【CFP/1級FP監修】ファクタリングとは?仕組みからメリット・注意点までわかりやすく解説

【CFP/1級FP監修】ファクタリングとは?仕組みからメリット・注意点までわかりやすく解説

個人事業主にとって、資金繰りは大きな悩みの種。手形や売掛金をすぐに現金化したい! と考えたことのある方も多いでしょう。

ファクタリングは、まさにそうした状況を打破するために、即座に現金を手にできる有効な手段です。しかし、初めて「ファクタリング」という言葉を耳にした方にとっては、その仕組みや安全性、手数料など、さまざまな疑問をお持ちかもしれません。

この記事では、1級FP技能士の資格を持ち、個人事業主の資金調達に関する記事執筆・監修に携わってきた三浦雅也が、ファクタリングの実態やメリット・デメリットを詳しくお伝えします。あなたの資金繰り改善のヒントとなりますように。

三浦 雅也(CFP/ 1級FP技能士)
三浦 雅也(CFP/ 1級FP技能士)

大学卒業後、難しい用語を使わずに分かりやすくお金の知識を伝えたいと考え、独立系のFP事務所、保険会社での勤務を経てファイナンシャル・プランナー/ライターとして独立。現在はクレジットカード、保険の記事を中心とした執筆活動を行っている。X:@jagu_244 HP:https://fp-right.com/

ファクタリングとは:売掛債権を利用した資金調達の方法

ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権をファクタリング事業者(以下、事業者)に売却することで、早期に現金化を実現する資金調達方法です。通常、取引先への請求から入金までは一定の期間が必要ですが、ファクタリングを利用すれば、その期間を待たずに資金を調達できます。

たとえば、取引先に対して100万円、支払い期日は1ヶ月後の売掛金を持っているとしましょう。

この売掛金をファクタリングするには、まずはファクタリング事業者に100万円の売掛債権を売却します。手数料は事業者によって異なりますが、ここでは仮に「5%」とします。つまり、100万円のうち5万円を手数料として引いた「95万円」が、個人事業主が受け取れるお金になります。

その後、本来の入金日に取引先から100万円を受け取ったら、その100万円を、そのままファクタリング事業者に支払います。これで、一連の取引が完了となります。

【通常の取引】

取引先
↓(1ヶ月後:100万円)
個人事業主

【ファクタリングを利用した場合】※手数料率は一例

ファクタリング事業者

個人事業主(手数料5%を引いた95万円を即日〜受け取れる)

=1ヶ月後=========

取引先(本来の入金日に、100万円支払う)

個人事業主(受け取った100万円を、そのままファクタリング事業者に払う)

ファクタリング事業者

窮地に陥った個人事業主にとってはメリットが大きいファクタリングですが、「手数料が発生する」「取引先にファクタリングの利用が知られると、資金繰りが下手な印象を与える可能性がある」など、デメリットもないわけではありません。メリット・デメリットをしっかりと理解し、自分の状況に適しているか判断する必要があります。

ファクタリングが違法ではない法的根拠

ファクタリング自体は違法ではなく、法的には「債権譲渡」という売買契約に該当します。これは売掛債権という財産を売却し、対価として現金を受け取る正当な取引であり、中小企業庁も推進しています。

しかし、ファクタリングを装った違法な貸金業には注意が必要です。世の中には、貸金業登録を受けていない業者が法外な手数料を要求したり、債権回収を売主に委託し、回収不能の場合に買い戻しや支払いを義務付けたりするなど、実質的に「貸付」と変わらない行為を行うケースがあるためです。これは「偽装ファクタリング」と呼ばれ、いわゆる「ヤミ金」にあたる違法行為です。

ファクタリング取引においても、契約内容によっては貸金業に該当する可能性があります。ノンリコース(※)の規定の有無を確かめるのはもちろん、少しでも疑問があれば、弁護士等の専門家に相談しましょう。

