エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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新型コロナの影響で急速に進んだオンライン化によって、BtoBのマーケティング環境は大きく変化しました。
展示会やイベントなど、オフラインでのアプローチが難しい中、リード獲得に悩む方も多いのではないでしょうか?
今回は、企業のWebマーケティングやSNSプロモーションをはじめ、100社以上のメディアコンサルティングを経験されたホットリンク執行役員CMOのいいたか ゆうた氏と、BtoB企業に特化したソーシャルメディアサービス事業を行うGaiaxの小東 真人氏をお呼びし、ウェビナーを開催。「これからのBtoBメディア リード獲得戦略」をテーマに6つの質問をし、意見を交わしました。
(本記事ではオンラインセミナー『2020年代、これからのBtoBメディア リード獲得戦略 #オウンドメディア2020』のレポートをお届けします)
企業のWebマーケティングやSNSプロモーションをはじめ、東証1部上場企業を含めて100社以上のコンサルティングを経験。2014年4月『ferret』の立ち上げに伴い株式会社ベーシックに入社後、『ferret』創刊編集長、執行役員に就任。2019年1月よりホットリンクに入社し、同年4月に執行役員CMOに就任。自著は『僕らはSNSでモノを買う』(5刷)、『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』。
2017年、株式会社ガイアックス新卒入社。同社オウンドメディア『ガイアックス ソーシャルメディアラボ』編集長。FacebookやLINE、Pinterestなど大手媒体社への取材多数。扶桑社や商業界社、ウェブ解析士協会など紙・ウェブ問わず記事寄稿や執筆、編集も行う。
またSNSのプランナー・コンサルタントとして食品メーカーから不動産、スポーツ団体など幅広く担当する。明治大学国際日本学部を卒業。
早稲田大学および同大学院でメディア表象にかんする研究に携わったあと、2018年に株式会社GIG入社。編集者兼マーケターとしてクライアント企業さまのコンテンツ支援や採用支援を行うほか、フリーランス向けメディア『Workship MAGAZINE』の編集長を務める。業務外でもライター向けメディア『クレイジースタディ』を主宰するなど、根っからのメディア好き。趣味はダンス、作曲、イラスト制作など。
目次
小東:
コンテンツマーケティングを徹底しています。最近、YouTubeでの展開も始めましたが、やはり主軸となっているのはオウンドメディアの『ソーシャルメディアラボ』です。
ソーシャルメディアラボでは、おもにSEOを意識しトラフィックを集める記事コンテンツを用意しています。SNSに関する情報を求める方と接点を持つために、SNS関連の検索キーワードで上位を獲得する工夫をしていますね。
そして「SNS ユーザー数」などのキーワードでGoogle検索1位のこちらの記事は、記事内容をまとめたホワイトペーパーをダウンロードできるようにしており、この記事だけで月間500件〜600件のリードを獲得しています。このようなホワイトペーパーでリードを獲得するのが現在弊社では主流の戦法です。
いいたか:
自分も同じような感じで、コンテンツマーケティングを重視しています。付け加えるなら、能動的なユーザーと受動的なユーザーを分類してコンテンツを提供するのが良いです。
能動的なユーザーは検索行動を起こしますよね。だから、検索上位を獲得するなど出会いのきっかけになるコンテンツを作ってアプローチしていきます。反対にSNSなど受動的なプラットフォームのユーザーに対しては、SNSで広がるような取材記事や対談記事で認知を獲得して、将来的なリード獲得を目指します。
あとは自社のオウンドメディア以外にも、他社のメディアに記事を寄稿して新規のアテンションを狙う施策を実施しています。
ちなみに認知獲得を大切にしているのは、広告費を増やさずに将来的な成果を増幅させられるからです。結果、大変ありがたいことにホットリンクの認知が広がってます。
小東:
リード獲得から成約までの流れで多いのは、以下のとおりです。
ホワイトペーパーはあくまで一つの入り口として、得たリードを代理店や過去失注、未アポなどセグメントごとに分けてメルマガなどで定期的に情報を提供し、セミナーに来てもらって温度感を高めるのが一連の流れ。ちょっとずつ階段をのぼってもらうイメージですね。そのためホワイトペーパーを作成するときも、リード獲得以降の流れを考慮して「獲得して終わり」にならないようにしています。
ちなみにホワイトペーパーを作る流れは以下のとおりです。
いいたか:
僕たちの場合、ターゲットの企業群が明確なので、その企業群にアプローチすることを考えてウェビナーのテーマを決めたり、記事の内容を決めたりしてます。その結果、目的の企業のリードが入ってきたときは、特別扱いして成約を目指してるんです。その企業のために作った良質なメルマガを送ったり、その企業に近しい事例を伝えたりして温度感を高めていきます。
企業のパートナーになるには、必要なときに思い浮かべてもらえる企業にならなければいけません。第一想起されるために、集中したアプローチを行っているのです。
特別扱いする他の理由として、ミスマッチのコミュニケーションを防ぐことも挙げられます。メルマガを1つ送るのも、先方のメールフォルダを1つ埋めることにつながりますよね。だったら、自分たちの情報が活きる企業に送ったほうがいいと考えて、無差別に大量に送ることはしていません。
