「専門スキルを伸ばす VS 幅広い領域に挑戦する」フリーランスの生存戦略討論
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今回は、優れたSEOの知見を持つ6名へのインタビューを敢行。2020年のSEO戦略の方向性を探ってみました。
目次
ローズ:最近のGoogleは、ブランドをランク付けに考慮するようになってきました。SEOを成功させるには、SEOに限らずより広範なブランディング、コンテンツマーケティングが必要になったのです。
ローズ:昨今、テレビや一般的な広告ではなく、デジタルマーケティングに予算を使うケースが増えている様子がうかがえます。その結果、多くのブランドは認知度を高めるために、検索ランキングの向上に腐心するようになりました。しかし有料広告やローカル検索、画像などがSERP(検索結果画面)のほぼ半分を占めているため、オーガニック検索のSEOだけでは不十分です。
ローズ:いくらコンテンツの質が高く、Webサイトが検索に最適化されていても、有名ブランドがランキングの下位で、無名ブランドがランキングの上位を占めていたら、あなたは無名のブランドの商品を使おうと思いますか? たとえコンテンツの質がGoogleに信頼される条件を満たしていても、顧客の信頼を得られるかどうかは別の問題です。
ローズ:購入の意思決定には、「ユーザーがブランドを知っているか、信頼しているか」といった要素が影響します。しかしテレビや広告などの予算が減っているいま、どうすればブランドはユーザーからの信頼を得られるのでしょうか。
ローズ:その答えが、「クリエイティブなコンテンツマーケティング」と「デジタルPR」です! たとえばソーシャルチャネルで人気のある企業や、YouTubeで話題になっている企業などには、Googleでの認知度に関係なく信頼がうまれます。
ローズ:ユーザーの投稿(UGC)や、ブログなどに頼ってリンクビルディングを行うだけでは、検索から売り上げを伸ばすことはもはやできません。エンゲージメントを向上させるには、ユーザーが本当に求めるコンテンツ、ストーリー、エンターテイメントなどの提供が重要です。これによりブランドの認知度が高まり、最終的にSEOを介してコンバージョンを促進できるはずです。
ローズ:Googleでどれだけ検索上位にのぼりつめ、ランキングで有名企業と並んだとしても、ブランドの名前を聞いたことがなければ、ユーザーは有名企業を選ぶでしょう。いかにブランド力を向上させるかが、SEOにおいて大事な要素となってきます。
アキンリンマデ:グローバルなオンラインマーケティング戦略で必要なのは、Webページの翻訳だけだと考えている企業もあるようです。しかしグローバルにWebサイトを対応させるためには、各国のさまざまな文化圏の人びとに適した対応方法を考えましょう。
アキンリンマデ:専門家によるさまざまな分析により、現在の検索エンジンは「ローカルコンテンツの検索」がトレンドであることがわかっています。世界中の人びとが、自分の身近にある情報や製品を探しているのです。
アキンリンマデ:たとえばあなたがオーストラリア出身で、ぶどうを販売しているとしましょう。ドイツ、オランダ、中国、カナダの輸入業者をターゲットにしたグローバルSEOを考えるとすると、コンテンツのキーワードである「ぶどう」を各国/各文化圏ごとに最適化する必要があります。たとえばカナダには英語圏とフランス語圏があるため、英語の「grapes」だけでなく、フランス語の「grain de raisin」でも最適化すべきでしょう。中国では『葡萄』、オランダは『druif』、ドイツでは『Traube』がぶどうを指します。
アキンリンマデ:質の高いコンテンツは、多言語SEO戦略においても重要です。Webページが誤って翻訳されていたり、通貨や日付の表記が誤っていたりすると、UXに悪影響を及ぼし、読者の直帰率が高くなってしまいます。
アキンリンマデ:80%の労力はGoogleに焦点をあてても良いですが、ロシアで人気の『Yandex』や、中国の『Baidu』などの検索エンジンへの対応も視野に入れましょう。そのためには、各検索エンジンのアルゴリズムに関する知識が欠かせません。たとえばGoogleは、異なる言語のバージョンには異なるURLを使うことを好みます。AIに優しいhreflang(他言語圏の検索結果に表示するURLをGoogleに指定できるタグ)などの構造化データマークアップもおすすめです。
