2023年に注目すべきUI/UXデザイントレンド7選

7 UX/UI Design Trends to Watch for in 2023

2022年は、UI/UXデザイン業界にとって重要な年でした。既存のトレンドが継続する側面もあれば、新しいトレンドが台頭した側面もありました。とくにChatGPTをはじめとしたAIの技術革新により、新たな時代の到来を感じた方も多いのではないでしょうか?

今回は、業界の動向や現在のユーザー行動、専門家の予測などに基づいて、2023年に注目すべきUI/UXデザインのトレンド7選を紹介します。

1. UI/UXデザインにおけるAI活用

ひとつめのトレンドは、UI/UXデザインにおけるAIの活用です。

2022年11月に発表されたChatGPTは、AIとチャットボットの組み合わせによってスムーズな対話を実現し、瞬く間に世界中に衝撃を与えました。ほかにも文字通り日進月歩で新たなAIツールが誕生し、AIがデザインの世界に与える影響を真剣に考えるようになった方も多いのではないでしょうか。

かつては目新しい存在だったAIも、いまや業務効率化のためのツールになろうとしています。直近では、プロンプトからFigmaで編集可能なUIを生成する『Galileo AI』や、レスポンシブデザイン対応をサポートしてくれる『STUDIO AI』など、実用的なAIツールのリリースが散見されます。

Designlabのメンターである、ルーベン・アレグレ・ディアス氏は、UI/UX領域におけるAIの活用について以下のように語っています。

「アート作品の制作だけでなく、デザインにもAIが活用されるようになるでしょう。ここ数年、私たちはAIをちらほら目にしてきましたが、ほとんどの場合は実用的なツールとして捉えられているというよりも、デモンストレーションのために使われていました。しかしデザイナーやクリエイターは、AIに反発するのではなく、AIとともに生き、AIに力を発揮させる方法を学ばなければいけないと思います。AIへの対応が、プロフェッショナルとしての運命を左右するのです」

2. AI活用を踏まえたUI/UXデザインプロセスの見直し

AIは2022年になって突然登場したツールではありません。たとえば、カラーパレットのジェネレーターなどは以前から活用されてきました。

しかし、UI/UXデザイナーがデザインプロセスのさまざまな場面でAIを取り入れるようになると、AIの役割についての考え方も変化してくるはずです。

たとえば、AIを使ってコピーライティングができる『Catchy』のようなツールを取り入れると、コンテンツデザインの効率は上がるでしょう。しかし同時に、「コンテンツデザインとはなにか」「優れたコンテンツデザインはUXプロセス全体にどのような価値をもたらすのか」といったことについて考えるきっかけにもなるはずです。

2023年には、AIをきっかけにUI/UXデザインのプロセスについて考え直すのがトレンドになるでしょう。

3. 体験のパーソナライズ

体験のパーソナライズ化も、2023年のトレンドです。

競合他社に負けないデジタル製品を作るにあたり、パーソナライズ化は欠かせません。Webサイトやアプリなどにおいて、ユーザーにパーソナライズ化された体験をどのように提供するか。UXデザイナーにはこの課題の解決が求められるでしょう。

4. 「標準化」と「探求心」

アプリやWebサイトを見ていると、ビジュアルやUIが似通っていることに気づくかもしれません。たとえばモバイルアプリでは、画面上部と下部にアイコンとテキストで構成されたメニューを配置するのがトレンドです。ハンバーガーメニューもよく目にしますよね。

UI/UXデザインの成熟に伴い、デザイナーが有効なUI/UXデザインを判断するためのデータが蓄積されています。同時に、成果につながるUI/UXデザインのノウハウが共有されているのです。

結果としてUI/UXデザインは「標準化」され、似通ったデザインが数多く出回ることになりました。

この点についてDesignlabのメンター・シニアプロダクトデザイナーであるクリスチャン・エッケルス氏は、以下のように警鐘を鳴らしています。

「標準化がデザイナーの探求心に与える影響を懸念しています。デザイナーは間違いを恐れ、探究にあまり興味を示しません。デザイナーには、すぐにデザインライブラリに飛びつくのではなく、ときには挑戦的な要素を残したデザインを施し、A/Bテストを活用してブラッシュアップさせていくことを勧めたいです」

5. “フルスタック”なUXデザイナーの採用

なんでもできるフルスタックなUXデザイナーの採用も、2023年のトレンドになりそうです。

経済の不確実性は、雇用に影響を与えています。先行きの不透明感から、企業はより経験豊富で実績のあるデザイナーを求めたり、コーディングまで可能なUXデザイナーを採用したりするなど、より保守的な採用活動をおこなっているようです。

UXデザイナーは、コーディングやリサーチなど、UXデザイン以外の知識やスキルを活用できれば、採用市場で差をつけられます。UX Academyの成功事例からもわかるように、過去の職務で得たスキルなども採用の後押しになるでしょう。

6. ニッチなUXデザイン

UI/UXデザイナーに求められるスキルのレベルは、年々高くなっています。経済の後退や不安定さは否めませんが、UXデザインの分野は成長しつづけているのです。

UXデザイン分野の成長にともなって、UXデザインにおけるニッチな仕事もトレンドになってきました。とくにUXリサーチャーやUXライター、コンテンツデザイナーなどの職種は、今後数年でより需要が高まりそうです。

7. リモートワーク

リモートワークは2023年のトレンドの域を超え、「ニューノーマル」として定着しそうです。これに伴い、ワークライフバランスを整え、リモートワーカーを定着させるために企業が提供する福利厚生に、より注目が集まることが予測されます。

以下は、2023年以降に増加が予測される福利厚生のリストです。

  • 休暇日数の増加
  • 医療費補助
  • リモートワーク環境への補助
  • 出張交通費の全額支給
  • アニバーサリーボーナスなどの特典

オンラインを前提にしたUI/UXを

パンデミック後のニューノーマルを模索するのは簡単ではありません。しかし、今後もオンラインでの体験の需要は高まりつづけ、かつて対面でおこなわれていたことがオンラインに切り替わっていくでしょう。

UI/UXデザイナーはこうした変化の先頭に立ち、ユーザーに常に快適な環境を提供しなければいけません。予測しづらい未来のために、トレンドをしっかりおさえておきましょう。

(執筆:Designlab 翻訳:Asuka Nakajima 編集:齊藤颯人 提供元:UX Planet

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