※ノンリコース:償還請求権がないこと。仮に取引先が売掛金を支払わなかったとしても、ファクタリングの利用者がその代金を背負わなくてもよいという規定のこと。

ファクタリングは「ヤバい」?違法業者に注意

違法業者に注意

▲ファクタリングを利用する際には、違法業者に注意

ファクタリングが「ヤバい」と言われる理由は、悪質業者に引っかかるリスクが存在するためです。

一例として、違法な高金利を要求する業者が、ファクタリングを装って営業しているケースが挙げられます。また、仮に悪徳業者でなくとも、そもそもファクタリングの手数料は銀行融資などに比べて高くなる傾向があります。

ファクタリングは売掛債権を売却することで資金を調達する方法であるため、手元に入る資金が減少するのは避けられません。中長期的な資金計画を立てずに安易に利用すると、資金繰りの悪化につながる可能性があります。

悪質業者を見抜く詳しいポイントについては、以下の記事も合わせて参照してください。

ファクタリングと手形割引の違い:現金化する対象が異なる

売掛債権を早期に現金化する方法として「ファクタリング」の他にも「手形割引」があります。どちらも似たサービスに見えますが、決定的な違いは現金化する対象です。ファクタリングは「売掛金」を、手形割引は「受取手形」を資金化します。

ファクタリングは、取引先からの入金期日を待たずに売掛金を現金化できるため、資金繰りの改善に役立ちます。また売掛先が倒産した場合でも、ノンリコース型のファクタリングであればファクタリング会社が損失を負担するため、利用者が損失を被ることはありません。

一方、手形割引は、決済日を迎えていない受取手形を銀行などに売却し、資金化する方法です。受取手形は約束手形と異なり、支払人である取引先の信用力が担保されているため、回収リスクが低い存在です。そのため割引率も低く、資金調達コストを抑えられるメリットがあります。

給料ファクタリングとの違い:譲渡する債権の内容が異なる

給料ファクタリングとファクタリングは、譲渡する債権の内容が異なります。ファクタリングでは、企業間の商取引で発生する「売掛債権」を譲渡するのに対し、給料ファクタリングは「雇用契約に基づく、将来受け取る給与(給与債権)」を債権として、業者に買い取ってもらうことで現金化します。

給料ファクタリングは貸金業に該当するため、登録を受けていない業者が行うのは違法です。また法外な手数料を要求されるケースも多く、利用には注意が必要です。

ファクタリングの方法は主に2種類

ファクタリングには、大きく分けて「買取型」と「保証型」の2種類があります。

買取型ファクタリングは、事業者が売掛債権を買い取り、取引先からの入金を受け取る方法。保証型ファクタリングは、事業者が売掛債権の保証を行う方法です。以降ではそれぞれの差について詳しく解説します。

買取型と保証型の違い:利用する目的が違う

買取型と保証型の最大の違いは、利用目的です。

買取型は早期に資金を調達することを目的としているのに対し、保証型は売掛金の未回収リスクに備える「保険」のような役割を果たします。

買取型では、事業者が売掛債権を買い取るため、最短即日で資金を調達できます。資金繰りの急な悪化に対応できるため、短期的な資金ニーズに適しています。しかし手数料が発生するため、資金調達コストは比較的高くなります。

保証型では、万が一、売掛金が回収不能になった場合に、事業者から保証金が支払われます。そのため保証金が支払われるのは、貸倒れが発生した後になります。手数料は買取型よりも低く設定されていることが多いですが、売掛金が回収できた場合は保証金は支払われないため、あくまでリスクヘッジとしての利用が中心です。

買取型、保証型のそれぞれについて、より詳しく見ていきましょう。

買取型とは:売掛債権を事業者が買い取る方法

買取型ファクタリングは、事業者が売掛債権を買い取ることで、期日前に現金化できる資金調達方法です。売掛金は通常、入金まで一定の期間を要しますが、買取型を利用すればすぐに資金を調達できます。資金繰りの改善や事業拡大のための投資に有効です。

