【担当者必見】採用難の対策5選!「待つ採用」から「攻める採用」へ
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「例年通り求人媒体に出稿したのに、今年は応募が全然来ない」「内定を出してもすぐ辞退される」そんな状況に頭を悩ませている人事担当者や経営者の方は、今まさに「採用難」の真っ只中にいると言えるでしょう。
採用難は、あなたの会社だけで起きている問題ではありません。少子高齢化による労働力の構造的な減少も進んでおり、この状況は今後さらに深刻化します。市場そのものが変わったため、例年通りの採用手法が通じなくなってきているのです。
本記事では、筆者が現場で肌で感じてきた採用難が起きている根本的な原因を整理した上で、「待つだけの採用」から「攻める採用」へ転換するための具体的な戦略を解説します。正社員採用の強化はもちろん、フリーランス・副業人材の活用という選択肢まで含めて、自社に合った人材確保の方法を見つけていただける内容です。

人事ジャンルを得意とするフリーライター。30年の会社員生活では、一貫して人事従事。人事コンサルタントとして企業の組織改革や採用課題の解決なども経験。現在は主にHRメディアの記事やコラム記事を手掛けている。
目次
採用難(さいようなん)とは、企業が必要とするスキルや経験を持った人材を、必要な時期・必要な人数だけ確保することが極めて困難になっている状態を指します。単なる応募数の減少によるものではなく、日本の労働市場全体の構造変化が引き起こしている現象です。
帝国データバンクが2026年5月に発表した『人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月時点)』によると、正社員が不足していると回答した企業は50.6%にのぼります。
『引用:帝国データバンク|人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)』
また、厚生労働省が公表している有効求人倍率も1.18倍と高止まりが続き、求職者優位の「売り手市場」が定着している状況です。放置すると既存社員への業務集中から連鎖離職が起き、採用コストだけが積み上がる悪循環に陥りやすくなります。

引用:厚生労働省|一般職業紹介状況(令和8年4月分)について
採用難の深刻さは業界によって異なります。自社の状況把握の参考として、業界別の主な要因を以下にまとめました。
| 業界 | 採用難の主な要因 |
| IT・デジタル | 専門人材の絶対数不足と、大手企業との獲得競争 |
| 建設・製造 | 3Kイメージによる若手離れと、高齢化に伴う引退の加速 |
| 医療・介護・福祉 | 資格要件に加え、労働環境や処遇水準に対する不満 |
| 運輸・物流 | 2024年問題によるドライバーの収入減少と離職 |
| 飲食・サービス | 慢性的な人手不足による労働環境の過酷化・高い離職率 |
なかなか採用できないと感じている場合、原因が採用プロセスにあるケースも少なくありません。詳しくは以下の記事も参考にしてください。
求人を出しても応募が来ないのはなぜ?原因と対策、応募を増やす採用戦略を解説 Workship MAGAZINE
なぜこれほどまでに多くの企業が採用難に直面しているのでしょうか。その背景には、一企業の自助努力だけでは解決が難しい、構造的な要因が複雑に絡み合っています。
ここでは、筆者がこれまでの人事経験から痛感した、採用難を引き起こしている4つの根本的な原因について解説します。
日本の労働市場における最も大きな構造問題は、少子高齢化に伴う生産年齢人口(15〜64歳の働き手)の減少です。出生率の低下と高齢化が同時に進行しており、新たに労働市場へ参入する若年層の数が年々減っています。
厚生労働省によると、日本の生産年齢人口は2040年には約6,213万人まで減少する見込みです。

『引用:厚生労働省|我が国の人口について』
この急激な減少は「2040年問題」として各界で広く懸念されている問題です。特に建設業や運輸業などでは、「2024年問題」と言われる労働時間の規制も重なり、さらに人員不足が顕在化しています。
労働力の絶対数が減る以上、従来のやり方で人材を奪い合うだけでは、いずれどの企業も採用難に陥るでしょう。
有効求人倍率が高水準で推移し、売り手市場が続いていることも採用難の大きな要因です。企業側が求職者を選ぶ時代(買い手市場)とは異なり、現在は1人の求職者に対して複数の求人があります。
