エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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解禁する企業も増え、実施率も年々高まっている「副業」。コロナ禍で関心を持った方も多いかもしれませんが、税金や社会保険料の負担増をネックに感じる方もいるかもしれません。
今回は、副業をするうえで一番注目される「税金」ではなく、情報が少ない「社会保険」の面を解説していきます。
「副業をした場合、社会保険料はどうなるのか」「副業して社会保険料が増えるケースは?」など、副業と社会保険の関係に触れていきます。
FP事務所『トージンFP事務所』代表、ファイナンシャル・プランナー。Workship MAGAZINEのマネー担当として、フリーランスや副業にまつわる記事の執筆・監修を行う。自身もフリーランス経験豊富で、当事者ならではの情報発信に強み。
目次
社会保険とは、病気やケガ、失業、老後の資金不足など、生活のなかで発生するさまざまなリスクに備えるための公的な保険制度。国民全員のリスクを一人ひとりが保険料を支払うことで支え合う、「相互扶助」の仕組みで成り立っているのが特徴です。
社会保険には、以下の5種類があります。
このうち、1~3の社会保険を「(狭義の)社会保険」と呼び、4と5は「労働者保険」とそれぞれ区別されることも多いです。
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冒頭で「副業しても社会保険料は増えないケースは多い」と解説しましたが、その理由は「個人事業主と会社員が加入する社会保険は違うから」と答えられます。
一般的に、個人事業主が加入する社会保険は
となります。
このうち、介護保険料は国民健康保険料とセットで払うことが多く、メインとなるのは「国民健康保険」と「国民年金」といえます。
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一般的に、会社員が加入する社会保険は
となります。
個人事業主に比べると、いわゆる「労働者保険」に良くも悪くも加入することになるほか、健康保険や年金制度も名前は似ているものの、制度としては異なる点も多いです。
まず、個人事業主と会社員の最大の違いは「雇用保険」「労災保険」の有無です。会社員はこれらの補償を割安(労災保険は会社が全額負担、雇用保険は会社が半額以上負担)で受けられます。
また、国民健康保険と健康保険、国民年金と厚生年金の大まかな違いは以下の表のとおりです。
国民健康保険 | 健康保険 | |
運営元 | 市区町村 | 企業が所属する健康保険団体 |
加入者 | 個人事業主など | 会社員とその家族 |
出産手当金 | もらえない | もらえる |
傷病手当金 | もらえない | もらえる |
保険料の決まり方 | 所得に応じて変動 | 給与などに応じて変動 |
国民年金 | 厚生年金 | |
運営元 | 日本年金機構 | 日本年金機構 |
加入者 | 20~60歳の国民 | 会社員など |
給付額 | 原則一定 | 納付額により変動 |
遺族厚生年金 | もらえない | もらえる |
保険料の決まり方 | 原則一定 | 給与などに応じて変動 |
保険料の負担者 | 個人 | 企業と折半 |
どちらも一長一短で、おおむね「国民健康保険・国民年金は補償も負担額も低め」「健康保険・厚生年金は補償も負担額も高め」になりやすいですが、今回のテーマで重要なのは「保険料の決まり方」です。
会社員の場合、厚生年金や健康保険の保険料率は「給与など(標準報酬月額)」で決まるため、副業で得た収入はカウントされないことが多いです。
ここまで、社会保険制度と社会保険料が増える仕組みを解説してきました。
以下では、本題として「副業で社会保険料が増えないケース、増えるケース」を考えていきましょう。
副業には膨大な種類がありますが、副業と言えば「データ入力」「Webライター」「Uber Eats」など、「誰かに雇われず、フリーランスとして副業をする」ケースが大半でしょう。
この場合、フリーランスとして副業で得た収入は「事業所得」「雑所得」などのように区分され、「会社のお給料」にはカウントされません。
会社員の社会保険料は「給与など」をベースに計算されるため、社会保険料は増えないことになります。
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株やFX、不動産などに投資している場合も、社会保険料が増えることはありません。