売掛債権の回収リスクは事業者が負うため、万が一、取引先が倒産しても、売主は資金を返済する必要がありません(ノンリコース型の場合)。

買取型には、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2種類があります。

2社間ファクタリングの仕組み

2社間ファクタリングは、利用者と事業者の間で契約が締結されるため、手続きが簡素で迅速な資金調達が可能です。

具体的な流れとして、まず企業が事業者に売掛債権の売却を申し込みます。事業者は審査を行い、売却額を決定します。契約が成立すると、事業者は企業に売却額から手数料を差し引いた金額を支払います。その後、利用者が取引先から予定通りに報酬を受け取ったら、その報酬をそのままファクタリング企業に入金することで一連の取引が完結します。

2社間ファクタリングのリスクとしては、利用者と事業者の間のみで取引が完結する(取引先の関与がない)ため、取引先がファクタリング利用を感知した場合、「資金繰りがうまくいっていないのではないか」と不信感を抱かれる可能性が挙げられます。

■ファクタリングの流れ1. ファクタリング会社がフリーランスから売掛金を買い取る 2. 取引先がフリーランスに報酬を入金する 3. ファクタリング会社に報酬を入金する

▲ファクタリング(2社間)の仕組み

3社間ファクタリングの仕組み

3社間ファクタリングでは、利用者、事業者、そして取引先の3社間で契約を締結します。この形式では、取引先にファクタリング利用を通知し、債権譲渡の承諾を得る必要があります。そのため、契約内容の透明性が高く、取引先との信頼関係を維持しやすい特徴があります。

具体的な流れとしては、利用者がファクタリング事業者に申し込むと、ファクタリング事業者が取引先に「売掛債権の売却」についての承諾を得ます。承諾が得られたら、ファクタリング事業者は利用者に手数料を差し引いた金額を支払います。そして本来の支払い期日になったら、取引先は直接、ファクタリング事業者に報酬を入金します。

3社間ファクタリングは手続きに時間がかかる場合があるため、迅速な資金調達には不向きです。取引先との関係が良好であり、比較的時間に余裕を持って資金調達を進められる場合に適した選択肢と言えます。

保証型とは:売掛債権の回収などを事業者が保証する方法

保証型ファクタリングでは、事業者が売掛債権の回収を保証します。取引先が倒産するなどして売掛金が回収できなくなった場合、事業者が損失を補填するため、回収不能リスクを軽減できます。

保証型では、まず利用者が事業者に売掛債権の保証を依頼します。事業者は審査を行い、保証の可否や保証金額、保証料などを提示します。利用者が条件に同意すれば保証契約を締結し、保証料を支払う流れです。

その後、取引先から入金がない場合、事業者が利用者に保証金額を支払います。保証金額は、売掛債権の額面から保証料などを差し引いた金額です。事業者が取引先から売掛金を回収できなかった場合の損失は、事業者が負担します。

売掛債権の所有権が利用者側に残る保証型は、取引先との関係を維持しやすく、資金繰りの安定化を図りやすい面があります。

ファクタリングのメリット

ここでは、ファクタリングのメリットについて、以下3点に絞って詳しく解説します。

  • 売掛金を即座に現金化できる
  • 売掛金の未回収リスクを軽減できる
  • 信用情報に不安があっても利用できる

【最短即日】売掛金を即座に現金化できる

ファクタリングの大きなメリットは、売掛金を迅速に現金化できることです。多くの事業者では最短即日で入金が可能で、なかには数十分後に入金されるサービスもあります。

たとえば急な仕入れが必要になった場合、設備投資の機会が訪れたときなど、すぐに資金を調達できるのは大きなメリットです。銀行融資のように時間のかかる審査や手続きが不要のため、ビジネスチャンスを逃すことなく迅速な意思決定が可能です。

