Workship MAGAZINE書籍化第3弾!#ADHDフリーランス の新常識 他
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こんにちは。フリーライターの少年Bです。
「セルフブラック」という言葉を聞いたことはありませんか? フリーランスは働けば働くほど対価がもらえる労働形態です。なので、ついつい働きすぎてしまい、自分で自分を追い込んでしまうことがあるんですよね。
そこで今回は「セルフブラックに陥らない方法」について書いていこうと思います。
セルフブラックとは、おもに個人事業主やフリーランス、経営者などが陥る過重労働・長時間労働のことです。自分で自分を追い込んでしまうさまをブラック企業に例えた言葉ですね。
いわゆるブラック企業での長時間労働とは違い、自分自身に仕事の裁量がある状態にもかかわらず、自ら長時間労働をしてしまうのが特徴です。
セルフブラックという言葉の定義はありませんが、一般的には朝から晩まで仕事漬けになってしまう状態や、労働時間の割に収入が少ない状態などが挙げられます。不安定な収入からの脱却や、さらなる収入増を目指した結果として陥ってしまうケースが多く、フリーランスや経営者の自己管理の難しさを表す言葉でもあります。
じつはかつて、わたし自身もセルフブラックに陥っていた時期がありました。今から3年前、ライターとして少しずつ仕事が軌道に乗りかけていた時のことです。当時はインタビューや体験レポートを中心とした記名記事を月に15本程度受けていました。
仕事があるのはありがたいこと。それまでのわたしは月商が5万〜10万円で、ほぼほぼ貯金を切り崩す生活をしていたんですよね。月収ではなく、経費も含めた月商です。どう考えても生活できないような金額しか稼げていなかったんです。
そこでわたしは単純に「仕事を増やそう」と思いました。それ以外に問題解決を図る方法を知らなかったからです。そして、がんばって営業をした結果、仕事量が大幅に増えました。やったー!
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ところが、仕事が多すぎたんですよね。しかも、仕事の大多数を占めるのは取材記事。当時はリモート取材が一般的じゃなかったので、必然的に都内まで出向くことになります。しかし、わたしは当時、新宿駅まで片道1時間半かかる場所に住んでおり、取材先への往復だけで3時間以上。場所によっては4時間以上かかりました。
取材にかかる時間は短くても1件あたり2時間。AIの書き起こしツールも一般的ではなかったので、自分の手で6時間〜7時間かけてインタビュー音源を書き起こしていました。そうすると、それだけで最低でも11時間。まだ1文字も記事を書いていないのに、です。体験レポートに至っては、取材だけで1日まるまる潰れるなんてこともよくありました。
そうして、やっきになって仕事を増やした結果、休日がなくなり、朝も晩も仕事をする羽目になってしまいました。
わたしはTwitterに張り付いていたので、あまりそんな印象はなかったかもしれませんが、「仕事の合間にTwitterを見る」以外の息抜きがほぼなかったのが正直なところです。当時は「いつ見てもTwitterにいる」「Bさんいつ寝てるんですか」なんて言われてましたが、じつはその裏でそれだけ働いていたんですよね……。
しかも、まだ駆け出しだったので、単価は現在の半分以下。これだけがんばって働いても、月商が20万円に届かなかったんですよね。これ、完全にセルフブラックじゃないですか。
では、セルフブラックに陥っている最中の人は、どんな考え方をしているのでしょうか。
わたしがセルフブラックでもがんばれた理由はただひとつ。幸か不幸か、「前職がそれ以上にブラックだったから」です。
前職では週6日勤務で、休日出勤もそこそこあり、朝は8時前から出勤し、夜は早くて19時半、場合によっては日をまたぐ……という状況でした。毎月の残業時間が100時間オーバーは当たり前、場合によっては150時間近い生活で「過労死ラインはスタートライン」なんて冗談にならない冗談を言っていました。それ、マジで笑えないよ。
あとはライターという仕事に楽しさややりがいも感じていたので、そんな前職での生活に比べれば、休みはなくともまだ全っ然マシな生活だったんですよね。どう考えても働きすぎて感覚がマヒしてるんですけど。
あとは実績になる記名記事が多かったので、「このままキャリアを積めばこの生活から脱却できるかも……!」という希望もありました。実績ができるのが先か、自分の身体が悲鳴を上げるのが先か、といったレベルの細い希望ではありましたが。
それだけ困窮した状況なら、どう考えても仕事を減らしてアルバイトでもしたほうがよっぽど生活は安定するでしょうに、当時の自分はくだらない見栄というか、プライドがありました。「もう少しで専業ライターとして食っていけるようになるところまで来た!」と思っていたので、キツい状況でもどんどん仕事を求めていたんですよね。
目の前にちらつく「成功」というチャンス。それを手に入れるために、わたしはどんどん自分をキツい状況に追い詰めていました。
そんな生活は、1年弱であっけなく終わりを迎えます。コロナ禍です。
県をまたいだ移動が制限された結果、取材記事は激減。わたしの仕事は一気に吹き飛び、ほぼニートのような生活を送ることとなります。セルフブラック生活はある意味、強制的に解除されたのでした。
セルフブラックに陥っていた時は「ライターとして、得意な取材記事を書かなくては」と思い込み、それ以外の仕事が目に入っていませんでしたが、仕事がなければ仕方がありません。
新たなチャレンジとして無記名のSEO記事を書いたり、取材なしのこたつ記事を書いたり、執筆以外の仕事を求めて、知人の誘いに乗ってYouTubeでラジオを始めたりしました。残念ながら新たな仕事には繋がりませんでしたが……。
そんな新たな挑戦のひとつに、Workship MAGAZINE編集部での編集業務がありました。編集業は未経験で、不安もありましたが、半ばダメ元で飛び込んでみたんです。結果的に、これがセルフブラックから抜け出すきっかけとなりました。
通常、記事を書き終えて納品しなければ原稿料がいただけないライター業は、月収が月によって違いますし、また取材日程など、自分以外の要素によっても収入が変動する傾向にありました。
ところが、編集部の仕事は準委任契約で、報酬も時給という形でもらえます。わたしの場合は週に3日、8時間ずつ働いているため、月初に最低限の稼働と収入の目処が立ちます。また、ありがたいことに自分のライターとしての実績を勘案して、当時の自分としては破格の時給を用意してくれました。
その結果、今は適度に仕事をしつつ、それなりの月収を得ることができるようになりました。仕事が詰まっている時は忙しいことも多々ありますが、少なくとも「働けど働けどなお我が暮らし楽にならざり……」という状況は脱することができました。
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わたしはずっとフリーライターとして「請負契約」で働いてきたのですが、「準委任契約」という働き方をすることでセルフブラックを脱することができました。週3日・8時間勤務という働き方なので、自分では「週3会社員みたいなもんです」と言っているんですが、会社員に近い働き方をすると生活が安定するの、なんか不思議ですね。
もちろん、請負契約が悪いわけではありません。よくも悪くも安定している準委任契約に比べて、業種や単価によっては大きく稼ぐチャンスがあります。ただ、もしも今セルフブラックに陥っていて、そこから抜け出したいと強く願っているなら、準委任契約の仕事を検討してみるといいかもしれません。
請負契約と準委任契約については、こちらの記事も参考にしてみてください。
そうそう、Workship MAGAZINEの母体である「Workship」には準委任契約の仕事がたくさんあり、時給も1,500円〜10,000円と高単価な案件のみ掲載しているので、こちらを利用してみるのもひとつの手かもしれません。この記事を読んでいるあなたがセルフブラックに陥らないことを願っています!
(執筆:少年B 編集:齊藤颯人 イラスト:じきるう)
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