そのため、求職者は提示される給与、休日数、勤務地、キャリアパスなどを他社と厳密に比較した上で、最も条件の良い企業を選べるようになりました。その結果、企業が内定を出しても、他社との競争に負けて内定辞退される確率が上がっています。
求職者が企業を選ぶ時代になっているため、企業側が選ばれるための工夫を凝らさなければ、応募はおろか内定承諾を得ることも困難です。
インターネットの普及や働き方改革、コロナ禍での社会変化により、働く側の価値観が多様化していることも採用難の原因です。1つの会社で正社員として定年まで勤め上げるというかつての標準的なキャリア観は薄れつつあります。
現代では若い世代を中心に、副業やリモートワークなど柔軟な働き方を重視する人が増えています。ライフスタイルに合わせた自由な働き方を求め、あえて正社員という枠組みにとらわれない選択をする求職者も珍しくありません。
こうした状況下で、毎日オフィスへ出社することや、固定された勤務時間を前提とした求人ばかりを出しても、求職者のニーズとマッチしないでしょう。柔軟な条件を提示できない企業は、自ら母集団を狭めてしまっています。
コストと時間をかけて採用活動を進めても、早期離職が頻発し、結果として採用難の悪循環に陥っている企業も少なくありません。これは十分なターゲット設定や要件定義を行わないまま、焦って採用を決めてしまうことが原因です。筆者自身も過去に、焦って採用した結果、数ヶ月で離職されてしまった苦い経験が何度もあります。
採用活動を最初からやり直さなければならないため、早期離職は企業にとって大きな損失になりかねません。それまでに支払った求人広告費やエージェント費用、面接に割いた人事の工数など、すべての投資が無駄になります。
採用難を本質的に解消するためには、入り口を広げるだけでなく、「採用した人材が定着する仕組み」を同時に整えることが不可欠です。
求人広告を出して応募者が来るのを待つだけの「待つ採用」は、今の時代には通用しなくなっています。採用難から脱却するには、企業側から候補者へアプローチする「攻める採用」へのシフトチェンジが必要です。
ここでは、人事担当者がすぐに取り組める具体的な5つのステップを解説します。
戦略を切り替える前に、現在の自社の採用活動において「どのフェーズがボトルネックなのか」の可視化が不可欠です。採用のプロセスは、大きく以下の5つに分けられます。
- 認知
- 応募
- 面接(選考)
- 内定
- 入社
もし求人媒体に出しているのに応募数がゼロであれば、認知フェーズに問題があります。また、面接はできるが途中で辞退されるなら選考プロセスやコミュニケーションが問題です。
問題を特定しないまま、求人広告費を増やしても予算を浪費するだけになってしまいます。さらに、そもそも人事担当者の工数が足りずに選考が遅れているケースも少なくありません。
その場合は、採用代行(RPO)によるアウトソーシングや、採用管理システム(ATS)の導入も検討してみてください。
おすすめの採用代行会社については、以下の記事で詳しく紹介しています。
採用代行とは?おすすめ採用代行サービス20選も紹介【2025年最新版】
Workship MAGAZINE
多くの企業が陥りがちなのが「何でもこなせる優秀な即戦力」という、高すぎる採用要件を掲げてしまうことです。「実務経験3年以上」や「マネジメント経験必須」などの条件を盛り込みすぎるほど、採用は難しくなります。
該当する優秀な人材は大企業や好条件の競合他社に流れてしまい、中小・ベンチャー企業は見向きもされません。自社で「本当に必須となる最低限のスキルは何か」を切り分け、それ以外の条件は入社後に育成する前提で要件を再定義することが不可欠です。
また、ターゲットの幅を第二新卒やポテンシャル層、あるいはシニア層や外国人材にまで広げることで、これまでアプローチできていなかった優秀な人材に出会える可能性が高まります。
採用ターゲットを再定義したら、そのターゲットへ届く最適な採用チャネルの使い分けが必須です。具体例をいくつか紹介します。
| 採用チャネル | 具体的な特徴 | 向いているケース |
| ダイレクトリクルーティング | データベースから自社に合う人材を探し 直接スカウトを送る |
・即戦力を採用したい ・希少な専門職を採用したい |
| リファラル採用 | 自社の社員から知人や友人を紹介してもらい 選考を行う |
・カルチャーフィットを重視したい ・コストを抑えたい場合 |
| SNS採用 | WantedlyやXなどで情報発信しつながる | ・若手層への認知を拡大したい ・自社のファンを作りたい |
| トランジション採用 | 業務委託や副業として一度稼働してもらい 後に社員登用する |