売掛金の未回収リスクを軽減できる

ファクタリング、とくに買取型の大きなメリットは、売掛金の未回収リスクを軽減できることです。

通常、取引先が倒産した場合、売掛金は回収不能となり企業の損失となります。しかし買取型なら、売掛金の回収リスクは事業者が負担します(ノンリコース型の場合)。つまり取引先が倒産しても、すでに事業者から資金を受け取っているため、損失を最小限に抑えられるのです。

これは、取引先の信用力に不安がある場合や、景気変動の影響を受けやすい業種にとって大きなメリットです。安定した資金繰りを確保し、経営の安定化に貢献します。

信用情報に不安があっても利用できる

ファクタリングは銀行融資とは異なり、信用情報に不安がある場合でも利用できる可能性があります。銀行融資は、企業の信用情報や財務状況を厳しく審査しますが、ファクタリングは売掛債権の質を重視するため、企業の信用情報への依存度が低くなります。

つまり、過去の延滞や債務超過などで信用情報に傷がついている企業でも、安定した取引先を持ち、確実な売掛金が見込めるのであれば、ファクタリングを利用できる可能性があります。これは、資金繰りに悩む企業にとって大きなメリットです。

ただし事業者によって審査基準が異なるため、必ずしもすべての企業が利用できるわけではありません。また信用情報に問題がある場合は、手数料が高めに設定される可能性もあります。

ファクタリングを利用する際の注意点

ファクタリングは便利な資金調達手段ですが、利用する場合にはいくつかの注意点があります。

手数料や契約内容をしっかり確認せずに利用すると、思わぬ損失を被る可能性も。信頼できる事業者を選び、契約前に十分な説明を受けることが重要です。また審査落ちなどで利用できない可能性や、ファクタリング詐欺に遭ってしまう可能性もあります。

以下では、それぞれの注意点について解説します。

審査落ちなどにより利用できない場合がある

事業者は、売掛債権の質や取引先の信用力などを審査し、利用の可否を判断します。そのため倒産リスクが高いとされている業種(建設業や運送業など)や、売掛債権の金額が小さい場合は審査落ちとなる可能性があります。

また過去にファクタリングを利用したときに、延滞や債務不履行などの問題を起こしたことがある場合も、審査落ちとなる可能性が高くなります。過去の利用履歴も審査対象となるため、過去の利用状況が良好であることが重要です。

ファクタリングを利用するときは、複数の事業者に相談し、審査基準や手数料などを比較検討しましょう。審査落ちの詳細については、以下の記事も参照してください。

高額な手数料が負担になる場合がある

高額な手数料が負担になる場合もあります。事業者は、売掛債権の額面に対して一定の手数料率を設定しており、その率は売掛債権の質や取引先の信用力、契約期間などによって変動します。一般的に、取引先の信用力が低い場合や支払い期日が長い場合は、手数料率が高くなる傾向があります。

高額な手数料を支払うことになれば、資金調達コストが大きくなり、事業の収益を圧迫する可能性があります。そのためファクタリングを利用するときは、複数社の見積もりを取り、手数料率を比較検討することが重要です。契約事務手数料や印紙代などの費用が発生する場合もあるため、事前に確認しましょう。

さらにファクタリングは、長期的に利用し続けると手数料負担が大きくなり、資金繰りが悪化する可能性があります。あくまで一時的な資金不足を解消するための手段として利用し、中長期的な資金計画と組み合わせて検討することが重要です。

ファクタリング手数料については、以下の記事も合わせて参照してください。

ファクタリング手数料の相場は契約形態によって異なる

ファクタリング手数料の相場は、契約形態や事業者によって大きく異なります。

一般的に2社間ファクタリングと3社間ファクタリングを比較すると、3社間ファクタリングのほうが手数料率が低くなる傾向にあります。3社間は取引先が支払いを保証してくれるため、事業者のリスクが軽減されるためです。

手数料率は、売掛債権の額面や取引先の信用力、契約期間などによっても変動します。売掛債権の額面が大きいほど、かつ取引先の信用力が高いほど手数料率は低くなり、信用力が低い場合は高くなります。さらに、支払い期日が長いほど、手数料率は高くなる傾向があります。

