Webデザイナーは過小評価されている

会計士や弁護士と比較すると、Webデザイナーは感謝されることが少ない職業かもしれません。ストレスの多い環境で懸命に働いているにもかかわらず、なぜあまり評価されないのでしょうか。

本記事では、Webデザイナーが過小評価されてしまう理由について解説します。

理由1. Webデザイナーは表舞台に立たない

一般的に、Webデザイナーが活躍する場は表舞台ではありません。デザインやコードについて細部へのこだわりが必要なため、家などの静かな場所で働く傾向にあります。

人前に出て仕事ぶりを披露する機会が少ないため、クライアントはWebデザイナーがプロジェクトに費やしている労力や時間を把握できません。また、Webサイトを問題なく機能させるために乗り越えている数々の障害にも気づかないケースが多いでしょう。

ミーティングに関してもオンラインで行われることが増えているため、個人的なつながりを作る機会も失われています。

このように、Webデザイナーは表舞台に立たないため、過小評価されている可能性があります。

理由2. Webデザイナーの仕事はわかりづらい

Webデザインは、多くの人にとって謎の仕事です。そのプロセスにはなにが必要なのかよくわからず、誤解されているケースが少なくありません。既製のツールを使うことを前提にして、「誰でもWebデザイナーになれる」と考えている人もいるでしょう。

たしかに既製のツールを使うデザイナーもいますが、逆にWebデザイナーの仕事はもっと複雑にもなり得ます。優れたWebサイトを作るためには知識が欠かせません。大学で勉強をしたにせよ、独学だったにせよ、スキルと経験が重要です。

WixやSquarespaceのようなサービスによって、Webデザイナーの仕事が誤解されてしまうことも理解できます。WordPressでさえ、Webデザイナーという仕事の過小評価の一端を担っているともいえるでしょう。

Webデザイナーの仕事内容に対する知識不足が、過小評価につながってしまっているのです。

理由3. Webデザイナーの仕事は成功して当然

Webデザイナーの仕事は、成功することが前提になっています。

たとえば、Amazonのエンジニアがブラックフライデーにサイトをクラッシュさせなかったとき、エンジニアを褒め称えている人はどれだけいるでしょうか。多くの人は成功を褒めるのではなく、「ページの読み込みが遅い」などと欠点を指摘したくなるはずです。

多くのユーザーにとって、使いたい機能が期待どおりに動くのは当然です。Webデザインについても、クライアントは成功を前提としています。クライアントがWebデザイナーに連絡する理由は、多くの場合賞賛のためではなく、デザインの改善や変更のためです。

おわりに

Webデザイナーの仕事は、さまざまな理由で過小評価されています。表舞台に立っておらず、仕事内容もわかりづらいため、こうした状況が一気に変わることを期待するのは難しいでしょう。

しかし、小さな変化を期待することはできるはずです。「ありがとう」という何気ない言葉が大きな励みになることもあるでしょう。

過小評価されている仕事は、Webデザイナーだけではありません。感謝できる立場になったとき、自分からまず感謝するという姿勢を大切にしましょう。

（執筆：Eric Karkovack　翻訳：Asuka Nakajima　編集：少年B　提供：specky boy）