インターネットの普及により、テレビショッピングからネットショッピングへと、ECは時代と共に変化してきました。

そんな中で新たに、ライブ配信を組み合わせたECとして「ライブコマース」が注目されています。先行している中国では、すでに大きな売り上げを出している市場です。

この記事では、次世代EC「ライブコマース 」の特徴や、中国および日本での市場規模、さらにはライブコマースを実際に導入したアプリ/サービスを6選ご紹介していきます。

新たな宣伝チャンネルに興味を持っている方は、ぜひ参考にしてみてください!

ライブコマースとは?

ライブコマースとは、ライブ配信動画を見ながら商品を購入できるショッピング形態です。ネットショップやネット通販などを総称したECと、ライブ配信技術が合わさることで誕生しました。

ライブコマースは、多くの情報をリアルタイムで視聴者に伝えられる点が魅力です。商品について消費者に注目してほしいポイントを説明したり、実際に商品を使っている様子を配信することで、消費者に利用シーンをより明確にイメージさせられます。

また、消費者側は商品に対する質問やコメントをリアルタイムで行うことが可能です。他の消費者のコメントを見たり、実際の回答を参考にしながら購入を検討できます。

これらのメリットがあることから、ライブコマースは従来の文字や画像のみショッピング形態に比べて、高い売上効果が期待できるのです。

一方でライブコマースは、導入する際の費用や時間がデメリットとなります。生配信を可能にするシステムの整備や、その場で購買してもらうための施策考案など、新たな労力が発生してしまうのです。

また、ライブコマースはライブに起用する人物によって売上が左右されることも。インフルエンサーを雇った方が効果的ではありますが、その分費用はかさんでしまいます。

ライブコマースの市場規模

発祥地である中国での市場規模

まず、ライブコマースの発祥地である中国での市場規模について解説していきます。

中国におけるライブコマースのユーザー数は、2016年時点で3億5000万人以上、市場規模は約50億ドル(日本円で約5500億円)にまで達しています。

中国のなかでも代表的なライブコマースの例が「淘宝(タオバオ)ライブ」です。2018年のタオバオライブによる販売額は1000億元(1.5兆円)を超えており、前年度の2017年に比べて400%も増加しています。

この数字から、近年中国のライブコマース市場が目覚ましい勢いで拡大していることが分かりますね。

日本での市場規模

日本国内における2018年の調査では、15〜49歳のうち30%がライブコマースを知っているという結果がでています。また、今後もライブコマースで商品購入をしたいと答えた人の割合は85%となっています。

現在、日本におけるライブコマースの市場規模に関しては、正確な数値が公表されていません。しかし、消費者がインターネット上の情報を見た上で商品やサービスを購入する「オムニチャネルコマース」の市場規模は年々増加しており、2018年度には56兆円を突破しました。

消費者がライブコマースに関心を持っていること、またインターネットを通しての消費が拡大していることから、日本でのライブコマースの市場規模は今後も右肩上がりになっていくと予想されます。

ライブコマースが注目されている3つの理由

1. ライブ動画が流行している

収録した動画を流すのではなく、ライブでの動画配信が流行しています。

一昔前までは、YouTubeやニコニコ動画などの動画配信チャンネルでのライブ配信が主流でしたが、今ではInstagramやFacebook、Twitter、LINEなどのSNSでも手軽に配信できるようになったのです。

株式会社ジャストシステムのデータによると、10代では、2人に1人がInstagramでライブ動画を視聴したことがあるとのこと。ライブ配信は身近なものへとなってきているのです。

2. インフルエンサーの影響

動画配信に強みを持つインフルエンサーが、近年勢いを見せています。

中国ではライブコマースにより、インフルエンサーが2時間で3億円の売り上げを出す事例もあります。インフルエンサーが配信する動画は、ファンにとっては生でコミュニケーションをとれる場として人気であり、同時にその人がおすすめする商品は購入されやすい傾向にあります。

3. 海外での実績がある

先にも書いたとおり、ライブコマースは中国で多くの実績を残しています。

まだ日本ではライブコマースが浸透していませんが、中国の伸び率をみると、今後有力なECプラットフォームとして注目されるでしょう。

ライブコマースの特徴

配信者とのリアルタイムの会話

ライブ配信なので、双方向的なコミュニケーションが実現できます。コメント欄を通じて会話することで、視聴者の購買意欲を上げられるのです。

また視聴者が商品に対して疑問に思ったことを、その場で配信者に質問できます。例えば生地の質感やサイズ感などの不安要素を、配信者が即解決してくれます。ネットショッピングでよくあるミスを、リアルタイムでの会話で防ぐことが可能です。

動画視聴から購入までが簡単

テレビ通販の場合、視聴者の購買行動には「電話」が必要であり、やや手間がかかっていました。結果、「動画を視聴した後に電話するのがめんどくさい」といった理由から購買を取りこぼすケースも。