・スキルのミスマッチをなくしたい ・確実な採用を狙いたい |
複数の採用チャネルを組み合わせることで、転職サイトに登録していない転職潜在層へも早い段階で接触できます。
売り手市場においては「いかに早く選考を進めるか」が採用の成否を分けます。優秀な求職者は、常に並行して複数社の選考を進めているのです。
結果待ちや面接調整が遅い企業は、他社に先を越されるリスクが高くなります。そのため、オンライン面接の導入や選考回数の削減など、スピード改善を徹底すべきです。
また、内定を出した後のフォローも承諾率の向上には欠かせません。入社への不安や迷いを感じるといった、いわゆる「内定ブルー」を防ぐためにも、内定後も継続的な関わりを持つことが大切です。
配属先メンバーとの面談や社内見学など、対話の機会を積極的に設けましょう。丁寧な条件説明なども行い、誠意を持って自社の魅力を伝え続ける必要があります。
現代では、求職者が応募や内定承諾前に、企業の採用サイトやSNS、口コミサイトを閲覧する場合がほとんどです。オンライン上に情報がない企業は、実態が見えない不安な会社として敬遠されます。
中長期的な採用力を強化するためには「採用ブランディング」が不可欠です。社内の様子や独自の福利厚生、経営陣の思いなどをコンテンツ化して発信することで、自社の理念にフィットする人材が自然と集まるようになります。
具体的には、社員に「自社で働き続けたいと感じている理由」をヒアリングし、自社の魅力を洗い出し、採用サイトのキャッチコピーやインタビュー記事に反映させるなどが効果的です。
採用ブランディングや成功事例について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
中小企業の採用ブランディング|成功事例や進め方、成果を出すポイントを解説
Workship MAGAZINE
採用難への対策として戦略を立てていても、よくある落とし穴にはまってしまい、思うような成果が出ないケースがあります。ここでは、現場でよく見られる3つの失敗パターンと、その回避策を解説します。
応募が来ない状況下では、多くの企業が掲載する求人媒体を増やしがちです。しかし、応募数が少ない根本的な原因が、ターゲットのズレや求人票の訴求力の低さにある場合、媒体を追加しても求人広告費が増えるだけで成果にはつながりません。
取り組むべきは、採用プロセスのどのフェーズに原因があるかを先に把握することです。求人は見られているが応募に至らないのか、応募はあるが書類通過率が低いのかによって、打つべき対策は異なります。闇雲に予算を投じる前に、自社の採用データを整理するところから始めましょう。
採用サイトなどでは「自社が伝えたいこと」を中心に情報を掲載する企業が少なくありません。しかし、求職者が知りたいのは実際の労働環境や社内の雰囲気、入社後のキャリアパスなどです。
理想的な職場像を強調しすぎると、入社後にギャップが生まれ早期離職につながります。社員の本音インタビューや働き方のリアルな情報を積極的に開示し、求職者が自分に合う会社かどうかを事前に判断できる環境を整えることが、ミスマッチの防止と採用の質の向上には必須だと考えましょう。
選考スピードの遅さは最も致命的な失敗のひとつです。スケジュール調整に時間がかかり、選考が止まってしまうケースは珍しくありません。
優秀な求職者ほど複数社に応募しており、最初に内定を出した企業を選ぶ傾向があります。書類選考や面接日程の調整に時間をかけすぎると、他社に先を越されてしまうでしょう。
採用に関わる全員が、早期対応が内定承諾率を左右するという意識を持つことが重要です。
採用プロセスの変革や訴求の切り口を変えることで、厳しい市場環境の中でも採用難を突破できます。ここでは、筆者が実施した施策で実際に成果を生んだ3つの実例を紹介します。
【得られた効果】
結婚式場を運営する企業では、早期離職の頻発による慢性的な人手不足が大きな課題でした。従来は一般的な会社説明会を開き、仕事の華やかさや施設の魅力を一方的にアピールしていました。
しかし、現場の過酷さやリアルな空気感が伝わらず、入社後のギャップを生む原因となっていたのです。そこで、会社説明会を廃止し、実際にスタッフが働いている様子を間近で見せる「職場見学会」へ選考の入り口をシフトしました。
当初、現場からは「ただでさえ忙しいのに見学者の対応なんて無理だ」と猛反発を受けました。しかしこのまま人が採れずに、全員が疲弊するのを避けるために導入に踏み切ったのです。
見学会では入社1〜2年目の若手社員がガイド役を務め、バックヤードの動きなどをありのままに公開しました。心がけたのは現場のリアルな姿を見せつつ、フランクな対話の時間を設けることです。
