エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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2020年代に突入し、早くも1年が過ぎました。コロナ禍の影響もあり、オンライン化が急速に進み続けています。
そのような中、再び注目を集めているのがオウンドメディア運用です。
ストック型のコンテンツマーケティングにより将来的に運用型広告以上の成果を上げる可能性がある一方で、「オウンドメディアはオワコン」なんて囁かれることも。
2020年代、オウンドメディアはどうなっていくのでしょうか?
今回、良質なコンテンツをリリースし続けているさくらインターネットのWEBマガジン『さくマガ』編集長・川崎博則氏、有名メディアに数多く寄稿している人気ライター・少年B氏、Workship MAGAZINE編集長・じきるう氏の3人で、2020年〜2021年のオウンドメディアの趨勢についてメディア目線・ライター目線から意見を交わしました。
(本記事ではオンラインセミナー『2021年になっちゃったけど、みんなのオウンドメディアは調子どう? 新年大質問会 #オウンドメディア2020』のレポートをお届けします)
2019年4月、さくらインターネット株式会社に入社。現在は企画推進部所属 。
2019年11月、さくらインターネットのオウンドメディア『さくマガ』を立ち上げ、編集長に就任。Webマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。
愉快なことからふざけた記事まで書くフリーライター。文章を書くのが得意ですが、食べることと寝ることはもっと得意です。好奇心旺盛なうえによくしゃべるので、取材時間が長引く傾向にある。
早稲田大学および同大学院でメディア表象にかんする研究に携わった後、2018年に株式会社GIG入社。編集者兼マーケターとしてクライアント企業さまのコンテンツ支援や採用支援を行うほか、フリーランス向けメディア『Workship MAGAZINE』の編集長を務める。業務外でもWebメディア『クレイジースタディ』を主宰するなど、根っからのメディア好き。趣味はダンス、作曲、イラスト制作など。
目次
じきるう:
2020年のオウンドメディアの調子はどうでしたか?『さくマガ』は2019年の終わり頃にローンチされましたよね?
川崎:
はい。2019年11月からはじめて、2020年まる一年運営した感じですね。0の状態から月間35万PVまで成長できたので、なかなか良かったのではないかと思います。コロナによる影響もさくマガにとってはいい方向に働き、リモートワークの記事が多くの人に読まれました。
また、オンライン取材が一般的になったことで芸能人の方に取材を受けてもらいやすくなるなどの良かった点もありましたね。
じきるう:
少年Bさんはフリーライターとして活動されていますが、コロナの影響はどうでしたか?
少年B:
もうひどかったですよ。自分は取材記事ばかり書いていたので、4月、5月はほとんど仕事がなくなってしまいました。
わたしは案件がいつ打ち切られてもいいように、常時10社以上と契約して仕事をもらえるようにしていたのですが、どの会社も取材案件だったんです。失敗しました……(笑)
SEO記事やコラム記事の仕事をもう少し増やすべきだったなと思いましたね。
じきるう:
今年、オウンドメディア運営で考えていることはありますか?
川崎:
来季中に100万PVを達成したいです。予算内でPVを増大させるために、さまざまなチャネルを増やしていこうと計画しています。
現在行っている施策のひとつが、キュレーションメディアとの提携を進めること。記事を作る際も『SmartNews』などにピックアップされるのを狙っています。
じきるう:
たしかに、さくマガの記事はキュレーションメディアによく掲載されている印象があります! ピックアップされるためのコツはありますか?
川崎:
はっきりとはわからないんですが、初動が大切かと。SNSで一気に拡散されれば、おのずとピックアップされるような気がします。検索よりはSNSに向けて作るといいかもしれません。
じきるう:
なるほど、SNSで伸びる記事はキュレーションされやすい、というのは確かにあるかもしれませんね。Workship MAGAZINEもGoogle News等にたびたびキュレーションされますが、ソーシャル向けにつくった記事ばかりです。
余談ですが、2020年12月からWorkship MAGAZINEにも、さくマガさんの記事をキュレーションして一部掲載させていただいてます。いつもありがとうございます……(笑)
川崎:
こちらこそ(笑)
じきるう:
Workship MAGAZINEは2021年、他のメディアと協力して、一緒に成長していく方針です。オウンドメディア同士で闘うのではなく、相互に露出を増やせるWin-Winな仕組みが作れればなあと。
少年Bさんの2021年やりたいことは何ですか?
少年B:
メディアの認知を広げられるような企画をしたり、記事を書いたりしていきたいですね。たとえば今年の1月にWorkship MAGAZINEで書いたのは、音ゲーの譜面制作者のインタビュー記事でした。この記事はSNSでよく拡散され、3万8000PVまで伸びています。
この記事を読んでくれているのは「音ゲーが好きな人」。Workship MAGAZINEのメインターゲットであるフリーランスではありません。ですが、音ゲーを好きな人にはエンジニアも多いので、重なる部分もあるんです。フリーランスの軸はありつつも、他の属性の人たちに届く記事を作ることで、結果的にWorkship MAGAZINEのマスを広げられるんじゃないかなと思って作りました。
そんな風に今年は、メディアのターゲットと重なりつつも少しずれるような、潜在層に向けた記事を作れたらいいなと考えていますね。
じきるう:
2020年代の今後10年間で、オウンドメディアはどのように変化していくと思いますか?
