Workship MAGAZINE書籍化第3弾!#ADHDフリーランス の新常識 他
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フリーランスにとっては、日々のお金の管理も大切な仕事です。
そこで重要なのが、お金のやりとりで発生する「領収書」。確定申告時の経費の計算にも使う大切な書類です。
領収書の作成や受け取りを行う場面は多々ありますが、慣れないうちは難しいことも多いのではないでしょうか。
この記事では「初心者フリーランスが最低限知っておきたい領収書の基本」をご紹介します。
そもそも領収書とは、「サービスや商品の提供を受けた人が、支払い者からお金を受け取ったことを証明するための書類」のことを言います。
支出を経費として計上する際の証拠になるため、確定申告の際に必須ともいえる書類です。
とくにフリーランスの場合、領収書をもらう側・渡す側の両方を経験する人がほとんどでしょう。そのため、受け取り方はもちろんのこと、作り方も覚えておく必要があります。
請求書を作成したあと、クライアントさんに「領収書をください」と言われたことも多いと思います。
ここでは、領収書を作る側になったときに知っておきたい知識を紹介します。
まず、領収書の作成に必要なものをご説明します。
- 既存のテンプレート、会計ソフトなど
領収書は手書きやPCでいちから作成することもできますが、1回ごとに新しく作成するのは大変です。手間を省きたい方は、既存のテンプレートや領収書作成機能のついた会計ソフトを利用するのがオススメです。- 印鑑
紙の領収書を送付する場合、領収書への押印が求められることも。印鑑を用意しておくと安心です。- 封筒・切手
領収書を郵送する場合は封筒/切手も必要になります。領収書が入っている封筒だとひと目で分かるように、封筒の表書きに「領収書在中」の一言を添えましょう。専用のスタンプも売っています。- 収入印紙
5万円以上の取引の場合は、領収書に収入印紙を貼る必要があります。ただし、PDFなどのデータで送る場合は収入印紙は不要です。
領収書に記載しなければならない事項としては次のようなものがあげられます。
- 領収書を受け取る人/会社の名前(宛名)、住所
誰が領収書を受け取ったかをはっきりさせるため、宛名は正確に記入します。「上様」は支払先が特定できないので避けましょう。住所も記載します。- 領収書を発行する側の氏名/名称、住所
領収書を発行する側の氏名や名称、住所もきちんと書きます。- 日付
お金を受け取った日付を、年月日から正確に記載します。元号も省略せずに、「令和◯年」ときちんと書きましょう。- 金額
受け取った金額を記載します。「¥1,000-」「金1,000,000也」といったように、数字の前には「¥」もしくは「金」、数字の末尾には改ざん防止のために「-」や「也」、「※」などを書くのがルールです。また数字には3桁ごとに「,」を打ちます。- 取引内容(但書)
領収書は、経費であることを証明するための書類です。取引先に迷惑をかけないためにも、「但、ディレクション費として」「但、デザイン料として」といったように具体的な取引内容を書いておきましょう。- 通し番号(任意)
通し番号は必須ではありませんが、番号をふっておくと、のちの管理がやりやすいです。
たとえ仕事に必要不可欠なものを買ったとしても、領収書がないと経費で落とせない可能性があります。
経費を正しく計上するためにも、領収書を受け取る側になったときの注意点・チェックポイントを押さえましょう。
宛名、日付、金額などに間違いがないか、取引内容がきちんと書いてあるかチェックしましょう。宛名がない場合もありますが、なるべく書いてもらうことをおすすめします。
また、必要経費であることが分かるように、領収書の裏側などに具体的な内容(会食の場合は人数など)をメモしておくとよいでしょう。たとえば、クライアントへの手みやげであれば、クライアントの企業名と「手みやげ代」である旨をメモしておきます。
「レシートはダメなの?」と思う方も、安心してください。レシートを領収書の代わりにするのはOKです。
ただし、高額の取引の場合は領収書があった方が無難かもしれません。
「領収書をうっかりもらい忘れた!」という場合は、出金伝票の出番です。
出金伝票は、出金があったことを記録するための伝票です。文房具店や100円ショップなどで普通に購入できますので、フリーランスであればあらかじめ準備しておくとよいでしょう。
使い方はシンプルです。伝票に印刷されている記入欄に、出費のあった日付、支払先、品目、金額などを書いておくだけです。
なお、出金伝票は自販機での買い物やお葬式の香典など領収書がもらえない出費が発生したときにも使えます。
もらった領収書を適当に保管していると、紛失の原因にもなりますし、帳簿付けをする際にも面倒です。
領収書はファイリングするなどして、きちんと整理・保管しましょう。実際の整理・保管方法は、領収書のタイプや本人の性格によって変わってきます。
税務署長の許可が必要になりますが、紙の領収書をデータ化して保存することも可能です。PCで帳簿付けを行っている人は、手持ちの会計ソフトなどを使ってデータ化しておくとよいでしょう。
紙派の人の場合は、とりあえず「まとめる」のが領収書管理のポイントです。
経費になりそうな領収書・レシートをもらったら、とりあえず月ごとにまとめてしまうと、あとで整理しやすくなります。封筒に入れる・ノートに貼るなど、まとめ方にもいろいろありますので、自分に合ったやり方を探してみてください。
この際、帳簿の勘定項目に合わせて領収書を仕分けておくとなおよし。しかし、ここまで真面目にやろうとするとズボラな人は挫折します。
「経費にならなそうなものも含めて、とりあえず全部月ごとにまとめておく」というユルい方針で領収書・レシートの管理を成功させている人もいます。自分に合ったやり方を見つけるのが領収書管理のポイントです。
PDFなどデータの形で来た領収書はそのまま保存すればOKです。専用のファイルを作り、そこにまとめておくと後で整理しやすいです。うっかりデータを消さないように注意しましょう。
領収書には7年間の保管義務があります。途中でなくさないように、紛失のおそれの少ない場所でまとめて保管しておきましょう。
フリーランスにとって領収書は必要経費の証明に使える大切な書類です。
取引回数が多いフリーランスの場合、もらった分の領収書だけでも大量になりがちです。「仕事が忙しいし、あとでやろう……」と整理を後回しにしていると、確定申告の時に領収書整理に忙殺されてしまう可能性があります。
ふだんから領収書の整理・管理をきちんと行っていると年度末の確定申告も楽になります。実際の整理方法については個人の性格によって合う・合わないがあるので、自分のやりやすいやり方を探してみましょう。
また領収書は、取引先にとっても、経理に欠かせないもの。迷惑をかけないためにも、正確に作成しましょう。
(執筆:ぽな 編集:泉)
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