フリーランスから正社員への転換「トランジション採用」の成功事例まとめ
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近年、フリーランスとしてキャリアを積んできた人材が、その経験を活かして企業の正社員へと移行する「トランジション採用」が注目を集めています。柔軟な働き方から、安定と成長の機会を求めて転職するケースが増えており、企業側も実務経験や即戦力を重視して受け入れる動きが広がっています。
本記事では、実際にフリーランスから正社員へ転身した事例を10件ピックアップし、簡潔な要約とともに紹介。
フリーランス経験者の採用を検討する企業や、これからキャリアチェンジを考える個人にとって参考になる内容をお届けします。
目次
▲出典:NEL株式会社
広告代理店やBytedanceでの経験を経て、フリーランスとしてキャリアを築いていたディレクターの沖山さん。自由な働き方に魅力を感じていたものの、より大きな挑戦を求め、2024年にNEL株式会社へ正社員として入社しました。
入社のきっかけは、代表との対話や業務委託期間を通じて築いた信頼関係。組織で働くことで、自身のスキルを“切り売り”ではなく、事業の成長にフルコミットできる環境に魅力を感じたといいます。
現在は、リテールテック領域で急成長を遂げる同社のなかで、新しい領域にも果敢に挑戦。クリエイターとクライアント双方の視点を持つ強みを活かし、サービス開発やプロモーションにも貢献しています。沖山さんは「挑戦したい・成長したいという人にとって、いまのNELは絶好のタイミング」と語ります。個人から組織へのトランジションによって、キャリアの可能性を広げた好例です。
▲出典:株式会社NOGIC(wantedly)
SNS関連の業務を中心に活動していたフリーランスの山田優希也さんは、旧友の紹介をきっかけに、YouTubeマーケティングを手がける株式会社NOGICへ正社員として入社しました。これがまさに、フリーランスから正社員へと移行する“トランジション採用”の好例です。
山田さんは、フリーでの柔軟な働き方に満足していた一方で、20代のうちに組織での経験を積みたいという思いも抱えていました。そんな折、NOGICの社長との食事の場で交わしたフラットな会話が「この会社なら毎日楽しめそう」と感じさせたといいます。
現在はYouTubeディレクターとして専門性の高い分野を扱うほか、採用業務にも携わるなど、幅広く活躍中。裁量の大きい環境で、自責のマインドを育みながら、チームで成果を追う醍醐味を実感しているそうです。
「個人ではできない挑戦がある」「人の温度が感じられるチームで働きたい」──そんな思いに共鳴する方にとって、NOGICは挑戦しがいのある職場と言えるでしょう。
▲出典:ホライズンテクノロジー株式会社(wantedly)
製造現場からIT業界へとキャリアチェンジし、フリーランスエンジニアとして多様な案件に携わってきた久野さん。そんな彼が選んだ次のステップは、福岡のITベンチャー・ホライズンテクノロジー株式会社での正社員としての挑戦でした。
久野さんは、3年にわたり同社と業務委託で関わるなかで、「クライアント企業の社長と直接対話できる」「新規事業の立ち上げに関与できる」といったチャレンジングな環境に強く惹かれ、2025年1月に正社員として入社。現在は、Webサービスの設計・開発を手がけるだけでなく、経営層と直接議論しながらプロジェクトを推進する日々を送っています。
「自分の提案がそのまま事業に影響する実感がある」と語る久野さんは、現在ネイティブアプリの開発やPM領域にも挑戦中。成長意欲に満ちた仲間と共に、“技術”と“組織”の両軸でキャリアを切り拓いています。
▲出典:株式会社immedio
エンジニアの岸上さんは、業務委託として株式会社immedioに参画後、2024年に正社員へと転身しました。複数の企業と並行して働くなかで、自身の興味関心や働き方の相性を見極めたうえで選んだこの転職は、まさに“トランジション採用”の好例といえます。
セールステックというドメインの可能性、スピーディかつ柔軟なコミュニケーション、そして「人柄の良さ」が決め手だったと語る岸上さん。入社後はテクニカルサポートとして、商談自動化に関する技術的課題の解決に尽力し、CSチームの精神的支柱としても活躍しました。
現場に寄り添うことで、ユーザー視点のUI/UX設計に気づきを得たという岸上さん。現在はセールス業務の理解をさらに深め、より「欲しかった」と言われるプロダクト作りに挑んでいます。
変化を楽しみ、自らの軸で選び取る──そんな転職スタイルが、immedioの開かれたカルチャーと響き合っています。
▲出典:クロスマート株式会社(wantedly)
ゲーム業界でフロントエンドやテクニカルアーティストとして活躍していた中松さんは、出産を機にキャリアを見直し、クロスマート株式会社にて未経験のバックエンド領域に挑戦。業務委託での参画を経て、2023年に正社員として転職を果たしました。
「柔軟に働ける環境で、プログラミングにもっと向き合いたい」という想いに応えたのは、フルリモート&フレックスタイム制度と、育児との両立に理解のある社内文化。Slackの“times文化”を通じて気軽な相談や雑談もでき、未経験でも孤立せずに成長できる環境が整っています。
いまでは請求書プロダクトの開発を担当し、現場での声をダイレクトに反映するなど、社会と繋がる実感も得ている中松さん。「縁の下の力持ち」として、開発だけにとどまらずマネジメントや採用にも視野を広げる未来が描かれています。
▲出典:アジアクエスト株式会社(wantedly)
