2023年版 Google検索順位別 クリック率調査:強調スニペットはCTRを平均5.3%下げる!?

ランキング別平均CTR

GoogleのSERPs(検索結果画面)で上位にランクインすることは、CTR(クリック率)の上昇につながります。firstpage.comが2023年に行った調査によると、検索1位の標準的なクリック率は39.8%とのこと。これは2位の18.7%の2倍以上であり、3位の10.2%の4倍近くにもなります。

今回は、オーガニック検索のクリック率に影響するさまざまなデータに触れながら、クリック率を上げるヒントを探してみましょう。

Top-of-SER-2023-example

▲出典:Smart Insights

強調スニペットは、検索1位のクリック率を平均5.3%下げる

ゼロクリック検索が以前よりさらに一般的になってきている2023年において、検索ボリュームだけがクリック率増減の決定的な要因とはいえません。

ポジションゼロ(検索ゼロ位)」ともいわれる強調スニペットは、GoogleのSERPs上で、もっとも目を引く貴重な場所を占めています。そして強調スニペットは、自然検索への流入を下げる要因のひとつです。

Sistrixの調査によると、GoogleのSERPsに強調スニペットが含まれているとき、検索1位のクリック率は平均5.3%低下しています。

2022 comparison of Google organic clickthrough rates (SEO CTR) by ranking position

▲灰棒:さまざまな形式全体のSERPsにおける平均クリック率 青線:強調スニペットがある場合におけるSERPsの平均クリック率(出典:Smart Insights)

現在オーガニックキーワードの上位を防衛している、もしくはもっとリーチを広げたいと考えているなら、GoogleのSERPsに強調スニペットがあるかどうか確認してみましょう。

そして同時に、どのような条件で強調スニペットが表示されるのか、理由を分析するのもおすすめです。(もっとも、確実に載せる方法はありません)

プレーンなSERPsは、検索1位のクリック率を平均5.7%上げる

強調スニペットがクリック率を下げているからといって、オーガニックリーチを軽視してはいけません。キーワードがロングテールであればあるほど、プレーンなSERPsの割合は高くなります。

以下のSixtrixによるグラフが示しているとおり、広告や強調スニペットのないプレーンなSERPsにおける検索1位のクリック率は、さまざまな形式全体のSERPsにおける平均クリック率を5.7%上回っています。

2022 comparison of Google organic clickthrough rates (SEO CTR) by ranking position

▲灰:さまざまな形式全体のSERPsにおける平均クリック率 青:広告や強調スニペットのない場合における平均クリック率(出典:Smart Insights)

GoogleのSERPsにおけるランキング別平均CTR

ここからは、Advanced Web Ranking organicが行ったCTR調査をもとに、4種類のCTR分析結果をみていきましょう。

指名検索 vs 非指名検索

指名検索(サービス名やブランド名をキーワードとする検索行動)のクリック率が高いことは有名ですよね。

以下のグラフは、全世界のすべてのデバイスにおける、指名検索と非指名検索のオーガニックCTRを比較したものです。

Branded-vs-Unbranded-SERP-2023

▲青:指名検索 橙:非指名検索(出典:Smart Insights)

非指名検索は指名検索に比べて、ランキング1位におけるクリック率が約5%低いことが分かります。非指名検索のSERPs上には競合となる有料広告が多数表示されるため、それらの広告がクリック率を下げていると考えられます。

またこのグラフは、3位までに入ることの価値を明確に示しています。1位のオーガニックCTRは31.7%と26.4%ですが、3位ですでに9〜10%程度にまで減少。11位以下では、クリック率は1%未満となります。

短いキーワード vs ロングテールキーワード

一般的な検索に使われるのが1〜2単語であるのに対し、ロングテールキーワードの目安はおよそ3単語以上です。

ロングテールキーワードであっても下位になるとクリック率は下がりますが、2位以降は一般的なキーワードよりもロングテールキーワードのほうがクリック率が高くなることが、以下のグラフから分かります。

Longtail-keywords

▲青:1単語 橙:2単語 濃紫:3単語 薄紫:4単語(出典:Smart Insights)

1単語に比べると、ロングテールキーワードは2〜5位で、およそ3〜6%ほどクリック率が高くなっています。

一般的にロングテールキーワード検索はセールスファネルの下方で発生するため、検索がニッチで競争が少ないのが特徴です。しかしGoogleのSERPsが進化しつづけていることを考えると、ロングテールキーワードをターゲットとして視野に入れたほうがよいでしょう。

クエリ目的別

検索意図は人によって様々ですが、検索意図にかかわらず、すべての場合において1位の検索結果がもっともCTRが高くなっています。しかし、検索意図によって、順位低下によるCTRの変化幅には違いが見られます。

Search-intent-SERP-2023

▲濃紫:Buyクエリ 橙:Knowクエリ 薄紫:Goクエリ 黄:具体的な検索意図(出典:Smart Insights)

特にBuyクエリについては、検索1〜3位のクリック率が他のクエリより高い傾向にあります。商業的に成功したいなら、GoogleのSERPs上位に自社ページを表示させ、さらにそれを維持することが大切です。

SERPs機能別

SERPsに表示される機能別で見ても、全体としてGoogleのSERPsのランキングが下がればクリック率も下がることに変わりはありません。

しかし、SERPsにどのような機能が表示されるかによって、オーガニックのクリック率に差が出ています。たとえば、1位では「他の人はこちらも検索+動画+オーガニック」のSERPsがもっともオーガニックのクリック率が高い傾向となっています。全体としては、SERPsに表示される機能が多いほど、クリック率も低くなる可能性があります。

SERP-features-CTR-2023

▲紫:強調スニペット+他の人はこちらも検索+オーガニック 緑:他の人はこちらも検索+動画+オーガニック 橙:画像+動画+オーガニック 黄:他の人はこちらも検索+画像+オーガニック(出典:Smart Insights)

おわりに

オーガニック検索におけるクリック率には、レイアウト、デバイス、消費者の意図など、さまざまな要素が影響しています。こうした影響を正確に把握することが、クリック率を上げる土台になるはずです。

ゼロクリック検索が増えているいま、クリック率を効率的にあげるには工夫が必要です。最新の動向を把握したうえで、ロングテールキーワードや強調スニペットなどを味方につけて、マーケティング戦略を立てましょう。

(執筆:Dave Chaffey  翻訳:Asuka Nakajima、じきるう 編集:Mozuku、宮﨑駿)

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