採用サイトで「社長の腕組み写真」が求職者に嫌われる理由

株式会社健王建材。創業50年、業績は安定。現場の結束も強い。

それなのに、若手からの応募がまったく来なーい!

「とりあえずWebサイトで会社をアピール?したほうがいいって聞くけど、うちのWebサイトってそんなにダメかな?めちゃくちゃ古臭いわけでもないと思うんだけどなあ〜」

こりゃテコ入れが必要だ! と現れた、人材サービス業界歴20年のベテラン・ミスターHR。そして、彼から「悪くない会社と思っているだけでは、ただの思考停止!」とバッサリ切られてしまった人事 ひよ吉(じんじ ひよきち)。

二人が手を組んで始まった「できているつもり採用」をぶった切る再生プロジェクト、次なるテーマは「Webサイト」である。

【話し手】

ミスターHR
ミスターHR

歴20年のベテラン採用コンサルタント。このたび健王建材の人事部に採用コンサルとして参画することになった。

【聞き手】

人事 ひよ吉(じんじ ひよきち)
人事 ひよ吉(じんじ ひよきち)

健王建材の総務兼人事担当。「若くてリテラシーのある人」を採れと社長に言われている。これまでの施策を惰性でなんとなくやっているが、応募数は右肩下がり。うーん、どうしたもんかしら。

まず、トップページがダメ!

ミスターHR:
さてさて、それではさっそく御社のWebサイトを見せてもらいましょうか。

迷える人事:
繰り返しで恐縮なんですけど、そこまで古臭くてダメダメってわけじゃないと思うんですよ〜。こちらなんですけど。

ミスターHR:
………………………………。

迷える人事:
(おや? ミスターHRの動きが完全に止まってしまったぞ)

ミスターHR:
………………………………………………………………ハッ!

迷える人事:
ミスターHR!?どうしたんですか!?

ミスターHR:
失礼。今は2025年だよな?令和だよな?インターネット黎明期じゃないよな?と確かめるのに忙しく、いささかフリーズしてしまいました。

迷える人事:
エッ?それは一体どういう……。

ミスターHR:
そうですねえ、どこからツッコんだらいいやら。やはりトップページかな。トップページがまったくダメです!

迷える人事:
ええ〜〜!?なんでですか? 一応、社長も写ってますし、社長挨拶もあるし、歴史ある良い会社だなって思ってもらえるはずですけど。この写真も、とっても良い写真じゃないですか?天気も良いし。

ミスターHR:
いやもう、どこが良くないって、まずこのトップ写真が考えものです。

迷える人事:
待ってくださいよ。あれですか?「おじさんが写っているのはイメージダウン」とかそういうことですか?さすがにそれは僕も受け入れられないですよ。

ミスターHR:
もちろん、そういうことが言いたいのではありません。そうではなく、誰に向けたトップページなのかが分からないのが問題なんです。

「会社として伝えたいこと」と「応募者が知りたいこと」は違う

ミスターHR:
よ〜く見てください、このトップページ。何か気づくことはないですか?

迷える人事:
ええ……? なんでしょうか。

ミスターHR:
今のトップページって、会社が言いたいことしか書いてない状態なんです。

迷える人事:
会社が言いたいこと?

ミスターHR:
そうです。業歴とか、理念とか、社長挨拶とか。もちろん、御社のことを知りたい求職者にとっては、重要な情報の一部かもしれません。

だったとしてもですよ。若手の求職者がトップページで無意識に探すのは、だいたいこの3つなんですよ。

  • この会社は、自分が馴染める(入っても浮かない)会社か?
  • どんな人たちと働くことになるのか?
  • 自分の将来が、なんとなく想像できるか?

だけど、今のトップページはすべて会社側目線で構築されてしまっているんです。

迷える人事:
確かに。このページを見ただけでは、入社後の自分は想像しにくいかもしれませんね。

ミスターHR:
そして、極め付けがこの写真!

ミスターHR:
いやあ、もはや芸術の域!

迷える人事:
そ、そんなに良くないですかね?

ミスターHR:
100%ダメ!!! とは言いませんけど。若手を採りたい会社のトップ写真としては、やはりいただけません。

先ほど私は、若手が気にするのは「浮かないか」だと言いました。たとえばひよ吉さん。あなたがここに並んだとしたら、どうですか?

