ライター流「ウザがられない」営業方法

ライターなら誰だって「いい仕事が欲しい!!!」と思いますよね。わたしも毎日思っています。

でも、じゃあどうやっていい仕事を取ればいいんでしょうか。仕事をとる方法にはいくつかパターンがありますが、なかでも皆さんが迷うのは、新しく書けるメディアを探す「営業(新規開拓)」だと思います。

「待ってるだけじゃ始まらないのはわかってるけど、どう動けばいいのかわからない……」そんな、昔のわたしみたいな人も多いと思います。

そこで、今回はフリーライターの少年Bが、営業で上手にいい仕事を取る方法をお教えします!

少年B
少年B

介護士、建築士を経てフリーライター。ふざけた記事からマジメな記事まで、さまざまなジャンルで執筆中。執筆歴は2017年からですが、mixiには膨大な量の黒歴史日記があります。(X:@raira21

ライターの営業は「やったもん勝ち」

そもそも、ライターからの営業ってウザいものなんでしょうか? 営業を受ける立場の人はどう考えているんでしょうか。

わたしも編集者の仕事、つまり営業を受ける側の仕事をするようになって、何度かライターさんからの営業を受けたことがあります。自分が営業される立場になって思うのは、別にぜんぜんウザくないな……ということ。

だって、ちゃんとこちらの意図を汲んでいい記事を書いてくれるライターさんなんて、何人いたって嬉しいじゃないですか。もちろんタイミングによっては、「いまは足りているから、新しい人はいらないかな……」ということもありますが、決してぞんざいに扱うことはありません。

知られていなければ、存在していないのも同じ。営業は「やったもん勝ち」なんです。

でも、わたしも駆け出しのライターだったころは、「営業してウザがられたらイヤだし、わたしみたいな素人が応募してき来たら迷惑かも……」と尻込みしていました。

そのとき、フリーランスの友達が「たとえ落とされたって、いま仕事がないなら、何も状況変わらないじゃん。万が一受かったらラッキーでしょ? やるだけやってみたらどう?」と声をかけてくれました。

たしかにその通りです。いま考えると、営業はウザいとか、迷惑じゃないかというのはただの言い訳で、本当は自分から営業をかけて、落とされる=実力のないライターだという現実を突きつけられるのが怖かったんじゃないか、という気もします。

ライターの営業でウザがられないために注意すべき3つのポイント

とはいえ、編集者として営業をかけられたときに「うーん……」と思うこともあります。やり方によっては「ウザい営業」になってしまうことも。

ここでは注意すべきポイントをお伝えしておきますね。

注意点1. 自己紹介は必ず行う

たとえば、自己紹介がない場合。「御社のメディアが好きなんです! 書かせてください!」というメールをいただいても、そもそもこっちはあなたのことを知らないし……となりますよね。

熱意は感じるし、ファンレターなら嬉しいですが、それは営業メールではありません。「どういう記事を書けるのか」「どういう強みがあるのか」「採用することでクライアントにどんなメリットがあるか」を感じさせるような内容にしておきたいです。

注意点2. 「手抜き感」が伝わらないよう意識する

また、これは基本中の基本だと思うんですが、メディアの名前を間違えてるとか、明らかにほかのメディアにも同じ内容のものを使い回して送ってるんだろうなぁ……と感じるものは、やっぱりちょっと気乗りがしませんよね。

いや、別に誠意を見せろってわけじゃないんだけど、そんな脇の甘さでいい記事が書ける??? と思ってしまいます。営業メールには締め切りもないし、ちゃんとメディアを読めば、名前はもちろん、どういう媒体なのかもわかるはず。

なのに、そのメールが間違ってたり、媒体に合わせてないとなると……。ちょっと厳しいんじゃない? って気持ちになっちゃいますよね。

注意点3. 何度もしつこく連絡しない

たとえ返事が来なくても、何度もしつこく連絡するのは考えものです。熱意の現れのつもりかもしれませんが、相手の立場になって考えてみましょう。何度も何度も「あれどうなってますか」と催促されるの、普通にイヤですよね……。

基本的に連絡は一度。2週間経っても返事がなければ、もう一度ぐらい連絡を入れてみてもいいかもしれませんが、あまり深追いしないほうがいいと思います。

どうしてもここで書きたい!という気持ちもわかりますが、同じメディアに何度も連絡するぐらいだったら、次に行った方がよっぽど建設的です。採用は実力以外にタイミングも大事なので、「ご縁があればまた……」ぐらいの気持ちでいたほうがいいでしょう。

ライターの営業を成功させる4つのコツ

それでは、具体的に営業を成功させるコツを見ていきましょう。

コツ1. 自分の強みや実績をアピールする

まずは「自分がどんなライターなのか」を説明できなければ、仕事はもらえません。今まで書いてきたものを整理したり、興味関心の強いもの(得意ジャンル)をアピールすることが大切です。得意ジャンルに関しては、この連載の第2回を参考にしてください。

意外と多いのが、プロフィールの設定忘れ。X(旧:Twitter)のbio欄や固定ポスト(ツイート)、noteのプロフィールなどは設定しておきましょう。編集者は意外とチェックしていたりします。

