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Pinterestのオンボーディング”2017 vs 2019”新旧比較。「いまユーザーが何を求めているか」を知る

Pinterest Onboarding
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新規ユーザーのサービス利用を定着させるために必要なオンボーディング。ユーザーの離脱を防ぐためにも、ぜひ力を入れたいエリアです。

今回はPinterestのオンボーディング改善を担当したメンバーであるケーシー・ウィンターズが、2017年にポッドキャストで公開した裏話を参考に、優れたオンボーディングをつくるための改善プロセスをご紹介します。

オンボーディングの初期ステップが、サービスを決定づける

サービスの第一印象は重要です。つまりオンボーディングが、サービスの印象を決定づけるといっても過言ではありません。次のステップに繋げるためにも、オンボーディングの初期ステップでサービスのおもな価値を伝えましょう。

新規ユーザーのニーズを把握し、ニーズに応えることができれば、その後も継続してサービスを使ってもらえるはずです。

Pinterestは、新規ユーザーが興味のあるトピックを正確に把握し、それを初期ステップの画面に表示しています。

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画像や言葉で製品やサービスの価値を伝えるのは、決して難しくありません。しかし初期ステップで価値をしっかりと伝えるとなると、とたんに難度が上がります。

そこでPinterestは、オンボーディングの初期ステップで価値をしっかりと伝えるためにポップアップを活用しています。

Pinterestのオンボーディング新旧比較

2017年:ポップアップを活用したオンボーディング

まず2017年におけるPinterestのオンボーディングを見てみましょう。

画面下部にある青いポップアップバナーが、ユーザーに「どのような行動を取るべきか」を具体的に伝えています。具体的な指示があるので、次の操作がわからずに困ることはありません。

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▲「ホームフィードへようこそ!ピンをクリックして拡大してみましょう」

指示どおりにピンをクリックすると、選択したピンが大きく表示されます。

続いて画面右上の保存ボタンの上にクリックを促すエフェクトが現れ、次の操作をわかりやすく指示してくれます。

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保存ボタンをクリックすると、以下のようなポップアップが出現します。ボタンの役割がひと目でわかりますね。

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その後、モーダルウィンドウの下にふたたび青いポップアップバナーが登場しました。次の行動が指示されていますね。

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▲「ピンを保存するためのボートを作ってみよう」

保存ボタンをクリックすると、ポップアップバナーの色が青から緑色に変わります。

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▲「保存完了!」

このように、ポップアップによりメッセージを適宜表示することで、ユーザーは次に何をすべきなのかを把握できます。

Pinterestをはじめて見る人でも、機能をきちんと理解できるでしょう。

2019年:いま何を行ったか、より分かりやすいオンボーディングに

Pinterestは2017年の時点でも、優れたオンボーディングを提供していましたが、2019年にはよりシンプルで合理的なもの進化しました。

まず画面上部に、基本的な機能の説明が表示されます。

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ピンをクリックすると、保存ボタンを押すことを促されます。

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その後、ピンの作成についてのウィンドウが出現。

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そして保存すると、画面上部に保存完了を伝えるメッセージが出てきます。また右上のリストからは、いま自分がどの機能を利用したのかを把握できるようになっています。

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このようにオンボーディングの過程で、ユーザーは重要な機能の使い方を学べます。

サービスの価値が伝わるだけでなく、自分で機能を使ってみようというモチベーションにも繋がりますね。

パーソナライズ/ローカライズで質の高いオンボーディング体験を

ユーザーニーズにあわせてオンボーディングをパーソナライズ/ローカライズすることで、質の高いオンボーディング体験を実現できます。

パーソナライズ/ローカライズするためには、ユーザーの情報収集が欠かせません。

Pinterestはブラウザのソースを使ったり、ユーザーにデータを求めたりすることで情報を集めました。

ユーザーの回答をもとにしたパーソナライズ

ユーザーがログインすると、Pinterestは以下のように興味があるものを尋ねます。

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▲「最後のステップです!興味があるものを教えてください」

質問事項が多いほど、パーソナライズ化する際に参考となる情報が得られます。一方で質問に要する時間が長くなると、ユーザーは離脱してしまうので注意しましょう。

ユーザーの居住国情報をもとにしたローカライズ

数年前まで、Pinterestは世界中のユーザーに同じオンボーディングを提供していました。しかし実験を繰り返すうちに、ユーザーニーズは世界共通ではないことに気づきました。

この結果を受けてPinterestは、「ユーザーの居住国の情報」をもとに「その地域で人気があるもの」をピックアップし、オンボーディングをローカライズしました。

20代後半の女性を対象にした画面を例に、ローカライズの内容を確認してみましょう。

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▲イタリア

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▲韓国

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▲オランダ

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▲ブラジル

提案される内容が、国ごとに異なることがわかります。

このローカライズによって、海外(アメリカ以外)におけるPinterestのアクティブ率は5%〜10%向上しました。

情報を取捨選択する

製品のコアバリューをできるだけはやくユーザーに伝えるために、複雑な要素は取り除くのがおすすめです。複雑な機能を意図的に隠すことで、新規ユーザーの離脱を防ぐこともできます。

Pinterestでは、「ピンを追加する方法」や「ボードを共有する方法」などの細かい機能については、ユーザーがサービスの基本的な情報や価値を理解したあとに、伝えていきます。また、一度Pinterestを使ったことのあるリピーターに対しては、基本機能の説明をカットするなど、オンボーディングの合理化をはかりました。

このように、段階的なオンボーディングのアプローチを用いることで、ユーザーに負担をかけることなく複雑な製品を紹介できるのです。

おわりに

Pinterestは、ユーザーに応じたオンボーディングのカスタマイズを的確におこない、結果を出してきました。

Pinterestのオンボーディングがこの先どのように進化するのか、これからも目が離せません。

 

原文:Margaret Kelsey
翻訳:Nakajima Asuka
編集:Sato Mizuki

 

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