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フリーランスは住宅ローンが組めない!?審査を通過するための5つのポイント

フリーランス、家を買う。
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一般的に、フリーランスは住宅ローンの利用が困難だと言われています。

実際、フリーランスが住宅ローン審査に落ちやすいのは確かです。その理由と審査通過のコツを把握しておかなければ、制度の利用は難しくなるでしょう。

本記事では、会社員と比べてフリーランスが住宅ローンの利用が困難だと言われる理由を説明し、審査を通過する方法や注意点を見ていきます。

金融機関の選び方も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

フリーランスが住宅ローンの審査に落ちやすい理由

会社員と比べて、フリーランスが住宅ローンの審査通過が難しい理由は、主に2つあります。

理由1. 収入の安定性に疑問が持たれる

会社員などの給与所得者の場合、安定した給与や退職金が見込まれます。加えて、勤務する会社の情報も信用の一部です。

一方でフリーランスの場合、身分や社会的信用を保障する後ろ盾がないため、収入の安定性に疑問を持たれます。

会社の情報が信用につながらないのも痛いですね。

理由2. 会社員より高い収入が求められる

会社員と同じ額を稼いでいても、ローンの通過にはフリーランスのほうが高い収入を求められる傾向にあります。

たとえば、新生銀行の住宅ローン申し込み条件は以下となっています。

  • 会社員または契約社員:
    前年度の税込年収(額面)が300万円以上
  • フリーランス:
    直近2年間で平均300万円以上の所得(経費控除後の金額)があること

会社員(契約社員)とフリーランスとでは、見かけの金額は同じです。

しかし会社員は額面で300万円あれば問題ない一方、フリーランスは経費抜きでの純粋な300万円を求められているのが決定的な違いです。

事業経費や支払った社会保険料などを差し引いたうえで300万円を確保しなければならず、かなり不利な立場にあります。

以上のように、主に「収入の安定性」「会社員より高い収入が求められる」の2点において、フリーランスは住宅ローンの審査において不利となりやすいです。

しかし裏を返せば「安定した収入=返済能力があること」「社会的信用があるかどうか」が証明できれば、フリーランスでも住宅ローン審査に通りやすくなるといえます。

フリーランスが住宅ローンの審査に通るための5つのポイント

フリーランスの方が住宅ローンの審査を通過するためのポイントを5つ挙げます。

  1. 独立してからある程度の年数が経っている
  2. 3年間の安定的な収入や売上がある
  3. 十分な貯金をしている
  4. 個人信用情報を傷つけていない
  5. 連帯保証人を用意する

ポイント1. 独立してからある程度の年数が経っている

フリーランスとして独立後、1~3年という短い期間で廃業となる方も少なくありません。

そのため、審査基準の一つが事業の継続期間となります。

継続期間に加算されるのは、開業届を提出してからの年数なので要注意。

なおフリーランスから法人化した場合は、法人化してからの年数が対象となります。

一部例外として、弁護士などの国家資格所有者はその限りではなく、1年でも利益が出ていれば申し込み可能な場合もあります。

ポイント2. 3年間の安定的な収入や売上がある

フリーランスに対する住宅ローンの融資条件に「直近の所得が3年連続黒字」を挙げている金融機関は多々あります。

あくまでも目安ですが、3年間所得を黒字で安定させることは大切です。

ただし所得基準については、平均所得や最低額に合わせるなど金融機関により条件が異なります。

そのため、場合によっては複数機関への相談も検討しましょう。

ポイント3. 十分な貯金をしている

事前に十分な貯金をすることも、住宅ローン審査にとって有利に働きます。

貯金は支払い能力の証明になりますし、収入が落ち込んだ時期にはそこからローンを返済することもできます。また自己資金の一部を頭金にあて、借入金額を下げることも可能です。

収入が不安定になりがちなフリーランスは誰しも貯金が重要ですが、住宅ローンを考えるフリーランスはより貯金意識を高めることをおすすめします。

ポイント4. 個人信用情報を傷つけていない

個人信用情報とは、信用情報機関に登録されている個人の借入などに関する情報のことです。

クレジットカードやローンの延滞履歴があると、信用度は下がります。

また借金やクレカ支払いの滞納経験がなくても、信用情報に傷がついている例も。信用情報には、DVD、CDレンタルの返却遅延や携帯電話料金の延滞も含まれるからです。

またカードやローンの数が多すぎたり、借入金額が大きすぎたりすることも審査にはマイナス。

ただでさえ審査に不利なフリーランスが個人信用情報に傷をつけるのは、致命傷になりかねません。

なお過去の滞納履歴が気になる人は、国内にある以下3つの信用情報機関に開示請求を行うと確認できます。

ポイント5. 連帯保証人を用意する

連帯保証人とは、万が一本人のローン支払いが滞納したときに、本人に代わって支払う代理人のことです。

連帯保証人が必要とされる場合、誰に依頼するか事前に検討しておきましょう。

ただし、借金の肩代わりリスクのある連帯保証人になってくれる人は少ないのが現実です。

支払い不可能になれば貴重な人間関係が破綻しかねません。

フリーランスは人的ネットワークが重要な仕事なので、ここを破壊すると本業にも支障が出る可能性があることを考慮しましょう。

フリーランスが住宅ローンの審査を受けるときの注意点

住宅ローン審査を受けるときに注意すべきポイントは、主に5つあります。

  1. 事業所用物件のローンは組めない
  2. 健康状態に難があると団体信用生命保険に入りづらい
  3. 年収に対し35%未満の借入返済額に抑える
  4. 「確定申告書」「納税証明証」の2種類の書類が必要
  5. 物件の担保評価を確認する

