2020年のPR業界トレンド4選。時代に即した”顧客との良い関係づくり”を考える

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PR(パブリックリレーションズ、よく”プロモーション”の略だと間違えられる)とは、企業やブランドのストーリーを、さまざまなチャネルを通じて顧客に届け、企業と顧客間で良い関係づくりを行う活動のことです。

PRは20世紀初頭に登場してから今日までに、巨大産業へと進化を続けてきました。IBISWorldが2019年に発表したレポートによると、アメリカのPR業界は2013年から2018年のあいだに5%以上成長し、2018年だけで160億ドルの収益をあげたとされています。

PRは、年々新しいトレンドが生まれ続ける分野でもあります。今回は、2020年におさえておきたい最新のPRトレンドをご紹介します。

PR業界の最新トレンド4選

PRのトレンドを理解して活用することは、顧客が使用するプラットフォームと同じくらい重要です。ここからは、PR担当者ならおさえておきたい、最新のトレンド4選をご紹介します。

1. コンシューマードリブンな情報発信

顧客にとってオンラインメディアが重要な情報源になったいま、PRにも変化が必要です。

急激なSNSの進化によって、顧客は新製品やブランドについて情報を得るためにSNSを活用するようになりました。その結果、PRはこれまで以上に、SNSをとおして顧客と直接やりとりしやすくなりました。

以前は高額な広告費を使える大企業のみが市場を独占していましたが、SNSの登場のおかげで、すべての企業が顧客とかかわり、市場に参入できるようになったのです。

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上記のグラフによると「日常生活で接する人以上に、オンライン上で接する人の方が、購買行動に影響を与えていると思うか?」という質問に対し、48%の人が賛成しています。このような現状を踏まえても、PRはオンライン上での情報発信に注力するべきでしょう。プレスリリースを書いて出版社に送ることは、2020年においてはあまり効率的とはいえません。

一方、誰もがコンテンツを作ってPRできるようになったため、特定のブランドが注目を集めるのは難しくなりました。情報が溢れているいま、顧客はWebページを訪問してから10秒以内にはページを離脱するかを決めています。

今後はSNSにおいて顧客ににリーチする方法と、影響を与えるメッセージを伝える方法が、より重要になるでしょう。そのためには、顧客のためになるような、顧客目線で考えられた情報発信が大切になってきます。

2. 新たな効果測定指標

キャンペーンの効果と価値を測定することは、PRのもっとも大きな課題のひとつです。SNSが最初に登場したとき、PR担当者たちは、PRコンテンツへのコメントや「いいね」、シェア数を測定することに重点を置いていました。しかしその後、PRコンテンツの有効性を測るためにはそれでは不十分だと気づきました。

そこでPR業界は、新しい指標を求めるようになってきています。

たとえば近年のPR業界が注目している指標として、以下のようなものが挙げられます。

  • コンバージョン率
  • CTAボタンの視認率およびクリック率
  • 指名検索の増加数
  • UGC(ユーザーによって生成されたコンテンツ)の増加数

これらの指標を包括的に追跡し、どのコンテンツが効果的で、なぜ効果的なのかを全体最適の面から測ることが求められてきています。

3. 音声操作に最適化されたPR

音声操作技術の進歩に伴って、顧客が情報を検索する方法も変化してきました。調査会社のComScoreは、2020年には全検索の50%が音声検索になると推計しており、またガートナーすべてのWebブラウジングセッションのうち30%がスクリーンレスになると推計しています。

Google Homeなどの音声アシスタントは、すでに人びとのスマートフォンの使用方法を変化させています。音声アシスタントの使用を報告した人の3分の2は、電話の使用頻度が低かったという調査もあります。

PR戦略もこうした顧客の習慣に沿って、変化すべきでしょう。

4. 信頼の獲得

技術の進歩による影響は、人々が使用するデバイスの種類にとどまりません。人々は年々膨大になるデジタルコンテンツと接触するにつれて、情報の信頼性に敏感になってきています。

ニュース業界において有料のプレミアムコンテンツが人気なのも、おそらくこれが理由でしょう。無料の情報よりも有料の情報のほうが、信頼できると考えられているのです。

また消費者の70%以上は、動物実験、労働条件、製品の調達などに関連するポリシーを企業が提示し、透明性を高めることを望んでいます。さらに消費者の63%は、信念やストーリーに共感できる企業から商品を購入する傾向があります。

企業やブランドの信頼性、透明性をPRすることは、商品の売り上げを伸ばすことにも繋がりうるのです。

おわりに

PRは、新しいプラットフォーム、新しいチャネル、新しいデバイスとともに進化します。絶えず変化する環境に適応して、最新のトレンドを把握しながら動きて、優れたPRを実現しましょう。

(原文:Sarah Clark 翻訳:Nakajima Asuka 編集:Sato Mizuki)

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