エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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昨今、ネット上では「副業しないとヤバい」「人生詰む」といった意見をよく見かけます。
しかし、フリーランス・副業メディアの編集長として断言すると、副業しないと人生終わり……なんてことはありません。
むしろ、副業との向き合い方を間違えれば、人生に悪影響が出てしまう可能性さえ考えられます。
今回は「副業しないとヤバい」がウソである理由と、副業の価値を最大化する方法を解説します。
まず、どうして「副業しないとヤバい」と言われているのかを確認してみましょう。
昨今の日本は、会社員の収入が上がりにくくなっていることを指摘し、「副業で収入を増やさなければ収入アップは望めない」とよく言われます。
厚生労働省の「民間給与実態統計調査」によれば、2022年の平均給与は458万円。ここ数年は上昇傾向ですが、2002年と比較すると当時も448万円で、20年間で大きな上昇がないことも事実です。
また、諸外国と比べて日本の平均給与は上り幅が鈍く、インフレも加味すると「実質給与が下がっている」ことは否めないでしょう。
とはいえ、後述するように副業以外でも収入アップの選択肢は考えられ、副業が必須であるとは考えていません。
給与が上がらない状況では、生活費に対して収入が不足し、「会社だけに頼る」状況が危険だという意見も見かけます。
転職サービス『doda』の調査によれば、副業月収の平均は51,218円。お小遣い程度の額にはなりますが、たしかに多少の生活の足しにはなるかもしれません。
ただし、月10万以上稼ぐ副業ワーカーは15.9%なのに対し、1万円未満は29.1%もいます。副業をすれば十分な収入源を確保できるとは限りません。
従来の日本を象徴する「終身雇用制」の維持が難しくなり、労働者が不安定な立場に置かれることも理由として挙げられます。
厚生労働省が発表する「我が国の構造問題・雇用慣行等について」という資料では、たしかに若くして入社した会社にそのまま勤め続ける人の割合は長期的に低下傾向にあることが示されています。
しかし、終身雇用の崩壊は、逆に言えば「転職市場が活性化している」とも言えます。転職に活路を見出すのも選択肢です。
少ない収入に加え、年金制度も崩壊しつつあるとよく指摘されます。この点から、副業収入を老後資金にあてる必要があるという声もあります。
たしかに、金融庁の試算をきっかけとする「老後2000万円問題」などに象徴されるように、年金制度の維持は見通しが厳しいのも事実です。
一方、厳しい言い方をすれば「副業収入を老後資金にまわした程度で、老後に十分な生活ができるか」は疑問です。額によっては「焼け石に水」となってしまう可能性もあります。
それなら、転職や独立で大幅な収入アップを狙ったほうが近道でしょう。
本業で高度なスキルを磨けない場合「副業を通じてスキルアップをしないと人材としての価値が下がる」という意見もあります。
もちろん、高度なスキルを持っているに越したことはありませんが、じつは副業をすればスキルを磨けるとは限りません。
後述するように副業への取り組み次第になりますし、副業以外でもスキルアップの方法はあります。
逆に、副業の存在で本業がおろそかになり、本業にあるはずだったスキルアップの機会を失ってしまうことさえ考えられます。
上記で見てきた理由をまとめると「副業しないと収入やスキルがヤバいから」副業しなければならない、となります。
しかし、副業は取り組み方によっては、収入・スキルアップに「逆効果」となりかねません。そのため、副業は必須ではないのです。
以下では、副業が逆効果になるケースを詳しく解説します。
これは、じつは副業を行う上での最大の「ワナ」といえます。
先ほど見たように、副業を行う大きな動機は「お金」です。しかし、すぐ稼げる副業ばかりやっていると、長期的に見ればお金を損してしまう可能性もあります。
そもそも「すぐ稼げる副業」は多くないですが、ある場合も以下のような特徴があるケースが多いです。
そのため、一時的にはサクッと稼げても長期的には稼げず、お手軽ゆえに大したスキルアップにもつながらないかもしれません。
また、すぐ稼げる副業の誘いは、詐欺や悪徳商材の類であることも多いです。お金を取られてしまっては本末転倒なので、十分注意しましょう。
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副業という響きはライトに聞こえますが、実態は「業務委託」というケースも多いです。
業務委託は「その道のプロフェッショナルに案件を依頼する」という性質があるため、良い案件はすでに高度なスキルを保有している人に依頼されてしまい、これからスキルアップしていきたい人は案件を獲得しにくいです。
つまり、副業を通じて新しいスキルを伸ばすのは、意外とハードルが高いのです。
逆に、すぐお金を稼ぐことは意識せず「語学習得」「スクール受講」「ボランティア」などを行ってスキルや人生経験を積むほうが、最終的な収入増につながるかもしれません。
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副業に時間やリソースを割きすぎて、セルフブラックになるのは避けたいところです。本業の仕事に集中できなくなったり、体調を崩したりする可能性もあります。
結果、本業で得られるはずだった昇進、昇給などのチャンスを逃したり、治療費や療養費がかえって高くついたりして、お金を損することもあるでしょう。
