エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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マーケティング担当者が大切にしなくてはいけないもののひとつに、「ファクトフルネス」があります。
ファクトフルネスとは、ファクト(事実)やデータに基づいて物事を読み解く習慣のことです。スウェーデンのハンス・ロスリング氏の著書『FACTFULNESS: 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』により世界的に注目度が高まっています。
本の中でロスリング氏は、人間の直感に基づいた「賢い人ほどとらわれる10の思い込み」を紹介しています。しかし「なんとなくこうかもしれない」という想像で物事を判断した結果、間違った方向性の施策ばかり行ってしまい、なかなか良い結果が得られないということも。
というのも私たちの脳には「アテンションフィルター」というものが備わっており、より衝撃的な物事や、ドラマティックな物事に基づいて判断を下してしまう傾向があります。ですが、事実はそれほどドラマティックではないのです。
この記事では、本の中で紹介された10の思い込みのなかでも、マーケティング担当者がとくに注意すべき、5つの本能に基づいた思い込みについてご紹介します。
私たちは、物事をふたつに分けたがる傾向があります。善か悪か、先進国か途上国か、社会的に良い企業か利益ばかり求めている企業か、などなど……。マーケティング担当者は複数のデータを見て、物事はもっとあいまいであるということ理解すべきでしょう。
たとえばデータの見せ方によって、与える印象は大きく変わります。下記の画像は「1年間の収入」に関する同じデータを使ったグラフですが、平均値を見せることで与える印象は分かりやすく、また偏ったものになります。しかし数値の平均値を示したものは、ときにミスリードだったりすることも。データをしっかりと見極め、事業を行う上で正しい判断をしましょう。
ファクトフルネスの本の中では、私たちは「世界がどんどん悪い方向に向かっている」と思い込んでいると書かれています。世界には良いこともたくさん起こっているはずですが、なぜか人は悪い方に注目してしまうのです。
たとえば、トリップアドバイザーや食べログなどの口コミサイトで「星1評価」と共に悪いコメントがつけられていたら、他の口コミがどれだけ高く評価していたとしても、人は真っ先ににそこを見てしまうでしょう。これは、マーケティング担当者の判断にも悪い影響を及ぼすことになります。
これを改善するためには、まず自分たちがネガティブな点に注目しがちだということを自覚し、全体を見たうえで、誠実かつポジティブな対策を取ることが大切です。
私たちは、ときに数字の大きさによって物事の優先順位を間違いがちです。
ロスリング氏は、2004年にスウェーデンでクマに人が襲われたというニュースがメディアで広く取り上げられたことを例に出して説明しています。同じ日には、子供がいる母親がそのパートナーによって殺害されたニュースもありましたが、クマのニュースに比べたら小さく取り上げられていたそうです。
人が殺害されることは、残念ながら「ときどき起こりうること」なので、何十年ぶりにクマに人が襲われたことのほうが報道陣にとってはよりドラマティックに映ったのでしょう。どちらも人が命を落とすことには変わりないのに、少なくとも報道においては優先順位がつけられてしまいました。
マーケティングにおいては、複数の基準で数を比較することが大切です。どのようにしたら、最適なビジネスモデルを作れるのか。 たとえばすべての顧客を等しく扱うのではなく、2割の優良顧客だけを優遇することで、8割の売上を維持できるという「パレートの法則(2:8の法則)」も、知っておくと優先順位付をつけるのに役立つでしょう。
Smart Insights創刊者のDave Chaffey氏は、デジタルマーケティングにおけるパレートの法則の事例をいくつか挙げています。
これは、限られた少数の意見によって、それが全てだと思い込んでしまうしまう本能を指します。シンプルで実践が難しくなく、課題を解決してくれるようなアイデアはたしかに魅力的ですが、必ずしもそれが全てではありません。むしろ、ひとつのものを過信してしまうと危険ですらあります。
マーケティングにおいても、単純化本能は常に動いています。特定の知識やスキルを持つマーケティング担当者、デザイナー、アナリストなどは、自分が過去に実践していたやり方がうまく機能していた場合、それに固執してしまう傾向があるのです。
この本能への対策としては、新しい情報にも興味を持ち、さまざまな角度から問題を検討するのが良いでしょう。ひとつのツールを使って問題を解決するのではなく、複数の知識を合わせたツールボックスを構築するのです。
焦ることで大胆な行動をとってしまう本能は、日常の中でもよく用いられています。たとえばECサイトにアクセスした際に「今28人がこのページを見ています」「残り3人まで!」といった文言を目にし、「早く買わなくては!」と思ったことがある人は多いのではないでしょうか。
これは消費者に対して購買意欲を上げる戦略としては有効ですが、マーケティング担当者がこの本能にとらわれるのは危険です。たとえばGoogleのアルゴリズム変更による順位下落やPRの失敗など、何か緊急性のあるトラブルに直面した場合、深く考えることなくこれまでのやり方をガラッと変えようとしてしまうことがあるからです。
トラブルに直面したときは、まず深呼吸し、冷静に数字と向き合いましょう。下記はポイントです。
ファクトフルネスは、一種のクリティカルシンキング(批判的精神)ともいえるでしょう。私たちが思い込みにとらわれることなく、事実に基づいて冷静な判断を下すために、普段から知っておいてほしいアイデアです。
本の著者であるロスリング氏は、Ted Talkでもこれに関するスピーチを残しています。興味のある方はぜひ見てみてくださいね。
(原文:Gavin Llewellyn 翻訳:Klara)
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