川崎:
オウンドメディアの総数は増えていくと思います。
たとえばトヨタ自動車の『トヨタイムズ』のように、社長や社員自身が発信していくメディア。このようなメディアが増えるのではないでしょうか。
その要因としては、企業のメッセージを正しく伝えることが難しい現状があるのかなと。これまでのニュースメディアを通す広報活動では、第三者が入ることでメッセージが間違って伝わってしまう問題があります。それで炎上してしまった企業もありますよね。
その点、自社メディアであれば、会社が伝えたいメッセージをそのまま伝えられます。なので広告というより、広報としての役割を持ったメディアが増えていくのではないでしょうか。
ただ、問題はそれだと読まれないということ。自社のメッセージだけの記事は読まれないので、読者が知りたいこととのバランスが重要です。そこで読者と企業のバランスを取る広報や編集者の存在が、これまで以上に大切になると考えています。
じきるう:
ライター側からみて少年Bさんは、オウンドメディアはどう変化すると思いますか。
少年B:
わたしも、いろんなオウンドメディアが次々と出てくると思いますね。一昨年・去年と有名なオウンドメディアが続々と閉鎖してしまいましたが、一方、さくマガなど新しく開設したメディアも多くありますし、みんなのごはんも復活しましたよね。
また、自前のメディアを持たずにnoteで発信する会社が出てくるなど、オウンドメディアの形が変わってきているのを感じていますね。
そうなると、媒体の変化に対応できるライターにはチャンスが増えるんじゃないでしょうか。最近ではnoteを代筆するなどの仕事もありますしね。
じきるう:
私もオウンドメディアの数は増えていくと思います。その上で、メディアの多様化も進むと考えていますね。これまで主流だった「Webメディア」というスタイルも、変わっていくんじゃないかと。
実際に、最近では「YouTubeやInstagramでのメディア展開」が注目されています。オウンドメディアも、文字ベースのメディアだけでなく、画像・映像ベースのメディアも増えていくでしょう。
今回は「新年大質問会」として、参加者からの質問タイムを長めに取りました。
以下でウェビナーで多数寄せられた質問の中から、3つを抜粋して掲載します。
じきるう:
オウンドメディアを立ち上げた時にまずやるべきなのは「オウンドメディアの目的」を決めることです。
ECサイトなら「商品販売」が目的になることが多いと思います。しかしオウンドメディアは、集客、ブランディング、サービスへのCV、採用広報など、場合によってさまざまな目的がありますよね。それを明確にせず、なんとなくオウンドメディアを運営すると、途中で無理がきます。「何のために運営するのか」の部分は、最初に必ず定義すべきポイントです。
川崎:
「メディアのコンセプトを何にするのか」も大事ですよね。
ちなみに社内政治としては、会社の企業理念と合わせて作れば反対されにくいというハックがあります。事実、さくマガのコンセプトは運営会社のさくらインターネットの理念と合わせていて(笑)
それから「ターゲット設定」も大切です。どんな人に届けたいのか、目的にあった読者とはどんな人かを、簡単にでもイメージしておくといいですね。
あとは「記事数の定量目標」を決めておきましょう。オウンドメディアのローンチ直後はどうしても成果がでにくいので、別の評価軸を作っておくと自分のモチベーションも社内からの評価も保てます。
じきるう:
記事数目標は大事ですね。それがないと毎月の運営状況がバラバラになってしまい、最終的にはオウンドメディア業務が後回し、縮小されてしまう未来が見えるので……。
少年B:
撮影前後の雑談が大切ですね。そこで人柄やキャラクターを掴んでいきます。書く時には、媒体のカラーに合わせてキャラのなかでも引き立たせる部分と削る部分を取捨選択するんですが、本人のイメージとずれないように。
あとは、細かな言い回しや語尾を気にしています。整えすぎないことが大切ですね。
川崎:
わかります。さくマガでも、できるだけインタビュイーさんのクセや方言は残すようにしています。記事チェックのとき、インタビュイーさんに方言直されちゃうこともあるんですけどね(笑)
じきるう:
どのような記事を依頼するかによっても変わりますが……たとえば検索流入を目的とした記事を作るなら、当然SEOスキルはひとつの基準ですよね。
ここでいうSEOスキルは過去の検索上位獲得実績ではなく、記事構成力やリサーチ力、SEOに対する情報感度などを見ています。
川崎:
どうしても集客力は見てしまいますよね。依頼する際も、SNSのフォロワー数や流入数などを確認しています。
でも、なんだかんだ一番大切なのは、コミュニケーション力だと思います。やりとりがスムーズだったり返信がはやかったりすれば、その分原稿を磨いていけますし、何より安心して頼めるのが大きいです。
(執筆:泉知樹 編集:少年B)
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