個人事業主におすすめのクラウド会計ソフト14選比較【FP監修】

クラウド会計ソフトおすすめ比較

MM総研の2021年調査によると、個人事業主のうち29.8%はクラウド会計ソフトを導入しており、この割合は年々増えているとのことです。

クラウド会計ソフトは年々進化しており、確定申告など面倒な手続きをソフト一本で完結できるものも多くあります。

本記事では、「これからクラウド会計ソフトを導入したい人」「帳簿作成業務や経理業務の手間を減らしたい人」に向けて、おすすめのクラウド会計ソフトを集めました。

料金やスペックの比較はもちろん、クラウド会計ソフトのメリットやデメリット、選ぶポイントなども解説します。

監修:齊藤颯人
監修:齊藤颯人

FP事務所『トージンFP事務所』代表、ファイナンシャル・プランナー(AFP)。Workship MAGAZINEのマネー担当として、フリーランスや副業にまつわる記事の執筆・監修を行う。自身も現役フリーランスで、当事者ならではの情報発信に強み。

クラウド会計ソフトとは

クラウド会計ソフトとは、インターネット経由で利用できる会計ソフトを指します

インターネット環境とパソコンさえあればいつでもどこでも作業できるのにくわえ、会計データの自動取り込みが可能なのが大きな特徴です。

従来の会計ソフトは、アプリケーションをパソコンにインストールしてから使用し、入力したデータは全てパソコン本体に保存されていました。一方でクラウド会計ソフトを使用すれば、データは全てインターネット上のサーバーに取り込まれるため、パソコンの故障や買い換えのときも、データが失われず安心です。

フリーランスや個人事業主にとって、会計データの管理は確定申告のために必須です。

個人事業主におすすめのクラウド会計ソフト3選

会計のクラウド化は社会に浸透し、無数のクラウド会計ソフトがリリースされています。

しかしMM総研の2022年調査によれば、クラウド会計ソフトのシェアの約95%は、以下の3社が提供するソフトで占められてるようです。

  • 弥生
  • freee
  • マネーフォワード

これらのソフトはほかのソフトに比べて使い勝手も抜けており、ハッキリ言って特段の事情がない個人事業主は上記3サービスのいずれかを利用することをおすすめします。

ここでは上記3サービスのなかから、小規模な個人事業主向けに提供されているソフトを取り上げ、それぞれ比較していきます。

【料金表】

初期費用 月額 年額 お試し期間
やよいの青色申告オンライン 0円 9,680円~ 1年間
freee会計 0円 1,078円~(年払い) 12,936円〜 30日間
マネーフォワード クラウド確定申告 0円 1,078円〜(年払い) 12,936円〜 30日間

【機能表】

自動仕訳 レポート集計 決算書作成 取引明細の自動同期 電子帳簿保存 消費税申告 その他
やよいの青色申告オンライン
  • 多数の銀行/クレジットカード明細取り込みに対応
  • インポート機能あり
  • スマホ入力対応
  • 業務相談や操作サポートあり
freee会計
  • 多数の銀行/クレジットカード明細取り込みに対応
  • インポート機能あり
  • 関連ソフト充実
  • スマホ入力対応
  • 会計用語の簡略化
  • 各種控除の自動集計
マネーフォワード クラウド確定申告
  • 多数の銀行/クレジットカード明細取り込みに対応
  • インポート機能あり
  • 関連ソフト充実
  • スマホ入力対応

1. やよいの青色申告オンライン

やよいの青色申告オンライン トップページ

▲出典:やよいの青色申告オンライン

やよいの青色申告オンライン』は、会計ソフト界の老舗である弥生製のクラウド会計ソフト。「会計ソフトといえば弥生」というブランドを築いているのは間違いなく、歴史と実績から生まれる信頼性は抜群です。

料金の安さも圧倒的で、電話やチャットサポートがない「セルフプラン」なら、なんと利用開始から1年間は無料で全機能を使えます。次年度以降の料金も、年額9,680円~と安めです。

