「空前の人手不足時代」と言われる現代日本。人材確保は、いまや企業にとって最重要課題です。

そこで日本経済新聞社と株式会社GIGは2019年3月20日、『人材獲得競争に負けない企業づくりの方法』と題したセミナーを開催しました。

『Chatwork』を提供し、自社内の働き方改革にも積極的に取り組むChatwork株式会社・山口勝幸氏、多様な働き方の事例共有プラットフォームとして働きやすい社会づくりを推進する一般社団法人at Will Work・藤本あゆみ氏、そしてフリーランスと企業のマッチングプラットフォーム『Workship』を運営する株式会社GIG・岩上貴洋の3人が一堂に集結。

人材確保において重要な「採用の活発化」と「定着しやすい環境づくり」の観点から、実例を交えつつ語ってくれました。

会場:DIAGONAL RUN TOKYO日経OFFICE PASS加盟のコワーキングスペース)

OfficePass×Workship

▲左から小林氏、岩上、山口氏、藤本氏(敬称略)

藤本 あゆみ(一般社団法人at Will Work 代表理事)
藤本 あゆみ(一般社団法人at Will Work 代表理事)

2002年キャリアデザインセンターに入社。求人広告媒体の営業職、マネージャー職を経て2007年4月グーグルに転職。女性活躍プロジェクト「Women Will Project」のパートナー担当を経て、同社退社後の2016年5月、一般社団法人at Will Workを設立。株式会社お金のデザインでのPR マネージャーを経て、2018年3月からPlug and Play株式会社でのキャリアをスタート。現在はVP, Marketing / Communications として自社だけではなく採択スタートアップのサポートも担当。

山口 勝幸(Chatwork株式会社 取締役副社長COO)
山口 勝幸(Chatwork株式会社 取締役副社長COO)

SI・制作会社勤務を経て、ITサービス提供事業会社でサービスと組織マネージメントに従事。2008年にChatworkに入社、CMO(Chief Marketing Officer)としてビジネス部門を統括。2019年3月、取締役副社長COOに就任。Business IT推進協会(BIPA)の理事を務めるなど、士業や多業種企業との外交も担う。

岩上 貴洋(株式会社GIG 代表取締役)
岩上 貴洋(株式会社GIG 代表取締役)

在学中からアーリーステージを対象とした独立系投資会社にて、投資業務、コンサルティング業務に従事。 2007年、株式会社LIGを創業し代表取締役に就任。 システム開発、デザイン制作、コンテンツマーケティング、シェアオフィス事業を展開する。 2017年4月株式会社GIG創業。2018年11月、フリーランスと企業をマッチングするプラットフォームサービス『Workship』をローンチ。

小林 留奈
小林 留奈

当イベントのモデレーター。日本経済新聞社デジタル事業メディアビジネスユニット・オフィスパス事務局。

人材獲得の秘訣は、企業の「切り口」と「ブランディング」にあり

登壇者全員

今回のセミナーにお申し込みいただく際に、参加者のみなさまには働き方や人材活用で悩んでいることについてアンケートを行いました。90件ほどいただいているのですが、寄せられた意見は大きく2つに分けられました。

  • 人材獲得が難しい(新しい人材を採用できない/いい人材が定着しない)
  • 働き方改革が進まない(業務フローの改善にどこから手をつけたらいいのかわからない)
本日はおもに、この2つのトピックについてお話を聞いていきたいと思います。

まずは採用活動についてですが……岩上さんのGIGでは、創業2年にして50人を超える社員と、フリーランスの従業員を約20名抱えています。これだけの人を集める秘訣はありますか?

