エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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いわゆる「PM(プロマネ)」の仕事というと、あなたはどんなイメージがありますか? 「進捗管理」「タスクの割り振り」「議事録」「遅延対策」「炎上の火消し」といった言葉が思い浮かぶでしょう。
そのようなイメージは決して間違いではありませんが、それはプロジェクトをマネジメントするための「手段」であって「目的」ではありません。むしろそのようなプロマネ的行動を「いかに削減できるか」に、プロジェクト成功の鍵があります。
どうすれば面倒な管理をせずに、メンバー同士のコラボレーションを生み出せるのか。マネジメントの新潮流について解説します。
プロジェクト工学提唱者。株式会社ゴトーラボ Founder/CEO。「チームに覇気がなく一体感がない」 「議論が空中戦になりがち」 「無駄な会議で時間を浪費しがち」 そんな組織の炎上体質を改善するための、プロジェクト工学ワークショップを提供しています。
大きな規模のプロジェクトで必要となるのは、最終的に生み出したい成果物を、構成する要素ごとに分解し、一つひとつのタスクをメンバーに分担しこなしていくことです。WBSに代表されますね。
基本的には以下のような流れを踏みます。
プロジェクトマネジメントといえば、この「割り振り」という行為がその中心になるでしょう。もちろん、それはとても大切なのですが、タスクの洗い出しに失敗して、進めている途中であれもこれもと追加のタスクが噴出する「なんちゃってWBS(のようなもの)」が横行するという現実もあります。
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会議の司会進行、議事録の作成配布、各種日程調整……いわゆる事務局的な仕事も、プロマネがやるものというイメージがあります。
どちらかというと雑用・裏方的な仕事で、直接的に価値を創造するわけではなく、間接的にプロジェクトに貢献するものです。管理職のような存在ですが、同時に「悲哀」という連想が脳裏をよぎる人もいるでしょう。
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「進捗どうですか?」……これはITプロジェクトでの常套文句であり、多くの人が耳にタコができるほど聞いていることでしょう。そして、みんながあまり好きではない言葉でしょう。
ちなみにバッファは、設定した納期の倍必要になる法則があります。人間は納期ギリギリまで時間を使い切るというパーキンソンの法則があるように、そもそも納期は(守って当たり前なのにもかかわらず)非常に高い確率で遅延してしまうようにできているのです。
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ここまでの説明から考えると、「プロマネなんて、成功することも賞賛されることもない上に、トラブルが起きたときには責任をとらなければならない、損な役回りだ」と思うかもしれません。
しかしそれは、大きな誤解です。
そもそも先に挙げたような活動は、プロマネ自身もふくめて「やりたくてやっている」ものではありません。結果的に、必要に迫られて、やらざるを得ない場面でやることです。
それならば、ここでぜひ発想の転換をしてみましょう。いわゆるプロマネ活動は、プロジェクトがうまくいかないときほど必要とされるのです。逆に上手くいってるプロジェクトにおいて、それはいらないのです。
投げたボールが返ってこなかったり、返ってきたボールが思っていたのと違ったり……。想定外トラブルが次々と発生するプロジェクトにおいて大切なのは、想定外事象に対して臨機応変に対応することです。
しかしWBSを絶対として計画を進めようとしてしまう硬直的な縦割り組織のプロジェクトマネジメントは、そのような柔軟性が発揮しにくいです。
川の流れをせき止めることが難しいように、プロジェクトの進行にも止められない「流れ」があります。
次々とメンバーの能力が開発され、成果が出て前進できる「流れ」をもつプロジェクトもあれば、次々とトラブルに見舞われて責任を問いあったり、説明と説得ばかりに走り回る「流れ」もあります。
もちろん前者のようなプロジェクトの方が、楽しいですし、達成感もあります。きっと報酬も良くなることでしょう。そんな進め方が実現できたら、八方丸く収まりますし、関わるみんなが幸せになれますよね。
そのような良い流れを生み出すために、プロマネは活躍すべきなのです。
どうしたら良い流れを生み出すプロマネができるのでしょうか?