ただ、自動化機能などはfreeeやマネーフォワードに比べると一歩劣るため、少し玄人向けという印象です。

企業で経理の経験があるなど、会計をしっかり理解している人には抜群の使い勝手を誇るともいわれ、「経理に自信のあるフリーランス」におすすめのソフトといえるでしょう。

特徴 ・信頼の弥生製
・経理担当者の使い勝手抜群
・1年間の利用料無料
便利機能 スマホ確定申告対応/明細自動取り込み/レポート作成機能など
料金 9,680円~(1年無料)

やよいの青色申告オンライン

2. freee会計

freee会計 トップページ

▲出典:会計ソフトfreee

freee会計』の強みは、会計初心者に向けた配慮が徹底していることでしょう。たとえば、以下のような便利機能を備えています。

  • 初心者でも扱いやすいUI
  • 「貸方」「借方」などの複雑な会計用語を使っていない
  • (日々の記帳に加え)〇×形式の質問に答えれば確定申告書ができる
  • 控除額などの自動計算機能が充実している

家計簿をつける感覚でカンタンに難しい複式簿記での記帳もでき、「会計が一切わからなくても青色申告がしたい」という方にオススメのソフトです。

ほかのソフトに比べて欠点を挙げるとすれば、最安のスタータープランでは電子帳簿保存法などへの対応に制限があることと、個人事業主の利用率が高い楽天銀行の口座自動同期に対応していないことでしょう。また、分かりやすさ重視のために会計用語がカンタンに表現されているぶん、ほかのソフトへの引越しは難しいです。

特徴 ・初心者でも扱いやすいUI
・複雑な会計用語の排除
・会計まわりの書類作成一元化
便利機能 スマホ確定申告対応/明細自動取り込み/レポート作成機能/電子帳簿保存法完全対応など
料金 1,078円/月(年払い)~

freee会計

3. マネーフォワード クラウド確定申告

マネーフォワード クラウド確定申告のトップページ

▲出典:マネーフォワード クラウド確定申告

マネーフォワード クラウド確定申告』は、一般的な会計ソフトのUIや用語といった「会計ソフトらしさ」を踏まえつつ、明細の自動取り込み機能などクラウド会計ソフトならではの強みも搭載したソフトです。

初心者の使い勝手ではfreeeに劣りますが、会計知識がある人にとっては使いやすく、処理速度の速さや値段の安さなどが強みです。

便利機能で会計が効率化できる一方、「会計ソフトらしさ」もあるため、使いこなすには会計の知識が求められます。しかしそれらを丁寧に学べば「会計ソフトが何をやっているか」がわかるようになるので、ソフトに頼りすぎない確定申告の知識を得られます。

「初心者向け機能を頼りつつも、ある程度は会計について理解できるようになりたい」方におすすめのソフトです。

特徴 ・会計ソフトらしさと使い勝手の両立
・素早い処理速度
・価格の安さ
便利機能 スマホ確定申告対応/明細自動取り込み/レポート作成機能/電子帳簿保存法対応など
料金 1,078円/月(年払い)~

マネーフォワード クラウド確定申告

その他のおすすめクラウド会計ソフト11選

クラウド会計ソフトに関して言えば、ここまで見てきた3サービスでたいていは事足ります。

しかし以下の条件にあてはまる場合は、ほかのソフトの利用も検討してみましょう。

  • 事業規模が中小企業と変わらないレベル
  • 税理士事務所など、会計業務に特化した事業を展開している
  • 永年無料で使えるソフトを探している
  • 副業などのちょっとした帳簿付けしか必要ない