会社の特徴の切り取り方や、切り口を工夫することですね。「組織づくりを一緒にやりませんか」とか、創業期の今しか言えないことが響く人もいる。

それから、会社の文化を積極的にPRしています。ただ人を増やすのではなく、会社の文化に合う人、共感してくれる人を増やしたいので。

あえて創業間もないことをアピールして、人の挑戦心を掻き立てたわけですね。山口さんのChatworkではいかがですか?
うちも創業から18年で100人規模の会社になりましたけど、チャットツールを通して働きやすさを提供している会社ですから、会社もそのお手本になるように「働きやすい会社ですよ」というブランディングは頑張りましたね。おかげでエンジニアや営業の確保には成功しています。居心地はいいんだと思いますよ。

「いい人を獲りたい」って、具体的にどんな人?

藤本さん

藤本さんはat Will Workの活動を通していろんな企業を見てきて、さまざまなPRやブランディングに触れていると思いますが、採用活動に関してはどう考えていますか?
みなさん「いい人を獲りたい」って言うんですけど、「いい人ってどんな人ですか?」という問いにちゃんと答えられる人は少ないんですよね。採用がうまくいっている企業は、どんな人が必要なのかが細分化されています。既存メンバーや事業とのマッチング、共感の高さを重視することが多いですが、あえて逆の人を獲りにいくケースもありますね。

要は、どんな人にどんなことを期待するのか・その結果どんなふうに会社やチームを成長させたいのかについて、具体的なビジョンがあることが重要なんです。

みなさん即戦力のスタープレーヤーを採用したがると思うんですが、いまそういう人材の獲得って非常に難度が高いですよね。でも、これからスーパースターになる可能性がある人は採用できるかもしれない。

そうすると、採用後の教育が大事になってきます。GIGでは社員どうしで教え合うだけでなく、プロフェッショナルのフリーランスにスポット的に入ってもらって教育体制を構築することがあります。マネージャーレベルにフリーランスを置くこともありますね。雇用形態にこだわらず、自分たちがどういう組織を作りたいのかを因数分解するのが大事だと思います。

人材定着のために、「何を守り」「何を変えるか」考えよ

岩上さん

歴史ある企業の方から、「人材が刺激を求めて転職してしまう」というお悩みが寄せられています。伝統的な企業がこれからいい人材を確保するために、どういうアドバイスができそうですか?
『亀の子束子』(亀の子束子西尾商店)ってあるじゃないですか。創業112年になる会社ですけど、あそこがいま積極的にリブランディングを行なっていて、すごくかっこいいプロダクトを出してるんですよ。伝統がある企業ほど、その分変化を起こす切り口がたくさんあるはずなんですよね。
変化を恐れず、新しいことを取り入れる努力をするのは非常に大事ですし、一方でもっとも大事なものは変える必要はないんですよね。何を守って、何を時代の潮流に合わせて変えていくのか、考えなければいけない時期が来ています。

人材に関して言えば、いまは独立・転職・フリーランスと、昔より選択肢が増えていますよね。「この会社で最後まで頑張ろう」という時代ではなくなっています。だからこそ、人材定着のためには「居心地のよさ」や「文化への共感」という要素がすごく大事なんです。

改善のヒントは辞めていく人が持っている

「この会社にいたらこういうふうに貢献できるんだ」と、ちゃんと感じてもらえるように変えなければいけないし、もし感じてもらえずに人が出て行ってしまうなら、それは何故なのかを知っておくべきです。だからGoogleをはじめとして様々な企業が、退職する人に対して積極的にインタビューを行っているんですよね。会社を改善するヒントは、辞めていく人が持っているんです。

ただし「どこが嫌だったの?」と聞くとお互いネガティブになるのでNGです。「この会社に必要なことは何だと思う?」「自分が人事担当だったらこの会社をどう推薦する?」というように、質問をポジティブなものに変えてあげるのがコツですね。

いまは出戻りとか、正社員は辞めるけど週1日業務委託で手伝ってもらうとか、辞めた後も関係が続くことが普通になっています。それだけに、いい印象で送り出すことがすごく大事ですよね。

