IKEA効果で製品に”達成感”をプラス!労力がユーザーを魅了するカラクリ

商品に愛着を持たせる方程式

IKEAは、日本に10店舗を展開している北欧の家具量販店です。おしゃれで安価な家具や、DIYを意識した家具に心ときめく消費者が多数。

そんなIKEAにちなんでネーミングされたマーケティング用語に「IKEA効果」というものがあります。

今回は、IKEA効果を念頭に置いたデザインをご紹介します。

Webサイトやアプリの設計にIKEA効果を取り入れて、自社のマーケティングに活かしてみてください!

IKEA効果ってどんなもの?

IKEA効果

IKEA効果とは「顧客自らの手によって製品を完成させ、愛着を感じてもらう」ことを指します。

人は「自分でつくった写真たてに愛着が湧く」「庭で育てているバジルの味が格別感じる」など、自分でつくった製品に対して、高い価値と愛着を感じるようになる傾向があります。

ユーザーが製品に愛着を感じるかどうかは、労力の大きさや、その過程の楽しさによります。

したがってIKEA効果を最大限に活用するためには、ユーザーが自らの手によって楽しんで製品を完成できるようにデザインされる必要があるのです。

IKEA効果の例

1940年代、アメリカのとある食品製造会社が、水を加えて焼くだけで簡単にケーキができる商品の開発に成功しました。

しかしケーキを焼く時間と労力が大幅に削減できるにも関わらず、この商品はまったく売れませんでした。

困った製造会社は、心理学者のアーネスト・ディッカー氏に助言を求めました。ディッカー氏は、「商品の人気が出なかった理由は、ユーザーの労力の度合いが低すぎたからではないか」と指摘。商品を完成させるプロセスがユーザーにとって簡単すぎるため、ケーキが完成したときの満足感が得られなかったのではと推測したのです。

そこで開発チームは、ケーキミックスから卵の成分を除き、ケーキを完成させるのにもうひと手間かかる仕様に変更しました。すると売上は向上。

この商品の価値はケーキそのものだけではなく、ケーキをつくるプロセスや費やした労力から得られる、ユーザーの満足感や達成感だったのです。

IKEA効果をあなたのデザインに

ここからは製品にIKEA効果を取り入れて、ユーザーに価格以上の価値を感じてもらうためのアイデアを2つご紹介します。

「自分でつくっている」という体験を与える

既製品を購入するよりも、自らつくる体験に人は喜んでお金を支払います。そしてその製品に対するユーザーの貢献度が高ければ高いほど、より高い価値を見出すのです。

ただしその労力が大きすぎても、逆に小さすぎてもIKEA効果は力を発揮しません。

製作における労力は適度に、つくっている実感は強く。製品にIKEA効果を取り入れるときには、そのような絶妙な課題設定が求められます。

「自由につくっている」と錯覚させる

説明書に「卵を割ってください」と指示されるがままにつくっているのでは、ユーザーはただルーチンをこなしているだけのような気分になってしまいます。

できるだけ、0から1を生み出しているような、高い知覚価値を与えられる商品を設計して下さい。

WebサイトやアプリでユーザーにIKEA効果を与えられる最も良い例は、入力エリアの改善です。たとえば以下のようなものが考えられます。

  • 会員向けサイトのプロフィール欄を埋めてほしいときには、答えるのが楽しくなるような質問を用意したり、サンプルを見せたりする
  • ユーザーにメールを送信させたい場合は、ガチガチに決まった問い合わせフォームを用意するのではなく、編集可能なテンプレートを用いる
  • ブログサービスやダッシュボードには、自分のWebページにウィジェットを設定させるなど、シンプルなタスクを与える

おわりに

製品に対して何かしらの努力や労力を費やせば、ユーザーは満足感を得られます。またブランドやプロダクトに対して、ロイヤリティを感じるようにもなるでしょう。

ユーザーの動機づけが必要になった時は、IKEA効果を思い出し、労力と達成感のちょうど良いバランスを見つけてください。

 

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