エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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(この記事は、ウォーゲーミングによるリデザインプロジェクト裏話・前編です。後編はこちら)
近年、オンライン上でプレイできるアクションゲーム『World of Tanks』 が、ゲーム界におけるもっとも名誉のある賞の一つであるゴールデン・ジョイスティック・アワード(The Golden Joystick Awards)にStill Playingカテゴリーで受賞しました。これは、ゲーム界のオスカー賞に値するもので、本作は3回目の受賞となります。
『World of Tanks』を開発したのは、オンラインゲーム企業の「ウォーゲーミング」です。彼らによって開発されたアクションゲームは、世界中で1.5億人にプレイされています。そのため、世界中のゲーマーの誰もがプレイしやすいデザインを開発するための今回のリデザインプロジェクトは、非常に魅力的で奥深いものでした。
そもそもコモンメニュー(CM)とは何でしょうか?
コモンメニューとは、世界中のウォーゲーミングの様々なウェブサイトにおいて、ユーザーがより便利にナビゲートするためのグローバルメニューを指します。
コモンメニュー(CM)のデザインには、以下のようなチャレンジポイントがありました。
旧バージョンのCMはグリット形式でそれぞれのゲームを表示しており、ゲームのアイコンをクリックすることでそのゲームポータルにジャンプ出来る仕組みでした。シンプルで無駄がなく、これはこれで十分機能していました。
問題だったのは、CMに次々と新しいゲームが追加されていくということでした。
新しいあまり馴染みのない多数のゲームの中から目当てのものを探しだすことなく、ユーザーが必要な情報により簡単に素早くアクセス出来ることを目指す必要がありました。
そこで、CMにおける機能の数を増やし、その使用用途を増やすことにしたのです。そしてそれと同時に、旧バージョンのメニューのスタイルは保持する必要もありました。
「旧バージョンのCMをそのまま基盤とし、新しい機能を追加すれば良いのではないか?」
このような提案を、多くのデザイナーは今まで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかしウォーゲームはなぜそうしなかったのでしょうか?
旧バージョンのCMをそのまま基盤とし、新しい機能を追加する、という方向性を我々も最初は検討しました。しかし結果として、情報過多で見難いデザインとなってしまったのです。
以下のような問題があげられました。
最初の失敗ののち、全く異なるアプローチで視覚的にも新しいものを試すことにしました。新しいデザインの原型はここで生まれたといえます。
試行錯誤ののち、以下のような変更を加えました。
最終バージョンでは、デザイン上もっとも論理的で明確なエレメントの構成を選択しました。このデザインを、それぞれのゲームデザインに適用することが次のステップです。
そこで、決定したデザインがきちんと機能するかテストするために、ゲーム毎の異なるアートへ適用していきました。
以下、『World of Tanks Blitz』でのテスト例です。
次のステップでは、ウォーゲーミング のイメージを作成したアーティスト達をプロジェクトに呼び込み、素晴らしいバックグラウンドイメージを作成することに成功しました。新しいバックグラウンドイメージのいくつかは既存のアートに乗っ取っている一方で、今回のCMにあわせた全く新しいデザインも生まれました。
全てのゲームはマーケティング部門によって承認されたロゴやカラーを持っています。以下の例では、アート部門とマーケティングチームによって統合された新しいCMです。
最後に、それぞれ異なるブレークポイントをもつ様々なデバイスへ、この CMを適用していきます。
ベーシックなレイアウトを採用し、PCでは左から右へ表示されるブロックを、モバイルでは上下に表示されるようにしました。また、ブランディングとゲーム毎のスタイルを維持し、それぞれのアートが表示されるように調整されました。
ユーザーの利便性を考慮し、デフォルトでは決まった数のゲームのみリストに表示されるようにしました。ユーザーがリストをタップした場合のみ、全てのゲームが表示される仕組みがとられています。
今回の複雑かつワクワクするプロジェクトを終えて、いくつかの学びがあったので紹介します。
(翻訳:Mariko Sugita)
後編はこちら↓
”WoT”を手掛ける世界的ゲーム企業「ウォーゲーミング」のリデザインプロジェクト後編:プロフィールゲームカード
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