【料金表】

初期費用 月額 年額 お試し期間
勘定奉行クラウド 55,000円~ 6,000円~ 72,000円~ 30日間
GLOVIA きらら会計 なし
フリーウェイ経理Pro 要問い合わせ 体験版あり
Smile Works 33,000円〜 11,000円〜 デモ版あり
クラウド発展会計 要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ 体験版あり
HANJO会計 0円 1,078円 申込月と翌月無料
スマホ会計 FinFin 0円 550円 5,940円 60日間(2023年3月末まで全機能無料)
円簿会計 0円 0円 0円
ちまたの会計 0円 0円 0円
 RUCARO 0円 0円 0円
フリーウェイ経理Lite 0円 0円 0円

【機能表】

自動仕訳入力 レポート集計 決算書作成 取引明細の自動同期 電子帳簿保存 消費税申告 その他
勘定奉行クラウド
  • 専門家ライセンス付属
  • 盤石なセキュリティ体制
GLOVIA きらら会計
  • 部門別管理
  • 組織図作成対応
フリーウェイ経理Pro
  • 給与計算、販売管理可能
  • データの端末保存対応
  • 高速の入力速度
Smile Works
  • 給与・販売システムあり
  • 部門別管理可
クラウド発展会計
  • 給与計算システムあり
  • 適性検査あり
HANJO会計
  • 給与・POP・売上集計管理可
  • サポート充実
  • スマホ対応
スマホ会計 FinFin
  • スマホ特化
  • 電子申告対応
円簿青色申告
  • Yahoo! JAPAN IDで利用可能
  • 広告表示あり
ちまたの会計
  • 同運営の領収書発行サービスあり
  • 部門別管理あり
RUCARO
  • インポート機能あり
フリーウェイ経理Lite
  • 広告表示あり

1. 勘定奉行クラウド

▲出典:OBC

『勘定奉行クラウド』は、古くから日本のバックオフィスを支えてきた『奉行』シリーズのクラウド。システムに世界トップレベルのセキュリティを誇る『Microsoft Azure』を採用。顧客のデータは国内データセンターのみで厳重に管理されていているため、安心して運用できます。

ソフト内には、高速処理を実現する「Azure SQL Database(Premium)」と操作性を向上させる「Windows Presentation Foundation(WPF)」が掲載されています。これらの高度な技術が経理業務にかかる時間を削減してくれるでしょう。

また「専門家ライセンス」が標準で装備されているため、リアルタイムで会計士・税理士、社労士等に相談できるのも嬉しいポイントです。

勘定奉行クラウド

2. GLOVIA きらら会計

▲出典:富士通

『GLOVIA きらら会計』は、中堅企業に必要な会計機能を網羅し、販売・会計・人事給与などの基幹業務を手助けしてくれるアプリケーションです。ユーザーの業務範囲に合わせて利用する機能を選択し、組み合わせられます。顧客が必要な機能だけを導入できるため、低価格・短期間かつ段階的な導入が実現できます。

富士通グループのノウハウを凝縮したこれらのサービスを使い、バックオフィス部門を強化していきたい方にはおすすめのサービスです。

GLOVIA きらら会計

3. フリーウェイ経理Pro

フリーウェイ経理pro

▲出典:フリーウェイ経理Pro公式サイト

税理士事務所向けに開発されたクラウド会計ソフト。『フリーウェイ経理Pro』最大の魅力は、事務所のパソコンとクラウドサーバーの両方に会計データを保管できることです。顧問先の記帳データなど、顧客と共有の必要がないデータは事務所内のコンピュータ上のみで保管できるため、繁忙期に処理速度が遅くなる心配がありません。

また、『弥生会計』や『勘定奉行クラウド』とも連携しているため、それらのソフトから簡単にデータ変換できるシステムも整っています。

フリーウェイ経理Pro

4. Smile Works

▲出典:SmileWorks公式サイト

以前はClearWorksというサービス名で運営されていましたが、2018年の7月にクラウドERPサービス『Smile Works』としてリニューアルされました。『Smile Works』のおすすめポイントは、会計・給与・販売管理等の業務ソフトを一元管理できる機能が備わっていること。各ソフトのデータが連動しているため、ワンクリックで自動仕訳してくれます。