要はSNS運用で成果がでやすい企業と難しい企業があるから、自分たちが力になれる企業を選んでいるんです。
いいたか:
単純なリード数だとやはり、ウェビナーですね。コロナ禍になって、オンラインイベントへの参加ハードルが下がったので。
僕たちは2月末からウェビナーを開催し始めて、一時期は毎日やっていましたね。一度話したものを録画して、その後はアーカイブで見れるようにして。毎回100-200人くらい参加してくれたんじゃないかな。あと4月に開催した『#NEWWORLD2020』というウェビナーには、一度に4500人くらい参加者がいました。
僕たちは、手法が正しいか見るために、最初は一度リードの「数」をとってみているという考えです。でもね、本当はリード獲得の施策より、その手前の認知獲得施策を大量にやったほうがじわじわと効果が派生して、結果的にリード獲得数も多くなるんだよね。
ほとんどのマーケターは短期間での費用対効果を意識しがちで、リード獲得の手法論で考えてしまう人が多いけど、じっくりと時間をかけてやったほうが将来的にはいいんですよ、確実に。そして、量も大事だけど、やっぱり質が伴ってないものはダメですね。
小東:
私たちは一度で大量のリードを取りにいくことは少なく、月々のリードを重ねていく積立タイプです。さきに話したホワイトペーパー施策を実直に行なっています。
1つの記事から月500件のリードを獲得できる仕組みを作れたのも、淡々と自分たちにできることをしたからでしかなくて。ボリュームのある検索キーワードで1位を獲得できたのも、SNSに関するメディアが少なかったときから記事を出し、その後もリライトし続けたのが評価されたからかなと。最初は成果が出なくても愚直にやり続けたものが、いまになって少しずつ花開いてきましたね。
あと最近はウェビナーでのリード獲得数も伸びてきています。私たちが開催しているウェビナーには、20分のコンパクトなものがあって。テロップや吹き出しをつけて「ながら」で見れるようにしたり、ウェビナー後に資料をすべて渡したり。いろんなことを試してますね。
いいたか:
まず前提として、コンテンツは、その目的ごとに評価する必要があるんですよ。コンテンツには認知を獲得する目的のものと、CVを目的とするものがあるはずなので。単純に「PVが伸びたから」「SNSで拡散されたから」いいコンテンツだと評価するのは違いますよね。
その上で、コンテンツを評価するときの指標にしているのが下記の5つです。
ちなみにですが、SNS向けの記事の場合、拡散数が多くてもCV数は少ない記事がほとんどです。逆に「鍼灸院のサイトの改善事例」のようなニッチな記事のほうが、ピンポイントで良質なCVが得られますね。
なのでコンテンツを見るときは、記事の目的によって評価方法を段階的に変えるのが大切なんです。メディア全体でみたら絶対ダメですよ。記事ごとで役割が違うんだから、記事ごとに評価しないと、メディアを適切に伸ばせないと思います。
小東:
ソーシャルメディアラボは基本1人、多くても2人で運営しているので、評価体制に回せるリソースが足りないのが実情です。そのなかでも最低限把握しているのが、以下のポイントになります。
いいたか:
基本向いてますよ。検索されないような商材だったら効果が出にくいだろうけど、検索されない商材があるのかはちょっと分かんない。
需要があるものは検索されるので、基本的にはやったほうがいいです。ただ効果が表れるまで時間がかかるので、どこまで会社が力をかけられるのかが一つの指標になるでしょうね。
小東:
基本的にどのBtoB「商材」でも向いていると思いますが、向いていない「企業」はあるかもしれません。自社や市場のことを語れる人が社内にいないと、コンテンツを作るのは難しいかもしれない。でもたとえば、営業資料が充実していれば、それを噛み砕いたものがコンテンツになりますよね。コンテンツの種はどこにでもあります。
メディアに向いているかどうかは、商材というよりは企業体質によるものが大きいと私も思いますね。
いいたか:
アリです。僕たちもSNSを活用して契約まで繋がっているので。
でもなんだろうな。最近のBtoB企業、SNSを活用しているところも多いですが、ほとんどの企業がやり方を間違っていると思っていて。なぜなら、ほとんどの企業が他社の活用方法のトレースだから。社員でアイコンを揃えるとかもそうですよね。
SNS活用の文化を作っていくのは大切だけど、「自社は自社、他社は他社」で、SNS活用の目的が違うんですよ。なので、他社と同じような手法を取るというのはまず間違っていて、手法ドリブンになってしまっています。「なぜSNSを活用するのか」に合わせて手法を選ばないといけないんです。
たとえば、僕たちだったら良質なアテンションからリードを獲得したり、イベントに呼ばれたりするためにSNS活用をしています。そのように目的を持って行うならいいけど、「他社が行なっているから自社もやる」みたいな思考では絶対に成果がでないので、普段の仕事をちゃんとしたほうがいいですね。隣の芝は青くみえるけど、あれは隣だからね。目的が違うからちゃんと考えたほうがいい。
小東:
口コミが発生しやすい商材だったり、SNSで流通しやすい情報があったりする企業はSNS活用とすごく相性がいいと思います。
でも一点注意しなければならないのが、現在「BtoB」がマジックワードになっていて手法ドリブンに陥りやすいこと。同じBtoB企業でもSNS活用の目的を明確にし、目的から手法を選ぶのが大切です。私たちが支援する際も、目的によってはSNS活用より広告運用のほうが成果が出やすいと判断してアドバイスすることもあります。
(執筆:イズミカズキ 編集:齊藤颯人)
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