エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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スタートアップが作るコンテンツは、実際の価値に対して無駄なコストがかかってしまいがちです。筆者はその理由を、戦略の欠如と当て推量に頼っていることだと捉えています。
スタートアップや企業向けのコンテンツストラテジストとして働いていると、「悪いコンテンツ」が生み出していまった問題に直面しているケースによく出会います。すべてに共通するのは要するに、たくさんのお金と才能が浪費され、大きなチャンスを逃していたということ。
良いコンテンツ制作は、必ずしも大きな予算も時間も必要とはしません。ただ、戦略を持って問題に取り組む人が、チームに一人でもいさえすればいいのです。
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本数達成のためにコンテンツを作り続ける。こうしたコンテンツ制作の自己目的化は、ほとんどの場合失敗に結びつきます。
SNSやメディアを持った途端、定期的に投稿できるコンテンツが足りないような気がしてきて、経営者は焦りを感じます。そして自分のメディアに十分な「エサをやる」ために猛烈にコンテンツを生み出すサイクルに入るのです。そこには調査や戦略、また発信したコンテンツに対する検討もありません。
こうして、低いROI(投資利益率)と大量のコンテンツだけが残るだけの結果に終わってしまうのです。
たくさん作る習慣から抜け出し、いいものを作ることに焦点を合わせましょう。ユーザーからポジティブなエンゲージメントを豊富に引き出したり、ビジネスの目標到達の助けになったりしていないとしたら、そのコンテンツは上手く行ってないと言えます。おそらく、コンテンツの価値以上のお金がかかっているでしょう。
コンテンツに関する仕事の職務説明欄でこんな文章を見かけた(あるいは書いた)ことはありませんか…?
「ブログやソーシャルメディア用のコンテンツをブレインストーミングし……」
きっと何度もありますよね。私は、幅広いコンテンツ関係の職務・役職説明で何度も目にしました。しかしの多くはだれかの閃きや思い付きから出た案に対して、お金や時間が投資されているだけの時間にすぎません。
ユーザーの需要と、そのビジネステーマに既存のコンテンツ、そしてそのふたつのギャップ(つまりユーザーが欲しいのにコンテンツ供給がない領域)を調査せずに発案することは、自ら役に立たないコンテンツを作りにいっているようなものです。
このアプロ―チではほとんどの場合事業に仕える資源の無駄遣いに終わってしまいます。賢明な運営陣であれば、企画されたコンテンツが成果を出すまでテストを重ねることを繰り返すでしょう。しかし、実はもっと早く成果を挙げるコンテンツを見出す方法もあるんです。
「私達はどんなコンテンツを生み出すべきなのか」という考え方をやめて、代わりに「人々はどんなコンテンツを必要としていて、それはどのように私たちのビジネスを成長させるか」を考えましょう。
自己満足的な「クリエイティブ」な閃きに基づいて、大量のコンテンツを競って生み出すことをやめ、戦略的なアプローチを取りましょう。このアプローチを採っても、発案を繰り返したり適用し直す時間は必要ですが、高い価値のコンテンツにずっと早くたどり着けます。戦略は、とにかくまずリサーチからはじまります。
あなたのコンテンツは誰に向けたものですか? この点を明確にしない限り、彼らにとって価値の高いコンテンツは作れません。理想の顧客層を想定した仮説を発案するところからはじめましょう。
「Persona Templates」で検索すると、顧客の人格を想定したテンプレートがWeb上にたくさんあります。そのまま使ってもいいし、自分自身のものを作ることもできます。
そうした情報をまとめると、仮想ユーザー人格のデータが出来上がります。キラキラしてデザイン性の高いPowerPointのスライドを作る必要はないんです。いつでも簡単にアクセスできアップデートできるところに、あなたの思考をまとめておきましょう。Canvaで簡単なサンプルを作ってみました。
そして、最重要プロセスが次。この仮想人格に当てはまるようなユーザーが本当に存在するかを確かめることです。この仮想顧客の検証は案外かんたんで、数日で終わることもできます。そして想定ではなく現実の人間のニーズに基づいたコンテンツ作りを保証してくれるのです。
メモ:以下に示す選択肢のどれを使って検証する場合でも、必ず最初にこの問いを使って、対象者を絞りましょう。「彼らはあなたの事業の製品・サービスで解決するであろう課題を抱えていますか?」もし答えが「いいえ」ならばそのユーザーは飛ばして次に行きましょう。
ユーザーをちゃんと調べた結果、XYZに関するコンテンツに需要があるとわかったとしましょう。
競合相手と試合をさせるように記事とか動画ってありますよね。コンテンツがそうした競合相手と比べてどうか、掘り下げて検証してみましょう。競合相手との競争において、相手が何を得意とするか、自分はどうすればもっとよかったか、そして「○○についてのコンテンツでこのタイプのものはまだ存在してない……」といったことについて記録していきましょう。
そして、どうすれば求められているのに提供が対応していない情報のギャップをどう埋められるか、もしくは、すでに提供されているものを新しい・洞察を含んだ視点から捉えなおして新情報として提供できるかを見つけ出すことです。
ここまでくればあなたは自社サービスにもっとも必要なコンテンツを知るための情報を豊富に獲得しています。コンテンツが誰を対象にしていて、彼らが何を必要としていて、その需要を独自の方法で満たすためにはどんなコンテンツを作りうるか、をすべて知っています。
それらの情報を使って、下のテンプレートを埋めます。この時、戦略の核を要約して示すコアステイトメントを最初に書き、続いて特定のコンテンツの種類やトピック、Webプラットフォームなど下の欄を埋めていきましょう。
その事業に、いくつかの目標や製品がある場合は、このコアステイトメントも複数必要でしょう。実は、それらの別々のコアステイトメントを元に、カテゴリーを作ったり、戦略的にコンテンツをグルーピングしたりすることができます。例えば、一つのブログを作ったとしても、3つの別々のブログカテゴリを主文に基づいてつくるというように。
コンテンツに対して意見を持っている人はたくさんいます。CEOも、生産チームも、広報も、みんながみんなコンテンツに一言言おうとしてくるでしょう。でもそれはあんまり意味がありません。
コンテンツに関わってくる意見が多すぎると、混乱と時間の無駄を招くだけ。その代わり、ワークフローをできるだけシンプルかつ持続性高く、かつ計測と学習を過程に織り込むように設計するべきです。
ぞれぞれのステップにはひとりいれば十分です。
どの工程にどれだけの時間をかけるか決定しておくのも賢明です。やっていくうちに分かってくるかもしれませんが、ワークフローを具体的で明確にしておくことこそが仕事をスムーズに進める助けになります。(そして、繰り返しになりますが、それはすべて時間とお金の節約につながります)
ブレインストーミングしてみたり、推測してみたり、何かが上手く行くまで幸運を祈るかわりに、調査と戦略に則ったコンテンツを制作しましょう。ほんの数週間以内に、数人で、そして予算をかけずにこのプロセスは終了できるということは何ものにも代えがたい価値があります。
戦略的なコンテンツ作りは、メディアの成長を願うすべての人に開かれています。
(翻訳:Yuko Nakamura / Thumnails photo:rawpixel.com / Unsplash)