日経が主催している「第10回クラウドランキング 汎用業務系SaaS部門ベストサービス」に選出されるなど、実績十分のクラウド会計ソフトです。

Smile Works

5. クラウド発展会計

クラウド発展会計

▲出典:日本ビズアップ

日本ビズアップ株式会社が提供する会計事務所向けのクラウド会計ソフトです。

『クラウド発展会計』は、経理・財務管理の効率化を図る基本的なサービスに加え、個人特性診断や組織診断といった適性診断テストの機能があります。これらのテストは新卒・中途採用の適性診断として活用でき、人事管理システムをよりよいものにできます。

ほかにも「発展経営情報」や「社長の経営参謀」などの経営情報を発信しています。会計サービスに加えて、手厚いサポートを受けたい方におすすめです。

クラウド発展会計

6. HANJO会計

HANJO会計

▲出典:CASIO

カシオ計算機株式会社が提供している飲食店向けのクラウド会計ソフト『HANJO会計』。もともと飲食店向けに開発されており、リーズナブルな料金設定とシンプルな機能が特徴です。最も便利な機能は、スマホでレシート撮影をするだけで自動仕訳をしてくれること。出先でもレシートの写真を撮るだけで仕訳表に記録されるのは非常に便利です。

また『HANJO会計』は上から下方向へ一連入力が可能なため、感覚的にデータの入力を行えます。低価格で直感的な操作を好む人におすすめです。

HANJO会計

7. スマホ会計 FinFin

スマホ会計 finfin

▲出典:スマホ会計 FinFin公式サイト

会計ソフト大手・ソリマチグループの一角である、会計バンク株式会社が2022年にリリースした会計ソフトです。特徴は会計ソフトとしては珍しく、「スマホ完結」をアピールしている点。パソコンを一切使わない設計になっており、帳簿入力はもちろん、確定申告書の作成まで可能です。

スマホ完結だけあって料金も安めで、固定費を削減することができます。帳簿付けの項目が少ない副業ワーカーや、常駐型フリーランスなどにおすすめのソフトといえます。

スマホ会計 FinFin

8. 円簿青色申告

円簿青色申告

▲出典:クラウド円簿

全ての機能が永年無料で使えるクラウド会計ソフトです。『円簿青色申告』で利用できるおもな機能は以下のとおり。

  • 仕訳帳
  • 出納帳
  • 総勘定元帳
  • 補助元帳
  • 決算書(個人事業主向け)

税制改正などに対応するバージョンアップ費用や有償の保守契約も不要です。経理初心者にも分かりやすい画面構成になっているため、簿記の知識がない方でも簡単に使用できます。

Yahoo! JAPAN IDを使えば簡単にログインでき、『弥生会計』から今までの会計データを出力できるため、実験的に導入してみるのも良いでしょう。

円簿青色申告

9. ちまたの会計

▲出典:ちまたの会計公式サイト

『ちまたの会計』は業界初の非営利組織向けのクラウド会計ソフト。 地域や学校の自治会、ボランティア団体、サークル、各種イベントの会計係など、自分が所属している団体のお金管理を正確に行いたい人に向けて開発されました。家計簿をつける感覚で画面に沿った操作をすれば、簡単に会計書類を作れるのが魅力です。

『ちまたの会計』で作成できる代表的な会計書類には、以下のものがあります。

  • 現金出納帳
  • 預金出納帳
  • 科目別台帳
  • 収支計算書
  • 収支予算書

会員登録をすれば無料で利用できるので、一度試してみてもよいでしょう。

ちまたの会計

10. RUCARO

RUCARO

▲出典:RUCARO公式サイト

『RUCARO』は、無料のサーバーインストール型クラウド会計ソフトです。「日本一安全なプライベートクラウド会計ソフトを作る」というコンセプトのもと開発されました。