▼主要なファクタリングサービスの手数料率一覧

サービス名 手数料 最短入金 取引形態 サービスURL
10% 10分 2社間 https://paytner.co.jp/factoring
10% 60分 2社間 https://labol.co.jp/
1%〜

9.5%

30分 2社間 https://paytoday.jp/
3%〜10% 30分 2社間 https://freenance.net/
1%〜 2時間 2社間 https://ququmo.net/
2%〜9% 即日 2社間 https://www.olta.co.jp/
9.5% 30分 2社間 https://freelance.factoring.inc/
2%〜 2時間 2社間/3社間 https://betrading.jp/

ファクタリング詐欺に遭う可能性がある

ファクタリングは便利な資金調達手段ですが、詐欺のリスクも存在します。ファクタリング詐欺には、悪徳業者によるものと、利用者によるものの2種類があります。

悪徳業者による詐欺では、法外な手数料を請求したり、実際にはファクタリングを行わずに資金を騙し取ったりするケースがあります。またファクタリングを装って違法な高金利で貸付を行うヤミ金業者も存在します。さらに複雑な契約内容を提示し、利用者に不利な条件で契約を結ばせるケースも報告されています。

一方利用者による詐欺では、存在しない架空の売掛債権を譲渡したり、すでに他の事業者に譲渡済みの債権を二重譲渡したりするケースがあります。

ファクタリング詐欺に遭わないために、信頼できる事業者を選びましょう。会社の所在地や連絡先が明確であるか、登録番号や許可番号が正しく表示されているか、公式サイトに詳しいサービス内容が記載されているかなどを確認するのが見分けるポイントです。

ファクタリング詐欺の手口については、以下の記事も合わせて参照してください。

ファクタリングを利用する流れ

ファクタリングの利用は、以下の5つのステップで進みます。

  1. 相談(事前相談)
  2. 申し込み
  3. 必要書類の提出
  4. 審査
  5. 契約

まずは事前相談です。自社の状況やニーズに合ったサービス内容や、手数料率などを確認します。複数の事業者に相談し、比較検討しましょう。

次に申し込みです。申し込み方法は事業者によって異なりますが、公式サイトの申し込みフォームや電話、メールなどで行うのが一般的です。契約後のキャンセルは難しいため、事前に契約内容を十分に把握しておきましょう。

続けて必要書類を提出します。一般的には、登記簿謄本や決算書、売掛債権の請求書などが求められます。(必要書類については次の項目で詳述します。)

提出した書類を元に審査を経て、契約成立となります。審査対象は、売掛債権の質や取引先の信用力、利用者の財務状況などです。審査期間は事業者によって異なりますが、最短即日で完了する場合もあります。無事に契約が成立すれば、事業者から資金が支払われます。

ファクタリング契約で必要な書類

ファクタリングに必要な書類は、事業者や契約内容によって多少異なりますが、一般的に以下の書類が求められることが多いです。

  • 登記簿謄本(法人の場合):会社の概要や所在地、役員情報などを確認するため
  • 身分証明書:個人事業主の場合は、運転免許証やパスポートなどの身分証明書が必要。法人の場合は、代表者の身分証明書が必要
  • 印鑑証明書:契約書に押印する印鑑が、正式に登録されているものであることを証明するため
  • 決算書/確定申告書:会社の財務状況を確認するため
  • 請求書や契約書:ファクタリングの対象となる売掛債権の内容を証明するため
  • 取引先との基本契約書:売掛債権が正当なものであることを確認するため
  • 通帳:事業者からの入金を確認するため

必要な書類が不足していると、審査に時間がかかったり、審査落ちとなったりする可能性もあります。事前にしっかりと確認し、準備しておきましょう。

ファクタリングに関するよくある質問

ファクタリングを利用するにあたって、よくある質問と回答をまとめました。

「ファクタリング」とはどういう意味?

