エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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位置情報は、ビジネスにとって常に重要な存在です。どこに新しい店舗を出店するのか、製品をどこで販売するのか、ビジネスのさまざまな場面で位置情報が登場します。そして正確な位置情報は、多くのIoT(モノのインターネット)アプリケーションの基盤でもあります。
今回は、位置情報を利用したIoTアプリケーションが、私たちの生活やビジネスにおいてどのように活躍するのかをご紹介します。
位置情報は、これまでビジネス上の意思決定において重要な指標でした。しかしいま、位置情報はこれまで以上の価値を持っています。
昨今のステークホルダーは、ビジネスが直感や経験以上のデータドリブンなものであることを求めています。そのため近代的なビジネスに精通するためには、デジタルおよび物理的な資産、プロセス、オペレーションの混乱を解きほぐし、顧客行動を喚起するような、実用的な知見を得る必要があります。
そこで大切になるのが位置情報です。位置情報は近代的なビジネスにおいて、プロセス、製品、サービスがどのように成立し、それと人びとがどのように関わっているかを明らかにしてくれます。企業は資産を追跡でき、カスタマージャーニーをシームレスにマッピングすることが可能です。また位置情報は、スマートシティにおいて移動手段やルートを最適化するためのツールとしても活躍します。
ここで課題となるのが、特定のビジネス目標を理解し、そのタスクに適した位置情報技術を活用する方法です。
サプライチェーンを管理するためにエクセルシートやマニュアルデータベースが必要だったのは、もはや過去の話です。IoTソリューションプロバイダーは、スケーラブルな資産追跡システムを構築することにより、サプライチェーンに関するタスクを担う人びとのニーズを満たします。サプライチェーン内の個々の資産を追跡しながら、同時に資産がどのように世界全体で動いているのかを視覚化できるのです。
▲出典:Skyhook
資産追跡IoTソリューションがサプライチェーンマネジメントのトレンドであることには理由があります。
母の日の例を考えてみましょう。母の日に、米国の消費者はプレゼントの花に約26億ドルを費やします。生産者とサプライヤーは、どのようにすれば米国中のお母さんに確実に美しい花を届け、そして利益を最大化することができるでしょうか。
「花き業界のコールドチェーンは複雑で、工程が円滑に進むことに大きく依存しています。花はコロンビアなどで栽培され、飛行機で米国に輸送され、冷蔵庫に保管されなければ花屋や消費者に到達しません。花はとても繊細であり、こうしたプロセスの中で花は常に一定の温度に保たれることが大切になってくるため、問題が発生する余地を大きく残しているのです」ーBrittany Dervan
花き業界では現在、40%が廃棄されています。Skyhook社のSVPであるDavid Bairstowは「コールドサプライチェーンにIoTを導入して廃棄量が10%削減できれば、約1億ドル以上の節約になる」と述べています。
高価な花が出荷後どこにあり、どのような環境に置かれていて、いつ消費者の手に届くのかという情報は、業界全体にとってとても重要です。そして、ロケーションドリブンのIoT、すなわち資産追跡はサプライチェーンのロジスティクスを最適化するもっとも有望な手段であり、業界関係者のROIを高めます。
位置情報を利用するものとしてあげられるのが、ウェアラブル端末です。たとえばスウェーデンのNarrative社は、写真に位置情報をつけてiPhoneに保存する、トルティーヤチップスほどの大きさのウェアラブルカメラを開発しています。
写真の正確な位置を特定することは容易ではありません。広い範囲のさまざまな環境において確実にデータを送信できる位置追跡技術が必要とされます。
ウェアラブル端末の役割は、便利なガジェットにとどまりません。ときには命を救うことさえあります。
Athenaの製品「ROAR」は、女性が脅威を感じたときにSMSを介してあらかじめ選択された連絡先に自分の場所を送信できる小さなビーコンです。正確な位置情報により、救急サービスや近親者などがユーザーを数秒で見つけることを可能にしているのです。
PhilipsのLifeLine GoSafeは、おもに高齢者や障がい者に向けて開発された、モバイルパーソナルレスポンスシステム(MPRS)です。転倒などによるユーザーのSOSを知らせてくれます。
「正確な位置情報は、確実で迅速な救命人員の派遣にとても重要です」ーRob Goudswaard(Philips Home Monitoring、Global Product and Service Programs、シニアディレクター)
カメラ、ROARビーコン、Apple Watchなどの最新のウェアラブル端末は、GPS、WiFi、携帯電話、Bluetoothなどのさまざまなソースから位置情報を合成する必要があります。ウェアラブル端末を介して提供される多数のサービスは、正確な位置情報に依存しています。生と死を分けるような場面では特に、正確な位置情報が不可欠です。
Trevor Willinghamはwww.freightwaves.comに対し、接続資産からの位置データが「予測と現状の違いを明らかにしている」と述べています。資産がチェーンを通じて実際に動くまでは、不確実な仮定の情報にすぎません。物流事業者は、リアルタイムで何が起きているのかを把握する必要があるのです。
例として、Rio TintoのMine of the Futureプログラムにおける完全自動運転トラックと、位置情報の関係について考えてみましょう。69の自動運転車両は、鉱山や道路を絶え間なく移動しているため、リアルタイムの動きについてのこまかい洞察は不可欠です。Tintoのオペレーターはサプライチェーンの妨害物から保険までをすべて管理しており、同社の資産がどこにあるかを確実に把握しています。そしてこのIoTソリューションは実際に機能しており、同社は1日あたり2百万ドル(年間7億9千万ドル)を節約し、労働者を救ったといわれています。そしてこのIoTに欠かせないのが、正確な位置情報です。
ロケーションドリブンなIoTソリューションは、運送業界を変革し、最適化しています。世界最大の海運会社であるMaerskは「デジタル化できるものはすべてデジタル化する」と述べています。
海運のデジタル革命は、主に以下のふたつの恩恵をもたらしました。
Honeywell SPSのSupply Chain SolutionsのVPであるSameer Agrawaは、IntelとのIoTソリューションによって、輸送中に単純なヒューマンエラーが原因で多くのパレットが失われていることを発見したと述べています。さらに、ドライバーが誤ったレポートを送ったり配達のタイミングを間違えることが頻繁にあり、顧客をいらだたせたり、サプライチェーンの障害を引き起こしていることもわかりました。
そこで各パレットに取り付けられたRFIDデバイスによって問題を貨物管理者に警告し、GPSダッシュボードによって配達の遅れなどを顧客に知らせることにしました。
IoTソリューションに支えられた信頼性の高い位置情報は、保険金請求プロセスを最適化し、保険会社に安心感を与え、オペレーターの保険料を引き下げてくれます。他業種のIoTソリューションでは、すでに保険料を25%削減することに成功しています。
たとえば位置情報機能を実装することにより、実際の移動距離に基づいて保険料を支払うことが可能になった例があります。自動車がハードウェアに報告するエラーコードに基づいて、車の安全性や自己の兆候に関連する情報を得ることも可能です。
IoTソリューションは、詳細でスケーラブルな資産管理によって、資産、利益、人命にいたるまでリスクを減らします。
企業はいま、位置情報を活用してROIを高め、カスタマーエクスペリエンスを向上させ、小売から運送までさまざまな業種において工程を最適化しています。
位置情報を活用したIoTが、これからのビジネスや生活をますます豊かにしてくれるはずです。
(著者:Skyhook 翻訳:Asuka Nakajima)
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