クラウド会計ソフトは、サービス提供業者のサーバーと会計システムが一体となっているものが一般的です。しかし『RUCARO』の場合、会計データや機密度の高い情報はすべてサービス提供業者に預けます。したがって機密情報を自分で管理でき、二段階認証やログイン通知等でセキュリティ対策を強化することも可能です。

また、データのインポートや決算書の作成など基本的な機能も備わっています。セキュリティ面を重視する人は使ってみてください。

RUCARO

11. フリーウェイ経理Lite

▲出典:フリーウェイ経理Lite公式サイト

先ほどご紹介した『フリーウェイ経理Pro』の無料版で、2019年2月にユーザー数10万人を超える人気を誇っています。データ容量やソフトを利用できる期間に制限はなく、日々の仕訳から決算書の作成も可能です。しかし大企業で膨大なデータ量を扱うのは機能面で不足するため、無料版のこちらは個人事業主の間で広く利用されています。

また、会計ソフトの他にも給与計算や販売管理、顧客管理、税務のフリーウェイ製品もラインナップされており、それらのソフトと連動することも可能です。全て無料なのでぜひ活用してみてください。

フリーウェイ経理Lite

クラウド会計ソフト導入のメリット

メリット1. 常に最新版の会計ソフトを使用できる

パッケージ形式の従来型会計ソフトは、バージョンアップデートのたびに最新版を購入し、手動でダウンロードからインストールまでを行う必要がありました。

一方、ほとんどのクラウド会計ソフトは自動かつ無料でバージョン更新されるため、法改正などへの対応が簡単です。また、パソコンを買い替えてもすぐに最新バージョンを利用できます。

メリット2. 簿記の知識が少ない経理初心者でも始めやすい

多くのクラウド会計ソフトは、経理の実務経験がない人でも簡単に入力できる仕組みになっています。またヘルプ機能やサポート機能も充実しているため、疑問があったらすぐに解消できる体制があるのも魅力です。

これまで税理士に会計処理を委託していた企業も、内製化を進められるでしょう。

メリット3. 銀行口座やクレジットカードなどの取引明細を自動で同期できる

クラウド会計ソフトは、取引明細のデータを一つひとつ手作業で打ち込んでいく必要はありません。銀行講座やクレジットカードのWeb明細を同期できるので、記帳の時間を削減でき、入力ミスも減らせます。

また最近はSuicaなどの交通系電子カードや、POSレジに対応しているソフトも増えており、銀行やクレジットカードでの取引をメインに行なっている個人事業主や企業の方にとって大きな業務効率化になりますね。ただし、同期できる銀行やクレジットカード、その他サービスはソフトによって異なるのでご注意ください。

メリット4. 勘定科目を推測・提案してくれる

クラウド会計ソフトは、過去の取引履歴から勘定科目を推測して自動で仕分けをしたり、勘定科目の提案をしたりしてくれます。AIが自動仕訳した結果をワンクリックで承認するだけで、記帳業務が完了するのです。

メリット5. 確定申告書類や決算書類を自動で作成できる

日々の入力作業を行うだけで、貸借対照表・損益計算書などの決算書類を簡単に作成できます。また、確定申告書類作成を補助してくれる機能もあるので、個人事業主にも嬉しいです。

メリット6. データを安全に管理してくれる

会計データは、クラウドサーバー上に保管されます。従来の会計ソフトは、万が一の場合に備えて会計データをUSBメモリに移す必要がありました。

しかしクラウド会計ソフトならば、入力したデータは遠隔地のデータセンターで管理されるので、パソコンの不具合や災害等があってもデータを守ることができるのです

クラウド会計ソフト導入のデメリット

デメリット1. 維持費がかかる

クラウド会計ソフトは月額費用もしくは年会費を支払って利用します。会計ソフトは長期的に利用するものなので、その分ランニングコストも大きくなってしまうのです。予算に見合ったクラウド会計ソフトを選びましょう。