迷える人事:
……。確かに、1人だけ若手、みたいになっちゃいますね。

ミスターHR:
そう。その点においては、やはり写真の人選も考えたほうがいいかもしれませんね。

あとね〜。ポーズもよくない。腕組みはちょっと。

迷える人事:
え〜……。笑顔でもダメですか?

ミスターHR:
ダメです。

迷える人事:
即答……。

ミスターHR:
腕組みの写真って、無意識にこういうイメージが伝わっちゃいません?

  • 強そう
  • 怖そう
  • 話を聞いてもらえなさそう
  • 揺るがなそう
  • とにかく怖そう

下手したら、「偉そう」「上から目線」なんて思われかねません。

もちろん、腕組み=ダメ!ではなく、「自信がありそう」「切磋琢磨できそう」なイメージを利用する手もありますよ。たとえば、やる気がある奴は来い!みたいなベンチャー企業なら、こういう写真もアリかもしれません。

でも御社は、人が足りなくて困ってるんですよね? できれば若手にじゃんじゃん応募してほしいんですよね?

迷える人事:
はい、その通りです……。

ミスターHR:
だったら、「どうかうちの会社を選んでください」「お待ちしてます!」という気持ちが伝わるビジュアルにしないと!

「ウェルカム感」は、ポーズで作れる

迷える人事:
腕組み写真があまり好ましくないことは、痛いほどよくわかりました。それじゃ、どういう写真が良いんでしょうか?

ミスターHR:
あまり凝ったことはしなくても大丈夫ですよ。たとえば……

  • 身体の前で軽く両手を重ね、少し横向きの姿勢
  • 人と人の距離が近すぎず、しかし拒絶していない立ち方

このあたりが無難に使えるポーズですね。あとは単に笑顔のアップにするとか。

迷える人事:
なるほど! 一気に柔らかい印象になりますね。

ミスターHR:
あからさまに「戦ってます!」みたいな雰囲気じゃなく、「ここ、入っても大丈夫そうだな〜」という穏やかさが伝わることのほうが大事ですね。

あともうひとつ、写真に写っている人たちの「幅」にも気をつけましょう。

迷える人事:
幅、ですか?

ミスターHR:
そう。世代の幅、職種の幅ですね。たとえば若手を採りたいのに、トップに写っているのがベテラン男性社員だけだと、求職者にこう思われちゃいます。

  • 若い人が入っても、定着しないのかな
  • 自分が入っても浮くかも……
  • (女性の場合)女性は求められていなさそう、働きづらそう

悪いイメージを抱かれた場合、そもそも応募してくれないので、「いやいや、そんなことはありませんよ!」と誤解を解くチャンスすら与えられません。新入社員や女性社員も含めて、世代や職種の幅が伝わるような写真にするのがベストです。

迷える人事:
はああ……写真って、そんなに大事なんですねえ。

ミスターHR:
Webサイトのトップページは、第一印象がカギですから。

「安心ワード」が、逆に不安を生む

迷える人事:
トップページの写真が好ましくないのは、理解できました。でもミスターHR、会社概要の文章は、さすがに大丈夫ですよね?

ミスターHR:
じゃあ、読んでみましょっか!

迷える人事:
えっ、いま? ここで?

ミスターHR:
はい! 応募者の気持ちになりきって。

「アットホームな職場」が、もう通じない理由

迷える人事:
えーと……『当社はアットホームな職場で、社員同士の距離が近く――』

ミスターHR:
ストップで〜す!

迷える人事:
早!

ミスターHR:
「アットホーム」という言葉は、もう使わないほうがいいですね。

迷える人事:
えっ、でもでも……「人間関係がいい」ってところ、アピールすべき!って言ったのはミスターHRですよ?

ミスターHR:
ええ、それはそうですよ。でも、言葉選びがよくないんです。いまの若手にとっては「アットホーム」って、こう翻訳されがちなんです。

  • プライベートに踏み込まれそう
  • 仕事を断りづらそう
  • 人間関係が濃そう(=面倒そう)

迷える人事:
うわ……そんな裏読みされちゃうんですか。

ミスターHR:
求職者を安心させるための言葉が、いまは地雷ワードになってるケース、かなり多いです。

精神論が前に出ると、「働く自分」が消える

迷える人事:
じゃあ、『創業以来、地域に根ざし、誠実なものづくりを――』みたいなのも、微妙ですか?

