【漫画】フリーランスは“103万円の壁”にどう向き合うか?
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こんにちは、村田あつみです。出張撮影サービスを運営する『Lovegraph(ラブグラフ)』という会社を学生の頃に起業し、現在4年目になります。
SNSやイベントなどを通して、「学生起業してみたい」「起業したいけど、どうやるんですか?」といった声をよくいただきます。今回はそんな声にお応えして、なんと「明日すぐに学生社長になる方法」をお伝えします!
株式会社ラブグラフ共同創業者CCO。1991年生まれ。同志社大学在学中からWebデザイナーとして活動。新卒で入社したリクルートホールディングスを3カ月で退職し、現在は大学在学中に立ち上げたフォト撮影サービスを運営する株式会社ラブグラフのCCO/ブランドマネージャーを務める。ブランディング、デザイン、開発、マーケティングに至るまでマルチにこなす女性Webクリエイター。
起業といえば、なんとなく「経験を積んでからやったほうがいいんじゃないか」とか「難しそう」「リスクが大きそう」など、難しそうなイメージを持ってる方も多いかもしれません。しかし、私は起業したい気持ちがあるなら、早くすればするほどいいと思っています。そこで、学生のうちに起業する3つのメリットをお伝えします。
学生のあなたには、失うものがありません。そもそも、起業は失敗するか成功するか、やってみるまでわかりません。特に1回目の起業なんかは、成功する確率のほうが低いでしょう。創業して5年後に残っている企業は、たったの15%というデータもあります。
そんな中、もしあなたに「養っている家族」「大企業でもらっている高い給料」「失敗したくないというプライド」などがあったとしたら、挑戦するのに少し躊躇してしまうかもしれません。
でも、あなたは違います。あなたはいま人生でもっとも自由で、失うものがなにもないのです。そのため、起業して損なことはなにひとつないと私は考えます。
仮に起業したあと、事業がうまくいかずクローズしたとしても、あなたは一度「経営者」を経験しています。たとえ企業に就職するとしても、「経営者視点」を持った人材は必ず重宝されます。
「うちの上司がホント頭悪くてさ〜」「うちの会社はビジョンがないからクソ」……いろんな愚痴を言うサラリーマンが日本には溢れていますが、一度経営者を経験すると、そんな言葉は少なくとも居酒屋で出てこないでしょう。なぜなら、経営者の気持ちがわかるからです。
上司が頭悪いなら、上司よりも結果を出して自分が上司になればいいし、それが嫌なら転職すればいい。会社にビジョンがないなら、社員のあなたがビジョンを作ろうと立ち上がればよいでしょう。そういったマクロな「問題解決能力」を獲得できるのが、起業なのです。
そもそも大前提として、「学生だから」とか関係なく、シンプルにやりたいなら今やればいいと思うわけです。サッカー選手になりたいと思って、サッカー始めるのを大人になるまで待ちませんよね。それと同じだと思います。私は早くはじめて早く経験を積むのがベストだと思います。
学生起業にはいいこと盛りだくさんなのはわかりました。とはいえ、”起業”と聞くと、「時間もお金もたくさんかかりそう」「なにより手順がわからない」そういう方は多いんじゃないでしょうか?
でも実はそんなことありません。起業のステップはとっても簡単。なんとたったの5ステップで起業はできてしまうんです。
たったこれだけなんです。順にご説明します。
はじめに「銀行口座」を準備する必要があります。通帳のコピーが必要なので、通帳がある銀行口座なら、今すでに持っている口座でも大丈夫です。
銀行口座が用意できたら、「資本金の振り込み」を行います。この振込こそが「資本金」の証になります。
なお、共同創業者がいる場合、持ち株の比率に応じて振り込みましょう。たとえば資本金10万円の会社を設立するとして、共同創業者と株式保有比率を代表取締役が70%、取締役が30%で分けるなら、代表は7万円、取締役は3万円を振り込む必要があります。その振込情報をもとに、払込証明書というものを作ります。
定款を作成します。基本的には事業内容をなるべく広く(「〜販売とそれに付随する事業 」といったように)書き、資本金と発行株数、株主の住所などをまとめます。ちなみに、freeeのサービスでもWEB上で定款がつくれますよ!