なお、一部のソフトには無料で使えるものもあります。ランニングコストが気になる方は、まずは無料のものから使ってみると良いでしょう。有償のものも、無料期間を設けていることが多いです。

デメリット2. 手入力の人には恩恵が薄い

クラウド会計ソフトは自動入力、仕分けによる恩恵が大きいです。現金や切手での取引をメインで行う方は手入力を避けられないため、業務時間の削減は見込めません。

デメリット3. インターネット環境がないと作業ができない

クラウド会計ソフトはインターネットを経由して作業を行うため、オフラインでは使用できません

会社のインターネットが不具合を起こしたり、出先でインターネット環境がない時には業務ができなくなるため注意が必要です。

クラウド会計ソフトを選ぶポイント

ポイント1. 自分の銀行口座・クレジットカード・POSなどが自動同期に対応しているか

クラウド会計ソフトを選ぶうえでもっとも重要なポイントです。

クラウド会計ソフトは、同期された銀行口座やクレジットカード、さらにはPOSレジを通して行われた取引のデータを自動で取り込み、経理処理をしてくれます。同期できる金融機関や同期方法は、ソフトごとに異なるため注意が必要です。取引データの同期・仕分けのスムーズさが、経理にかかるコストと時間をどれだけカットできるかを左右します。

多くのクラウド会計ソフトは無料お試し期間を設けています。自分の環境に合うか、無料期間中によく調べておきましょう。

ポイント2. 自分の会計処理に必要な機能が備わっているか(またそれが有料か)

クラウド会計ソフトによっては、見積書・納品書・請求書・決算書などを作成する機能に別途料金が発生するものもあります。また、給与計算ソフトなどの連携機能の有無、スマートフォンアプリの有無もクラウド会計ソフトによって異なります。

必要な機能をピックアップし、それらが存在するか、別途料金がかかるのか、事前に確認しましょう。

ポイント3. 入力しやすい、分かりやすい管理画面か

入力できる項目は同じでも、クラウド会計ソフトによって画面の利便性は異なります。例えばデータを上から下に入力するソフトもあれば、左から右に入力していくソフトもあります。初心者向けであれば、入力ガイドが充実しているかどうかも異なるでしょう。

無料お試し期間を利用して、自分が使いやすいクラウド会計ソフトを見つけてください。

ポイント4. 料金は適正か

各社、サポート体制や機能の有無によって大きく料金が異なります。クラウド会計ソフトは長期的に利用するものです。予算をきちんと計算してから導入しましょう。

ポイント5. サポート体制は整っているか

クラウド会計ソフトを導入した直後は、操作方法がわからないことがあります。不明な点が生じたときもすぐに解決できるような、サポート体制を整えた企業を選びましょう。

なお、クラウド会計ソフトを提供している企業ごとに、チャットサポートやメールサポート、電話サポートの有無が異なります。各サポートに追加料金が発生するサービスもあるのでご注意ください。

ポイント6. 法改正への対応は迅速か

日本の税制は毎年のように改定されており、それによって記帳や会計の方法が変わることも多いです。こうした法改正に対し、どれだけ素早くソフト側が対応してくれるかは大きな判断基準になります。

たとえば、2022年には電子帳簿保存法の改正により書類の電子帳簿要件が大幅に緩和され、2023年にはインボイス制度の施行により売上の低い個人事業主も消費税申告への対応が必要になる見込みです。

こうした諸制度への対応状況はソフトによってまちまちなので、できるだけ対応の早いソフトを選びましょう。

おわりに

クラウド会計ソフトを導入すれば、経理の時間を大幅に削減できます。

クラウド会計ソフトの力を最大限に活かすには、自身が使いやすいものを見極めることが重要です。多くのクラウド会計ソフトにはお試し期間が設けられているので、まずはそちらを利用してみるのをおすすめします。

(執筆:木村優美 編集:Workship MAGAZINE編集部 監修:齊藤颯人)

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