最近だと、スマホでささっと設定できるlit.linkなんかもおすすめです。参考までに、わたしの作ったlit.linkを置いておきます。

コツ2. 営業ツールとして「ブログ」を活用する

とくに初心者ライターの場合、公開できる実績がない! という問題が起こりがち。実績を積み重ねても、守秘義務の関係で公開できないパターンもあります。

そんなときに活用できるのがブログ。収益化を目指すのではなく、自分に書ける・書きたい内容を書いて実績にする方法があります。

いや、記事なら実績になるだろうけど、ブログって……と思う方もいるかもしれません。でも、じつはブログってバカにできないもの。なんなら、編集者の手が入っていないぶんだけ、ライターとしての素の実力が見える優秀な媒体とさえ言えるぐらいです。

最初は誰でも初心者。まずはブログから始めてみてはどうでしょう。

コツ3. 人との交流も大事にする

「ライターは孤独な仕事」なんてよく言われますが、人とのつながりって、じつはけっこう大事なもの。

実際、わたしも「ハンバーガーに詳しいライターさんいませんか!」という編集者さんのSNS投稿をライター友達が見つけ、「これ、Bさんぴったりじゃない?」と教えてくれたことがきっかけでご縁ができた編集プロダクションがあります。何言ってんだこいつと思うかもしれませんが、事実なんだからしょうがない。

わたしの場合、SNSは単純にいろいろな人と交流するためのツールとして使っているので、あんまりビジネスっぽいアカウントじゃありません。でも、自分の「顔」が見えるアカウントだからこそ、「ぴったりじゃない?」と紹介してもらえたんでしょう。

いつ、どんなご縁がお仕事につながるかわからないので、「編集者だけ」「ライターだけ」じゃなく、広くいろいろな人と付き合ってみることをおすすめします。

コツ4. 既存のクライアントには「提案」してみる

営業というと新規顧客の開拓というイメージがあるかもしれませんが、既存のクライアントには企画を提案してみるといいでしょう。

すでに書いているということは、そのメディアでどういう記事が読まれるか、さらに言えばどういうネタが編集者に好まれるかを知っている、ということでもありますよね。

「こういう記事が書けますが、需要ありますか?」「こういう人を知っていますが、取材してみたらおもしろい記事が書けそうです」などと、自分からメディアに提案してみましょう。

企画を立てるのは大変なこと。メディアによっては、企画料として原稿料を上乗せしてくれるところもあります。そうでなくても、企画ができる人材はできるだけ大事にしたいもの。いざとなっても、ほかのライターよりも切られるリスクが減るはずです。

ライターの営業メールはこう書こう【文例テンプレート付き】

では、実際に営業メールの例を出してみますね。わたしが普段使っている営業メールをベースに、みなさんにも活用してもらえる営業メールのテンプレートをつくってみました。

メール件名:
【ライター志望】○○と申します

メール本文:
××編集部さま

はじめまして。
○○と申します。普段はフリーライターとして活動しています。
この度は、ぜひとも××さまで記事を書かせていただきたく、ご連絡をさせていただきました。

代表作としては以下のような記事がございます。

・タイトル:
・URL:

・タイトル:
・URL:

このような記事を書いておりますので、きっと××さまに合う記事が書けると思い、応募させていただきました。

その他の実績については、ポートフォリオがございますので添付させていただきます。
・URL:

もしも××さまで書かせていただけるのでしたら、企画案として以下のようなものを考えています。

・仮タイトル:

・仮タイトル:

急なうえ、たいへん長い文章を添付いたしまして申し訳ございません。
ご興味を持っていただけましたら幸いです。
ご連絡をお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。

また、このテンプレートの活用例として、わたしの「ぶどうマニア」という得意分野を活かすべく、実際に架空のぶどう専門メディア『Budoo!』への営業メールを書いてみました。

ライターの営業メール例

▲ライターの営業メール例(クリックで拡大可能)

どうでしょう、自分が採用する側だったとして、こんなメールが届いたらちょっと前のめりになりませんか?

「自分がどういう人物で」「どのような強みがあって」「採用すると御社にどのようなメリットが生まれるか」が、一目でわかるように書くこと。それが、営業メールのコツです。

ライターという職業なんだから、文章を書くのも、相手に思いを伝えるのも得意なはず。得意分野を生かしていきましょう!

まとめ:ライターの営業は「タイミング次第」という面も

魅力的で、かつ失礼のない営業メールが届いたとしても、お断りしなきゃいけない場合もあります。たとえば人が足りているとか、予算感が合わないとか。

採用・不採用は自分の実力や価格帯だけでなく、タイミングによっても変わってきます。いちど落ちたメディアでも、時期をずらせば採用された、なんてこともあります。もちろん、人がいない時期を狙えば、普段は書けないような大手メディアで書ける可能性もありますよね。

「タイミングと言われても、ライター側ではわからなくない……?」と思う人もいるかもしれませんが、じつは人手不足のタイミングがわかる方法がひとつだけあります。

それは書きたいメディアの編集部メンバーのSNSをフォローしておくこと。SNSを活用していない人からすると意外かもしれませんが、編集者ってけっこうSNSで人材を募集していたりするんですよね。こんな風に。

実力や予算感は仕方ありませんが、タイミングや自己紹介、事実確認はある程度、自分で何とかできるもの。営業をするときには気を付けておきましょう!

(執筆:少年B 編集:北村有)

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