あなたは顧客フィードバックを活かせてる?収集→分析→活用までの効果的な6ステップ

Feedback
BUSINESS

プロジェクトマネージャーとしてサービスを運営をしていくときに必ず必要になるのが、顧客データです。

最近ではIoTやGoogleが提供する便利な分析ツールなどにより、簡単にデータを収集できるようになりました。しかし顧客の行動パターンなどから分析することとは別に、サービス改善のためにはもうひとつ大切なことがあります。それは、顧客からのフィードバックを直接受けること。

フィードバックは、顧客がどのようにサービスを利用しているのか、なぜ利用しないのかを知るための貴重なリソースです。Qualaroo and GrowthHackersの創設者ショーン・エリス氏は、「顧客のフィードバックという定性的なデータを活用することで、コンバージョンが300%増えた」とポッドキャストで語っています。

この記事では、顧客フィードバックの効果的な収集→分析→活用する方法を、6つのステップに分けてみていきましょう。

顧客フィードバック収集→分析→活用までの効果的な6ステップ

ステップ1. 適切なタイミングで収集する

顧客から質の高いフィードバックを得るためには、まず収集のタイミングを知ることが重要です。タイミングによって回答が変わることもあるため、タイミングは慎重に決める必要があります。

例えば新規ユーザーからデータを取得する場合は、登録のプロセスの中に簡単なアンケートを組み込むのが有効です。音楽ストリーミングサービスだったら、「どのような音楽に興味がありますか? 複数選択してください」などのアンケートが考えられます。ユーザーからは登録に必要な情報だと認識されてるため、あまり負担を増やすことなくアンケートに回答してもらえます。

またユーザーの退会時も、フィードバックを得る貴重なタイミングです。ユーザーはどのような理由で離脱していくのか、何に興味が持てなかったのか、改善すべきポイントが見えてくるでしょう。登録しただけで実際にはサービスをほとんど利用していないユーザーに関しては、最初はサービスに興味を持っていたはずなのになぜ離脱してしまったのか、理由を知りたいですよね。

メルマガ発行サービス『Mailchimp』では、ユーザーの退会時に複数回答可能な選択肢と、ユーザーが自由に入力できるフォームを設けています。画像下の入力フォームはあくまで任意入力なので、面倒なこともありません。

ユーザー退会時のアンケート

ステップ2. 顧客フィードバックを分析する

次に分析です。プロジェクトマネージャーが知っておくべきことは、多様なユーザーのフィードバックから実用的な洞察を得る方法です。

毎日サービスを利用しているユーザーもいれば、時々チェックするだけのユーザーもいます。また大量の課金をしてプランをアップグレードしている人もいれば、無料プランで十分という人もいるかもしれません。

もしユーザーを大枠で捉えてマスマーケティングをするのであれば、ネットプロモータースコア(NPS)というツールがおすすめ。すべての結果の平均値から、顧客満足度を測れます。

ネットプロモータースコア(NPS)

しかしNPSはあくまで平均の結果なので、細かいことまでは分析できません。ここで導入してほしいのが、顧客のセグメンテーションです。

ステップ3. 顧客をセグメンテーションする

セグメンテーションとは、顧客の属性やニーズから共通点を見つけて分類し、小さな顧客グループ(セグメント)をつくることです。

例えば以下のようなセグメントが考えられます。

50代男性。部長〜会社役員レベル。FacebookとNewsPicksをよく利用している。自社製品をもっと広めたいが、Webマーケティングについてはさっぱりなので知りたいと思っている。

セグメントしたあとに改めてフィードバックをみると、グループごとのニーズがわかります。

例えば次のような属性に基づいて、ユーザーを特定のセグメントに分類してみると良いかもしれません。

  • プレミアムプランの新規ユーザー
  • サービスのプラットフォームに友人から招待されたユーザー
  • 週に3〜5回アプリを使用するユーザー

ステップ4. フィードバックから得られたことを実装する

フィードバックの収集・分析が終わったら、次は実装段階に移りましょう。

分析から仮説を立てて検証し、効率よくフィードバックを活用することが大切です。実装が不十分だと、せっかく得られた貴重なフィードバックがムダになり、時間もリソースも使ってしまいます。

フィードバックを収集する真の価値は、顧客の声と実際のアウトプットをリンクさせることです。

ステップ5. 特定の顧客の声を「聞きすぎない」

ここまで、ユーザーの声は大切だという話をしてきました。しかし一部の顧客の意見や声の大きい顧客のフィードバックばかり聞いていると、サービスを改善するどころか「これがユーザーの望んでいるものなんだ」と偏った設計になってしまいがちです。ユーザーが望むものを実装することが、いつも正しいとは限りません。

英語では「The squeaky wheel gets the grease(きしむ車輪には油を差される=自己主張をすれば、きちんと見返りが得られる)」ということわざがありますが、サービス開発の際のフィードバックは「きしむ音」からだけではなく、より多くの幅広い人からもらうようにしましょう。

ソフトフェア企業のAtlasianは、顧客からのフィードバックを問題別にソートし、先述したNPSで満足度を計測しています。カテゴリに分けたり、寄せられたコメントを分析することで、顧客が何を考えてフィードバックを送ってきているのかわかるようになります。

顧客のフィードバック収集のバランスを取る

ステップ6. フィードバックを受けたことを顧客にも周知する

ユーザーからフィードバックを受けたら、しっかりと意見が運営者に届いていること、そして具体的な解決策に取り組んでいることを知らせましょう。

自分の意見が「見られている」「考慮されている」とユーザーに認知してもらうことが、顧客との信頼を築く一歩となります。

顧客対応の事例として、Eコマースのアプリ『Rent the Runway』が、あるユーザーに送ったメールがあります。

ユーザー対応の好例

ユーザーにアプローチする別の方法として、サービスが伝えるメッセージそのものをパーソナライズすることも考えられます。メルマガ登録のメーリングリスト全体に向けて定期的にメールを送る代わりに、特定のセグメントを対象にメッセージを送り、他のセグメントには他のメッセージを送るという手法です。

まとめ

データを活用することは、顧客と会社の両方にメリットがあります。機械的にデータを収集しようとするのではなく、実際にユーザーの声を汲み取り改善に活かそうとする企業は、その姿勢がユーザーに伝わり大いに評価されるでしょう。

フィードバックを収集するとき、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

(原文:Margaret Kelsey 翻訳:Klara)

 

こちらもおすすめ!▼

SHARE

  • 広告主募集
  • ライター・編集者募集
  • WorkshipSPACE
週2日20万円以上のお仕事多数
Workship