注意点1. 事業所用物件のローンは組めない

住宅ローンは「住まいのためのローン」です。そのため、原則として事業所用物件のローンは組めません。

一方フリーランスの場合に多くみられる自宅兼職場の物件は、住宅ローンの対象になる場合もあります。

しかしその建物/住宅を自宅として使う割合が50%を下回った場合、住宅ローンは組めなくなる点に注意が必要です。

注意点2. 健康状態に難があると団体信用生命保険に入りづらい

住宅ローンを組むとき、団体信用生命保険(団信)への加入を求められます。

団信とは、住宅ローン返済中の契約者が死亡した場合、または重大な障害を負った場合に、本人に代わりローン残額を負担する保険です。

団信は生命保険の一種で、加入者の健康状態に関する告知義務があります。万一、健康に難があると加入が難しくなることも。

心配な方は、事前に団信の加入条件を確認しておきましょう。

注意点3. 年収に対し35%未満の借入返済額に抑える

一般的に住宅ローンの借入返済額は、年収に対して35%未満にしておくと審査を通過しやすいと想定されています。

そのため、あらかじめ平均年収から、借入の目安金額を計算するといいでしょう。

たとえば、年収600万円の35%は600万円×35%で210万円。月あたりに直すと約17.5万円までは支払いができるといえます。

金利によって借入金額は変動することに加えて、生活資金を確保する必要もあるため、資金計画は念入りにおこないましょう。

合わせて、なるべく他社からの借入を少なくしておくこともポイントです。

注意点4. 「確定申告書」「納税証明証」の2種類の書類が必要

金融機関の審査において、以下2点の書類を求められます。

  1. 確定申告書
  2. 納税証明書

双方とも、およそ過去3期分必要となる場合が多いです。確定申告書では、問題なく申告がされているかどうか、所得額が安定しているかどうかを判断。納税証明書では、未納分の税金がないかどうかを確認されます。

会社員であれば、1年分の源泉徴収票が審査の対象となります。

しかし期によって収入に浮き沈みがある場合が多いフリーランスは、過去3期分の確定申告書ならびに納税証明書によって、返済能力を審査されることが多いと心得ましょう。

また、今後も安定して事業継続ができるかを判断するための「決算報告書」が求められる場合もあります。

注意点5. 物件の担保評価を確認する

前もって、購入予定の物件の担保評価を確認しておくことも大切です。

とくに新築物件ではなく、中古物件を購入する場合には、必ず確認しましょう。

万が一、住宅ローンを契約した後に返済が困難になってしまった場合、金融機関が購入予定だった物件を売却し、融資額を補填します。そのため、担保評価を上回る借入はできない仕組みになっています。

フリーランスが住宅ローンを組むときの金融機関の選び方

実際にローンを申し込むときの金融機関の選び方について、3つのポイントに絞って解説します。

1. フリーランス向けローンを提供している金融機関を選ぶ

フリーランスが利用できる住宅ローンを提供する機関には、下記の種類があります。

  • メガバンク
  • 地方銀行
  • 信用金庫
  • 信用組合
  • JA
  • 保険会社
  • ネットバンク
  • モーゲージバンク

なかには、フリーランス向けのローンを提供している機関もあります。

たとえばソニー銀行は、フリーランスを支援する株式会社ギークスと提携し、ITフリーランス専用の住宅ローン商品を用意しています。

普段からメインバンクとして取引している地方銀行や信用金庫がある場合は、こうした商品の有無を相談してみましょう。

なお、金利が安価なローンほど審査のハードルは高くなるため、注意が必要です。

2. ローン申し込み条件に「所得金額」がない金融機関を選ぶ

原則、フリーランスが住宅ローンを申し込む場合には「所得金額」が審査の対象となります。

しかしなかには、ローン申込条件に「所得金額」がない金融機関も。そういった金融機関を選んでローンを申し込めば、フリーランスでも比較的スムーズに審査を進められる可能性が高くなります。

3. フラット35を利用する

フラット35とは、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する、最長35年の全期間固定金利住宅ローンのこと。

銀行の審査とちがい、フリーランスでも会社員同様に前年単年の所得が審査対象となるため、前3期の所得については検討不要です。

またフラット35の場合、事業用の借り入れが返済負担率の計算から除外されます。とくにビジネスローンのある方などは、フラット35の利用を検討しやすいでしょう。

フラット35は利用機関によって金利や手数料が異なるため、複数の機関で確認することがポイントとなります。

フラット35に申し込める主な条件は、以下のようなものです。

  • 住宅金融支援機構が定める技術基準に適合した物件が購入対象である
  • 満70歳未満(ローン申込時)
  • 日本国籍である、または永住許可を受けている、または特別永住者である
  • 返済負担率の基準(所得によって変化)を満たしている
  • 直近1年分の確定申告書がある
  • 団体信用生命保険への加入(任意)

独立前にローンを組んでしまうのも手

フリーランスでも、工夫次第で住宅ローンが組めることは間違いありません。

一方で収入が少なかったり、開業間もなかったりと、駆け出しフリーランスは住宅ローンの面で非常に不利です。

開業から数年経って収入が安定してからローン審査に申し込むのが王道ですが、すぐに住宅ローンを組みたい場合は独立前の会社員のうちに審査を通してしまう裏ワザもあります。

独立の構想があろうと、会社員のうちは会社員として審査してくれるので、フリーランスになる前に済ませておくのも有効です。

ただし住宅ローンは、いわば大きな借金。フリーランスになってから後悔しても遅いので、リスクとリターンを天秤にかけて「いまローンを組む必要があるか」をよく考えることをおすすめします。

(執筆:ちとせはるか 編集:齊藤颯人)

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