「歯車にはなりたくない」──そんな思いを胸に、さまざまな業務に携わってきた柳原さんは、5年のフリーランス経験を経て、アジアクエスト株式会社に正社員として入社。開発から経理、デザイン、営業まで幅広く経験した“ゆるスタックエンジニア”として、多様な視点からプロジェクトに携わってきました。
入社後はフロントエンドチームで活躍しながら、チームビルディングやメンター業務、採用面談にも関わるなど、個々がしっかり立てる組織づくりに注力。「まずはやってみる」という姿勢を大切にし、未経験領域にも積極的に飛び込んでいます。
変化の早いWebの世界で、自らを更新し続けられる人。そんな自発的なアップデートを大切にする文化が、アジアクエストの魅力です。成長したい、リーダーになりたい、そんな想いを持つ方にとって最適な環境がここにあります。
▲出典:プロダクトデザイナー・かやまさんnote
育児と仕事の両立を機にフリーランスとなったかやまさんは、業務委託としてnoteのプロダクトデザインに関わるなかで、チームの成長とカルチャーに魅了され、2025年5月に正社員として入社。もう1社からのオファーと迷うなか、「多様な知見を持つ仲間と専門性を深めたい」という思いが、note入社の決め手になったといいます。
noteでは「クリエイターファースト」の価値観がチーム全体に浸透しており、新機能の開発中止を決断するほどバリューを重視。社員同士の共通価値観を育む取り組みに感動したというかやまさんは、入社後ますますその理念への共感を強めています。
個人事業主として一区切りを迎えた今、「ユーザーとしてnoteを楽しみながら、創る側としても貢献したい」と語る姿には、フリーランス経験者ならではのしなやかな視点と挑戦心がにじみます。自律と共創が両立する環境で、これからのデザイナーキャリアを積み上げていく──まさに「トランジション採用」の好例といえるでしょう。
▲出典:ドコドア株式会社(wantedly)
大学院卒業後にWebアプリ開発を経験し、個人開発でFlutterスキルを磨いた阿部俊輔さん。2022年、ドコドアにフルリモート正社員としてジョインし、現在はアプリ開発事業部の責任者として活躍中です。
フリーランスや副業など働き方の選択肢があるなかで、あえて「正社員」という道を選んだ背景には、「プロダクトとの距離を縮め、仕様策定の段階から関われる仕事がしたい」という強い想いがありました。加えて、「前回の失敗を次に活かせる」継続的な関係性が、正社員ならではの魅力だったと語ります。
ドコドアの魅力は、技術的な挑戦が歓迎される環境と、遠隔地のメンバーとの密なコミュニケーション。毎朝の雑談から始まるミーティングでは、オンラインでも笑いが絶えず、安心感や一体感が得られるといいます。
今後は「エンジニアがドコドアで働きたくなるような環境づくり」が目標。受託開発のノウハウを蓄積し、グループ全体の開発力を高めていくビジョンを描く阿部さんの姿は、フリーランス経験者の視点を活かした“トランジション採用”の好事例そのものです。
▲出典:ちょっと株式会社
地方在住でフリーランスとしてWeb制作や個人開発を行っていた平山さんは、2025年3月にちょっと株式会社へフルリモートの正社員として入社。以前からリモートワークの快適さを実感していたものの、「また通勤する日々には戻れない」という気持ちが、環境の変化をためらわせていたといいます。
しかし、個人開発の目標をひと段落させたタイミングで転職を決意。ちょっと社の「地方在住でもフルリモートで働ける」「モダンなフロントエンド技術に触れられる」という点に惹かれ、面談を重ねて入社に至りました。
実際に働き始めると、ReactやNext.jsを活用した開発環境や、フルフレックス・フルリモートの働きやすさ、そして現代的な社内ツールに感動。「むしろフリーランス時代よりも規則正しい生活ができている」と語ります。
働き方に柔軟性を持たせながらも、技術的な成長を望む──そんなエンジニアにとって、ちょっと社での「トランジション採用」は、新しいキャリアの可能性を示す好例となっています。
▲出典:久慈桃子さんのnote
時給870円のパートとして「そこのパートの人」と呼ばれていた地方在住の主婦・久慈桃子さんは、わずか5年で東京本社のIT企業にてWebメディア編集長に就任。いまでは10名のチームを率い、地方からフルリモートで働く日々を送っています。
出産・育児でキャリアが途絶え、パートとして復帰した職場では「おやつ係」や「お酌係」として扱われ、スキルや人間性ではなく「残業の可否」で評価される現実に葛藤。その後、交通事故を機に退職し、フリーランスライターへ転身しますが、コロナ禍により案件激減。そこで、オンラインコミュニティに参加しながらスキルを磨き、徐々に案件獲得へと繋げました。
やがて、業務委託として関わっていたIT企業から正社員登用の声がかかり、「もっと貢献したい」という思いから入社を決意。そこには、育児と両立しながら働く女性たち、育休を取る男性社員など、多様性を尊重するカルチャーが根づいていました。
久慈さんの歩みは「スキルを育てれば、環境は自ら選べる」という力強いメッセージを放つ、実践的なトランジション採用の好例です。
フリーランスから正社員へと移行する「トランジション採用」は、互いの相性や価値観を見極めたうえで自然な形での雇用につながる柔軟な採用スタイルです。副業や業務委託としての関わりを経て、信頼関係を築いたうえでの正社員化は、企業にとっても個人にとってもリスクが少なく、納得感のある選択肢となり得ます。
これから「トランジション採用」を検討している企業・個人は、今回紹介した事例をヒントに、自分らしいキャリア構築を模索してみてはいかがでしょうか。
▲出典:Workship CAREER
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(執筆・編集:Workship MAGAZINE編集部)