一方のライブコマースでは、動画上からボタンひとつで購入画面にいけるものが多く、欲しいと思ったものをすぐに購入できます。たとえば『CHECK』では、配信動画の右下のバックボタンを押し、欲しい商品をカートに入れると、購入続きに進めます。

国内のライブコマース アプリ/サービス5選

1. SHOPROOM

SHOWROOM株式会社が提供しているライブコマースです。

もともとインフルエンサーによる配信が多い『SHOWROOM』から生まれたサービスのため、配信者はインフルエンサーやタレント、モデル等が中心になっています。芸能人が自らのグッズを紹介する配信も多いです。

SHOPROOM

2. Live Shop!

株式会社Cadeeが配信しているライブコマースです。日本でいち早くライブコマースを始めたサービスとして知られます。

自社にスタジオを持っている分、ライブ動画のクオリティが高いと評判です。法人向けのアカウントでは、自社サイトにも動画を埋め込めます。

使用料は商品が売れた時のみ、売り上げの15%がかかりますが、初期費用と月額料金に関しては無料となっています。

Live Shop!

3. BASEライブ

ショッピングアプリ『BASE』のBASE株式会社が配信しているライブコマースです。

BASEライブは、BASEにショップを持ってる人なら誰でも配信できます。

自身の商品の制作秘話など、ライブによって商品の魅力を多面的にを視聴者に届けられる可能性を秘めています。

BASE ライブ

4. Yahoo!ショッピングLIVE

Yahoo!が配信しているライブコマースです。Yahoo!ショッピング出店店舗が、ライブ配信を行えます。テレビショッピングをインターネットで見ている印象です。

番組配信は予約制で、毎日12時~23時30分まで最大30分の枠で配信可能です。

Yahoo!ショッピングLIVE

5. CHECK

株式会社エブリーがKDDI株式会社と共同で運営するライブコマースです。

今後は、大型ショッピングモールWowma!とも連携し、サービスを拡大していく計画があるようです。

タレントやインフルエンサーのみ配信しており、一般ユーザーからの配信は行えません。

CHECK

ライブコマースで売上を伸ばす3つのポイント

1. 視聴者だけが得られる特別感

自分のチャンネルを視聴してもらうためには、他のチャンネルとの差別化をはかる必要があります。

たとえば視聴者限定の特典をつけることで、チャンネルを選んでもらえる可能性が上がるでしょう。特典は物質的なものだけに限らず、視聴者のリクエストに応えたり、商品に関する裏話などを話すことも含まれます。

自分のチャンネルならではの特典を考えてみましょう。

上の画像は『Live Shop!』のアプリ内のライブ配信限定で商品の割引を行なっている例です。他にもライブ配信限定で先行販売などをするなど、視聴者に特別感を与える工夫が施されています。

2. 視聴者との相互コミュニケーション

ライブコマースにおいて、視聴者の意見はとても貴重な情報です。視聴者のコメントをしっかり聞き、要望に応えていくことで満足度を上げられます。

例えば、質問などに答えて満足度を上げるのもいいですし、視聴者のコメントを読み上げてあげるのでもいいです。コメントにリアクションをしてあげることが大切になってきます。

逆に、配信者側から視聴者へ何らかのリクエストをしたり、アンケートを実施したりするのも効果的です。

3. ライブ配信特有の盛り上げ

何人かが買うことで、それに釣られて購入者が増えるという現象はよくあることです。「残り○個だから、早い者勝ちですよ!」などと盛り上げることで、視聴者に買おうかなと思わせることができます。

またLive Shop!は「逆オークション」という機能を導入してます。逆オークションでは、最初の設定金額が決まっており、時間が経つほど安くなります。最初に応札した希望者が購入可能になるのです。早いもの勝ちの原理により、視聴者の決断を後押しできます。

日本におけるライブコマースの課題

ライブコマースでは、うまく販売できる配信者と、なかなか売れない配信者が二極化してしまっている問題があります。

たくさんのファンを持つインフルエンサーを起用しても、必ずしも商品を買ってくれるとは限りません。ライブコマースはあくまで商品販売を目的としています。番組として面白いというのは大切ですが、そこからどう販売へ繋げるかは配信者の実力次第です。

日本にうまく定着させるために、売れる配信者の発掘と育成が課題になっています。

まとめ

ライブ配信が身近に感じられるようになり、ライブコマースの認知率も上がってきました。まだ日本での普及には時間がかかりそうですが、次世代ECとして期待できそうです。

商品の新たな宣伝チャネルとして、検討してみてはいかがでしょうか。

(執筆:Mizuno Kosuke、編集:Workship MAGAZINE編集部)

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