「フリーランスから正社員へ」54.7%の企業が実績あり トランジション採用の最新調査

株式会社GIG(所在地:東京都中央区、代表取締役:岩上貴洋)は、2025年7月に人事・採用担当者122名を対象とした「トランジション採用」に関する調査を実施しました。

働き方の多様化や人材不足が叫ばれるなか、フリーランスや業務委託経験者を正社員として採用する「トランジション採用」が注目を集めています。本調査では、その実態と課題、そして企業が感じるメリットを明らかにしました。

調査概要

調査名:トランジション採用調査(Workship / GIG)
調査期間:2025年7月
調査対象:人事・採用経験のある方122名
調査方法:オンラインアンケート調査
有効回答数:122名(設問によって異なる)

※本調査について外部でご紹介いただく際は、「トランジション採用調査( Workship / GIG)」を明記のうえ、必ず以下ページへのリンクをご掲載ください
https://goworkship.com/magazine/transition-latest-research/

1. 半数以上の企業がフリーランスを正社員として採用した実績あり

中途採用を実施する企業の54.7%が、すでにフリーランス・業務委託経験者を正社員として採用した実績がありました。さらに、73.6%の企業がトランジション採用に積極的であると回答しており、今後の広がりが見込まれます。

したがってトランジション採用は、単なる「一部の事例」ではなく、すでに採用市場に根付いた動きであることがわかります。

2. 83%の企業がフリーランス経験を「プラス」または中立に評価

人事担当者の41.5%がフリーランス経験をプラス評価しており、他の候補者と同じ基準で見るとした割合も含めると83%に達しました。一方で、17%はマイナス評価または採用しないと回答しました。

このことからは、経験の多様性は歓迎されつつあるものの、一部には依然として慎重な見方が残っている傾向が読み取れます。

3. フリーランス・業務委託経験者の採用前に懸念された課題は、多くは発生せず

人事担当者がフリーランス・業務委託経験者の採用に懸念していたのは「チームワーク」(48.3%)、「組織適応」(43.1%)、「離職リスク」(36.5%)でした。しかし、実際に就業後に課題として挙がったのはそれぞれ17.2%にとどまり、懸念ほど大きな問題とはなっていません。

トランジション採用においては、採用前に懸念されがちなリスクが入職後に軽減されることも少なくないようです。企業の先入観と実態の間にギャップが存在することを示しています。

4. 即戦力性・専門スキルが採用メリットとして高評価

フリーランス経験者を採用した企業が感じる主なメリットは、以下の3点でした。

  • 即戦力性:60.3%
  • 専門スキル:58.6%
  • 自己管理能力:32.8%

さらに「新しい視点・アイデア」「課題解決力」「プロジェクト推進力」なども挙げられました。プロジェクトベースで成果を出してきた経験が、正社員としての業務においても強みとなっています。

実際に採用された職種としては、営業・営業企画(43.1%)、エンジニア・プログラマー(39.7%)、企画・事業開発(20.7%)、広告運用・デジタルマーケティング(20.7%)などが挙がりました。(Q2.下図)

また、今後採用を検討している職種では、デザイナー(30.0%)、エンジニア(30.0%)、企画・事業開発(25.0%)、ライター・編集(15.0%)などが目立ちました。(PDF資料内データ – 本記事下部よりダウンロード可)

上記(Q2)の結果からは、フリーランスとの親和性が高い「IT系」「クリエイティブ系」での採用が進んでおり、今後もプロジェクト単位の働き方が一般化する分野から広がっていくと考えられます。

5. 課題は「報告・相談頻度の少なさ」が最多、制度整備で解決可能

課題として最も多かったのは「報告・相談頻度の少なさ」(25.9%)でした。ただし22.4%の企業は「特に課題なし」と回答しました。

対応策としては「メンター制度の導入」(37.9%)、「リモートワーク制度の整備」(31.0%)、「裁量権拡大」(27.6%)などが実施されました。このように、今回の調査結果からは、トランジション採用にまつわる課題は存在するものの、多くは制度やマネジメント体制の調整で解決可能であることが示されています。

6. 6割近くの企業が「管理職に登用」

フリーランス経験者を採用した企業の58.6%が、課長級以上のマネジメント職に登用していると回答しました。このことからは、トランジション採用によって入社した人材が、専門スキルにとどまらず、組織を率いる役割でも活躍していることが明らかになりました。

7. 年収は9割近くが「フリーランス時代と同等以上」

「独立時代とほぼ同等」(43.1%)、「独立時代より上げた」(32.8%)が多数派であり、「独立時代より下げた」と回答した企業はわずか1.7%でした。フリーランスの経験やスキルは、正社員登用後も正当に評価される傾向が強いといえます。

まとめ

今回の調査から、トランジション採用はすでに企業の半数以上で実績があり、懸念よりもメリットが大きいことが示されました。人材不足が続くなか、フリーランス経験者を正社員として受け入れることは、企業にとって新たな人材獲得の手段であり、個人にとってもキャリア形成の大きな選択肢となります。今後さらに普及していく可能性があります。

調査結果についての詳細は、下記の「PDFデータをダウンロード」からご覧ください。

補足:本調査の回答者プロフィール

今回の回答者は、30代が48.4%と最も多く、40代(18.0%)、20代(11.5%)、50代(7.4%)、60代以上(14.8%)と幅広い年代層が含まれています。性別は男性52.5%、女性47.5%とほぼ均等でした。

業種別では、IT・Web・通信(18.0%)、製造業(16.4%)、不動産・建設(11.5%)、教育・人材(6.6%)などが多く、従業員規模では1000名以上の大企業が38.5%を占めています。

IT業界だけでなく、製造業や不動産といった伝統的な業界にも広がっている点は注目に値します。大企業だけでなく中小規模の企業にも導入が見られ、全体的にトランジション採用が浸透していることがうかがえます。

※本調査について外部でご紹介いただく際は、「トランジション採用調査( Workship / GIG)」を明記のうえ、必ず以下ページへのリンクをご掲載ください
https://goworkship.com/magazine/transition-latest-research/

(編集・執筆:Workship MAGAZINE編集部)

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