っている方も多そうです。Worlflowy並に同期が早く、置換機能や打ち消し線機能があるのも魅力。

セピアテーマやダークテーマなどテーマ設定ができるため、テーマを変えて使いたい方にはおすすめです。

使用感はWorkflowyと似ているため、普段使いならWorkflowyに軍配が上がるかな……といった感じです。しかしトピック数の制限が気になる方はOutlinelyの方がいいかもしれません。

8. Scrivener

Scrivener

▲引用:Scrivener

無料 or 有料 買い切り有料(5,800円 (税込) ) / 学割有り(4,930円 (税込) )
対応Ver Mac / Windows対応
公式サイト https://www.literatureandlatte.com/scrivener/overview

文章や原稿執筆向けの機能が多くついたアウトライナー。学割版があるところを見ると、日頃レポートや論文に終われる学生さん向けに作られた側面もある気がします。

小説家や脚本家、研究者、弁護士、ジャーナリスト、翻訳者などなど……日頃から論理的な長文を定期的に書かなければならない職種の方向け。

文字の大きさを変える、太字にするなどの基本的な装飾機能はもちろんのこと、小説や脚本を書くのに役立つテンプレやフォーマットが付いています。全画面機能や執筆文字数記録、そして自動保存機能などなど……執筆に全集中したい方におすすめです。

アウトライナーの活用例

アウトライナーの活用例をご紹介します。

<アウトライナーの活用例>

  • タスク管理
  • 読んだ本の要約、観た映画の感想など
  • 情報や資料のまとめ
  • 日記
  • メモ

活用例1. タスク管理

日付やジャンルごとにトピックを立て、その中にどんどんやりたいことを書き出していきます。

<タスク管理の例>
・○月○日
・文字起こし
・取材場所リサーチ
・編集

優先順位が高いものから書き出すのがおすすめです。済んだタスクを消していくことで達成感・爽快感が味わえます。

活用例2. 読んだ本の要約、観た映画の感想など

ジャンルごとにトピックを立てられるのがアウトライナーの魅力。たとえば読んだ本のタイトル名でトピックを立て、感想をまとめるのも良いでしょう。観た映画や舞台の感想を1本ずつまとめたり、地域ごとにお気に入りの飲食店をリスト化したりすることもできます。

<要約の例>
・映画
・ホラー
・『チャイルド・プレイ』
・めちゃくちゃ怖い
・とにかく怖い
・今世紀最大の怖さ

また、ほとんどのアウトライナーには検索機能がついています。「あっちとこっちの情報、ひとまとめにできるな」と後から気づいた場合でも、検索すれば一発で探せるので安心です。

活用例3. 日記

日付ごとにトピックを立てれば日記も書けます。タスク管理と併用し、進捗や所感をメモしておくのもいいですね。

<日記の例>
・○月○日
・文字起こし
・進捗 55 / 100 % 明日中には終わらせたい気持ち
・やっぱり文字起こし楽しい
・取材場所リサーチ
・渋谷候補 ○○と○○
・新宿候補 ○○と○○
・青山、表参道、原宿あたりでもう数店舗出しておきたい気持ち
・編集
・目標 10 / 10 記事達成!
・自分で文章を書くときは気づかないのに、人の書いた文章を編集するときは色々なことに気づく現象には名前があるのか

なんでも箇条書きにできるのがアウトライナーの強みです。思ったことをぽんぽん書いてザクザクEnterを押していけばOK!

「日記は続いた試しがない……」というあなたも、文章を書き慣れていないあなたも、この方法を続ければ書けるようになるかもしれません。

活用例4. 情報や資料のまとめ

作りたいものや取り組んでいる仕事それぞれにトピックを立てて、情報をまとめておけます。

<情報まとめの例>
・街歩き系記事企画
・下北沢
・書店
・カレー屋
・高円寺
・プリン
・銭湯
・西荻窪
・ラーメン
・阿佐ヶ谷
・ランチ
・カフェ

ただ一点、画像や動画をまとめるのには適しません。そのあたりは、Evernoteと併用すれば無敵です。

活用例5. メモ

何も考えず、ただ思いついたことをメモしておくのにもアウトライナーは便利。ネタ出し&メモ専用として使う方も多いと聞きます。

「記事のネタを書いておくぞ!」「アイデアを書き留めておくぞ!」と肩肘張らずに、ただ思ったことや見つけたことを書いておきましょう。日頃書きためておいたメモが、ふとした瞬間に形になることも。

この不思議な達成感を味わえるのも、アウトライナーの魅力です。

アウトライナーを使ってみた感想

ここまで「アウトライナーとは」「アウトライナーの魅力や機能」について語ってきました。

結局のところ、使ってみてどうなの? と疑問に思われる方もいるでしょう。

そこで、実際に仕事やプライベートでアウトライナーを導入してみた私の感想を書かせてください。

感想1. 思考の整理がしやすくなった

私はライターとして仕事をしています。これまで記事執筆に必要な資料やメモは、ひたすらEvernoteに溜めていました。いざ記事を書くときはGoogleドキュメントで執筆→納品。そのままCMSに入稿することも。

Evernote自体は優秀なツールなのですが、いざメモしようと思っても「新しくノートを作った方がいいかな」「どのノートブックに入れようかな」などと考えてしまい、スピードや効率性に欠ける面があったのです。移動先でふと思ったことをメモするときも、気分でメモするアプリを変えてしまい、いざって時に参照できないことも多くありました。メモした意味がないですね。

この堂々巡りが、アウトライナーを導入したことで変わりました。

まず感じたことは、日々の考えや思いついたこと、資料やメモなどを整理しやすくなったこと。とりあえず思ったことがあればトピックを立て、ザクザクEnterで区切りながら箇条書きしていけばいいのでとても楽です。改行するたびに書いた感があるのも重要だと実感しました。ある種の達成感があると、脳が勘違いして仕事へのブーストがかかりやすくなる気がします。

感想2. 「書くこと」へのハードルが下がった

さらには「書くこと」へのハードルがぐんと下がり、書くスピードや記事の本数が増えました。「さあ!記事を書こう!」と仰々しく机に向かってPCを開いては「か、書けない……」を繰り返していた過去の私、サヨナラ。

仕事じゃない空き時間を使ってリサーチしたことをとりあえず貯めておいたり、「リード文はこんな感じかな」「タイトルや見出しの候補だけ考えておこう」と仮で書き留めておけたりするので、いざ記事としてまとめるときに慌てないのです。革命ですね。すでに素材はある状態から、それらを整理したり追記・編集したりすれば記事にできる……そんなイメージです。革命ですね。

私のようなライターに限らず、プログラマーやデザイナーなど、ものづくりをしたり企画をつくったりする方に、とくにおすすめしたいです。

私たちがつくるものは最終的に一般の人々に触れるもの。そのため、つくる私たちの日常生活や感情の動きがベースになる面も多々ありますよね。それらをありのまま書いておける場所を持っておくのは、仕事の成果物に直結するのではないでしょうか。

アウトライナーで執筆を楽に!情報整理でストレスフリーに!

アウトライナーの魅力や機能、おすすめアウトライナーについてご紹介しました。

この記事でアウトライナーに興味を持ってもらえたら本望です。お気に入りのアウトライナーが見つかったら、ぜひアウトライナー語りをしましょう!

(執筆:北村有 編集:泉)

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