ICTとIoTの意味とその違いは?いまさら聞けないIT基礎用語

ICTっぽい
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あなたは「ICT」や「IoT」の言葉の意味を正しく理解していますか?

両者とも近年さまざまな場面で聞く用語ですが、その意味をあいまいにしか理解していない人は多いでしょう。

そこで今回は、インターネット時代に知っておきたい基礎知識として、ICTとIoTの意味とその違いをまとめました。

ICTとは

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ICTとは、「Information and Communication Technology:情報通信技術」の略称です。通信技術を活用したコミュニケーションのことを指し、情報処理だけでなく、インターネットのような通信技術を利用した産業やサービスなどの総称です。

ICTは、IT(Information Technology:情報技術)とほとんど同じ意味で使われていますが、以下のように微妙な違いがあります。

  • IT:ハードウェアやソフトウェア、インフラのようなコンピュータ関連技術そのものを指す
  • ICT:コミュニケーションを重視し、インターネットを医療分野や教育分野に活かしていくための方法や、インターネットを使った具体的なサービスを指す

ICTの活用事例

1. MaaS(Mobility as a Service:移動のサービス化)

近年では、公共交通機関だけでなくカーシェアのような新しい移動手段の普及が進んでいます。MaaSは、ICTを活用して交通情報をクラウド化し移動をサービス化することです。代表的な事例は、アメリカのウーバー・テクノロジーズが運営する、『Uber(ウーバー)』です。

Uber(ウーバー)』は、一般人が空いた時間を利用してタクシーのような移動サービスをおこなうライドシェアリングサービスです。運転手(ヒト)と利用客(ヒト)をインターネット技術で結んでおり、ICTが活用されています。

MaaSについて詳しくは以下の記事をご覧ください。

2. 教育分野

ICT技術は教育現場にも使われています。北海道教育大学附属函館中学校では、2017年2月から全生徒360名にタブレット端末を配付し、授業でのICT活用が始まりました。

タブレット端末で教科書やプリントを閲覧したり、プレゼンテーション資料を作成したりすることで、効率的な教育を可能にしています。

(参考:ICTを取り入れた授業の事例【シリーズ「国が推進するICT環境の整備。ICTで子どもの教育はどう変わるの?」】

3. 災害対策

長崎県東彼杵町では、ICTを用いた情報提供システムによって、住民に対し災害・防災情報などを届けています。

このシステムでは、IP通信網やモバイル回線等を通じて住民が持つ専用受信機またはスマートフォン等へ情報を同時配信します。また、国が発信するJアラートとも連携しています。

家庭のテレビで音声対話を自動的におこない、住民からの問い合わせ対応の稼働軽減や住民サービスの向上を目的とするサービスです。高齢者でも使いなれたテレビを使って、24 時間いつでも自治体への問い合わせを行うことができます。

その他に、双方向の情報のやり取りが可能なため、普段は高齢者見守りにも活用できます。

(参考:ICTを活用した地域密着型の防災情報発信

IoTとは

IoTって書いてある

IoTとは、「Internet of Things:モノのインターネット」の略称です。

IoTでは、PCやスマートフォンのようなIT端末だけでなく、テレビやエアコンなどのインターネットと無関係だった「モノ」がインターネットにつながります。これにより、埋もれていたデータをサーバー上で処理・変換・分析・連携でき、これまでに無いサービスを生み出します。

たとえば、ネット通販最大手のAmazonは、洗剤や天然水などの日用品をボタンひとつで注文できる『Amazonダッシュボタン』を発売しています。2018年11月の取り扱い品数は150種類を超え、IoTをはじめとしたインターネット技術は、私たちの生活により身近なものになってきています。

IoTの活用事例

1. 自動車分野

自動車とIoTの組み合わせは、みなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか。

自動車同士を繋ぐことで車両の位置情報などのデータを収集し、渋滞状況を反映した最適なルート案内ができます。

車に搭載する自動運転支援システムが交通情報や信号情報などが含まれる社会インフラとつながり、前後の自動車と相互に通信して周囲の広範囲な環境変化をクルマが判断します。

(参考:IoT 自動車事例 IoTが描くクルマの未来像とは

2. 医療分野

IoT技術は医療分野でも活用されています。スマートウォッチのようなIoTデバイスで健康状態を記録・管理し医師と共有することで、病気の早期発見や予防につながります。

また、より医療に特化したIoMT(Internet of Medical Things)といった技術も普及しています。たとえば、アメリカの老舗医療機器メーカーであるメドトロニックは、患者の状態を管理する新しいサービスを開発しました。自律した通信機能を持つ心臓ペースメーカーが患者の生体データを収集・蓄積し、自動的に医療機関に送信するサービスです。

これにより、医師は遠隔で患者の状態を管理することが可能になり、再診の手間やコストの大幅な低減につながりました。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

3. 農業・食料分野

国連の食糧農業機関であるFAOによると、食料廃棄問題が世界的に問題になっており、年間およそ1兆ドルの作物が収穫後に何らかの理由で廃棄されています。

食糧廃棄問題を打開するため、食品産業においてもIoT化が進んでいます。 たとえば、『DiscoveryIoT』は在庫や売上、消費期限をIoTで管理することができます。これにより不必要な食品廃棄を抑えることができます。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

まとめ

最後に、あらためてICTとIoTを簡単に比べてみましょう。

ICTは、「ヒトとヒト」「ヒトとモノ」間で情報のやり取りをおこなう技術です。一方で、IoTは「モノとモノ」をつなげデータを取得することに主眼を置いた技術です。

言葉は似ていますが、その中身は全く異なる内容を指すICTとIoT。今後の動向にも注目です。

(執筆:Kaoru Kishi)

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