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業務委託契約書で収入印紙が必要なのか不要なのか迷ったことはありませんか?
結論から言えば、業務委託契約書は「収入印紙が必要なケース」と「そうでないケース」があります。違いが非常にわかりづらいのも特徴で、正確に理解できないと「意図せず脱税してしまった……」なんてことになる可能性も。
今回は、業務委託契約書に収入印紙が必要なケースを解説します。
目次
法律業務など特殊な案件を除く業務委託契約書の場合、契約内容は大きく分けて「請負契約」「準委任契約」のどちらかに該当します。この契約が「請負契約」だと収入印紙が必要で、「準委任契約」だと収入印紙が不要です。
請負契約と準委任契約の大きな違いは「結果に責任を負うかどうか」です。
わかりやすく説明しましょう。たとえば、あなたがとあるアプリの開発を依頼された場合、請負契約を結ぶと「アプリを完成させ、納品すること」が契約内容になります。一方、準委任契約では「アプリの開発を行うこと」が契約内容です。
つまり、請負契約の場合は「アプリを完成させる」義務があるものの、準委任契約の場合は「アプリ開発を行う」義務しかないため、アプリが完成しなくても契約違反にはならず、報酬を受け取れます。
こうした特徴があるため、請負契約は「アプリの開発」「Webデザイン」「記事執筆」など「単発」の案件に適用されることが多く、準委任契約は「インフラの保守・運用」「社内デザインチームへの所属」「メディア運営」といった「継続的な」案件に適用されやすいです。
ただし、一見すると請負契約っぽい業務内容でも、よく契約書を読むと準委任契約だった……なんてことも起こりえますので、契約書の中身はよく確認しましょう。
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収入印紙が必要なのは、業務委託契約のうち「請負契約」にあたる契約であることが分かりました。しかし、請負契約の際に使用する契約書にも種類があり、種類ごとに金額などが異なります。
ここでは、業務委託契約に収入印紙が必要なケースを細かく見ていきます。
業務委託契約書の内容が請負契約の場合、原則その契約書は専門用語で「2号文書」と呼ばれるものになります。2号文書には、契約書に記載されている契約金額に応じた収入印紙、つまり印紙代が必要です。
ただし、契約金額が1万円未満の場合は非課税文書に該当し、収入印紙は不要です。
また、契約後に契約内容を変更する際も、請負の内容や期限、金額といった「重要事項」を変更する場合、再度収入印紙が必要になります。
契約金額ごとの印紙代は、以下の通りです。
契約金額 | 必要な収入印紙 |
---|---|
100万円以下 | 200円 |
100万円超~200万円 | 400円 |
200万円超~300万円 | 1,000円 |
300万円超~500万円 | 2,000円 |
500万円超~1,000万円 | 1万円 |
1,000万円超~5,000万円 | 2万円 |
5,000万円超~1億円 | 6万円 |
1億円超~5億円 | 10万円 |
5億円超~10億円 | 20万円 |
10億円~50億円 | 40万円 |
50億円超 | 60万円 |
契約金額の記載のない契約書 | 200円 |
業務委託契約書の内容が請負契約で、かつ3ヶ月以上の継続的取引がある場合「7号文書」に該当するため、4,000円の収入印紙が必要です。
ただ、7号印紙となる条件は下記5つの要件をすべて満たしている場合のため、1つでも満たしていない要件がある場合は、7号文書にはなりません。
業務委託契約の収入印紙に関しては、かなり複雑なルールがあることもご理解いただけたと思います。
以下では、上記のほかに業務委託契約書の収入印紙に関して知っておきたいポイントをまとめました。
ここまで、やれ2号文書だ、7号文書だと難しい説明をしてきました。しかし、業務委託契約を電子契約で結ぶ場合、何号文書だろうと収入印紙は一切不要です。つまり、印紙代がかからないということになります。
単純に印紙代を節約できるのはもちろん、いちいち収入印紙を買う手間も省けるので、電子契約が圧倒的におすすめです。
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契約時、よく「この契約書は2部作成し、甲と乙がそれぞれ1部ずつ保管する」というような一文を見かけるかもしれません。このように契約書を2部作成する場合、ここでいう甲と乙、つまり契約者同士がそれぞれ1枚ずつ収入印紙を貼り付けるのが原則です。
誤解のないように言っておくと、「収入印紙を貼らなかったから契約が無効になる!」というわけではありません。ただし、収入印紙とは何なのかというと、一種の「印紙税」です。つまり、必要な収入印紙を貼らなかった場合、厳密に言えば「脱税」ということになります。
もし税務調査などの際に収入印紙が貼られていないことが発覚した場合、本来必要な収入印紙の金額の3倍を過怠税として徴収されます。ただ、税務調査を受ける前に自主申告した場合は、本来必要な収入印紙の金額の1.1倍の過怠税で済みます。
今なお「契約書は紙で」という文化は根強いため、収入印紙が必要になる場面はあるでしょう。そんなときは、面倒がらずに収入印紙を貼ることをおすすめします。
収入印紙に関しては、契約内容などによって必要性が変わるなど、非常に複雑な部分もあります。もし収入印紙が必要な取引か迷った場合は、税理士や税務署に確認してみることをおすすめします。
特に、国税庁の「国税局電話センター」なら費用をかけずに相談可能です。判断に迷った際は利用してみてもいいでしょう。
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