理由は上記と同じで、株などで得た利益は「譲渡所得」、FXなどで得た利益は「雑所得」と、給与とは別枠の収入としてカウントされるため、社会保険料の算定には関係ないからです。
「会社に雇われていたら社会保険に入る義務がある」と思われがちですが、じつは社会保険はいくつか「雇われていても社会保険に入らなくていい条件」があります。
代表的なところでは、「週の所定労働時間が20時間未満」「月額の賃金が88,000円未満」などの条件を1つでも満たさない場合、社会保険に入る必要はなく、社会保険料も上がりません。
副業先の場合、パートやアルバイトであれば、仮に雇われていても稼働時間は少なくなるケースが大半のため、社会保険料の心配はあまりしなくてもいいでしょう。
副業の場合は社会保険料が増えないケースも多いですが、増えるケースがないわけではありません。
上記の「ケース3」で説明した条件の逆で、パートやアルバイトであってもまとまった時間の稼働がある場合、副業先で社会保険に加入する必要が出てきます。
この場合「会社員としての給与など」「副業先で得た給与など」の両方に社会保険料がかかってくるため、社会保険料は増えてしまうと考えていいでしょう。
一般的な副業の場合はあまり気にする必要はないですが、いわゆる「複業」のように、どの勤務先でも同じような時間稼働する場合は注意が必要です。
たとえば「勤務先Aで週3日8時間」「勤務先Bで週3日8時間」稼働するようなケースでは、社会保険を意識して稼働する必要があるでしょう。
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法人化した場合、フリーランス時代とは異なり「健康保険」「厚生年金」といった「(狭義の)社会保険」に加入する必要が生じます。
これらの保険料は、会社から支払われる「役員報酬」によって変動します。細かい仕組みはともかく、法人化して副業する場合は社会保険料が増えるとイメージしてください。
そして、この会社で得た報酬などと、会社員としての給与などを合算して社会保険料が決まります。
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ここまで、副業と社会保険の関係性を考えてきました。本記事を読んだ皆さんは、おそらく「いろいろ面倒くさいし、副業で社会保険には入りたくないな……」と思ったのではないでしょうか。
副業で社会保険に入らないようにしたい場合の対策は簡単で、「副業先では、雇用(正社員やアルバイト)ではなく業務委託として働く」ことを徹底すればOKです。
これまで何度も説明してきたように、社会保険料は「給与など」に対してかかるもので、「業務委託報酬」にはかからないからです。
副業を探せるサイトはいろいろありますが、サイトによっては給与が発生してしまう「アルバイト」などのスタイルで案件を掲載している場合もあるため、注意が必要です。
社会保険の二重加入を防ぎたい場合は、『Workship』などのように業務委託案件に特化したマッチングサービスを使うのがいいでしょう。
「うっかり副業先で稼働しすぎて、社会保険の加入が必要になってしまった……」という場合は、どうすればいいのでしょうか?
結論から言えば、自分で二重加入の必要性に気づき、副業先の会社に申告する必要があります。
副業先の会社に「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を提出してもらったうえで、事実発生から10日以内に日本年金機構に対し「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出しなければなりません。
なお、この届出は会社ではなく自分で行う必要があります。
万が一「社会保険への加入が必要なのに加入していなかった」という場合、その事実が発覚すれば本人だけでなく会社側も過去2年間にさかのぼって社会保険料の納付が必要になり、金銭的にも大きな負担となるため注意しましょう。
普通に副業をしている場合、社会保険料のことはあまり心配しなくても大丈夫です。むしろ、所得税や住民税の心配をするほうが、よほど優先度は高いでしょう。
ただ、「複業」のように、どの勤務先でも業務に深くコミットするようなケースでは、社会保険料のことも意識しなければなりません。
副業といえども複数の勤務先で働くと事務が煩雑化してくるため、税金や法律の面もしっかりと把握しておく必要があります。
(執筆:AI原記子 with 編集部 編集・監修:齊藤颯人)
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