同時に会社の代表印、銀行印も作成しておきましょう。
あとは電話で、公証役場に訪問日のアポを取ります。電話上で定款の内容に漏れがないか確認もしてくれます。アポ無しでは取り次いでくれない場合が多いので、必ず電話はしておきましょう。
定款、出資者の印鑑証明書、身分証明書、定められた手数料や印紙を持っていけば定款が認証されます。
そして、いよいよ会社が設立する瞬間!最後は法人の本店所在地管轄の法務局に行きます。法人登記に定められた、認証された定款や資本金の通帳の写し、印鑑届出書などを含む10ほどの書類を漏れなく揃えて、提出します。法務局で内容が確認の上、後日連絡が入り、不備がなければ提出した日を設立日として登記が完了します。社会的に法人の存在が認められる瞬間です。
最後に、税務署に開業届を提出します。銀行口座やクレジットカードなどを作り、会社経営がスタートです!
本記事でお伝えしたのは、「起業」=「法人登記(株式会社化)」と定義した場合です。
でも、起業ってそもそもなんなのでしょうか?起業する時に一番大事なものって、なんなのでしょうか?
それは「想い」です。「想い」はつまり「目的」とも言い換えれるでしょう。
ここまで言ってなんなのですが、「起業が目的の起業」はなにも得られないことがほとんどです。得られるのは、「学生起業家」と一応名乗れるサムい権利だけです。きっと手にした瞬間、名乗るもの恥ずかしくなるでしょう。それでもいいなら、起業目的の起業をやってみてもいいとは思いますが、やってみたらその意味のなさがわかると思います。
会社をやる目的と言われてもピンとこないかもしれませんので、ここでいくつか例を見てみましょう。コーポレートサイトに載っている「経営理念」や「ビジョン」「ミッション」のようなものが、だいたいそれに当たります。
▲https://info.cookpad.com/corporate/philosophy
▲https://about.mercari.com/about/
▲https://corporate.lovegraph.me/
これらを見て「そんな大義名分ないよ……」という方は、代表取締役には向いてないかもしれません。ぜひ「想い」がある人との共同創業をおすすめします。なぜなら「想い」がない企業に、人はついてこないからです。
あなたは社長が「自分が楽して稼いでモテたい」と掲げている会社に入りたいと思いますか?それを本当の本気で思っていて、めちゃくちゃユニークに打ち出されているなら話は別ですが、自分のことしか考えていない経営者に人はついていこうと思わないのです。
またはかなりテクニカルですが、手法として「ビジョン」を掲げる、というのもあります。本当は別の達成したい目的があるけど、採用するために大義名分を掲げるといったものです。これは精神力がかなり必要になりますので、上手くやりきれる人ならいいかもしれません。あまりおすすめはしませんが。
「学生起業家」や「高校生社長」……肩書きが喉から手がほしいのは、わかる。わたしもかつては、そんな気持ちもありました。
でも今、起業4年目で思うのは、「肩書き」自体には価値がないということです。そんなものよりも、「大好きなプロダクト」「頑張ってきた時間」、そしてなにより「大切な仲間」こそが宝だと気付きました。
かつての私にとって、肩書きは「お金」と同じでした。お金がないときは、死ぬほどお金がほしかった。どんだけあっても、足りないものだと思っていました。
でも、社会人になってある程度お金を手にしてみたら、お金自体には価値がなくて、「本当にほしいもの」を手にするために、お金があるんだと気付きました。
だから、せっかく起業するなら、ぜひ「本当に大切なもの」を手に入れる手段として使ってほしいです。
日本にたくさんの起業家と、心躍る大冒険が、たくさん生まれますように。
(執筆:村田あつみ 編集:Workship MAGAZINE編集部)