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ブルーオーシャンSEOのススメ。顧客が求めているのは「被リンク」や「大量のテキスト」ではない

Blue Ocean SEO Strategy
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SEOはいまやレッドオーシャンの領域です。SEOの担当者は、検索順位を上げるための激しい競争のなかで、競合他社から一歩抜け出すために試行錯誤しています。

しかし、ブルーオーシャンSEOは不可能ではないようです。

今回は、Leaders.comのSEOおよびコンテンツ部門責任者であるPJ・ハウランド氏による、ブルーオーシャンSEO戦略についての解説を紹介します。

※以下に動画による解説(英語)およびホワイトボードを掲載します

Blue Ocean SEO Strategy

▲出典:Moz

ブルーオーシャン戦略とは

近年さまざまな分野で「ブルーオーシャン」といった言葉を聞くようになりました。本題に入る前に、ブルーオーシャンについておさらいしておきましょう。今回は、サーカス団の例を使います。

あるところに、2つのサーカス団がありました。この2つのサーカス団は、多くの時間や労力を費やして、お互いより上に立とうと必死に努力していました。

しかし、スリリングなスタント、奇抜なピエロ、エキセントリックな動物芸など、さまざまな演目で競いあうことに夢中になった結果、観客を置き去りにしてしまったのです。

そこに現れたのが、シルク・ドゥ・ソレイユでした。シルク・ドゥ・ソレイユは伝統的なスタイルに縛られず、時代遅れで残酷な動物を使った演目を排除し、ピエロやアクロバットなどの演目を現代的にアレンジして取り入れました。

その結果、成功したのは先述の2つのサーカス団ではなく、シルク・ドゥ・ソレイユでした。シルク・ドゥ・ソレイユは、サーカスにおけるブルーオーシャンを作り出したのです。

シルク・ドゥ・ソレイユ以外にも、iTunes、Netflix、Airbnbなども、ブルーオーシャンの作り手だといえるでしょう。

ブルーオーシャンSEOのはじめかた

Blue Ocean SEO Strategy

▲出典:Moz

ではSEOでブルーオーシャンを見つけるには、どうすればよいのでしょうか。

まずSEOの現状を知ることからはじめましょう。SEOは固定観念で凝り固まったゲームのようなものです。たとえば、競合他社よりも多い被リンク、速いスピード、多い文字数を追求するのは、レッドオーシャン的な考えかたでしょう。

こうした終わりのない競争から抜け出すために、まず顧客のことを考えてみましょう。

ステップ1. 顧客に向き合う

Blue Ocean SEO Strategy

▲出典:Moz

マーケティングのことは一度忘れて、自社の顧客について考えてみましょう。顧客と一緒に、テーブルを挟んで向かい合って座っているところを想像してみてください。

「どうすれば弊社のサービスを向上させられると思いますか?」と顧客にアドバイスを求めたとき、それに対して顧客がさまざまなアドバイスを与えてくれるとします。そのなかに「記事内のキーワードを増やす」とか「リンクを構築する」といった内容が出てくるでしょうか。

SEO戦略について考えたとき、当然のように選択肢として挙がる対策は、じつは顧客が求めているものではありません。

ステップ2. ライターを正しくサポートする

ライターがコンテンツを制作するときに与える情報は、とても重要です。

とくにやりがちなのは「キーワードはこれです。このキーワードで上位にランクインできるようなコンテンツを作ってください」という指示。これではレッドオーシャンに向かって突き進んでしまいます。キーワードからコンテンツ制作をはじめるのはやめましょう。

キーワードよりも大事なのが、専門家へのイタンビューなど、中身のあるコンテンツを作ることです。アウトラインについても、個々のトピックについて3〜5ページほど使って、入念に作り上げましょう。

どのような製品・サービスを売っているにせよ、購入を決めるのはシステムではなく人間です。それを念頭においてコンテンツを作りましょう。

ステップ3. 嘘偽りのない事実を提供する

先述のとおり、コンテンツはつねに「人」に向けて書かれていなくてはいけません。

では人は、ブログ記事やランディングページ、ホワイトペーパーなどに、何を求めているでしょうか。それは信憑性のある情報です。

ここからは、信憑性のある情報を提供するときのヒントを3つ紹介します。

ⅰ. ストーリーを意識する

まず意識したいのが、ストーリー性です。

コンテンツにストーリー性をもたせると、滞在時間はぐっと長くなります。たとえばWikipediaにストーリー性はありませんよね。そのほか、インターネット上にはストーリー性のないコンテンツがたくさん溢れています。

だからこそ、ブルーオーシャンを目指すため、ストーリー性を意識しましょう。

ⅱ. 専門知識を強化する

たとえライターが当該分野の専門家でなくても、専門家にアドバイスを求めることはできます。また本を買ったり、読書会など情報交換の場を設けることも可能です。

外部に助けを求めたり、情報を共有したりすることで、チーム内の専門知識を強化しましょう。

ⅲ. 事例やデータを取り上げる

先述のとおり、人は信憑性のある情報を求めています。

もしケーススタディなど活用できそうなデータをもっているなら、出し惜しみせずに公開しましょう。リアルな情報を求めている読者に響くはずです。

ステップ4. 成果を評価する

顧客に対して誠実なブルーオーシャンSEO戦略を立てたら、つぎに必要になるのはその評価です。

ハウランド氏によると、評価をするにあたって最初に変化が見られるのは、ページ上の滞在時間とのこと。

ハウランド氏がSEO・コンテンツ部門の責任者を勤めるLeaders.comでは、以前の平均ページ滞在時間は3分半から4分程度でした。しかしブルーオーシャンSEO戦略を実施したところ、平均ページ滞在時間は5分半から6分半に。なかには滞在時間が8分以上のページも存在するそう。これは、長文のコンテンツがきちんと読まれていることを意味します。

ページ上の滞在時間がランキングに直接反映されるわけではありません。しかしリンクを獲得する目的からコンテンツを制作するよりも、優れたコンテンツを制作した副産物として被リンクを獲得する構造のほうが、健全で理にかなっています。

マインドセットを変えてブルーオーシャンを目指そう

レッドオーシャンから抜け出してブルーオーシャンを目指すのに必要なのは、マインドセットです。

SEOという分野を扱うからには、競合他社やデータから逃れることはできません。しかしコンテンツの先にいて、製品やサービスを購入するか判断するのは「人」です。

他社やデータに振り回されず、顧客が必要としている情報に忠実なコンテンツを作れば、かつてのシルク・ドゥ・ソレイユのようにブルーオーシャンを作り出せるはずです。

(執筆:PJ Howland 翻訳:Asuka Nakajima 編集:北村有 提供:MoZ

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