ミスターHR:
理念としては否定しません。でも、会社概要の前半で出すと、若手はこう考えます。「……で?私は何をすればいいの?」って。

迷える人事:
ああ……。

ミスターHR:
理念や想いが悪いんじゃない。具体的な情報より先に来ているのが問題なんです。

  • どんな一日なのか
  • どんな人と働くのか
  • どんなスキルが身につくのか

それが見えないまま精神論だけを先に読まされちゃうと、上手く「自分ごと化」してもらえないんですよね。

「若手でも活躍」「女性でも活躍」が生む、微妙な違和感

ミスターHR:
あと……これも、かなり危ういですねえ。『若手でも活躍できます』とか『女性でも活躍しています』とか。

迷える人事:
えっ!?いやいや、これもミスターHRが言ったことじゃないですか。自分が溶け込めるかどうかをイメージさせろ!って。

ミスターHR:
いやいや。「〇〇でも」って言い方をしているせいで、ガラッと意味合いが変わっちゃってますよ。

  • 若手“でも” → 本来は若手向きじゃないのか?
  • 女性“でも” → 基本は男性社会なのか?

迷える人事:
確かに、言われてみると……。

ミスターHR:
本人たちは、そんな気ゼロなんですよね。でも、読む側が引っかかったらアウトなんです。

もし言い換えるならこういう感じでしょうか。

  • 年齢や性別を問わず活躍できる環境
  • 多様なバックグラウンドの社員が在籍

しつこいようですが、減点ポイントはとにかく消すこと。Webサイトの文章は、加点より減点を防いでなんぼですから。

上から目線かどうかは、本人じゃ判断できない

迷える人事:
正直……どこまで気をつければいいか、分からなくなってきちゃいました。

ミスターHR:
それはそうだと思います。一人でやるのは限界がありますから。そんなときは、上手いこと外部に頼るのも手ですよ。他の社員や、いま在籍している若手社員にチェックしてもらうとか。あと、AIに聞くのもアリですね!

迷える人事:
AI?

ミスターHR:
たとえば「この文章、上から目線に感じますか?」「若手が違和感を覚えそうな表現はありますか?」「コンプラ的にアウトじゃないですか?」とか聞いて、AIに確認してもらうんです。

自分たちが普通だと思っている言葉ほど、外から見るとズレてるものですから。どんどん周りに頼っていきましょ!

会社概要は「信用説明書」じゃなく、「入口案内」

迷える人事:
……会社概要って、「うちはちゃんとした会社です!」って証明するだけの場所だと思ってました。

ミスターHR:
それ、よくある勘違いです。Webサイトの会社概要は、説明書じゃありません。受付カウンターみたいなものです。

「ここには、あなたの居場所がありますよ」「こういう人が、こういう距離感で働いてますよ」……そんな御社の雰囲気が伝われば、アットホームなんて言葉はいりません。

迷える人事:
安心させようとして書いた言葉が、逆に求職者を不安にさせていたとは……。

ミスターHR:
大丈夫大丈夫! そこに気づけたなら、立派な前進ですよ!

まとめ——採用サイト改善は「センス」じゃない

迷える人事:
前回に引き続き、今日のお話も、ちょっと耳が痛かったです。

ミスターHR:
ドンマイ!でも、ほとんどの中小企業が同じ状態ですよ。

「できているつもり」から抜けるための3ステップ
① 誰に来てほしいかを決める
若手?経験者?まずペルソナを明確にする

② 写真と言葉を「その人の目」で見る
自分たち基準ではなく、応募者目線で違和感をなくす

③ 盛らずに、リアルを出す
入社後ギャップを減らすことが、結果的に採用成功につながる

ミスターHR:
Webサイトは、「ウチってすごい会社でしょ?」と語る場所じゃありません。「ここなら働けそう!」と思ってもらうための場所です。

腕組み写真をやめるだけで、使う言葉を一つ直すだけで、会社の印象は驚くほど変わりますよ!

迷える人事:
く〜〜! Webサイト、全部見直しまーす!

ミスターHR:
その調子です! それが終わったら次は、いよいよ求人票の書き方を見直しましょ!

(執筆:北村有 取材・編集:夏野かおる)

(※本記事に登場したホームページや人物画像はAIで生成されています。実際の人物・組織・Webサイトとは一切関係ございません)

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