ジャナウェイ:2020年には、音声検索の利用がさらに拡大するでしょう。音声検索は2019年の時点ですでに人気がありますが、メディアのプランニングなどを手がける企業のComscoreは、2020年の全検索の半分を音声検索が占めると予測しています。音声検索の拡大はマーケティングにさまざまな影響を与えますが、とくに注目の点が2つあります。
ジャナウェイ:Googleの新しい広告形式「ギャラリー広告(Gallery Ads)」は、SERPs(検索結果画面)のファーストビューで見える領域に配置されるようです。アーリーアダプターは機能が飽和するまでの間、平均以上のクリック率の恩恵を受けられるでしょう。
ジャナウェイ:もうひとつ注目すべきなのが、Googleの新しいNofollow属性である「rel=”sponsored”」「rel=”ugc”」です。悪意のあるリンク構築が見てとれる場合、将来的にランク低下の対象にする可能性がある、というGoogleの意図を示しているように感じられます。
ジャナウェイ:Googleが公式ウェブマスターブログにて使用した、「ランキングの信頼性を別のページに渡す(passing ranking credit to another page)」という表現は興味深いですね。この表現はあまり重要に思えないかもしれませんが、Googleは依然としてリンクを重要な指標としていることがうかがえます。
サンプトン:まったく異なる検索方法である音声検索と文字検索ですが、どちらも引き続き使用されるでしょう。しかし今後は、音声検索のほうがより重要になりそうです。デスクトップ検索がモバイル検索にお株を取られたように、いつ音声が文字に取って代わっても不思議ではありません。
サンプトン:注意すべきなのは「どうすれば音声検索が自然なものになるか」という点です。音声検索の表現は言語から方言まで幅広く、対応するには新しい技術が必要になります。
パークス:音声検索増加の傾向は2020年も継続しますが、これは検索体験そのものやSEOにも影響をあたえると思います。Googleは現在、SERPsへのさまざまなアプローチと、質問に関連する検索結果の表示方法についての調査をおこなっています。そのため個人にとっても組織にとっても、特定のキーワードに対して最適化されているかどうかだけでなく、Googleがコンテンツをどのように解釈しているかを考えることが、ますます重要になるでしょう。
パークス:「Webサイトはユーザーの質問に答えているか?」「Webサイトはユーザーに固有のインサイトを提供しているか?」Goolgeは、SERPsのバラエティーとダイバーシティにますます注力しています。ブランドは、Webサイトの権威に頼るのではなく、個々のコンテンツをより価値のあるものにする必要があるでしょう。
スレード:Googleが過去5年間にオーガニック検索に関しておこなってきたことは、HTTPS、モバイル重視、E-A-T、ダイバーシティまで、すべてUXに関連しています。それでもほとんどの人は、SEOとUXを切り離して考えてしまっているのです。
スレード:Webサイトについてを議論するときにSEOを考慮するのはもちろんですが、テレビ、ビルボード、PR、ソーシャルなど、その他のマーケティングについて話し合うときにもSEOは考慮されるべきです。今後はますますクロスチャネルでのマーケティングが大切になるでしょう。
スレード:私は毎年多くの時間を、ほとんどの人がコアSEOだとは思わないであろう内容に費やしてきました。単なるWebサイトの集客だけでなく、スムーズなエクスペリエンスの実現が、リピーターの獲得につながります。
6名それぞれの視点からSEOを捉えると、さまざまな課題があることが明らかになりました。
ひとくちにSEOといっても、その内容は非常に幅広いことがわかります。
ユーザーのニーズを的確に捉えて、コンテンツを充実させるために、ぜひこれらのアドバイスを参考にしてみてください。
執筆:Carolanne Mangles
翻訳:Nakajima Asuka
編集:はつこ
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