Amazon Sidewalkとは? IoTデバイスのパフォーマンス向上も、「自動登録」は怖すぎる

Amazon Sidewalk

2021年6月8日にAmazonは、ハードウェア間の連携を強化するために設計された新しい通信技術『Sidewalk』の展開を開始しました。

2020年下半期以後にリリースされたAmazon Echoなど、Amazon Sidewalkに対応するデバイスは、自動的にデフォルト設定されます。登録を解除したい場合は、Alexaアプリの「アカウント設定」から、自身で行わなければなりません。

今回は、Amazonデバイスを含むIoT全体に変革をもたらすと期待されている、Sidewalkを利用するメリットとデメリットについて解説します。

Amazon Sidewalkとは

新たな通信技術であるSidewalkの特徴は、インターネットの帯域幅のごく一部をプールする低帯域幅ネットワークを構築し、接続性と通信距離を向上させる点です。これにより、Alexaなどのスマートホームデバイスは、Wi-Fiとのあいだに「ブリッジ」をかけることが可能になります。

たとえば、Amazonのスマートドアベル『Ring』がWi-Fiの届かない場所にあったとしても、そのあいだに他のAmazon端末があれば、RingはSidewalkによって問題なくWi-Fiに接続される、という仕組みです。

Sidewalkの対応機器は、Alexa、Echo、Ring、屋外照明、モーションセンサー、紛失防止のスマートタグ『Tile』など。

Amazonが2019年の時点でAlexa搭載機器を1億台以上を販売したことを考えると、Sidewalkの展開は非常に大きな規模になるといえるでしょう。

Amazon Sidewalk使用のメリット

メリット1. 分散型ネットワークによるデバイスの範囲拡大

Sidewalkは、デバイスの所有者がインターネットの帯域幅の一部を提供することで、家庭内外のデバイスのパフォーマンスを向上させてくれます。

デバイスの使用範囲を拡大し、オンラインの状態を維持しやすくなるのは大きなメリットです。

メリット2. ミニマルなデータ使用量

Amazonは、ホームネットワークのパフォーマンス低下を避けるために、Sidewalkが使用する月間のデータ量の上限を500MBに設定しています。

これは、高解像度の動画を10分間ストリーミングするのとほぼ同じデータ量。Sidewalkによるデータ使用量に対する弊害は感じにくいと言えるでしょう。

Amazon Sidewalk使用のデメリット

デメリット1. Sidewalkの自動デフォルト設定

Sidewalkのネットワークを効果的に構築するためには、できるだけ多くのデバイスに貢献してもらう必要があります。そのためAmazonは、すべてのデバイスでSidewalkを自動的にデフォルト設定することを決定しました。

ほとんどの人はわざわざデフォルトの設定を変更しませんが、もしSidewalkを使いたくない場合は自発的に設定を変更する必要があります。

デメリット2. プライバシーとセキュリティ

Amazonは、Sidewalkのセキュリティに関するユーザーの懸念をあらかじめ予期していました。

その声に対するAmazonの主張は「Sidewalkには3層の暗号化が施されており、24時間ごとに情報を削除することで、顧客のプライバシーを保護している」というもの。

しかし、Amazonはネットワークに関する大規模な検証をおこなっていません。位置情報、カメラ、スピーカーなど機密性の高い個人情報を扱う機器を、Sidewalkのように実績のない広大なネットワークに接続することに懸念を示す専門家がいることも事実です。

広く普及しているWi-FiやBluetoothには、ハッカーによるファイアウォールの突破、遠隔地からの攻撃、機密データの消失など、深刻な脆弱性が潜んでいます。だからこそ、こうした潜在的なリスクは無視できません。

Amazon Sidewalk使用のリスク

リスク1. ビジネス優先のデザイン

Amazonは「お客様のプライバシーとセキュリティを守ることは、Amazon Sidewalk構築の基本です」と繰り返し述べています。

しかしこうした信念にもかかわらず、Sidewalkはデフォルト設定されており、使用を望まない場合は自分で設定を変更しなければいけません。

これと対照的なのが、Appleの姿勢です。iOS 14.5のアップデートでは、アプリでデータを収集したり、そのデータをほかのアプリやWebサイトに共有したりする権限について、ユーザーに都度許可をとるようになりました。つまり、許可がなければデータの収集・分析ができないということです。

2021年の5月中旬の時点では、これらの許可率はアメリカのユーザーがわずか6%、世界のユーザーでも15%。許可を求めずにデフォルトで設定していれば、数自体はもっと伸びたはず。しかし、Appleはユーザーに許可を求めることを選択しました。

Amazon Sidewalk

▲出典:MacRumors

Amazonはホワイトペーパーを使ってセキュリティとプライバシーがいかに重要かを説いています。そうであればなおさら、ビジネス優先でデフォルト設定するのではなく、価値やメリットによってユーザーを説得するべきだったかもしれません。

リスク2. 巨大なデータ収集ネットワークへの自動参加

大手テクノロジー企業は、私たちの位置情報、電話、メール、連絡先、閲覧履歴など、膨大なデータを所有しています。このなかでもAmazonは、スマートホームデバイスを通じて、家の訪問者、家族や友人との会話内容、購入履歴などを把握しています。

Amazonが暗号化されたデータを収集し、広大なネットワークにデータを流すことは、データをリスクと脆弱性にさらすことにつながりかねません。

おわりに

新たな技術を駆使して、より豊かなネットワーク環境を提供してくれるAmazon Sidewalkには、期待も集まっています。

しかしハッキングやデータ漏洩が深刻化するなか、セキュリティやプライバシーに関する問題にはユーザーも敏感になっているはず。

はたしてAmazon Sidewalkが提供しているセキュリティには問題がないのか、それは時が経つにつれ明らかになるでしょう。

(執筆:Meghan Wenzel 翻訳:中島あすか 編集:泉 提供元:UX Collective

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