【社労士解説】ジョブ型雇用時代におけるフリーランスの生存戦略とは?
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こんにちは(こんばんは)! フリーライターの中野亜沙子です。
フリーランスで働いていると、自由でうらやましい!稼げそう!などいいイメージを持ってもらえることが多いですが、そんなにいいことばかりじゃないよ~~~~!と個人的には思っています。
そこで今日は、フリーランスで働こうと考えている方や、反対に「会社員に戻ろうかな」と悩んでいるフリーの方に向けて、フリーランスのイヤなところを10個ご紹介したいと思います。最適な働き方を見つける手助けになればうれしいです。
おでかけ、カルチャー、健康にまつわることが好きなフリーライター。趣味は大喜利と犬。(X:@kururi64)
会社員であれば、夏・冬に月給の1〜3ヶ月分くらいがボーナスとして支給されるのが一般的ですよね。貯金ができない民としては、月給とは別にまとまったお金が入ってくることで救われた記憶が何度かあります。一方でフリーランスは成果に対して報酬が支払われる働き方です。
というか、ボーナスってよく考えると不思議ですよね。もちろん自分個人の努力の結果も含まれているのでしょうけど、組織全体がうまく機能していたり、景気の影響を受けたりして、利益が増えたことにより支給されているものと考えると、個人事業にはない組織の強みを感じます。
会社員であれば月給が下がることはあまりないですが、フリーランスはぼーっとしていると、月末に「あれ、なんか足りない?」となりかねません。
すべての仕事が業務委託契約で、月の報酬が固定されていれば話は別かもしれませんが、取引先の都合で前月よりも仕事量が減る(=報酬が減る)ということはよくあります。ひとつひとつは小さなマイナスでも、あちこちの取引先で発生すると大変です。
取引先との約束が少ないぶん、このようにやんわりと割りを食うことがあります。逆にそれを機に仕事を開拓したり、うまくバランスを調節したりして理想の働き方に近づける楽しさもあります。
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当たり前といえば当たり前なのですが……。たとえば会社員の友達に合わせてゴールデンウィークを全部休みにしたら、どうなるでしょう? これは逆に給料が出ていながら休める会社員がすごい!神制度!と思っています。
2023年からインボイス制度が始まりましたが、そういった新しい制度ができると、どんな手続きをする必要があるのか、影響がどれくらいあるのかを調べなくてはいけません。
確定申告に関してもどこまでを経費とするのか、勘定科目は何になるのか、など疑問が出たら逐一調べる作業が発生します。会社員時代、わたしは書類を出すのが遅くてよく経理の方に怒られていましたが、今では「ありがとう、経理の方……」と思っています。
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考えたくはないことですが、この先、半永久的に同じ取引先から仕事が来るわけではありません。40、50、60代の時に一体どんな仕事が来るようになっているのか、どのくらいの報酬が必要なのかの見通しを立てる必要があります。
計画を立てたところでいつ何が起きるかわからない、というのは会社員も一緒なんですが、フリーランスの方がより変化に対応する力が必要になるのではないでしょうか。
もうひとつ、年金支給額が少ないという問題もあります。フリーランスは国民年金のみに加入している場合、厚生年金に加入している会社員の半分程度の年金支給額になるとされています。まだ先のこと……と思わず、早めにシミュレーションが必要そうです。
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ひとりで仕事をしている場合、タスクがいくら溜まろうと、自分が動かない限りなにも始まりません。会社員の時は、(自分でできるのがベストですが)自分の手に負えない状況になった場合、同僚が手伝ってくれたり、他部署と連携して解決したり、それがなくても、別件で残業している人同士で励まし合ったりといった助け合いができました。
それに比べるとフリーランスは孤独です。責任が自分にしかないからこそ気楽という面もあるので、プラスととらえるか、マイナスととらえるかは性格によるかもしれません。
入院したら収入はストップするし、長期入院であれば入院費も馬鹿になりません。民間保険や国の高額医療制度などのある程度の補助はありますが、やはり心配です。長く休むとそれまで受けてきた仕事が続けられなくなる可能性もあるため、年1回は健康診断に行くようにしています。
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企業の手当や福利厚生には、育休手当、傷病手当、住宅手当などをはじめ健康診断(人間ドック)の実施、交通費支給、昼食支給、書籍購入やセミナー受講などの支援制度、社員旅行など大小さまざまなものがあります。会社員の友達の話などを聞くと「やっぱり会社員は手厚いよなぁ」としみじみと思います。
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複数の仕事を掛け持つと、不規則な生活になりやすいのも悩みのタネです。ヒマな時はめちゃくちゃヒマなのに、タイミングよく同じ日に色んな取引先から連絡が来るのはなぜなのか!
その結果、バタバタして睡眠がおろそかになることも。そんな生活なのでたまに入る早朝からの仕事は寝坊しないように震えながら眠りにつきます。もちろん時間をキッチリ決めてやっている人もいるとは思います。
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フリーランスで働いている方と知り合う機会が少ないので、これまで挙げたような不安やグチを共感し合える人は自分から探しにいかないとなかなか出会えません。
さらにわたしの場合は仕事上で人と話すことが極端に少ないため、どんどん話し方を忘れていく……。そのため趣味のコミュニティに属したり、友達と定期的に話したり、メインの仕事とは関係のないアルバイトをたまにしたりして、人と関わる機会を増やしています。
悪いところを10個連続で発表したので、読んでいる方がうんざりしてしまっていないか心配ですが、フリーランスを選んでいる理由ももちろんあります。
大きな理由は3つ。
・働く時間と場所を自分でコントロールできること
・納得のいく仕事だけを選べること
・理想の人生を設計しやすいこと
会社員の時に苦しんだこととして「出社」があります。低血圧で朝に体調を崩しやすい+乗り物酔い+満員電車のコンボで気分が悪くなり通勤中に午前休を申請する……ということが続いたり、オフィスで色々な会話が飛び交っているとなかなか集中できなかったりと、会社員時代は慢性的にストレスが溜まっている状態でした。
しかし、フリーランスであれば仕事量も働くタイミングも場所も自分で調節できるため、かなりストレスが軽減しました。
このように、決められた時間・場所で勤務できない(したくない)事情がある場合、フリーランスはとても働きやすいです。たとえば体調に不安がある人や、時間をつかいたい夢や趣味がある人にはぴったりの働き方だと思います。
わたしはこだわりが強い性格なので、会社員時代は社内や社外の人との仕事の調整や関係性を築くことに苦労したのですが「フリーランスなら納得のいかない仕事は断っていいんだ」という事実が気持ちを楽にしてくれました。自分の気持ちに嘘をつかず仕事を選んでいけるのはとても幸せなことだと思っています。
フリーランスは会社員よりも時間あたりの報酬が高くなる傾向があるため、少ない労働時間で最低限の収入を得ることもできるし、たくさん働いて高収入を得ることも実現しやすいです。
仕事を抑えて趣味に没頭する期間をつくったり、ライフステージに合わせて受ける案件を変えてみたり、自分の理想の人生を自分の手で作っていきたい!という好奇心の強い人には向いている働き方なのかもしれません。
とはいっても、わたしもずっとフリーランスを続けるのかはわかりません。フリーランスのイヤなところ・デメリットを理解したうえで、自分の性格や理想の生き方に合っているのか時々立ち止まって考えていきたいと思います!
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(執筆:中野亜沙子 編集:少年B)