「ファクタリング」という言葉そのものは「債権買取り」を意味します。資金調達方法の一つで、企業が保有する売掛債権を事業者に売却することで、支払い期日前に現金化できます。

売掛金とは、取引先に対して商品やサービスを提供した後、後日代金の支払いを請求する権利のことです。ファクタリングでは、この売掛金を事業者に売却し、手数料を差し引いた金額を受け取ります。

ファクタリングはなんのために利用する?

ファクタリングは、主に資金繰りの改善を目的として利用されます。企業は、売掛金が回収されるまでの期間、運転資金が不足する可能性があります。

ファクタリングを利用することで売掛金を早期に現金化し、運転資金を確保できます。仕入代金の支払いや人件費の支払い、設備投資、新規事業への投資など、さまざまな用途に活用できるでしょう。

ファクタリングにおける「支払い」とは?

ファクタリングにおける「支払い」とは、売掛先から入金された売掛金を、ファクタリング事業者へ支払うことを指します(主に2社間ファクタリングの場合)。売掛債権を事業者に譲渡すると、債権者が事業者に変わるため、売掛先から回収した資金は事業者のものとなり、送金が必要になります。

一方、3社間ファクタリングの場合は、売掛先が事業者に直接送金するため、利用者が事業者に支払う必要はありません。このようにファクタリングにおける「支払い」は、契約形態によって異なります。

ファクタリング手数料の相場・目安は?

ファクタリング手数料の相場は、契約形態や売掛債権の額、取引先の信用力、契約期間などさまざまな要因によって変動します。

2社間ファクタリングの場合、3社間ファクタリングに比べて手数料率が高くなる傾向があり、およそ8%〜18%。3社間ファクタリングの場合は、およそ2%〜9%となることが多いです。

また売掛債権の額が大きいほど、手数料率は高くなる傾向があります。事業者にとって、売掛債権の額が大きいほど回収リスクが高くなるためです。

ファクタリングの入金までにかかる時間は?

入金までの時間は、最短即日から数日程度が一般的です。2社間ファクタリングは、3社間ファクタリングに比べて審査が簡略化されているため、より早く入金される傾向があります。

審査に必要な書類が揃っているか、取引先の信用力に問題がないかなど、いくつかの要因によって入金までの時間は変動します。スムーズな入金のためには、事業者からの指示に従い、必要な書類を迅速に提出することが重要です。

ファクタリングサービスを選ぶ基準は?

最適なファクタリングサービスを選ぶには、主に以下4つのポイントを重視しましょう。

  • 手数料:手数料率は会社ごとに異なるため、比較したうえで手頃な手数料率のサービスを選びましょう。「最低〇%~」といった表記だけでなく、上限額も確認します。
  • 入金日数:「最短即日」という表記だけでなく、実際の入金スピードを確認しましょう。口コミなども参考になります。
  • 審査通過率:とくにフリーランスや個人事業主は、審査通過率の高さを重視しましょう。フリーランス/個人事業主専門サービスや柔軟な審査基準を持つ会社がおすすめです。
  • 手続きの簡単さ:近年はオンライン完結型のサービスが増えています。提出書類の少なさや手続きのスムーズさも重要なポイントです。
  • 実績:運営会社の信頼性や実績も確認しましょう。大手企業が運営している、長年の実績があるといった点は、安心材料となります。

ファクタリングサービスを選ぶ基準については、以下の記事も合わせて参照してください。

ファクタリングを利用して事業資金を調達しよう

短期的な資金需要がある場合や、銀行融資が難しい状況にある企業にとって、ファクタリングは非常に有効な手段となります。しかし、手数料や契約内容をしっかりと確認し、信頼できるファクタリング会社を選ぶことも重要です。

本記事を参考に、ファクタリングのメリット・デメリットを理解し、自社に最適なサービスを選択することで、資金繰りの課題を解決し、事業の成長を促進しましょう。

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(執筆:Workship MAGAZINE編集部 監修:三浦 雅也)

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