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一方、本業で手を抜いて副業に集中するのも、それはそれで問題です。
手を抜いても、本業では1日の大半の時間を使わなくてはなりません。その時間を収入アップのための取り組みやスキルアップに活用できないのはもったいないです。
副業での収入・スキルアップばかり考える前に「本業の業務を通じて得られるスキルはないか」「会社で頑張って昇進、昇給する選択肢はないか」を検討してみてください。
副業以外で、副業の大きな動機である「収入・スキルアップ」を実現する方法を考えてみます。
先ほども触れたように、本業でスキル、収入アップを実現できるなら無駄がありません。
仕事に熱意を持って取り組んでみるのはもちろん、社内のリソースなどを使ったチャレンジやスキルアップができないかしっかり検討してみてください。
もし、いまの仕事で先が見えないのであれば、役職/職務の変更や部署移動、転勤などを願い出てみるのも選択肢です。
新しい環境で、思わぬチャンスに巡り合えるかもしれません。
上記を試してみて「やっぱりこの会社では厳しい!」と思った場合、個人的には副業より先に転職を検討してみてほしいところです。
先ほども触れたように「終身雇用が崩壊している」ということは、「転職がしやすくなっている」ということでもあります。
本業でしっかり成果を残し、スキルを積めていれば、転職で大幅な年収アップや成長できる会社への所属を実現できるかもしれません。
職種レベルで見直したい場合も、短期的な収入アップは諦め、長期的な視野で未経験転職するのは有効です。
副業でひとりスキルアップするより、会社のリソースや福利厚生を活用してスキルアップし、実戦経験を積んだほうが効率的な場合もあります。
すでに十分なスキルがある場合、収入アップだけを意識するならフリーランスとして独立してしまうのが手っ取り早いです。
職種を問わず、ハイスキルなフリーランスなら同じ業務をしていても会社員時代より収入がアップするケースは多く、努力次第で収入が青天井なのもメリット。
もちろん、収入に波が発生したり、営業や税務などあらゆる雑務をこなす必要があったり、老後を含む社会保障制度が脆弱になったりするリスクはありますが、収入をガッツリ上げられればカバー可能です。
時給1,500円~10,000円の案件のみを掲載する『Workship』のように、ハイスキル層向けの高単価案件が充実しているマッチングサービスで、自分でもこなせそうな案件の相場を確認してみてください。
ここまで、副業反対派のような文章を書いてきましたが、じつは副業に関しては「賛成派」です。
実際、私自身も副業はやっていますし、できる範囲で副業はやっていくべきだと思っています。
しかし「何でもいいからとりあえず副業をやらないとヤバい!」なんてことはなく、副業をするべきかはその人の境遇や状況、副業に求めるもので変わります。
最後に、副業の価値を最大化するための「望ましい副業との向き合い方」をまとめてみます。
副業をする目的に「お金」があることを否定はしません。しかし、先ほども触れたように、お金だけのために貴重な自由時間を使うのはもったいないです。
せっかく副業をするなら、お金「以外」にも何かを得られる副業をするべきです。たとえば、副業で得られるものには以下が考えられます。
また、将来独立を考えているなら、独立時の予行演習も可能です。フリーランスは副業の拡大版なので、副業で事業を十分に回せれば、独立後も違和感なく仕事ができるでしょう。
私の例で言えば、副業ではお金の専門家・ファイナンシャルプランナー(FP)として活動しています。
この活動では普段とは逆の「記事を書かれる側(取材される側)」の経験ができて面白いですし、万が一将来フリーランスになる際も、FPの実務経験をアピールできるようになりました。
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会社員としての収入は十分ではないかもしれませんが、副業収入がないと生きていけない人ばかりとも限りません。
実際、お金に満足している人が副業をするケースもあり、そういう方からは「やっていて楽しく、充実しているか」を重視していると聞きます。
最近は副業を本業と両立させる「複業」という考え方もありますが、副業はあくまで「サブの仕事」と割り切り、副業を趣味のように楽しめると生活の質はグッと向上するでしょう。
せっかく本業があるなら、副業で得た学びを本業へ持ち帰り、本業で得た学びを副業で活かせるのがベストです。
もちろん会社のリソースを私的に使うのはNGですが、会社側としても社員が副業を通じて成長してくれることを期待しています。
副業での収入増や成長が本業のそれにつながれば、収入やスキルアップを効率よく達成できるはずです。
職種は全然違っても構いませんが、頭の片隅で本業との関連性を踏まえた副業選びができるといいでしょう。
副業は絶対にやらなければいけないものではありません。しかし、取り組み方によっては収入やスキルアップだけでなく、貴重な人生の経験を得られるでしょう。
副業の価値を最大化したい方は、フリーランス・副業向け案件プラットフォーム『Workship』の利用がおすすめです。
公開案件の80%以上がリモートOKと働く場所を選ばず、エンジニア、デザイナー、マーケター、ディレクター、編集者、ライター、セールス、人事広報など、さまざまな職種の案件が紹介されています。
自分が楽しめ、本業とシナジーを発揮できる副業を探しやすいプラットフォームなので、皆さんもぜひ利用してみてください。
(執筆:齊藤颯人 編集:Workship MAGAZINE編集部)