業務フロー改善は「試験的に」「小さく」始めよう

語る4人

「なかなか業務フローを改善できない」というお悩みが非常に多く来ていました。行動を変えるって、頭でわかっていても大変なことですよね。
やっぱり、「お金や時間をかけて積み上げてきたものを今更変えたくない」という心理が働きますよね。

だから働き方改革にしても、準備に3年とか時間かけて仕組み作り……みたいなのはやめたほうがいいです。いまは3年も経ったら、世の中はガラッと変わってしまう時代です。にもかかわらず「いや、せっかくここまでいろんな人を説得してきたんだから……」と言って時代錯誤な施策を打つ企業が多くあります。こうならないように、とにかくスピード感を持って、やると言ったらすぐやることが大事です。

新しい制度は「試験的にやってみます」とアナウンスするといいですね。ダメなら引っ込めて、よかったらそのままやればいいだけですから。試験的に、一部のチームだけとかで小さく始めてみる。
ある企業では、新しいことはまず人事部がやってみるそうです。そうすると、「これはいいけどここは懸念点だよね」という話し合いができるんですよ。現場が言ってることをそのまま言うだけでは、経営層には響かないので。
やってみせ、ってやつですね。
「やるリスクとやらないリスク、どっち考えますか」と訊くと、日本の大きな会社さんって、ほとんどやるリスクばっかり考えるんですよね。あれが起きるかもしれない、これが起きるかもしれない、って想像力豊かに語られるんですけど、でも実際にはそのほとんどが起きません。やることを前提に考えたら、そのリスクをどう解決できますか、という方向に考えられるんですけどね。
クラウドサービスとかも、いまは安いじゃないですか。無料で試せるし、導入しても毎月1人あたり500円くらい。弁当代1日分の出費で働き方を変えられる。やっぱりやめようとなったら、来月から利用料を支払わなければ良いだけ。安くてリスクも少ないんだから、やっちゃったほうが早いですよね。

それよりも、高い役職の人が新しい制度を会議して検討してる間に、いくら給料が消えていくんですかと。その人たちが1時間考えてる間に従業員20人分の給料を払えるなら、検討コストの方が明らかに高いじゃないですか。

「新しい制度を導入していく」という話でいくと、フリーランスを取り入れるのも、企業によってはハードルが高い気がしています。フリーランスとの協業も「まずやってみよう」で導入できるものなのでしょうか?
部門やプロジェクトによるとは思いますが、試しやすいところから導入するのは可能です。例えば人事や広報に外部の人を入れてみて、新しい採用プラットフォームを使ってみるとか。このプロジェクトだけ社外のデザイナーを入れてテイストを変えてみようとか。

企業を変えるのは「危機感」と「引き算」

山口さん

「働き方改革」というのは常々言われていますが、働き方改革そのものは手段なのに、それが目的化してしまいがちですよね。「自分の会社にとって本当に必要な働き方改革とは、何をどうすることなのか」を考えていかなければいけない。
シリコンバレーとかは終業時間に厳しくて、そのために無駄な会議を減らさなきゃとか、引き算の文化が育ってるんですよ。昨今の働き方改革も「ダラダラ会議してられない」っていう、ある種の危機感からきていると思うんですね。

新しいことにチャレンジするのって、要は「いまから高い山を登ろう」というフェーズじゃないですか。「どの荷物を下ろそうか」って考えないと登れないですよね。大事なのは、そういう引き算だと思うんです。

まとめ

お三方

慣れてしまったことに変化を加えるのは、ストレスを生むため敬遠されがちです。しかしいまの私たちは、働く場所もスキルも流動化しシェアされる、新しい時代に向かっています。これから日本の労働人口が減少していく中で、変化なしに継続的な成長を続けるのは難しいでしょう。

人材にとって魅力ある働きやすい企業をつくるためには、スピーディに改善し続けていく必要があります。居心地の良い環境を作り、文化を育て、積極的に発信していきましょう。

 

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