結果的に、現場の大変さを納得した上で応募する熱量の高い人材だけが集まり、離職率も下がりました。
この経験から私が学んだのは、求職者に対して良いところだけを見せる時代は終わったということです。あえて過酷さを開示することが、結果的に最強のスクリーニングになります。
【得られた効果】
地方の観光地にあるリゾートホテルでは、不便な場所の影響もあり深刻な採用難が慢性化していました。求人サイトに掲載しても応募が全く集まらない状態だったのです。
「ならば不便さをアピールしよう」と、求職者へのメッセージを仕事内容の紹介から「現地での暮らし方の提案」へと転換しました。キャッチコピーを「海のすぐ近くで暮らす、新しいライフスタイルを始めませんか」とし、海の写真や社員寮の設備、終業後にサーフィンを楽しむスタッフの様子などを前面に押し出したのです。
このライフスタイルの提案は、ホテルの仕事を探している人だけでなく、自然豊かな場所へ移住したい方や趣味を充実させながら働きたいという若年層に響きました。その結果、異業種からの応募が増え、さまざまなスキルを持つ優秀な人材の採用につながりました。
条件の不利は、見せ方次第で強力な武器になるということを学んだ出来事です。
【得られた効果】
複数の店舗を展開する小売企業では、慢性的な人員不足が続いていました。求人を出しても「スキルがない」「体力的に厳しい」といった理由で敬遠される状態です。
同社では人件費削減のため、社員に全業務をこなせる高い能力を求めていました。しかし、この要件の高さが応募者を遠ざける原因になっていたのです。
そこで、業務を細分化し、「レジ対応のみ」「伝票入力と棚卸し」といった特定の作業のみを担当する新職種を立ち上げました。勤務も自由で週1日・1日1時間でも可能という条件です。
この施策により、これまでは獲得できなかった主婦層やシニア層からの応募が急増しました。正社員の負担が解消され生産性が高まったことで、最終的には店舗の売上向上にもつながっています。
人事が現場の業務に踏み込み、柔軟な働き方を設計することで採用の母集団は広がるのです。
採用難を解消するには正社員での内製化という固定観念を見直し、副業やフリーランスなど「外部のプロ人材」を活用するのも有効です。正社員の採用は入社や育成に時間がかかりますが、外部人材なら必要な時にすぐ即戦力を確保できます。
外部人材を活用する主なメリットは以下の3つです。
| メリット | 内容 |
| 圧倒的な即戦力性 | ・実務経験が豊富なため、参画後の研修・教育の手間がかからない ・契約後すぐに成果につながる業務を任せられる |
| コストの柔軟性 | ・「週10時間だけ」「プロジェクト完了までの3ヶ月間だけ」といった柔軟な契約が可能 ・無駄な固定費を抑えられる |
| 確保までのスピード感 | ・正社員採用のような多段階の選考が不要 ・マッチングから最短数日で業務を開始してもらえる |
このように外部人材は高い柔軟性を備えており、専門領域の補完や繁忙期など、即戦力が欲しい局面に適しています。自社に合うプロ人材を探すなら、専門のプラットフォームの活用がおすすめです。
たとえば「Workship CAREER」なら、スキルで絞り込んで直接アプローチできるため、必要なリソースを確実に補填できます。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
正社員が見つからない!採用難時代の突破口は「トランジション採用」
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現代の採用難は少子高齢化などが背景の構造的な課題であり、一過性の流行ではありません。従来の「待つ採用」に頼っていては、必要な人材の確保はますます困難になります。
この壁を乗り越えるには、これまでのやり方を根本から見直し、自社の課題に基づいた「攻める採用」への転換が必要です。また、正社員雇用に固執せず、副業やフリーランスを柔軟に取り入れる視点も大切です。時代に即した多角的なアプローチが、人材確保の選択肢を大きく広げてくれます。
「そもそも応募が来ない」「自社に合う人が集まらない」とお悩みなら、「Workship CONSULTING」へご相談ください。課題の抽出から戦略立案、母集団形成の施策まで一気通貫で伴走し、ターゲットとする人材が自然と集まる「売れる採用の仕組み」づくりをサポートします。
まずは自社の採用課題がどこにあるのか、お気軽にご相談ください。
(執筆:松尾隆弘 編集:猫宮しろ)