その答えは、本来のプロジェクトマネジメントの目的や、プロジェクトの理想のありかたを理解した上で、創造的な思考を働かせ、人の心に働きかけることです。
実はそんなクリエイティブな発想こそが、プロジェクトマネジメントのもっとも大事な肝なのです。
最近の脳科学の研究によると、同じような仕事や作業でも「人から押し付けられた義務」として受け取るか、「自ら進んでやること」だと考えるかで、分泌されるホルモンが変わるそうです。前者の場合は疲労を感じさせてしまい(いわゆるストレス)、後者の場合は達成感や喜びを感じさせるといいます。
突き詰めると、あらゆるプロジェクト活動とは、人の頭脳や手を介在させて進められるものです。つまり「人と人との関係性を生産性が高い状態に維持すること」こそが、最大のプロジェクトマネジメント活動になります。
人間がプロジェクトを遂行するにあたって最も重要なリソースは、以下の3つに大きく分けられます。
やる前には到底不可能な課題に見えても、ひとつの発想、アイデアが突破口を開いてくれるのがプロジェクトの醍醐味です。そのような突破力を与えてくれるのが、このハード面、ソフト面、現実面という3つのリソースです。
これらは実は、プロジェクトの着手前からちょうどよく揃っている……とは限りません。多くの場合、知識も時間も足りないものですし、最初から全メンバーの士気が高いということも少ないでしょう。
大切なのはプロジェクトが進行する中で、これらのリソースが「増えていく」ようにしなければならないということです。
「成果が出て面白いからモチベーションが上がる」「新しい技術に触れたことで興味が湧いて投入時間を増やしたくなる」といったように、一人ひとりのメンバーに良い変化が生じてくると、それらが統合され、大きな力になります。
一人ひとりのメンバーの力を統合するためには、以下の要素を満たす必要があります。
ある人は右に行きたくて、別の人は左を目指している……という状態だと、せっかく各メンバーのエネルギーが高くても、打ち消しあってしまいます。
いま自分たちが、全力をあげて立ち向かうべき対象がどこにいるのか。それを打開したら、どんな嬉しいことが待っているのか。自分はどんな形でそこに貢献できるのか。
チーム貢献の仕方は、必ずしも華々しいものである必要はありません。自分の内側にある動機が、プロジェクトにおける何かしらの課題に結びつき、その結果新たな知見やエネルギーが生まれるのが大切です。
小さなことで構わないので、そんな化学反応を生み出していくことが、プロジェクトを前進させる力に繋がるのです。
ITプロジェクトには必ずしも、IT技術や知識に詳しかったり、PMBOKのようなマネジメントの専門知識を有する人ばかりが参画するわけではありません。マーケティング部門やセールスなどの技術系以外の知見も必要ですし、ユーザーやプロジェクトオーナーなどのITは専門外という人とも協働する必要があります。
つまり、異なる背景・異なる知識・異なる動機を持ち合わせた人々が、ひとつの方向に向かって力を発揮する必要があるのです。そしてなおかつ、みんな忙しくて、多くの仕事を兼任しているため、必ずしもプロジェクトにフルコミットしてくれるとは限りません。
それが、いまどきのプロジェクトです。
そんなプロジェクト組織を立ち上げ、ひとつの流れを生み出していくためには、小難しくて膨大な資料はかえって妨げになります。
そんなものがあってこそ、理想のチームワークが作り上げられます。しかし「どんなふうにしたら、そんな表現ができるの?」と思われるかもしれません。
アジャイルやリーン、ホラクラシー、心理的安全性……昨今さまざまな形で提唱されているマネジメント理論を、そんな目で見直してみてください。きっと新たなヒントが得られると思います。
また手前味噌ですが、筆者の提唱している「プロジェクト工学」ならびに「プロジェクト譜」もその答えのひとつです。今回は紙幅の都合上で詳細まではご紹介できませんが、別の機会にまた解説できればと思います。
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